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11話

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「何をそんなにむくれている」

「…………ぶくぶく」

グレンと俺は湯船に浸かっていた。
散々な目に遭った後、そのまま流れで一緒に入る事になってしまったのだ。
グレンには俺が怒っている理由を聞かれるけれど、言語化が難しい。
見せ物のようにさせられたのも怒る理由の一つではあるが、嫌だといったのに無理矢理イかされ、しかもそれで変な癖が付いたりしたらどうしてくれるのか。

「ふむ」

魔術を使われているのか、徐々にグレンに身体全体が吸い寄せられていく、水中では身動きが取れず、すんなりグレンに捕まってしまった。

「……なに」

グレンはそのまま俺を抱きしめる。
お風呂の温度とは違う体温を背中に感じる。
お湯の中で身体が動くたびにお互いの肌が擦れ合い、かなり密着しているという事を思い知らされる。

「ちょ…グレン…なんなの」

困惑していると、彼の口が首に触れる。
そのままくすぐったい刺激が首筋を伝っていき、すこし甘い声が漏れてしまう。
グレンの予想外な行動に身体が全体が強張るが、身体がそうなるほど触られた時に敏感に感じてしまう。

「なんで…ぁっ……んっ…ぐ、グレン?」

振り返ると、彼はふざけている顔ではなく、そのまま唇を奪われる。
何故?
グレンにキスをされるのは嫌ではないが、理由なくするのは初めてであり理解が追いつかない。
しかし心地が良いのは事実であり、頭がぼーっとして拒むことができない。

「ほぁ……?」

「…アルク、魔力は送っていないから安心しろ」

確かにそう言われるとこのキスは前回のものとは違い、少し生々しい。
魔力の甘くて、虜になるような誘惑は感じない。
グレンそのものを口の中で感じている。
しかし逆にこれはしてはいけない事なのではないだろうか?
何やら危険を感じ、我に帰る。

「グレン!ちょっと待ってよ…これじゃあ…こ、恋人がするやつだよ」

「うん?私とお前はそうではないが?」

「いや、だからダメなんだって!」

「ふむ、帰ったらより恋人スカーレットを愛してやれば良いだろう、お前次第で休暇も与えてやるぞ?」

「え…?」

スカーレットに会える…?
あんなに大変な事があったのに、そんなに簡単に再会できるのか。
確かに俺はグレンの所有物ではあるが、完全に不自由ではない。
屋敷の中では特に厳格なルールはないし、きっと外にだって出られるのだ。
そう考えると俺は今まで特に何も彼に返していない。むしろ迷惑をかけていないか?
本来なら俺の立場としてはもっと奉仕すべきなのだ。
今、彼に金を返せと言われても何も文句は言えない。

「…………本当?」

なんとも言えぬ焦燥感のような物を感じ
ともかく今グレンに求められている事だけを考えてみる。
そのまま彼と向かい合うと、あの時の続きのようなキスをする。
ここだと舌が絡み合う音や、唇が離れる度に音が反響し、中々恥ずかしい。
お風呂の温度と、濃厚なキスで身体が茹で上がったように赤くなってしまう。

「ぷぁ……」

少し眩暈がしてグレンに身を委ねてしまう。
すると、俺の下腹部に何か硬いモノが当たっているようだ。

「……あれ?」

思わず目を向けてみると、彼の陰部が大きく反り立っていて、俺のソレを押し潰してしまうようだった。

「どうした?」

「いや、その……グレン……アレが…あぁ…」

「ふっ、お前のいやらしいキスがそうさせているようだな」

「い、いやらしいって…」

なんとか取り繕おうとするが、こうなってしまった時は、どうすればいいのだろう。
俺は男だからコレを身体で受け入れる事はできない。
かといって触ってもいいのだろうか。
黙って考えていると。それがグレンに伝わってしまったようだ。

「どうすればいいかわからんようだなアルク、コレで交わえるようお前の身体を少し改変するか?」

「うぇ!?︎ちょ、ちょっと待った!!︎」

俺は慌ててグレンを引き留めると、とりあえず手で摩ってみる。そして両手で包み込むようにして上下に動かしてみた。
これで治まってくれればいいのだが……。
しかし、彼は一向に収まる気配がなく、寧ろどんどん硬くなってきているようでさえある。

「……アルク、焦ったいぞ、それでは」

「え、でも……」

そういって、グレンは立ち上がると俺の眼前へとソレを突き出してきた。
とても大きい、これじゃあ俺のなんか子供同然だ。
しかし凶悪なソレはあまりにも自分のと違うせいか、むしろ別の何かのように感じられあまり抵抗感がない。
俺は覚悟を決めると、恐る恐る口に含んでみる。たしか、聞くところによるとこのような愛撫の仕方もあったはずだ。

「アルク…?」

「……ッ!?︎」

口の中いっぱいに広がる独特な味。
グレンのソレからはうっすら魔力も出ているのか、甘さもある。
俺は味わうように少しずつ口の中で動かす。

「んぅ……っ…んっ」

「……なるほど、口淫か、悪くないぞアルク」

頭上から降ってくる声と温かく頭を撫でてくる手になぜだか妙に嬉しくなってしまう。
もっと褒めて欲しい。
こんな気持ちは初めてだ。
もっとグレンを受け入れなきゃ。
今度は喉の奥まで押し込んでみる。
苦しいけれど、喉の奥に魔力が塗りたくられ、気持ちが良い。
グレンを見ると、今まで見た事がない、恍惚とした表情をしている。
それがまた俺の奉仕心を刺激する。
喉の奥や、舌でグレンの魔力を吸い取るように精一杯愛撫していると、グレンが頭を抑えてくる。

「くっ、出すぞアルク…っ」

「んぐっ!?︎」

ドクンっと大きく脈打つと同時に大量の精液が流れ込んできた。
魔力を多く含んでいるのか、とても熱い。頭がチカチカする。これを全部身体に取り込まなくては、そんな本能が掻き立てられる。

「うっ…アルク、それは魔力の塊だ、ちゃんと吐き出すんだぞ?」

グレンが何か言っている、でもそんな事より口の中の精液が愛おしい。
こんなに美味しいものを吐き出すなんて考えられない。
一滴も逃さないよう丁寧に吸い取りながらグレンのモノから口を離すと、
舌でゆっくり転がしてみる。あぁ、好きだ。

「おい、アルク?」
グレンの声が聞こえ、俺の頬を触っているようだ。
その声に従い吐き出そうとするが、それよりも自分の中の欲望の方が遥かに勝っていた。

「んー……んっ、ちゅる……ごくっ」

俺はゆっくりと喉の奥でも味わうように飲み込んでしまった。
こんな娼婦紛いな行為、初めての経験だったが、不思議なくらい抵抗はなかった。
むしろこの魔力が身体の中に入ってくる事に喜びを感じ、魔力回路を愛おしく撫でる。

「馬鹿、また欠乏症が酷くなるぞ?」

グレンが呆れている。
でもこれでまた魔法が使える。
しかもグレンの知らない顔を見る事ができた。こんなに出してくれたという事は、彼も気持ちが良かった筈だ。
悪いことばかりじゃない。
そう、これは悪い事じゃないんだ…。
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