とっていただく責任などありません

まめきち

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洞窟

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魔物被害に遭った村に到着し、村人に被害の聞き取りを終えると、明日の討伐隊の作戦が発表された。

魔物の危険度はそこまで高くないのだが、
問題は魔物が棲み家としている場所だった。
50年前、悪魔崇拝者達が悪魔を召喚するのに、アジトとしていた洞窟だからだ。悪魔崇拝者達自体はせん滅されているが、
あのアジトはかなり入り組んでおり、数多くの罠や、いつ発動するとも限らない魔法陣が残されていると聞く。

そのため人が入れないよう封鎖されていたのだが、まさか魔物が棲み家にしていたとは。
作戦会議で選抜隊が洞窟内に中に入り、魔物嫌いなお香を焚く事で魔物を外に追い出し、出て来たところを討伐する事が決まった。

当然だ。洞窟内で戦闘になったら、
眠っている罠や魔法陣が発動す危険性が高い。
村人の聞き取りや、事前調査により個体数は5体と報告が上がっている。

私は団長率いる選抜隊の一員として、洞窟内に入ることになった。

魔物は夜行性のため、討伐は昼に行う。
2人1組の3グループの選抜隊が洞窟内に入り、
それぞれ魔物が嫌いな薬草を焚き、風の魔法陣を使って、洞窟内に煙を広げ、魔物が洞窟から出て来た瞬間を外出待機している隊が仕留める作戦だ。

作戦当日。
松明で足元を照らしながら、ペアの団長と洞窟の奥へ入っていく。

足元は魔物の這った後の粘液でぬかるんでおり、足が取られそうになり、何度も転けそうになった。

そんな足元の悪い中、団長は、すたすたと進むのだから、すごい。

団長の後に着いていくのに背一杯で、
目的地に着く頃には、息が上がってしまい、

「すまない。少しスピードを出しすぎたようだ」
と謝られてしまい申し訳なくなった。

息を整え、私が手に持つ松明で薬草を燃やすと、団長が巻物に描かれた魔法陣に魔法薬をかけ、風を起こした。

洞窟の内に独特の匂いが広がる。

そのままじっと待機していると、地面がわずかに震えたかと思った瞬間に、地鳴りがし、洞窟内が揺れ出す。

そして、甲高いギギギという金属音が擦れるような魔物の鳴き声が洞窟内響き渡る。
なんとも耳障りの悪い鳴き声で鳥肌が立った。

巨大な何かが這いずり回る音が聞こえた後、
洞窟の外から副隊長の部隊が魔物と戦う音が聞こえた。

副隊長が手を挙げると、洞窟から出て来た魔物めがけて、矢が飛んでいく。

すると魔物が甲高い鳴き声を上げながらのたうち回る。

すると剣を持った騎士たちが留めを刺すため、奴らの身体の中にある核を貫いていく。

最後の一頭が副団長の一撃ににより、断末魔を上げながら倒れた。

そして、ピーという笛の音が戦闘の終了を告げる。

隊長の顔をうかがうと、隊長の顔が少し柔らかくなった気がした。

団長と共に洞窟の出口付近まで戻って来た時、
洞窟の奥から、甲高い魔物の鳴き声が聞こえた。

団長と素早く顔を見合わせると、
剣を抜いて、急いで洞窟内へ戻る。
すると、一緒に洞窟内入った他の選抜ペアが、魔物と戦闘になっており、1人は足を負傷ており、動けないようだ。

なぜだ、生息が確認された5体を倒したから、笛の音がしたはず。
きっと把握出来ていない個体がいたのだろう。
とにかく今は目の前にいる魔物を倒さなければ。

奴らの口の周りにはぐるりと、岩をも砕く無数の牙が生えていた。
口から涎のような粘液を垂らしながら、仲間の騎士に襲いかろうとしていた。

私が魔物の背後から一撃を入れると、
魔物は、無数の足で地面を蹴り上げ、身体をうねらせなが、私に標的を変えた。

私が魔物を引き付けている隙に、団長が、
魔物の異様に膨らんだ腹を切り裂いた。
すると、怒り狂った魔物が洞窟内の壁を壊しながら、団長へ襲いかかる。

団長の頭上の岩が崩れ落ちると感じた瞬間に、
考えるより先に身体が動いた。
気付いた時には、団長を押し除け、
突進してきた魔物と一緒に洞窟の横穴に落ちていた。
高さがそこまで無かったおかげで助かった。
魔物は落ちて来た岩に押し潰されて死んだようだった。

念の為、留めを刺そうと、足を踏み出す。
しまったと思った瞬間には、地面が光だし魔法陣が浮かび上がっていた。
眠っていた魔法陣が魔物の血から流れる魔力に反応し、発動してしまったようだ。
とにかく身構えみるが、特にこれといって何も起こらなかった。
もしかすると、不完全な魔法陣だったのかもしれない。

すると、上の方から

「ヘイゼル!無事か!?」 

と団長の声に微かな震えが混じり、普段の冷静さが崩れていることが感じられた。

「私は大丈夫です。魔物も落石に押し潰されて、
死んだようです」

と答えると、
団長の表情が和らぎ、胸を撫で下ろす様子が窺えた。

ロープで上へ引き上げてもらうと、
団長に身体に怪我ないか随分心配され、

「部下に庇ってもらうなど、すまない」
と謝られた。

「私も反射で動いただけなので… 
 それにほとんど怪我も無いですし」

と気軽に笑うが、
団長の顔には依然として、険しさが残った。

「ヘイゼルが落ちたところから、何かが一瞬光ったのだが、もしかして魔法陣があったのか?」と聞かれた。

「はい。魔法陣があったようですが、
 不完全なものだったようで、今のところ身体には問題ありません」

そう答えると団長は安心した様な表情を一瞬見せた後、その安堵も束の間、直ぐに厳しい表情が戻った。

「どんな魔法陣か分からない以上、まだ安心出来ない。王都に戻ったら、直ぐに検査をした方がいいだろう」と言われた。

「そうですね。念の為検査受けておきます」

団長は私の答えを聞くと、頷き。
負傷した仲間と共に洞窟の外へ向かった。








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