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ルルレットを探す旅(3)
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(ベリル視点)
ターミル砂漠を超えてザス王国に入った僕は冒険者ギルドに立ち寄った。そこでワームが討伐ランクAの魔物だと知った。ワームはあちこちのオアシスを襲い、数多くの商人や冒険者の命を奪っていたのだ。
一人で倒した事に加え討伐の証拠となる魔石とワームの歯を提出したら、一挙にランクがBランクに上がった。そして大金貨5枚を得たので、当分路銀で悩む事がなくなったのは嬉しい誤算だった。
ターミルクイナの子供チャルは、親のアクゥの走りにも付いてきている。虫や草をむしゃむしゃ食べて日増しに大きくなっているようだ。
僕は新たな相棒たちとルルレットの手掛かりを求めて街や村を訪ね歩いたが、「あの村の赤ん坊がとても早く言葉を喋った」と聞いて行ってみたら、その子はルルレットが転生する前に生まれていたなんていう話はざらで、心が折れそうになる事もあった。いつもそんな時はルルレットが昔刺繍してくれたハンカチを取り出し心を慰めた。
ルルレットが転生してもうすぐ2年だ。もうどこかに転生しただろう。どこにいるんだルルレット…・
ある大きな観光都市に着いた時の事、有名な建築家が建てたというイルローラン神教の教会があったので祈祷に行って、気になっていたチャルが生まれた時に現れた眩しい光について神官に聞いてみた。
「魔物が【神のいとし子】に選ばれる事はありますか?」と質問したところ、神官は「魔物が【神のいとし子】に選ばれるなどありえない!人間しか選ばれること無い!」と激怒された。
【神のいとし子】に選ばれるのは大変名誉な事。魔物が選ばれるなど、とんでもない話なのだそうだ。
魔物が【神のいとし子】に選ばれる事は、教会も把握していない事なのだとわかった。チャルが成鳥になった時に教会で【神授の儀式】を受けさせてもらえないかと思ったが無理そうだ。
それからザス王国も周り終えたので、次のイドマン王国に向かおうとした時だ。
ザス王国からイドマン王国に行く道はかなりの急な山道で、片側は崖になって馬車がすれ違う事もできない難所である。なのでこの日はザス王国から上る人専用、この日はイドマン側から下る人専用と決められていた。
ザス王国からイドマン王国に行く道はここしか無いので、行ける日を待つため麓には安く泊まれる宿や食べ物が買える露店が並ぶ村があった。
その日も隊商や冒険者たちは、登れる日を待ってその村で待機していた。
「大変だ!山が崩れたぞ!道が崩落したようだ!!」
今日は山道を登れると朝から用意して待っていた人に、その悲しい知らせは届いた。
「どういうことだ!俺はここで登れる日を3日も待ってるんだぞ!!」
皆慌てて山道の方へ向かった。すると、上の方から商人や冒険者が大勢下りてきて「ダメだ!この道はもう使えねえ。上から土砂が見渡す限り波のように落ちてきて道が無くなっちまった」と言った。
「そんな…、どうすりゃ良いんだ。俺はイドマンに家があるんだ。家族の所に帰らなきゃならないんだぞ」」
皆が口々に不安や不満を言い始め、その場の収拾がつかなくなった。そこにいる人々が解決策が無い絶望感を感じ始めていた時、「こんな崖に沿った山道じゃなくてトンネルがあればなあ」とある男が言った。
それを聞いたベリルは、魔法でトンネルが掘れないか考えてみた。
ワームを倒す時に火と水と雷の魔石で爆発させることができた。属性魔法を組み合わせればトンネルを掘れるかもしれない。
「魔法が使える者はいるか?属性魔法を組み合わせればトンネルを掘れるかもしれない。ここで待ってても仕方ないんだ。一緒にやってみないか?」ベリルは大きな声で皆に声をかけた。
「俺は水魔法使いだ。俺でもできるだろうか?」冒険者グループの中から一人の男が出てきて言った。
ベリルは岩壁に風魔法を当てながら男に言った。「ここに水魔法を当ててみてくれ。風と水で穴を空けれるか知りたい」
男はすぐにやって来てそこへ水魔法を当てた。すると岩壁に少し穴が空いた。
「おおっ!」周りからどよめきが起こる。
「おれは火魔法使いだ。俺もやらせてくれ!」ともう一人参加したら、もうちょっと空いた。
あとは俺も俺もと10人くらい参加したが、魔力切れですぐに脱ける者もいる。人が一人入れるくらいの大きさは空いたが、これで山を抜けるほどの距離を掘ろうと思ったらどれほどの時間がかかるかわからない。皆があきらめかけた時の事だった。
「僕は無属性なので役立たずの属性と言われていました。でも僕も皆さんと一緒にやってみたいです」と若い冒険者の男が入って来た。そして、水、火、風、の魔法を当てている所に無属性魔法を当てた途端、岩がクリームのように柔らかくなって溶けたのである。
「おおおおおおっ!!」大きなどよめきが起こった。
「すごいぞ無属性!」「役立たずなんかじゃないぞ無属性!」と大喝采である。無属性の男も嬉しそうに魔力を流し続けた。
「ここからは俺が固めれば良いんだな」と溶けて穴が空いた壁を土属性の男が土が崩れないよう固めていった。
「俺は空間魔法使いだ!イドマンの目的地の位置はおれの魔法でわかるから掘る方角を教えられる!」と空間魔法使いが言ったので、目的地はイドマン王国のカルプルという街になった。
「それじゃ俺たち商人はここの領主様に掛け合って、ここの宿泊費や食事の手配、それに報酬について話を詰めて来よう。ここにトンネルができたら領主様も大助かりなんだ。金を出すのは当然だろう。魔法使いだけに苦労はさせないぜ!」と商人の男は飛び出して行った。
冒険者も商人も自分のできる事は無いかと一生懸命に動いた。こうして、山にトンネルを掘るという一大プロジェクトが始まったのだった。
ターミル砂漠を超えてザス王国に入った僕は冒険者ギルドに立ち寄った。そこでワームが討伐ランクAの魔物だと知った。ワームはあちこちのオアシスを襲い、数多くの商人や冒険者の命を奪っていたのだ。
一人で倒した事に加え討伐の証拠となる魔石とワームの歯を提出したら、一挙にランクがBランクに上がった。そして大金貨5枚を得たので、当分路銀で悩む事がなくなったのは嬉しい誤算だった。
ターミルクイナの子供チャルは、親のアクゥの走りにも付いてきている。虫や草をむしゃむしゃ食べて日増しに大きくなっているようだ。
僕は新たな相棒たちとルルレットの手掛かりを求めて街や村を訪ね歩いたが、「あの村の赤ん坊がとても早く言葉を喋った」と聞いて行ってみたら、その子はルルレットが転生する前に生まれていたなんていう話はざらで、心が折れそうになる事もあった。いつもそんな時はルルレットが昔刺繍してくれたハンカチを取り出し心を慰めた。
ルルレットが転生してもうすぐ2年だ。もうどこかに転生しただろう。どこにいるんだルルレット…・
ある大きな観光都市に着いた時の事、有名な建築家が建てたというイルローラン神教の教会があったので祈祷に行って、気になっていたチャルが生まれた時に現れた眩しい光について神官に聞いてみた。
「魔物が【神のいとし子】に選ばれる事はありますか?」と質問したところ、神官は「魔物が【神のいとし子】に選ばれるなどありえない!人間しか選ばれること無い!」と激怒された。
【神のいとし子】に選ばれるのは大変名誉な事。魔物が選ばれるなど、とんでもない話なのだそうだ。
魔物が【神のいとし子】に選ばれる事は、教会も把握していない事なのだとわかった。チャルが成鳥になった時に教会で【神授の儀式】を受けさせてもらえないかと思ったが無理そうだ。
それからザス王国も周り終えたので、次のイドマン王国に向かおうとした時だ。
ザス王国からイドマン王国に行く道はかなりの急な山道で、片側は崖になって馬車がすれ違う事もできない難所である。なのでこの日はザス王国から上る人専用、この日はイドマン側から下る人専用と決められていた。
ザス王国からイドマン王国に行く道はここしか無いので、行ける日を待つため麓には安く泊まれる宿や食べ物が買える露店が並ぶ村があった。
その日も隊商や冒険者たちは、登れる日を待ってその村で待機していた。
「大変だ!山が崩れたぞ!道が崩落したようだ!!」
今日は山道を登れると朝から用意して待っていた人に、その悲しい知らせは届いた。
「どういうことだ!俺はここで登れる日を3日も待ってるんだぞ!!」
皆慌てて山道の方へ向かった。すると、上の方から商人や冒険者が大勢下りてきて「ダメだ!この道はもう使えねえ。上から土砂が見渡す限り波のように落ちてきて道が無くなっちまった」と言った。
「そんな…、どうすりゃ良いんだ。俺はイドマンに家があるんだ。家族の所に帰らなきゃならないんだぞ」」
皆が口々に不安や不満を言い始め、その場の収拾がつかなくなった。そこにいる人々が解決策が無い絶望感を感じ始めていた時、「こんな崖に沿った山道じゃなくてトンネルがあればなあ」とある男が言った。
それを聞いたベリルは、魔法でトンネルが掘れないか考えてみた。
ワームを倒す時に火と水と雷の魔石で爆発させることができた。属性魔法を組み合わせればトンネルを掘れるかもしれない。
「魔法が使える者はいるか?属性魔法を組み合わせればトンネルを掘れるかもしれない。ここで待ってても仕方ないんだ。一緒にやってみないか?」ベリルは大きな声で皆に声をかけた。
「俺は水魔法使いだ。俺でもできるだろうか?」冒険者グループの中から一人の男が出てきて言った。
ベリルは岩壁に風魔法を当てながら男に言った。「ここに水魔法を当ててみてくれ。風と水で穴を空けれるか知りたい」
男はすぐにやって来てそこへ水魔法を当てた。すると岩壁に少し穴が空いた。
「おおっ!」周りからどよめきが起こる。
「おれは火魔法使いだ。俺もやらせてくれ!」ともう一人参加したら、もうちょっと空いた。
あとは俺も俺もと10人くらい参加したが、魔力切れですぐに脱ける者もいる。人が一人入れるくらいの大きさは空いたが、これで山を抜けるほどの距離を掘ろうと思ったらどれほどの時間がかかるかわからない。皆があきらめかけた時の事だった。
「僕は無属性なので役立たずの属性と言われていました。でも僕も皆さんと一緒にやってみたいです」と若い冒険者の男が入って来た。そして、水、火、風、の魔法を当てている所に無属性魔法を当てた途端、岩がクリームのように柔らかくなって溶けたのである。
「おおおおおおっ!!」大きなどよめきが起こった。
「すごいぞ無属性!」「役立たずなんかじゃないぞ無属性!」と大喝采である。無属性の男も嬉しそうに魔力を流し続けた。
「ここからは俺が固めれば良いんだな」と溶けて穴が空いた壁を土属性の男が土が崩れないよう固めていった。
「俺は空間魔法使いだ!イドマンの目的地の位置はおれの魔法でわかるから掘る方角を教えられる!」と空間魔法使いが言ったので、目的地はイドマン王国のカルプルという街になった。
「それじゃ俺たち商人はここの領主様に掛け合って、ここの宿泊費や食事の手配、それに報酬について話を詰めて来よう。ここにトンネルができたら領主様も大助かりなんだ。金を出すのは当然だろう。魔法使いだけに苦労はさせないぜ!」と商人の男は飛び出して行った。
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