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※待ちに待った痴態だが大失態
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「あ、あのっ……!」
引っ張られ体勢を崩したミラはベッドの上で抱き止められ、再びセルジュの腕の中に収まる。
「嫌か?」
普段とは打って変わって、どこかしおらしいセルジュをミラはどうしても拒否ができなかった。決して自分に向けられない彼の微笑み、だけど時折感じる視線、気の休まらない馬車での旅、蛇に襲われた時焦ったように名前を呼んだ声……。点と点が繋がりかけている。
そして分かったのは、目の前の男が自分を嫌ってなどいないこと。
「あの、私……っ、んんっ……!」
セルジュの唇がミラの言葉を遮った。くちゅ……と寝室に粘膜の合わさる音が響く。
「ふ……んう……」
顔を背けることができないように、セルジュはミラの顎を掴んだ。そうして抵抗が無いことに気をよくして、舌を侵入させ口内を蹂躙する。これまで抑圧されていた感情を表すかのように。
「怖い、お前が何を言おうとしているのか。このまま快楽でもってお前の気持ちを煙に巻くことができるなら、私はそれに賭けてしまう」
「あっ……駄目っ……!」
セルジュの熱い手のひらがミラの二つの膨らみにやんわりと当てられた。そのままごく弱く、やわやわと揉みこまれていく。
――怖い、けど……嫌じゃない。
先ほどの深い深い口づけによって酒精アルコールの影響が出たのか、ミラの頭は熱っぽく痺れていた。
「あっ……だ、駄目です……! うあっ……」
服の上から膨らみの頂点を探り当てた指が、くにくにとそこを刺激する。思わず甘い声を漏らしたミラを見て、セルジュはクッと笑った。
「……ここが、いいのか?」
ぼそりと耳元で囁かれ、ミラの肌が粟立つ。図星だったのか頬が赤い。
「うう……」
「言ってくれ、教えてくれないとお前の良い所がわからない。……いや、私が探り当てるのもまた一興か、ほら」
「んんっ……そこ……!」
執拗に乳首を押され、捻られる。それによって生じる体の震えも嬌声も、見逃すまい、聞き逃すまいとセルジュはミラを食い入るように見つめている。
「痛くない?」
「……はい」
「気持ちいい?」
「……はい」
恥ずかしそうに小さく頷いたミラに向かって、セルジュは少し意地悪な笑みを見せた。惚れた女の反応を心から楽しんでいるようだ。
「直接触っても?」
「き、聞かないで……くださいっ……!」
ということは続けてもいいのだろうなとセルジュは判断して、ミラの胸元から直接乳房に触れた。
柔らかな肌の感触、押し返してくる肉の弾力にしばし夢中になって揉みしだく。その間、真っ赤な顔をして与えられる刺激に耐えるミラを、目を細めて愛おしそうにセルジュは観察していた。
「んん……ふっ……あっ……」
セルジュの指は乳輪をじらすように滑り、爪の先で乳首の先端をカリカリとごく弱く掻いた。動きに呼応するように、ミラの声が断続的に上がる。
「ああ、感無量だ。お前の服の下がどうなっているのか、散々想像したが本物には敵わない」
いつの間にか服の胸元はずり下げられ、両の乳房はセルジュの視線の下に晒されていた。獣のような食い入る視線に、羞恥からミラは顔を背ける。
「食べてしまいたい……お前の全部を」
そう言って、セルジュはむき出しの乳首の片方をパクリと口内に収めた。そのままチロチロと舐めたり、唇で食んだりと嬲る。その度にミラはびくびくと体を震わせた。
真っ赤になった耳をセルジュの指先がすりすりと撫でる。そんな軽い愛撫でさえも、ミラの情感を高める一因になった。
「かわいい耳だ。敏感なここも、どこもかしこも……愛おしい」
再度の口づけ。その呼吸ごと食べられるような深さに、ミラの瞳がとろんと溶ける。
やがてセルジュの手がミラの下半身へと伸びた。足の隙間からその手を差し入れ、何かを確かめるような手つきでまさぐった後、セルジュはにやりと笑った。
「……濡れている」
「……い、言わないで、ください……」
「どうしてだ? 私にとっては喜ばしいことだ。私が触れたことでお前が感じ入っている。その証拠だろう」
言いながら、セルジュは下着越しに指先をくにくにと動かし始めた。ミラの敏感な突起の場所を探し当て、そこを執拗に刺激する。
「っ……んあ……っ……!」
「随分かわいらしい声を出す。いつもはつれないお前も、快感には弱いと見える」
心底楽しいとでも言う様に、セルジュは上機嫌だった。酒の酔いはもう治まっているようだったから、酒の影響を受けずしてミラ自身に興奮しているのは間違いない。
「もっと聞かせてほしいものだ、さあ」
「くっ……ああっ……」
思わずミラは自分の声を抑える為に手で口を覆った。するとセルジュは少し不機嫌そうに眉根を寄せる。
「天邪鬼だな、お前は」
両手を取られ、ベッドに縫い留められる。これでは声は抑えられない。
今度は下着の横から指が入ってきた。そこにある愛液を指にまとわせ、セルジュはミラの内壁へと進む。あまりに濡れているものだから、指が動くたびにぐぷ……といやらしい音が響いた。
「ああっ……」
「中がうねって私の指をうまそうに咥えこんでいるぞ。かわいい顔をして存外に淫乱なようだ」
「あっ、あっ……! 動かさ……ないでっ……!」
「こんなに気持ちよさそうな顔をして何を言う」
指の責める速度は段々と早くなったが、それは乱暴ではなくあくまでミラを快楽に堕とすためだけのものだった。その証拠に、ミラの下着はもう用を為さないほどにしとどに濡れ続けている。
巧みな指の動きに、腰がみだらに揺らめく。それを見てセルジュは満足げに笑った。
「愛しい、愛しい……こんなことを思うのは、生涯お前だけだ」
「セルジュ…様……」
「ほら、ここが、お前を求めて脈打っている」
「え……あ……、ひっ……!」
いつの間にか服の前を寛げて、セルジュ自身が露わになっていた。そそり立つ男根。初めて見るそれに、ミラは思わず小さく悲鳴を上げる。
「怖いか? 怖いなら目を閉じていろ」
「ああ……っ……」
言われた通り目を閉じ、少しの間があった後、ミラの濡れそぼった下半身にセルジュの熱い塊がぐいと押し付けられた。
「ひう……っ!」
「目を閉じて、ゆっくりと呼吸をするんだ……そう。いい子だ」
息を吸う。するとぬるりと愛液の潤滑でぬるりと大きな質量がミラの中に侵入してきた。
「あああ……」
「ほら、吸って、吐いて……」
「うあ……あ……」
呼吸に合わせて、徐々にセルジュが奥深くへと入り込んでいく。ごくごくゆっくりとした動きだったため、処女にもかかわらずミラの苦痛は少ないようだ。
「ああ……頑張ったな、私の物が全部入っているぞ。お前のここまで、ぴったりと入り込んでいる」
「あ……」
「まだ動かない。お前の中が私になじむまで、少しだけこうしていよう」
言って、セルジュはミラの体をそっと抱きしめた。体の奥深くで繋がっている。身じろぎせずに抱きしめ合うと、まるで二つの体が同化したように思えた。
「……すごいな、お前の中が動かずともきゅうきゅうと私を締めている。これだけで気を抜くと精を放ってしてしまいそうだ」
「あの……セルジュ様……痛くは無いので、動いても、大丈夫です」
「無理はしなくていい……と言いたいのは山々だが、私もそろそろ限界だ。少しずつ動かすから痛かったり辛かったら言いなさい」
そう言ってセルジュはミラの汗ばんだ額を撫でた。ミラは小さく頷く。
「あっ……!」
そうして体を気遣いつつも、セルジュはミラを揺り動かし始めた。最初は違和感だけだったが、だんだんと内壁を擦られる度に、ミラの声がどんどん甘やかなものに変わっていく。その変化にセルジュが気付かないはずがなかった。
「よくなっているか?」
「ああ……あっ……はああ…う……!」
「いいんだな……それは、よかった」
気を良くしたセルジュは動きを段々と早くしていった。自身も射精が近いのだろう、表情には余裕が無い。
「ああ……、ミラ……好きだ……愛している……っ……!」
「あっ……あっ……! うああっ……!」
ミラの目端から一筋の涙が零れた。それは間違いなく、与えられた快楽がもたらすものだった。
初めてのはずなのに与えられる快楽に翻弄されてしまった。切なく自分の体が高まっていく状況を、ミラは戸惑いながらも成すがままに受け入れていた。
(セルジュ様は私を愛してるって……本当に? ……信じられない)
一方で、酒に酔って戯れに遊ばれているだけでは、と冷静な己が囁いた。
(あれほどまでに嫌われていたのだから。これは何かの間違いでは)
そう思うと、段々とその推理が合っているのではないかと思い始めた。
「……ミラ?」
突然喘ぐのを止め無言になったミラに気が付いて、セルジュは名前を呼んだ。
「どうした? ……やはり嫌だったか!? 待て、今すぐ……」
「私、セルジュ様のことが、わかりません」
気付けばミラは泣いていた。一度冷めた思考が、調子に乗るなと囁く。そもそもミラはメイド……それも庶民だ。王弟が本当に自分のことを好いているだなんてどう考えてもおかしい。酒のせいで適当な理由をつけて、嬲り者にしたいだけ。ミラはそう結論付けた。
「セルジュ様はこういったことに慣れてらっしゃるのかもしれませんが、わ、私は……初めてで……それで……」
泣きながらしゃくり上げるミラに、セルジュは彼女の中に収めていた自身を抜いた。それは誠意の表れだったが、ミラはそれには気が付かない。
「……ミラ」
「不敬です。申し訳ございません。ですが今日はもう下がらせてくださいませ」
ミラは涙をぐいと拭くとベッドから下り、服の乱れを正すとふらふらと部屋を出て行った。
「失敗した……のか、私は」
部屋のドアを呆然と見つめながら、セルジュは深い後悔に顔を歪めていた。
引っ張られ体勢を崩したミラはベッドの上で抱き止められ、再びセルジュの腕の中に収まる。
「嫌か?」
普段とは打って変わって、どこかしおらしいセルジュをミラはどうしても拒否ができなかった。決して自分に向けられない彼の微笑み、だけど時折感じる視線、気の休まらない馬車での旅、蛇に襲われた時焦ったように名前を呼んだ声……。点と点が繋がりかけている。
そして分かったのは、目の前の男が自分を嫌ってなどいないこと。
「あの、私……っ、んんっ……!」
セルジュの唇がミラの言葉を遮った。くちゅ……と寝室に粘膜の合わさる音が響く。
「ふ……んう……」
顔を背けることができないように、セルジュはミラの顎を掴んだ。そうして抵抗が無いことに気をよくして、舌を侵入させ口内を蹂躙する。これまで抑圧されていた感情を表すかのように。
「怖い、お前が何を言おうとしているのか。このまま快楽でもってお前の気持ちを煙に巻くことができるなら、私はそれに賭けてしまう」
「あっ……駄目っ……!」
セルジュの熱い手のひらがミラの二つの膨らみにやんわりと当てられた。そのままごく弱く、やわやわと揉みこまれていく。
――怖い、けど……嫌じゃない。
先ほどの深い深い口づけによって酒精アルコールの影響が出たのか、ミラの頭は熱っぽく痺れていた。
「あっ……だ、駄目です……! うあっ……」
服の上から膨らみの頂点を探り当てた指が、くにくにとそこを刺激する。思わず甘い声を漏らしたミラを見て、セルジュはクッと笑った。
「……ここが、いいのか?」
ぼそりと耳元で囁かれ、ミラの肌が粟立つ。図星だったのか頬が赤い。
「うう……」
「言ってくれ、教えてくれないとお前の良い所がわからない。……いや、私が探り当てるのもまた一興か、ほら」
「んんっ……そこ……!」
執拗に乳首を押され、捻られる。それによって生じる体の震えも嬌声も、見逃すまい、聞き逃すまいとセルジュはミラを食い入るように見つめている。
「痛くない?」
「……はい」
「気持ちいい?」
「……はい」
恥ずかしそうに小さく頷いたミラに向かって、セルジュは少し意地悪な笑みを見せた。惚れた女の反応を心から楽しんでいるようだ。
「直接触っても?」
「き、聞かないで……くださいっ……!」
ということは続けてもいいのだろうなとセルジュは判断して、ミラの胸元から直接乳房に触れた。
柔らかな肌の感触、押し返してくる肉の弾力にしばし夢中になって揉みしだく。その間、真っ赤な顔をして与えられる刺激に耐えるミラを、目を細めて愛おしそうにセルジュは観察していた。
「んん……ふっ……あっ……」
セルジュの指は乳輪をじらすように滑り、爪の先で乳首の先端をカリカリとごく弱く掻いた。動きに呼応するように、ミラの声が断続的に上がる。
「ああ、感無量だ。お前の服の下がどうなっているのか、散々想像したが本物には敵わない」
いつの間にか服の胸元はずり下げられ、両の乳房はセルジュの視線の下に晒されていた。獣のような食い入る視線に、羞恥からミラは顔を背ける。
「食べてしまいたい……お前の全部を」
そう言って、セルジュはむき出しの乳首の片方をパクリと口内に収めた。そのままチロチロと舐めたり、唇で食んだりと嬲る。その度にミラはびくびくと体を震わせた。
真っ赤になった耳をセルジュの指先がすりすりと撫でる。そんな軽い愛撫でさえも、ミラの情感を高める一因になった。
「かわいい耳だ。敏感なここも、どこもかしこも……愛おしい」
再度の口づけ。その呼吸ごと食べられるような深さに、ミラの瞳がとろんと溶ける。
やがてセルジュの手がミラの下半身へと伸びた。足の隙間からその手を差し入れ、何かを確かめるような手つきでまさぐった後、セルジュはにやりと笑った。
「……濡れている」
「……い、言わないで、ください……」
「どうしてだ? 私にとっては喜ばしいことだ。私が触れたことでお前が感じ入っている。その証拠だろう」
言いながら、セルジュは下着越しに指先をくにくにと動かし始めた。ミラの敏感な突起の場所を探し当て、そこを執拗に刺激する。
「っ……んあ……っ……!」
「随分かわいらしい声を出す。いつもはつれないお前も、快感には弱いと見える」
心底楽しいとでも言う様に、セルジュは上機嫌だった。酒の酔いはもう治まっているようだったから、酒の影響を受けずしてミラ自身に興奮しているのは間違いない。
「もっと聞かせてほしいものだ、さあ」
「くっ……ああっ……」
思わずミラは自分の声を抑える為に手で口を覆った。するとセルジュは少し不機嫌そうに眉根を寄せる。
「天邪鬼だな、お前は」
両手を取られ、ベッドに縫い留められる。これでは声は抑えられない。
今度は下着の横から指が入ってきた。そこにある愛液を指にまとわせ、セルジュはミラの内壁へと進む。あまりに濡れているものだから、指が動くたびにぐぷ……といやらしい音が響いた。
「ああっ……」
「中がうねって私の指をうまそうに咥えこんでいるぞ。かわいい顔をして存外に淫乱なようだ」
「あっ、あっ……! 動かさ……ないでっ……!」
「こんなに気持ちよさそうな顔をして何を言う」
指の責める速度は段々と早くなったが、それは乱暴ではなくあくまでミラを快楽に堕とすためだけのものだった。その証拠に、ミラの下着はもう用を為さないほどにしとどに濡れ続けている。
巧みな指の動きに、腰がみだらに揺らめく。それを見てセルジュは満足げに笑った。
「愛しい、愛しい……こんなことを思うのは、生涯お前だけだ」
「セルジュ…様……」
「ほら、ここが、お前を求めて脈打っている」
「え……あ……、ひっ……!」
いつの間にか服の前を寛げて、セルジュ自身が露わになっていた。そそり立つ男根。初めて見るそれに、ミラは思わず小さく悲鳴を上げる。
「怖いか? 怖いなら目を閉じていろ」
「ああ……っ……」
言われた通り目を閉じ、少しの間があった後、ミラの濡れそぼった下半身にセルジュの熱い塊がぐいと押し付けられた。
「ひう……っ!」
「目を閉じて、ゆっくりと呼吸をするんだ……そう。いい子だ」
息を吸う。するとぬるりと愛液の潤滑でぬるりと大きな質量がミラの中に侵入してきた。
「あああ……」
「ほら、吸って、吐いて……」
「うあ……あ……」
呼吸に合わせて、徐々にセルジュが奥深くへと入り込んでいく。ごくごくゆっくりとした動きだったため、処女にもかかわらずミラの苦痛は少ないようだ。
「ああ……頑張ったな、私の物が全部入っているぞ。お前のここまで、ぴったりと入り込んでいる」
「あ……」
「まだ動かない。お前の中が私になじむまで、少しだけこうしていよう」
言って、セルジュはミラの体をそっと抱きしめた。体の奥深くで繋がっている。身じろぎせずに抱きしめ合うと、まるで二つの体が同化したように思えた。
「……すごいな、お前の中が動かずともきゅうきゅうと私を締めている。これだけで気を抜くと精を放ってしてしまいそうだ」
「あの……セルジュ様……痛くは無いので、動いても、大丈夫です」
「無理はしなくていい……と言いたいのは山々だが、私もそろそろ限界だ。少しずつ動かすから痛かったり辛かったら言いなさい」
そう言ってセルジュはミラの汗ばんだ額を撫でた。ミラは小さく頷く。
「あっ……!」
そうして体を気遣いつつも、セルジュはミラを揺り動かし始めた。最初は違和感だけだったが、だんだんと内壁を擦られる度に、ミラの声がどんどん甘やかなものに変わっていく。その変化にセルジュが気付かないはずがなかった。
「よくなっているか?」
「ああ……あっ……はああ…う……!」
「いいんだな……それは、よかった」
気を良くしたセルジュは動きを段々と早くしていった。自身も射精が近いのだろう、表情には余裕が無い。
「ああ……、ミラ……好きだ……愛している……っ……!」
「あっ……あっ……! うああっ……!」
ミラの目端から一筋の涙が零れた。それは間違いなく、与えられた快楽がもたらすものだった。
初めてのはずなのに与えられる快楽に翻弄されてしまった。切なく自分の体が高まっていく状況を、ミラは戸惑いながらも成すがままに受け入れていた。
(セルジュ様は私を愛してるって……本当に? ……信じられない)
一方で、酒に酔って戯れに遊ばれているだけでは、と冷静な己が囁いた。
(あれほどまでに嫌われていたのだから。これは何かの間違いでは)
そう思うと、段々とその推理が合っているのではないかと思い始めた。
「……ミラ?」
突然喘ぐのを止め無言になったミラに気が付いて、セルジュは名前を呼んだ。
「どうした? ……やはり嫌だったか!? 待て、今すぐ……」
「私、セルジュ様のことが、わかりません」
気付けばミラは泣いていた。一度冷めた思考が、調子に乗るなと囁く。そもそもミラはメイド……それも庶民だ。王弟が本当に自分のことを好いているだなんてどう考えてもおかしい。酒のせいで適当な理由をつけて、嬲り者にしたいだけ。ミラはそう結論付けた。
「セルジュ様はこういったことに慣れてらっしゃるのかもしれませんが、わ、私は……初めてで……それで……」
泣きながらしゃくり上げるミラに、セルジュは彼女の中に収めていた自身を抜いた。それは誠意の表れだったが、ミラはそれには気が付かない。
「……ミラ」
「不敬です。申し訳ございません。ですが今日はもう下がらせてくださいませ」
ミラは涙をぐいと拭くとベッドから下り、服の乱れを正すとふらふらと部屋を出て行った。
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