ネオン

にゃんちら

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第三話 青春とは(後編)

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「美鈴、好きだ」

聞こえるか聞こえないかわからないくらい声で言った。おそらく自分の顔は真っ赤なので、隣にいる美鈴の顔を見ることはできなかった。

お互いの足音が響く。この沈黙の長さは、やっぱりダメか。

「私も好きだよ」

びっくりして声が出なかった。

「私も、康太のこと好き」

まさかのOKに動揺したのか、とっさに美鈴の手を握った。

その後も、2人で勉強しては、美鈴の家まで送るという日々を過ごした。

初めての彼女が隣にいる。

2人で肩を寄せ合って歩き、いろんな話をする。よく見かけるカップルがやっていることがやっていることでも、自分にとても新鮮だった。

しかし、そんな中で美鈴は、学校にいる仲の良い男友達の話をよくしていた。

学校が違うということで、美鈴が話している男友達の正体がわからないため、自分でもよくわからないがひどく嫉妬してしまった。

別にその男が美鈴に好意を寄せているとか、美鈴が実はその男友達の方が好きだとか、などありもしないことを想像してしまっている自分がいた。

今までは寝る前にちょっぴりメッセージを送り合う感じだったが、ありもしない幻想に悩まされていた俺は、美鈴と頻繁に連絡を取り合うようになった。

それが重かったのだろう。美鈴とだんだん距離を感じるようになった。いつもの帰り道も少し重い空気を感じていた。

そして俺はあっさり振られてしまった。
「友達に戻りたい」という振られの常套句をまた貰ってしまった。

初めて俺のことを好きになってくれた人を失った。

今まで失恋はしたことはあるが、今回はまた違う感情だった。俺が悪かったのだろう。それ以外に原因はないだろう。自分を責め続けた。

振られたので連絡など来ないと思っていたが、付き合う前と同じぐらいメッセージの交換はしていた。内心複雑だった。どこかで美鈴とヨリを戻せないのかとどこか期待している自分がいた。

あっという間に秋、冬と過ぎて行き、お互い受験の時期になった。勉強もしていたが、受験直前期に恋愛をしてクヨクヨしている奴に勝利の女神が微笑むわけもなく。大学受験は失敗に終わった。
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