攻撃と確率にステ振りしていたら最強になりました

りっくり

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第十五話 友達のレベ上げ

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 街から二十分くらい歩いただろうか……。僕たちは赤色とピンク色のカーネーションが全面に広がっているフィールドに来ていた。
 鮮やかな赤色とピンク色がバランスよく調和しており、見惚れるほど綺麗な景色が広がっていた。
 このフィールドに出現するモンスターは鳥類が多いみたいだ。

「このフィールド、鳥ばっかじゃん!」

 僕は文句を言う。
 なぜなら僕の使っている武器は大剣で空中に飛んでいるモンスターを倒すのには全く適していないのだ。
 相性が非常に悪いフィールドに来てしまった。
 ここで初めて下調べをすることの重要さを感じるのだった。

「どんまい! 地面に着地した敵を狙うしかないな! 難易度高めだけど……」

 トモの意見は正しい。
 このフィールドでは十分にレベルを上げることができないが、トモのレベ上げを目的にしているわけなのであまりレベ上げできなくてもいいやと自分の中で納得する。

「私の独断でフィールドを決めたけど、トモはここで十分にレベ上げできる武器なの?」

 ツキナは的確な質問をトモにした。
 そういえばまだトモが初期武器を何にしたかを聞いていなかったことに気づく。
 おそらくあれだと思うが……。

「よくぞ聞いてくれたツキナ! 俺の初期武器はこれだ!」

 トモはリンクメニューを操作して、武器を装備する。
 トモは僕と違って、十分下調べしてからゲームを始めるので誰に教えられなくともある程度のことは理解している。
 トモが初期武器に選んだのは予想した通りに弓だった。

「やっぱり弓だったか……! 弓道全国一位!」

 トモは現実世界で弓道を行なっており、全国一位になるほどの実力者なのだ。

「ヒビトとトモ! あんたたちの経歴すごいわね!」

 ツキナは驚きで目を白黒させている。
 ツキナが驚く理由も分かる。
 全国一位の実力を持つ人は遊ぶ時間も惜しんで練習に打ち込むはずで、ゲームを楽しんでいる人なんてほとんどいないと言う印象を受けがちだからだ。

「どうもありがとう!」

 トモは一言お礼を言って、弓を構える。
 トモが今から仕留めようとしているのは空中を飛んでいるチョウゲンボウだ。
 チョウゲンボウとの距離はおおよそ百メートル程で遠的競技よりも長い。
 トモは矢を引いて、呼吸を整える。そして矢を射った。
 矢は一切のブレも見せずにチョウゲンボウに一直線に向かっていき、見事に頭に命中した。

「よっしゃぁぁぁ! ヒット!」

 トモはかおに顔に喜びを輝かせながらガッポーズをした。
 頭に矢が突き刺さったチョウゲンボウは落下して、消滅した。
 
「ナイスショット!」

 僕はさすがだなと感心しながら、拍手をした。
 
「凄いわね!」

 ツキナは百メートル先のモンスターの頭に矢を命中させたトモを見て、頭に驚愕の色を浮かべているようだった。

「俺にかかればこんなもんだ!」

 トモはドヤ顔をして、胸を張っていた。そのあともトモは一回も外すことなくモンスターを倒していく。
 しまいには二百メートル先のモンスターの頭にも矢を命中させると言う凄技を僕とツキナに披露した。
 僕とツキナはモンスターがあっけなく散っていくのをただただ、見つめているだけで、自分たちのレベ上げをすることを忘れていた。

「レベルが10になったぞぉ‼︎」

 トモの歓声がフィールド中に響き渡る。

「おめでとう!」

 僕とツキナはほぼ同時にトモを激励する。

「トモ! ステ振りどうした?」
「STRが少し多めで他はDEXとAGIに均等に振った」

 そう言いながらトモは僕にステ振りした後のステータスを見せてくれた。

トモ(Lv10)
ステ振り可能なポイント 0
HP 550 
MP 190

【STR+15】
【VIT+0】
【DEX+8】
【AGI+7】
【INT+0】

「なるほど……こうしたんだ……」
「ヒビトはどうステ振りしたんだ?」
「内緒!」
「なんだよぉ~!」

 トモはガッカリしたような表情で僕を見てきた。だがステータスを言うつもりは毛頭ない!
 
「そんなことより……新たなスキルは手に入った?」
 
 僕は意図的に話を切り替える。

「二つくらい手に入った!」
「どんなスキルだった?」
「ヒビトは言わないのに俺だけ言うのか?」
「後で教えるからお願い!」

 僕は両手を合わせてトモお願いする。

「しょうがないな……」

 僕の誠意がトモにしっかりと届いたらしく、仕方なさそうにスキルを見せてくれた。
 僕はスキルをタップして説明を読む。
 ちなみにこのゲームでは相手が僕の正面に画面を持ってきてくれた場合自由に操作することができる。
 この知識もツキナに教わったものである。

【射手、矢を打つ距離に応じてSTRが上昇する。最大六倍 獲得条件、二百メートル離れた距離からモンスターに攻撃を当てること】
【貫通矢《ピィアスアローウ》、相手の防御力を無視してダメージを与えることができる 獲得条件、モンスターを一撃で五十回倒す】

「両方ともトモにしかできない条件のスキルじゃんか」
「そうか……? それよりもステ振りを見せてくれる約束だったよな!」
「そんな約束したかなぁ……」
「おい! このやろう!」

 トモは顔の表情を緩めながら、右手で僕の頭を、コツリと殴ってきた。僕もトモに負けまいと、お返しをする。

「ヒビト! トモ! じゃれてないで、レベ上げするわよ!」
「はいはい!」
「りょ!」

 ツキナは両手で拍手をして、僕とトモのじゃれ合いを止めた。
 僕とトモは素直にツキナの言うことを聞いて、レベ上げを再開した。

「ピュアスアローウを使っててみるか!」

 トモはチョウゲンボウを射った時みたいに矢を引いて空中を飛んでいるツバメに狙いを定める。
 ツバメはチョウゲンボウの時よりも飛ぶスピードが速く難易度が格段と上がっているはずだが、トモは見事に命中させた。
 矢はツバメを貫き空に消えていった。ツバメは体に大穴を開けて消滅した。
 ツキナはどうか気になったので、思い顔を向ける。

「氷の舞‼︎ アイシクルスピア‼︎」

 ツキナの背後で月虹玉花《げっこうぎょっか》が回転をして、数十個の氷の氷柱を作り出し、空中を飛んでいる鳥に向かって飛ばす。
 氷の氷柱は数十匹の鳥の体を貫き、消滅させた。
 他のプレイヤーの魔法もちょくちょくみる機会があったが、やっぱりツキナの魔法は広範囲で桁違いの威力を叩き出している。
 どんなスキルを持っているかがとても気になるところだ。
 その後もレベ上げは続いたが、僕は一体も倒すことができずに時間が過ぎてしまった。

「くそ! 地面に全然、降りて来んじゃん!」

 一向に地面にモンスターが降りて来ないので、僕は思わず文句を言ってしまう。
 このフィールドは遠距離攻撃ができるプレイヤーしか来てはいけないところだと理解した。

「そろそろ、街に戻って休憩しましょ!」
「了解!」
「りょ!」

 ツキナがそう提案してきたので、僕とトモはそれを了承し、街に戻って休憩することになった。
 結局、最後までモンスターを倒すことができなかった……。
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