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第三十三話 決着と他のプレイヤー
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「神速!」
二人同時に目にも留まらぬ速さでこちらに向かっている。
僕は集中力を極限まで高め、二人の攻撃を星斗天雷刃で的確に捌いていく。集中すれば意外とはっきりと見えると実感した。
僕が全ての攻撃を捌ききったので、二人は反撃を受けない為に距離を取った。
「なかなかやるではないか!」
「そなたらもな!」
二人は口を揃えて言葉を発してきた。息がぴったりだ。さすが双子。
「ここに宣言する! 次の攻撃で勝負を決めさせていただこう!」
「やってみるが良い!」
僕は麻痺攻撃が効いてくれることを願いながら叫ぶ。
「雷電!」
「くっ! 体が動かぬ!」
「何が起きた!」
二人はどうやら麻痺状態になったようだ。僕は胸を撫で下ろす。このスキル、【麻痺無効】を持っていない人に対しては最強だ。
「電轟雷撃《でんごうらいげき》!」
僕は二人の真上から二、三回雷を落として追い討ちをする。
「くっそぉ! 負けた! 負けた!」
「この人、強すぎ!」
二人は自分たちのキャラを完全に忘れて、普通の中学生に戻ってしまっている。二人は非常に悔しそうな表情をしながら消滅していった。
***
僕が戦国兄弟を倒したのと同刻、ツキナは遺跡の跡地で三十人のプレイヤーと一人で戦っていた。
「ツキナさんだ! できるだけ多人数でかかれ!」
「面倒くさいわね!」
ここまで有名になると一対一で戦いを仕掛けてくる人は少ない。ポイントをたくさん稼げるので、非常にありがたいのだが……。
三十人のうち、十人は遠距離武器を使って攻撃してきているのでシールドを張って防御する。他の二十人はツキナを攻撃するために接近してきている。
「一瞬で蹴りをつけさせてもらうわね!」
ツキナは三十人の配置を見て、作戦を瞬時に考えた。三十人は半径十メートル以内に入っているのであのスキルが使える。
「銀世界《シルバー》!」
ツキナが叫ぶと三十人はカチカチに凍りついた。この状態になってしまえば攻撃される心配もない。
「風の舞! 鎌鼬《カマイタチ》!」
ツキナは風の刃を発生させて、三十人を一気に消滅させた。
こんなに高威力で、広範囲の魔法を連発しても月虹シリーズにはMPを七十五パーセントカットするスキルとMPを二倍にするスキルが常に発動しているので、全く問題ない。
「つまらないわね……」
ツキナはうんざりとした表情で呟く。ツキナのポイントは現在、百ポイントを超えている。しかし骨のあるプレイヤーとまだ一回も戦っていないので、あくびが出るほど退屈していた。
一回、ヒビトと全力で戦ってみたいと思っている。ツキナは遺跡の跡地を後にしてポイントを稼ぎに向かった。
***
またマップに転送されたトモは身を隠しながら順調にポイントを稼いでいた。
街マップには高台が存在しており、そこから辺りを見渡しながら視界に入ったプレイヤーを片っ端から倒すと言う作戦をとっている。それに狩人シリーズには【隠蔽】と言うスキルが備わっており、気配を消すことができるのだ。これぞ狩人。
街と言うことで、比較的多くのプレイヤーが出入りする。そのため良い狩場なのだ。それに狩人シリーズの【一望千里】と言うスキルが非常に優秀で一キロ先にいるプレイヤーも見落とす事なく見つけることができる。
「おっ! あそこで潰しあってるな!」
トモは六百メートル先に二十人のプレイヤーが戦闘を行なっている状況を見てチャンスだと捉えた。トモは弓を構えてプレイヤーを狙う。
「黒風白雨《こくふうはくう》!」
二十人のプレイヤーの頭上から矢が雨のように降り注ぐ。
現在、トモのSTRが【射手】と【幸福】のスキル効果で十二倍になっている。さらに【達人射撃】のスキル効果、敵を倒すたびにクリティカル率が上昇すると言うものがあり、今は百パーセントだ。そのため一瞬でプレイヤーのHPを奪い去る。消滅する間際、二十人のプレイヤーは全員呆然としていた。
「よっしゃぁぁ! 順調! 順調!」
トモは歌うような調子で言う。トモは合計で九十ポイント手に入れている。この調子なら一位を取れるかもしれない。トモはさらなるポイント稼ぎのために目を凝らして周囲を見渡す。
***
「《龍帝》のリュウガがいるぞ! 一時休戦だ!」
「先に《龍帝》のリュウガをやりましょ!」
男性プレイヤーと女性プレイヤーの言葉でさっきまで敵対していた二十五人のプレイヤーが協力をしてリュウガに攻撃をしてくる。
リュウガはスキルを一切、使わずにプレイヤーを返り討ちにしていく。
「やっぱりつえーな! こんなに群れても勝てないなんて!」
「そんなことないさ!」
男性プレイヤーがそんなことを言うので、リュウガは表情を全く変えずに答えた。リュウガは自分が他のプレイヤーよりもずば抜けて強いとは思っていない。
みんなも練習やレベ上げをしっかりと行うことで、自分みたいに強くなれると思っているからだ。
「ご謙遜を! 残り五人! こうなれば当たって砕けろだ!」
残った五人のプレイヤーはHPがゼロになるのを覚悟して、リュウガに向かってくる。
リュウガは五人の攻撃を正確に回避しながら隙をついて攻撃を加えていく。五人のプレイヤーは抵抗虚しく消滅した。
リュウガは最後までスキルを使わずに勝利した。リュウガは炎龍シリーズの武器の両手剣を鞘にしまう。武器の名前は滅龍剣(蒼炎)《めつりゅうけん(そうえん)》だ。
「ふぅ……終わった……強いやつと勝負してみたいな!」
リュウガは一息ついた後、他のプレイヤーを探し出した。
***
「おらおらおら! 強いやつはいないのか!」
リュウキは雷龍シリーズの武器である滅龍槍(黒雷)《めつりゅうそう(くろいかづち)》を両手に持ち、プレイヤーたちをボコボコにしていた。
「うわぁぁぁぁ! 勝てるわけねーよ!」
「《龍帝》のリュウキに戦いを仕掛けるべきではなかった!」
「逃げろ!」
プレイヤーたちはリュウキに背を向けて、逃走を始めた。
「てめーら! 俺様から逃げれると思ってるのか!」
リュウキは逃げるプレイヤーの前に一瞬で移動する。
リュウキは今、【雷龍モード】になっており体の至る所から雷を発生させている。さらに全ステータスが飛躍的に上がっている。
「うわぁぁぁ! 最悪だ!」
「終わったな……」
プレイヤーたちは絶望的な叫びを上げていた。そんなことはお構いなしにリュウキは滅龍槍(黒雷)を回転させ、雷を集める。
「放雷!」
リュウキが滅龍槍(黒雷)をプレイヤーたちに向けると背後から雷龍が出現し、口を開ける。それと同時に滅龍槍(黒雷)から雷のブレスが放たれた。雷のブレスに当たったプレイヤーは叫ぶ間も無く消滅した。
「どいつもこいつも弱すぎる! 骨がある奴はいないのか!」
リュウキが振り上げるような声を上げるとどこからかははっきりしないが矢が飛んできた。
リュウキは滅龍槍(黒雷)で瞬時に矢を斬った。そして龍シリーズ全てに備わっている超感覚広範囲索敵《ちょうかんかくこうはんいさくてき》スキルを発動して、矢を射ってきたプレイヤーを探す。
矢を射ってきたプレイヤーは気配を消しているようだったが、このスキルの前では無意味だ。
「なかなか骨がある奴がいるじゃないか! おもしれぇ!」
リュウキは高台の方に顔を向けて、冷ややかな、意地の悪い微笑みを口元に浮かべた。
二人同時に目にも留まらぬ速さでこちらに向かっている。
僕は集中力を極限まで高め、二人の攻撃を星斗天雷刃で的確に捌いていく。集中すれば意外とはっきりと見えると実感した。
僕が全ての攻撃を捌ききったので、二人は反撃を受けない為に距離を取った。
「なかなかやるではないか!」
「そなたらもな!」
二人は口を揃えて言葉を発してきた。息がぴったりだ。さすが双子。
「ここに宣言する! 次の攻撃で勝負を決めさせていただこう!」
「やってみるが良い!」
僕は麻痺攻撃が効いてくれることを願いながら叫ぶ。
「雷電!」
「くっ! 体が動かぬ!」
「何が起きた!」
二人はどうやら麻痺状態になったようだ。僕は胸を撫で下ろす。このスキル、【麻痺無効】を持っていない人に対しては最強だ。
「電轟雷撃《でんごうらいげき》!」
僕は二人の真上から二、三回雷を落として追い討ちをする。
「くっそぉ! 負けた! 負けた!」
「この人、強すぎ!」
二人は自分たちのキャラを完全に忘れて、普通の中学生に戻ってしまっている。二人は非常に悔しそうな表情をしながら消滅していった。
***
僕が戦国兄弟を倒したのと同刻、ツキナは遺跡の跡地で三十人のプレイヤーと一人で戦っていた。
「ツキナさんだ! できるだけ多人数でかかれ!」
「面倒くさいわね!」
ここまで有名になると一対一で戦いを仕掛けてくる人は少ない。ポイントをたくさん稼げるので、非常にありがたいのだが……。
三十人のうち、十人は遠距離武器を使って攻撃してきているのでシールドを張って防御する。他の二十人はツキナを攻撃するために接近してきている。
「一瞬で蹴りをつけさせてもらうわね!」
ツキナは三十人の配置を見て、作戦を瞬時に考えた。三十人は半径十メートル以内に入っているのであのスキルが使える。
「銀世界《シルバー》!」
ツキナが叫ぶと三十人はカチカチに凍りついた。この状態になってしまえば攻撃される心配もない。
「風の舞! 鎌鼬《カマイタチ》!」
ツキナは風の刃を発生させて、三十人を一気に消滅させた。
こんなに高威力で、広範囲の魔法を連発しても月虹シリーズにはMPを七十五パーセントカットするスキルとMPを二倍にするスキルが常に発動しているので、全く問題ない。
「つまらないわね……」
ツキナはうんざりとした表情で呟く。ツキナのポイントは現在、百ポイントを超えている。しかし骨のあるプレイヤーとまだ一回も戦っていないので、あくびが出るほど退屈していた。
一回、ヒビトと全力で戦ってみたいと思っている。ツキナは遺跡の跡地を後にしてポイントを稼ぎに向かった。
***
またマップに転送されたトモは身を隠しながら順調にポイントを稼いでいた。
街マップには高台が存在しており、そこから辺りを見渡しながら視界に入ったプレイヤーを片っ端から倒すと言う作戦をとっている。それに狩人シリーズには【隠蔽】と言うスキルが備わっており、気配を消すことができるのだ。これぞ狩人。
街と言うことで、比較的多くのプレイヤーが出入りする。そのため良い狩場なのだ。それに狩人シリーズの【一望千里】と言うスキルが非常に優秀で一キロ先にいるプレイヤーも見落とす事なく見つけることができる。
「おっ! あそこで潰しあってるな!」
トモは六百メートル先に二十人のプレイヤーが戦闘を行なっている状況を見てチャンスだと捉えた。トモは弓を構えてプレイヤーを狙う。
「黒風白雨《こくふうはくう》!」
二十人のプレイヤーの頭上から矢が雨のように降り注ぐ。
現在、トモのSTRが【射手】と【幸福】のスキル効果で十二倍になっている。さらに【達人射撃】のスキル効果、敵を倒すたびにクリティカル率が上昇すると言うものがあり、今は百パーセントだ。そのため一瞬でプレイヤーのHPを奪い去る。消滅する間際、二十人のプレイヤーは全員呆然としていた。
「よっしゃぁぁ! 順調! 順調!」
トモは歌うような調子で言う。トモは合計で九十ポイント手に入れている。この調子なら一位を取れるかもしれない。トモはさらなるポイント稼ぎのために目を凝らして周囲を見渡す。
***
「《龍帝》のリュウガがいるぞ! 一時休戦だ!」
「先に《龍帝》のリュウガをやりましょ!」
男性プレイヤーと女性プレイヤーの言葉でさっきまで敵対していた二十五人のプレイヤーが協力をしてリュウガに攻撃をしてくる。
リュウガはスキルを一切、使わずにプレイヤーを返り討ちにしていく。
「やっぱりつえーな! こんなに群れても勝てないなんて!」
「そんなことないさ!」
男性プレイヤーがそんなことを言うので、リュウガは表情を全く変えずに答えた。リュウガは自分が他のプレイヤーよりもずば抜けて強いとは思っていない。
みんなも練習やレベ上げをしっかりと行うことで、自分みたいに強くなれると思っているからだ。
「ご謙遜を! 残り五人! こうなれば当たって砕けろだ!」
残った五人のプレイヤーはHPがゼロになるのを覚悟して、リュウガに向かってくる。
リュウガは五人の攻撃を正確に回避しながら隙をついて攻撃を加えていく。五人のプレイヤーは抵抗虚しく消滅した。
リュウガは最後までスキルを使わずに勝利した。リュウガは炎龍シリーズの武器の両手剣を鞘にしまう。武器の名前は滅龍剣(蒼炎)《めつりゅうけん(そうえん)》だ。
「ふぅ……終わった……強いやつと勝負してみたいな!」
リュウガは一息ついた後、他のプレイヤーを探し出した。
***
「おらおらおら! 強いやつはいないのか!」
リュウキは雷龍シリーズの武器である滅龍槍(黒雷)《めつりゅうそう(くろいかづち)》を両手に持ち、プレイヤーたちをボコボコにしていた。
「うわぁぁぁぁ! 勝てるわけねーよ!」
「《龍帝》のリュウキに戦いを仕掛けるべきではなかった!」
「逃げろ!」
プレイヤーたちはリュウキに背を向けて、逃走を始めた。
「てめーら! 俺様から逃げれると思ってるのか!」
リュウキは逃げるプレイヤーの前に一瞬で移動する。
リュウキは今、【雷龍モード】になっており体の至る所から雷を発生させている。さらに全ステータスが飛躍的に上がっている。
「うわぁぁぁ! 最悪だ!」
「終わったな……」
プレイヤーたちは絶望的な叫びを上げていた。そんなことはお構いなしにリュウキは滅龍槍(黒雷)を回転させ、雷を集める。
「放雷!」
リュウキが滅龍槍(黒雷)をプレイヤーたちに向けると背後から雷龍が出現し、口を開ける。それと同時に滅龍槍(黒雷)から雷のブレスが放たれた。雷のブレスに当たったプレイヤーは叫ぶ間も無く消滅した。
「どいつもこいつも弱すぎる! 骨がある奴はいないのか!」
リュウキが振り上げるような声を上げるとどこからかははっきりしないが矢が飛んできた。
リュウキは滅龍槍(黒雷)で瞬時に矢を斬った。そして龍シリーズ全てに備わっている超感覚広範囲索敵《ちょうかんかくこうはんいさくてき》スキルを発動して、矢を射ってきたプレイヤーを探す。
矢を射ってきたプレイヤーは気配を消しているようだったが、このスキルの前では無意味だ。
「なかなか骨がある奴がいるじゃないか! おもしれぇ!」
リュウキは高台の方に顔を向けて、冷ややかな、意地の悪い微笑みを口元に浮かべた。
応援ありがとうございます!
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