攻撃と確率にステ振りしていたら最強になりました

りっくり

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第五十七話 第一ウェーブと第二ウェーブ

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 ダンジョンがスタートしたのと同時に出現したモンスターはお花畑と同じ花を頭に咲かせた小型のモンスターだった。
 このモンスターは地面から急に飛び出してきたので、お花畑の花に化けていたことが分かる。もちろん全部の花がモンスターと言う訳ではない。
 
「花がモンスターだったなんて気付かなかったよ」

 リリは苦笑いを浮かべながら呟く。ツキナもまさか花がモンスターになるなんて考えていなかったので、何も言えなかった。

「お姉ちゃん、ツキナさん! やりますよ」

 呆気にとられていたツキナとリリをこちら側に引き戻してくれたのはアサガオだった。
 ツキナは「ありがとう」とお礼を言い、リリは「ごめん」と謝罪した。

「分身! 炎撃!」

 アサガオは十人に分身した後、モンスターの隙間をジグザグ通り抜けながら斬っていく。斬った後には炎が発生し、モンスターたちを焼いていく。

「水の舞! 渦潮!」

 ツキナもアサガオに遅れをとるまいと、攻撃を行う。地面に水の渦が複数個出現し、モンスターたちを飲み込んでいく。
 これだけ広範囲の魔法を使ってもSPをあまり消費しない月虹シリーズには感謝しかない。

「拡散爆弾!」

 リリが爆弾を投げると一つの爆弾から複数の爆弾が出てきて、次々に爆発を起こす。それに巻き込まれたモンスターたちは消滅していく。 
 リリのメイン武器はメイスだったはずだが、それを使っているところをあまり見たことがない。ほとんど自分で作った物を使っているからだ。
 しばらくその調子でモンスターを倒していた。一匹一匹のダメージ量は多くないのだが、数が多すぎる。これぞ数の暴力という奴だ。

「きりがないわね……」

 ツキナは胸の中から最後の空気を出すように呟く。倒しても倒してもどんどん出てくるモンスターに疲れてきていたのだ。

「まだ使いたくなかったけど……あれを使うかな」

 リリはそう言いながらストレージに入っているアイテムを実体化させる。すると両手に銃が出現した。

「お姉ちゃん、それ何?」

 アサガオは目を輝かせながら、質問する。

「これは、火炎放射器だよ! ヒビトとトモがダンジョンで取ってきてくれたアイテムを使って作成した!」
「お姉ちゃん、すごーい!」
「ふふふ! ありがとう!」

 アサガオに褒められたリリは戦闘中にも関わらず口元がほころんでいた。ツキナは近代兵器まで、作ってしまうなんて本当にすごいと感心してしまう。

「ツキナ! 危ないから、アサガオをしっかり守って!」
「任せて!」

 ツキナはアサガオを引き寄せて、バリアを張る。

「いっくよ!」

 リリは晴れやかな顔で言った後、火炎放射器の引き金を引く。すると両手に持っている火炎放射器から猛炎が発生する。
 迫ってくるモンスター達は全て炎の餌食となった。そのまま体を三百六十度回転させながら一匹残らず焼き尽くしていく。
 この状態は火炎放射器の燃料が切れるまで続き、第一ウェーブは終了した。さすがは近代兵器、威力が桁違いだ。

「今の、凄かったわね! リリ!」
「ありがとう! 私の自信作だからね!」
「リリのことだから、他にもたくさん作っているでしょ?」
「ふふふ……それは内緒」

 リリは微笑を浮かべている。リリがああ言う笑い方をするときは隠しているものがあると言うことだ。いずれ見せてくれるだろうし、今は聞かないでおこう。
 リリとそんな話をしていると第二ウェーブが始まる。さっきまで戦っていたモンスターが合体を始めたのだ。
 合体が終わったモンスター達は倍の大きさになり、ツキナ達に向かってくる。

「お姉ちゃん、ツキナさん! 大きくなりましたよ!」
「大きくなったね……」
「強くなったわね! きっと」

 ツキナ達は大きくなったモンスターを見つめながら各々で感想を述べた。ウェーブを重ねるごとに大きくなっていきそうな予感がする。
 モンスター達は合体したことで攻撃力も上がり、麻痺や毒などの厄介なスキルを使ってくるようになった。ツキナはリリとアサガオをシールドで守りながら戦う。

「土の舞! 隆起!」

 ツキナが言葉を発した直後にモンスター達の立っている地面が一斉に隆起し始めた。モンスター達は一斉に背後にのけぞる。

「土の舞! 沈下!」

 モンスターがのけぞったのを確認すると今度は地面をへこませ、モンスターを転倒させる。

「今よ! アサガオちゃん! リリ!」

 ツキナは隙を作った後、辺りに響くような大きな声を出した。

「ツキナさん! 任せてください! ブーメラン手裏剣!」

 アサガオはこのダンジョンが始まる前にリリから貰った投げても戻ってくる手裏剣を自分なりにアレンジして使用したのだ。
 三つの手裏剣はツキナが転倒させたモンスターに命中して、アサガオの手元に戻ってくる。

「かっこいいわよ! アサガオちゃん!」
「えへへ……ありがとうございます!」

 アサガオは照れ笑いを浮かべていた。照れたアサガオもまた可愛い。将来、こんな子を産みたいなと思ってしまった。

「私も負けないよ! それっ!」

 リリは両手で持っても重そうな丸い玉を実体化させ、真上に投げる。そして一秒後、丸い玉は爆発して中から多くの刃が出てくる。【刃の雨】とでも言っておこう。
 刃は転倒しているモンスターに襲いかかり、消滅させた。三人のコンピネーション技で第二ウェーブが終了する。
 第一ウェーブの時よりは数はだいぶ減っており、少し楽だった。モンスターが強化された分、数が減ったのだろう。

「やったぁー!」

 ツキナ達は同じ掛け声を出して、ハイタッチをし合う。本当にリリとアサガオが居れば、何とかこのダンジョンをクリアすることができそうだ。勿論、油断をするつもりは一切ない。

「アオ————ン」

 どこからか分からないが、狼の遠吠えが聞こえてきた。ツキナ達は辺りキョロキョロと見渡すが声の主を見つけることはできなかった。
 第三ウェーブは狼が出てくるのかと思ったが、予想は大きく外れることになる。狼の遠吠えに答えるかのように第二ウェーブのモンスターが出現し、またまた合体を始めた。

リリ
「また、合体したね」

アサガオ
「またまた、巨大化しましたよ」

ツキナ
「完全に怪物じゃない」

 第一ウェーブのモンスターは体の半分ほどで、第二ウェーブのモンスターはツキナと同じ大きさ。そして第三ウェーブのモンスターはツキナの身長よりも倍近い大きさまで成長していた。ここまで来ると完全に怪物である。

「油断せずに行くわよ!」
「オッケー!」
「了解です!」

 ツキナ達は三体のモンスターを見て、気を引き締める。今回は簡単には倒せそうにない。ツキナ達は集中力を高め、戦闘を開始した。
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