寝取られ異世界オンライン ~幼馴染が淫らに性長(レベルアップ)していく姿をモニター越しに見せつけられる屈辱と破滅の調教日誌~

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レベル62 逃亡者カナミ 非処女 絹のローブ 皮の靴 鈍く光るイヤリング 奴隷の烙印 ステ:安堵 憐憫 金54000JEM

医療先進国キャロワッカ編③終「虚飾国からの脱出」

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 医療先進国キャロワッカに行き交う人々の表情は皆、この青空のように晴れやかであった。
 「病は気から」なんて言葉はよく聞くが、もし彼らがカインの洗脳催眠によって大病を治した克服したと思い込んでいるのだとしたら、酷な話だ。

「タクヤ。あたし、やっぱりこのままじゃいけないと思う。この世界にも、警察みたいな機関はあるのよね?」
『まさか、告発しようって言うのか?』
「だ、だって助けてくれたあの人、今も牢屋の中にいるのよ。あんなところにいたら、いつかは……」

 いつかは……の先は、とてもじゃないが言葉にできなかった。

『さっきも言ったけど、お前ひとりが騒いだところでどうにかなる問題じゃない。それに、警察そのものもカインに洗脳催眠されていたらどうする?』
「ぁっ……」
『とにかく、こんなウソをウソで塗り固められた底気味悪いところ、身支度を整えてさっさ出るんだ』
「わ、分かった。分かったわよ……」

 カナミは自分の気持ちをグッと押し殺し、ポケットに入った形見とも言えるJEM紙幣を取り出す。
 その際、指先に独特のヌルッとした感覚が伝った。

『どうした?』
「こ、これ。まさか……」

 血?
 暗いところにいたせいでまったく気付かなかったが、なんと紙幣がところどころ赤黒い液体で染まっていたのだ。

「ぁっ、ぅぁッ……すっ、ぐすッ……」

 途端に、抑えていたものがこみ上げてくる。

「ごめんなさい、ごめんなさいっ」
『……っ』

 カナミの気持ちを考えれば、安易に声をかけるのはためらわれた。
 しかし洗脳催眠で染まったこの国で、逃亡に気付いたカインがいつ捜索の手を広めるかもわからない。
 一秒だってこの場所にとどまり続けるのは危険。だから――。

『カナミ。お前の気持ちは分かるけど……』
「大丈夫。あたし、彼女の思いは決して無駄にしないわ」

 首を左右に振り大きく一度だけ深呼吸をしたカナミは、次の瞬間にはもう表情を改めていた。

『本当なら俺だって、あの女の人を助けたかったさ』
「分かるよ、タクヤの言いたいこと。だからあたし、もう迷わない」
『その通りだカナミ。だって――』

 せっかく自由を得られたと言うのに、一時の気の迷いに惑わされ、のこのこと捕まりに帰るなんてバカげた話。
 ちっぽけな正義感は、自らの首を絞めることにもつながる……。
 と、俺は危うく口にしかけたがギリギリのところで飲み込み、自分の胸の中だけにとどめておいた――。

 ◇◆◇

 洋裁店にて、絹でできた小奇麗なローブを購入し身にまとう。
 汗ばむ陽気にもかかわらず、カナミがあえて長袖を選んだのも、左腕の烙印を隠すためだろう。
 支払いの際、血染めの紙幣を見た店員は案の定いぶかし気な表情を浮かべてはいたが、あれこれ詮索される前にさっさと出てきてしまった。

「ここは全体的に物価が高めのようね。ローブと靴で30000JEMか。この先もいくらかかるか分からないから、できるだけお金は節約しないと」

 キャロワッカから他の土地へは定期的に乗り合い馬車が行き来しているらしい。
 周りの情報を頼りに馬車乗り場へと向かうと、ちょうど出発の準備をしているところであった。

「あ、あの! この馬車はどこに行くんですか?」
「途中、集落を三……いや、一つは先月封鎖になったから、二か所通り抜けて終点はエルドラド。城下町エルドラドだ。片道二時間で運賃は一律1000JEM」

 黒いコート、黒いシルクハットを深々とかぶった御者ぎょしゃの男は、ふてぶてしい態度で答える。

「乗るのか?」
「の、乗ります」
「じゃあさっさとしろ。もう出発の時間だ」
「はい……」

 そっけない言い方をする御者に一瞬眉をひそめたカナミであったが、会話の中にひとつ気になるワードがあった。

「ねぇタクヤ。エルドラドってまさか……」
『俺たちの、だな』
「や、やっぱり! 良かった……。少なくとも、今まであたしが立ち寄ってきた場所よりも安全で治安もいいはずよね?」
『ああ。一度しっかりと体制を整えることができそうだ』
「あたし、久しぶりに噴水公園でゆっくり話がしたいなぁ」
『そうだな。しよう』

 久しぶりと言っても、日数にしてはほぼ半月。
 それでも彼女の言う通り、そのたった半月が果てしなく長い月日であったと感じることもできる。
 未だトリニティ・ワールド・オンラインの世界から抜け出すめどは経っていないものの、共通の思い出が残る土地への帰郷は俺たちにとってとても感慨深いものがあった。

(それにしても……)

 いじらしく微笑む幼馴染がこんなに近くに見えるのに、決して触れることのできない遠い距離にいるなんて。
 早く不安から解放させてあげたい。楽にしてあげたい。そしてできることなら触れ、抱きしめ、俺の隠し続けていた積年の想いを伝えたい。
 逸る気持ちはいつしか使命となって、自然とカナミの背中を押す。

『カナミ。もう馬車が出るみたいだぞ』
「うん。分かった」

 程なく御者が手綱をパチンを鳴らせ、馬車が出発。
 こうして、カインの追手が迫る前に無事、カナミは医療虚飾国キャロワッカから抜け出すことに成功したのである――。
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