異世界から現代に転移した大賢者の最弱奮闘記

とらうと侍

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第三章

精霊の声を探して

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真夜中に奔る、走る、ぼくたち。

こんなに本気になって走るのは久しぶりだ、なんて想いを馳せる余裕もなくただひたすらに必死に逃げた。

捕まればぼくは船橋達にボコボコにされ、マリスは犯されるかもしれない。

そんなことあってはならない!明日、学校で会う彼らのいじめがエスカレートすることは分かっている。けど、そんなことなどどうでもいい、ただひたすらこの場を逃げ切らなくては。

後ろから船橋達の罵声が聞こえて来る。海斗達は脇道に逸れて密集している住宅地を迷路のように走り回った。それでも後ろから追いかけてくる船橋達を撒くことは出来なかった。次第に後ろから追いすがる怒声が近づいてくるような気がした。まずい、このままでは捕まってしまう、、、。


そうだ、大きな通りなら車の通行や人が通りかかるかもしれない、そんな微かな期待が閃いた。住宅地の細道から、今度は大きな通りを目指して海斗達は走り続けた。

よし、大通りに抜けたぞ!狭い住宅が密接している細道を抜けて空間が広がった先は、車の通りも人の気配もないしぃんとした真夜中の国道であった。

背後から船橋達の声が近づいてきた。

まずい、海斗はマリスの手を引き、大通りの向こう側にある市のシンボル的な都市公園に入る為道路を駆け足で渡った。

公園の街灯を避け、公園の樹々の中を分け入り、公衆トイレの近くの陰に二人は座り込んだ。

息がかなり荒くなっている、心臓の動悸が激しい。この心臓の音で船橋達に見つかってしまうのではないか、と本気で海斗は思った。一生懸命に深呼吸を繰り返し出来るだけ早く息を整えようと思った。

少し呼吸が落ち着いてきた頃、海斗はマリスの方を見る余裕ができた。

マリスの方を見ると彼女は顔を真っ青にしていた。全力疾走の影響だけではないのだろう。


「大丈夫?」

海斗はマリスに小声で問いかけた。

マリスは何やらぶつぶつと呟いている。

一体どうしたのだろう、船橋達にからかわれただけが原因ではないのだろう。しばらく無言で二人は地面に座り込んでいた。

ようやく息が正常に戻ってから海斗はマリスに話しかけた。


「ごめん」

海斗はマリスの方を見て謝った。

「ぼくがこんな弱虫でいくじなしだから、きみに嫌な思いをさせてしまったね、本当にごめん」

海斗はマリスに深々と頭を下げた。

「ぼくは学校で彼らにいじめられているんだ、ああいうのは日常茶飯事でさ、でもぼくだけだったらいつものように耐えて彼らが飽きるまで我慢するんだけど、きみが彼らに乱暴されそうになったから」

「男らしい人だったら、そこで彼らに敵わなくても立ち向かうのだろうけど、ぼくには逃げることしか出来なかった」

「そのせいできみに迷惑をかけてしまった、本当にごめん」

マリスは海斗の方に向き合った。

「なんじゃ、そんなことか」

?!

じとりとした横目で海斗を見たマリスはため息をついた。

「それより、この世界はどうなっておるのじゃ、精霊の声がまったく聞こえないではないか」

マリスは魔法が使えなかったことに困惑をしていただけだった。

海斗はがっくりと本当に音が出そうな勢いで上体が崩れ落ちた。

「そんなことって、、、」

海斗は落ち込んだ。

「ここは夜でも光や音が溢れているのに、精霊の声がまったく聞こえないとは不思議な世界じゃな」

マリスはぼそっと呟いた。

その声は少しの不安を含んでいたが海斗にはそれが気づかなかった。

「でも、ぼくと会った日にきみは魔法でぼくの身体を治してくれたじゃないか、あの時は使えたじゃないか」

海斗は疑問を口に出した。

「確かに魔法は使えたが、思ったよりも効果が薄いと思ったんじゃ、気のせいかと思っておったのじゃが」

「そなたに逢うた場所では精霊の声が聞こえていた、いつもよりかなり小さくではあったが」

精霊は万物の命の源、とマリスは言っていた。確かに川には魚や虫やザリガニ等が生息している。それでも生活排水とかで濁っているから、山奥の水質の良い川とは全然生き物の生息度は違うだろうけど。


精霊が居ないということは、マリスは元の世界に帰れるほどの魔力を使えないのではないだろうか、、、。

海斗はそんな不安が頭をよぎった。おそらくマリスは魔法が発動しなかった時点でこのことを予測して青ざめてしまったのではないだろうか、、。


「もうだいぶ時間が経ったから、あいつらも諦めていなくなったかな」

すっくと海斗は立ち上がると、目の前に茶色い髪の悪魔、船橋と目が合った。なんと間の悪いことだろう。

「手前ェ、こんなとこに隠れてやがったな」

そう言い様、船橋は海斗に向かって走り出した。

船橋と目が合った海斗はさながら蛇に睨まれたカエルのように身動きが取れなくなっていた。足が震えだした。殴られる、、、!

船橋が海斗の目の前に辿り着き、拳を振り上げたその時。

海斗の傍に立つ柘植の樹の枝が唸りを上げて船橋の顔をしたたかに打った。

「ってぇ!なんなんだよ!」

枝の葉が船橋の目に当たった為か、しばらく目を開けることが出来ずに悪態をついている。


海斗ははっとした。船橋に殴られる直前に傍に立っていた樹が船橋の顔を目掛けて動いていた。


マリスは海斗の方を見て無言で頷いた。よし、これで時間が稼げた。逃げよう!

海斗は再びマリスの長衣の袖からほんの少しだけ出ている手を掴み、走り出した。

広大な敷地を持つこの都市公園の中央には人工の池が水を張っている。水面にはマンションのポツポツとした灯や街灯が映し出されている。人工池の真ん中にある橋を渡り、そこから公園の出口の方に向かって行った。この方面には確か交番があったはずだ。そこまで行けばなんとか助かるだろう!人工池の渡り橋を駆け登り、降りた瞬間、前から二人組の男が海斗達に駆け寄って来るのが見えた。

まさか!前から来た二人組は黒井とその連れであった。

「これで、追いかけっこは、終わり、だねぇイチノセくんよぉ」

黒井は息を切らしているのだろう。途切れ途切れに海斗に話かけた。それでもニヤニヤしているのは、この男の素の貌なのか、はたまたドSの性癖だからなのか。


後ろから船橋の声が近付いてきた。仲間も合流したのだろう、背後から複数の声が聞こえて来る。

海斗は観念した。

マリスの方に顔を向けた。

息を切らしている。ぜぇぜぇと荒い呼吸を繰り返していた。

せめてこの子だけでも逃してもらおう。土下座でも何でもするから、、、。

海斗は不思議と落ち着いた気持ちでそう思った。どうしてほとんど見知らずの怪しい人物で、何の恩も義理もない、しかも自称異世界から転移した自称魔導師にここまで献身的になれるのだろう。そんな疑問は露ほども湧かなかった。

背後から近づいた船橋達はゆっくりと海斗達を取り囲み、息を整えながら声をかけた。

「ズイブンと舐め腐った真似してくれるじゃんかよぉ、イチノセくんよぉ」

恫喝しながらも、息を整えている。呼吸を取り戻した時に再び暴力が発動することになるだろう。

海斗はそぉっとマリスを横に押して自分と距離を取った後、勢いよく地面にひざまづき土下座をした。

「ごめんなさい、船橋くん、逃げてしまって」

「ぼくのことはどうとでも好きにして構いません、でも彼女はぼくと何の関係も無いんです、彼女は見逃してくれませんか、お願いします!」

声を震わせながら、必死に海斗は船橋達に懇願した。

しかし、この手の輩はこういう下手に出た行動は裏目になるものである。見下している相手が更に卑屈になるようものならば、人間としてではなく奴隷や人形として扱うようになるのだ。

主人が奴隷のお願いなど聞くことがあるのだろうか?よほどの聖人君子ならばそれはあるかも知れない。だが、今奴隷に懇願されている主人は不良と呼ばれる類である。主人は更に傲岸不遜になるだけである。

「ダメだね、手前ぇは俺に意見することも許されねぇ、クソ奴隷なんだよ、散々追いかけさせられて俺ぁブチ切れてんだよ!」

船橋は怒りで顔が引きつっている。

「こいつをボコボコにして池に放り込んでやろうぜ」

船橋は獰猛な肉食獣のような笑いを浮かべて連れ達に宣言した。

「んで、こいつが終わったらおねーさんはボクタチとお楽しみだね」

黒井がニヤついた笑いをマリスに向けた。

「この彼氏の前でアオカンして見せつけてやろうか?」

黒井の連れが興奮気味に言った。

「それもいいなぁ、でも最初の味見は俺だからな」

ニヤついた笑いの中に真剣な眼をした黒井を見て黒井の方の連れは怯んだ。

「わかったよ、、はやくそこの彼氏をボコにして楽しもうぜ」

「言われなくても分かってんよ!オラァ、立てよ!」

船橋は海斗の襟をつかんで無理やり立ち上がらせた。

頬を硬い痛みが刺さる。

殴られた。海斗はそう思ったすぐさま次の痛みが海斗の身体を襲った。

船橋と連れ二人が海斗の前後から殴る、蹴るの暴行を次々と加えていった。

どさりと地面に打ち倒された後も執拗に身体のあちこちに痛みが加えられていく。

繰り返される暴力に海斗の身体は痛みを感じなくなっていき意識は朦朧としてきた。ここでぼくは死ぬのかな、、、。そんなことを思っていたその時。

「イチノセカイト!!」

不意に大声で名前を呼ばれた。

マリスは、眉間にしわを寄せてこっちを見ている。

何をしているんだよ、ぼくがやられているどさくさに紛れて逃げてしまえばよかったのに、、、。


海斗は度重なる暴力で目の前が薄らぼんやりとしている中マリスの方に目だけを向けた。

「そのまま伏せているんじゃ!!」

何言ってるんだよ、伏せているんじゃなくて立てないんだよボコボコにされて。

海斗はマリスの方を見て心の中で呟いた。


「我は其の真実の名を知る者、我が声を聞き入れたるならば、其の真実の名を汚せし者共に裁きを下す御剣を与えたまえ!」

凛とした声が男達を包んだその時、人工池の水面が小さく渦を巻いた。

その変化は誰にも気付かれていなかった。

船橋は声をした方に向き直る。マリスが船橋達にコンビニの前で起こした出来事を繰り返したことを認識した。

あの時船橋は海斗をからかっていた為、余裕があったが、今は暴力を振るいかざし興奮状態にある。血の匂いを嗅ぎつけた空腹の肉食獣のような瞳でマリスを見た。

「もうおふざけをしている場合じゃねぇんだよ、ふざけた真似してると手前ェもあいつと同じくボコにしてやんぞ?」


拳を握りしめて船橋はマリスを恫喝した。

「おいおい、待てよ船橋、その子は俺が遊ぶんだから止めろよ、オンナノコに手を上げちゃいけないヨ?」

おどけた口調で黒井は船橋を諫めた。別にマリスのことをかばったわけではなくこの後のお楽しみのためにマリスを船橋に傷モノにされたくない為だ。

「あぁ?」

船橋は黒井の方に向いた。気が立っている。

「手前ェ、俺の邪魔しよぉってのかよ?手前ェも横から下らねえ口挟んでくるなら容赦しねえぞ俺は!」

「わりい、邪魔するつもりじゃなかったんよ」

黒井は青ざめた顔で謝った。船橋と中学からの付き合いである黒井は船橋がキレたらかなり恐ろしいことになるのを知っている。

中学2年の時に、船橋と黒井は上級生の不良に生意気だ、と因縁をつけられた。上級生の溜まり場となっている3年生の校舎三階の用具入れの部屋に呼び出され、包囲された。集団で船橋達をリンチするつもりであったのだろう。それに対して船橋はブチ切れて上級生を返り討ちにした挙句、ガラス窓を上級生の顔でぶち破った。それだけならまだしも、更にそこから上級生を本気で窓の外に落とそうとしたのだ。


それ以降、船橋は「狂犬」というあだ名が付いた。もちろん本人のいる前では口に出せないが。


そんな船橋が久しぶりにブチ切れている。これは死人が出るかも、と黒井は本気で思った。


船橋はマリスの方にゆっくりと歩み寄った。マリスはじりじりと人工池の方に後ずさっていく。

船橋と一緒に海斗に暴行を加えていた二人は、キレた船橋の雰囲気から近寄り難くなりその場に立ち尽くしていた。

ゆっくりと近付く船橋、人工池を背に立ち尽くすマリス。

その距離が1メートル位になった時、船橋は腕に異変を感じた。

「ん?」

右腕に違和感がある。どういうことだ?

しばらくすると、右の二の腕から血が流れ始めた。

船橋は不思議な面持ちで自分の右腕を見た。血が流れている。ボコにしてやったあいつの血か?いや、違う、これは俺の腕から出ている、走った時にどこかで擦れたのか?

そんなことを考えていると今度は左足の太腿に違和感を感じた。

その瞬間、船橋は立っていられなくなり、地面に膝をついた。

「何だ?これは?」

太腿に1センチ程の穴が空いて、そこから血が吹き出している。これはさっき暴れていた時についたものではない、今出来たものだ。

今度は右肩に衝撃を感じた。ぐらりと上体が揺れた。またしても同じく1センチ程の穴が出来、そこから血が流れ出した。

自分は攻撃されている?!やっと船橋は自分の身体に出来た傷の原因を理解した。だが、どこから攻撃された?銃や吹き矢のようなもので攻撃されたみたいだ、船橋はそう考えた。だが一体誰がやってるんだ?船橋は周囲を見渡した。真夜中の公園には船橋と海斗達以外は人気がない。海斗はズタボロにされて床に倒れている状態だ。じゃあ、誰だ俺を攻撃する奴は?!


船橋は目の前の人物に焦点を合わせた。そいつは俺のほうに右手を前にかざしている。まさか、こいつか?俺を攻撃しているのは?!


船橋は半信半疑ながら、目の前の女が自分を攻撃している原因と考えた。ならば、こいつをブチのめさなくては!

「手前ェェ!」

船橋は立ち上がり、拳をマリスに振りかざした。

その拳はマリスに届かなかった。


マリスの背後の人工池の水面から幾つかの渦が発生し、そこから圧縮された水流が船橋に向かって突き刺さっていった。

船橋はまるで散弾銃の弾を受けたかのように体から無数の出血をし、そのままのけぞるように地面に倒れた。


黒井は唖然とした。あの船橋がやられた、しかも池の水がジェット水流のように噴出し、船橋を襲っていく光景は夢ではないかと思った。

マリスは眉間にしわを寄せ、船橋の背後にいる二人組に右手をかざした。

すると、またも人工池の水面から銀の糸のような水流が発生し二人組を襲った。

「痛ぇ!」

「なんだよこれは!」

二人組は無数の銀の糸のような水流を受けみるみるうちに血に染まっていく。

「やべぇよこれは!」

「逃げるぞ!」

二人組は脱兎の勢いでマリス達から離れていった。二人は血塗れになりながら公園の奥の闇に溶け込むように消えていった。

残された黒井は未だ茫然と立ち尽くしていた。

「おい、やべえぞ、早くバックれようぜ」

黒井の傍にいた二人組は黒井に囁いた。
早くこの場を逃れないと、船橋達の二の舞になる。あの得体の知れない力で。


マリスはくるりと黒井達の方に体を向けた。そして、無言で右手をかざした。

「ヒィッ」

二人組は黒井に背を向けて一目散に逃げ出した。砂埃が勢いよく舞い上がっている。あっという間に公園の闇の中に逃げ込んでいった。

マリスは手を下ろし、黒井に向けてゆっくりと数歩近づいた。

「そなた、あそこに倒れている狼藉者の同胞であろうな?」

「あ、あ、」

黒井は言葉を失っている、そしてどう応えればこの場を乗り切れるのか頭の中で様々な受け答えが錯綜した。下手なことを言えばあの得体の知れないもので船橋のように、、、。普段のニヤけた貌はどこかに消え去り、冷や汗が身体の内側を濡らしている。

「そんな奴知りません!俺たちはそいつに脅されて悪さを手伝わされていたんだ!だから、俺はそいつの友達でも何でもありません!お願いですから命だけは助けて下さい!」

黒井はこれ以上無いくらい無様な姿を見せ、マリスに懇願した。

マリスは冷たい視線を黒井に向け、ぼそりと言った。


「彼奴の命に別状は無いじゃろうが、このままにしておくのも酷いじゃろう、そなた、彼奴を連れて何処へなりとも立ち去るが良い」


「ただし、今後われの前に再び相見えることがあるのなら、今度はその命を絶つことになるじゃろう、この言をしかと刻んでおくのじゃぞ」

黒井は安堵と恐怖の相反する感情を抱き、無意識に土下座をしていた。


「はい!分かりました!ありがとうございます!」

命乞いを受け入れてもらえたことに自然と感謝の言葉が黒井の口から出た。

それから黒井はマリスと目を合わさずに船橋の方に歩いて行き、肩を担いでその場を離れていった。


ようやく黒井達の姿が見えなくなった頃、マリスは海斗の所へ歩き出した。

海斗は痛みに顔をしかめながらゆっくりと上体を起こした。さすがにまだ立てないようである。


「そなた、息災であるか?」

マリスはしゃがんで海斗と同じ目線の高さになった。

「大丈夫なわけないよ、身体中ボロボロだよ」

そんなことを言いつつも海斗は不思議と笑っていた。

「しかし、本当に魔法が使えたんだねきみは、すごいや」

奇跡を目の当たりにした海斗は身体は傷だらけでも誇らしげな気持ちで自然と笑っていた。

「でも、精霊の声が聞こえないと魔法は使えないって言ってたのにどうして使えたんだい?」

海斗はマリスの起こした奇跡の種明かしが知りたかった。

「この池はどこかの川に繋がっておるようじゃ、辛うじてじゃが精霊の声が微かに聞こえておった」

「そなたに引きずられるように走っている時に、この池を発見したときからわれは精霊に呼びかけておったのじゃ」


「じゃが、ようやく集まった精霊も数が少なくてのぅ、束にして力場を形成するのに時間がかかってしまったのじゃ」


そうなんだ、人工池とばかり思っていたけど、地下で水脈と繋がっているんだ。


「それにしてもこの世界の精霊はか細く弱々しいのぅ、先程の術も#予_われ__#の世界なら水竜の力を借りて池の水全体でも足りないくらいの大きな洪水を作れたものじゃ」


マリスは物悲しそうにぽつりと呟いた。



ぐぎゅぅぅぅ、、、。


マリスのお腹の警鐘がけたたましく響いた。


「んなっ」


マリスは顔を赤らめた。


「違うのじゃぞ、これは先程の術で膨大な力を使った為に身体の蓄えが一気に消耗した為じゃからな!」

何が違うのかわからないが必死に弁明している。

海斗はくすっと下を向いて笑った。


「あいつらもいなくなったし、またコンビニに買いに行こうか、助けてくれたお礼にデザートもつけてあげるよ」

「デザートとはなんじゃ?」


「甘いもののことだよ、この世界はいろいろな美味しいデザートがあるんだ」

「甘いもの?!」

マリスは瞳をキラキラさせた。

「よし!ゆくぞよ!イチノセカイト!さあ早く立たぬか!われは力を使い果たして動けなくなりそうじゃ、早く食料を補充しないと!」










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