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試練
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気を張りながら先に進むも、階段までの道程にダークゴブリンは出てくる事はなかった。
ダークゴブリン共が時間差でずっと襲い続けてきていたのは、離れた位置から戦闘を察知して、こちらへと駆け付けていたかららしい。
モンスターが仲間を呼ぶって事もあるんだな......厄介な事だけど、浅い階層で体験できたのはよかった。
ここまで進んでも宝箱は出ず。この先も宝箱みたいな物は手に入らないんだろうか......
ヤツらの攻撃で穴の空いてしまった服のままでいるのは辛い。どうかこの先、丈夫な衣類と靴を手に入れる機会をくださいと祈りながら階段を下りていった。
◇◆原初ノ迷宮第五階層◆◇
階段を降りてすぐの位置に、やたらと大きい扉を発見した。
これは今までに無いパターン。
「ボスでもいるのか?」
初めてのパターンなので、何が起きようが即座に対応できるように身構えながら扉を開ける。
扉の中は円形の薄暗い部屋になっていて、三つの人型の影があった。ダークゴブリンよりも大きい。
中に入ると部屋が徐々に明るくなっていき、三つの影の姿が顕になる。
二メートル程のダークゴブリンが三体、手には棍棒、棍棒、金棒。
金棒を持っているのがリーダーだと思われる。ソイツは他の二匹と身長は変わらないが、他の二匹よりもガタイがいい。
(ステータスチェック)
──────────────────────────────
ダークホブゴブリン
レベル:22
──────────────────────────────
ダークゴブリンが進化した姿なのか、強化された姿なのか......どっちにしろ格上であるので油断はできない。
──────────────────────────────
ダークゴブリンウォーリアー
レベル:28
──────────────────────────────
この迷宮......バランスが悪いと思う。
ㅤちょっと自分とレベル差が開きすぎている。もう少しレベル上げをしてから向かうべきだったのかな?
扉は閉まっているので、この部屋から脱出して出直そうとしても、その間に二撃くらいは食らってしまう。既に相手も戦闘態勢に入っているから、無傷での脱出は無理だ。
「......いや待て。何故逃げる方向に思考をしているんだ」
思考が逃げる方向に向かっているのに気付いて、思わず乾いた笑いが零れる。
「......アハハッ、何を弱気になっているんだろう。この程度の相手に弱腰になる必要はないだろうがっ! こちらの血液のストックが空になる前に倒せばいいだけなんだ......」
こちらの覚悟が決まるまで待っていてくれているのか、それとも何かアクションを起こすまでは攻撃してはいけないとプログラムされているのか......
とりあえず助かったよ。
この状態のまま攻撃をされていたら、無駄に血液を浪費してしまうところだった。
「アハハッ!! 所詮ちょっとばかし強くなったダークゴブリンだろうに。勝手に相手を過大評価して萎縮するとかバカバカしい!!」
覚悟が決まり、言葉を言い切るとともに駆け出す。
まず最初に狙うは自分から見て右端にいるダークホブゴブリン。ヤツらが武器を持っているのは右手なので、ヤツらの武器的に振りかぶって攻撃する必要があると思う。
攻撃が当たった場合の被害を考える必要がないので、攻撃が当たるまでの時間が少しでも稼げるようにと考えた結果だ。
ㅤ突然の特攻で面食らっていたので、無事にダークホブゴブリンの顔面に先制の一撃を入れる事ができた。
どんなステータスをしているのかわからないが、相手の顔面は固く、殴った拳が嫌な音を立てる。雑魚のダークゴブリンと違って一撃を与えるだけでは、全く倒せる気配がなかった。
幸いスピード面では勝っているので怯まずに追撃。二発、三発......そして四発目を加えた時にようやく、顔の骨の何処かを砕く感触が手に伝わってきた。
ㅤヨシッ!!
これで、最低でも普段通りの戦闘は難しいだろうと思い、次のダークホブをと思った所で肩に衝撃......全く意識していなかったダークゴブリンウォーリアーから強烈な一撃をもらってしまう。
闇を纏わせた金棒の一撃で左肩が飛んでいく......相変わらず自分は紙防御なので抵抗も無くあっさりと弾け飛んだ。しかし、体から離された左腕が地面につく頃には、自分の体からは既に新しい腕が生えていた。
すかさずステータスを確認。腕の再生......この能力を認識してから今までで一番の大怪我。拳を修復していた分を引いて、使用した血液は多分1L。
これをかなり少ないと考えるべきか......いや、思っていたよりも使われた血液が少なかったが正解だろう。
片腕を吹き飛ばした事で慢心し、ニヤニヤしていたウォーリアーは、気付くと新しく腕が生えていた俺を見て動きが止まる。
戦いの最中にも関わらず、ステータスを確認していたのでありがたい時間だった。自分にとっての生命線なので、血液使用量はなるべく正確な量を把握しておきたい。
驚くウォーリアーの横を走り抜け、ダークホブゴブリンのもう一体に飛びかかる。
またウォーリアーに一撃もらってしまうだろうけど、先にこっちから片付ければ戦闘は楽になるだろう。
ダークホブゴブリンが放つ大振りの一撃を躱して拳を叩き込む。相手の打撃を受けながら放った三発目がヤケにいい手応えで、二体目のダークホブゴブリンは計三発で倒せた。
予想していたよりも早く倒せたおかげで余裕ができ、その場から飛び退く事でウォーリアーが放つ背後からの一撃を。
先程よりも力を込めていたのか、金棒の起こした風圧で若干バランスを崩してしまった。威力が大分おかしい。
そこに蹴りが飛んできて直撃してしまうが、余り威力は無かったので即座に離れて体勢を整える。
ウォーリアーは見た所かなりタフそうだし、力も強くて厄介な相手。敏捷は勝っていそうなのが救い。
あの金棒さえ持っていなければもっとやりやすかったのに......十ものレベル差って案外シャレにならないんだなぁ......
ダークゴブリン共が時間差でずっと襲い続けてきていたのは、離れた位置から戦闘を察知して、こちらへと駆け付けていたかららしい。
モンスターが仲間を呼ぶって事もあるんだな......厄介な事だけど、浅い階層で体験できたのはよかった。
ここまで進んでも宝箱は出ず。この先も宝箱みたいな物は手に入らないんだろうか......
ヤツらの攻撃で穴の空いてしまった服のままでいるのは辛い。どうかこの先、丈夫な衣類と靴を手に入れる機会をくださいと祈りながら階段を下りていった。
◇◆原初ノ迷宮第五階層◆◇
階段を降りてすぐの位置に、やたらと大きい扉を発見した。
これは今までに無いパターン。
「ボスでもいるのか?」
初めてのパターンなので、何が起きようが即座に対応できるように身構えながら扉を開ける。
扉の中は円形の薄暗い部屋になっていて、三つの人型の影があった。ダークゴブリンよりも大きい。
中に入ると部屋が徐々に明るくなっていき、三つの影の姿が顕になる。
二メートル程のダークゴブリンが三体、手には棍棒、棍棒、金棒。
金棒を持っているのがリーダーだと思われる。ソイツは他の二匹と身長は変わらないが、他の二匹よりもガタイがいい。
(ステータスチェック)
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ダークホブゴブリン
レベル:22
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ダークゴブリンが進化した姿なのか、強化された姿なのか......どっちにしろ格上であるので油断はできない。
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ダークゴブリンウォーリアー
レベル:28
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この迷宮......バランスが悪いと思う。
ㅤちょっと自分とレベル差が開きすぎている。もう少しレベル上げをしてから向かうべきだったのかな?
扉は閉まっているので、この部屋から脱出して出直そうとしても、その間に二撃くらいは食らってしまう。既に相手も戦闘態勢に入っているから、無傷での脱出は無理だ。
「......いや待て。何故逃げる方向に思考をしているんだ」
思考が逃げる方向に向かっているのに気付いて、思わず乾いた笑いが零れる。
「......アハハッ、何を弱気になっているんだろう。この程度の相手に弱腰になる必要はないだろうがっ! こちらの血液のストックが空になる前に倒せばいいだけなんだ......」
こちらの覚悟が決まるまで待っていてくれているのか、それとも何かアクションを起こすまでは攻撃してはいけないとプログラムされているのか......
とりあえず助かったよ。
この状態のまま攻撃をされていたら、無駄に血液を浪費してしまうところだった。
「アハハッ!! 所詮ちょっとばかし強くなったダークゴブリンだろうに。勝手に相手を過大評価して萎縮するとかバカバカしい!!」
覚悟が決まり、言葉を言い切るとともに駆け出す。
まず最初に狙うは自分から見て右端にいるダークホブゴブリン。ヤツらが武器を持っているのは右手なので、ヤツらの武器的に振りかぶって攻撃する必要があると思う。
攻撃が当たった場合の被害を考える必要がないので、攻撃が当たるまでの時間が少しでも稼げるようにと考えた結果だ。
ㅤ突然の特攻で面食らっていたので、無事にダークホブゴブリンの顔面に先制の一撃を入れる事ができた。
どんなステータスをしているのかわからないが、相手の顔面は固く、殴った拳が嫌な音を立てる。雑魚のダークゴブリンと違って一撃を与えるだけでは、全く倒せる気配がなかった。
幸いスピード面では勝っているので怯まずに追撃。二発、三発......そして四発目を加えた時にようやく、顔の骨の何処かを砕く感触が手に伝わってきた。
ㅤヨシッ!!
これで、最低でも普段通りの戦闘は難しいだろうと思い、次のダークホブをと思った所で肩に衝撃......全く意識していなかったダークゴブリンウォーリアーから強烈な一撃をもらってしまう。
闇を纏わせた金棒の一撃で左肩が飛んでいく......相変わらず自分は紙防御なので抵抗も無くあっさりと弾け飛んだ。しかし、体から離された左腕が地面につく頃には、自分の体からは既に新しい腕が生えていた。
すかさずステータスを確認。腕の再生......この能力を認識してから今までで一番の大怪我。拳を修復していた分を引いて、使用した血液は多分1L。
これをかなり少ないと考えるべきか......いや、思っていたよりも使われた血液が少なかったが正解だろう。
片腕を吹き飛ばした事で慢心し、ニヤニヤしていたウォーリアーは、気付くと新しく腕が生えていた俺を見て動きが止まる。
戦いの最中にも関わらず、ステータスを確認していたのでありがたい時間だった。自分にとっての生命線なので、血液使用量はなるべく正確な量を把握しておきたい。
驚くウォーリアーの横を走り抜け、ダークホブゴブリンのもう一体に飛びかかる。
またウォーリアーに一撃もらってしまうだろうけど、先にこっちから片付ければ戦闘は楽になるだろう。
ダークホブゴブリンが放つ大振りの一撃を躱して拳を叩き込む。相手の打撃を受けながら放った三発目がヤケにいい手応えで、二体目のダークホブゴブリンは計三発で倒せた。
予想していたよりも早く倒せたおかげで余裕ができ、その場から飛び退く事でウォーリアーが放つ背後からの一撃を。
先程よりも力を込めていたのか、金棒の起こした風圧で若干バランスを崩してしまった。威力が大分おかしい。
そこに蹴りが飛んできて直撃してしまうが、余り威力は無かったので即座に離れて体勢を整える。
ウォーリアーは見た所かなりタフそうだし、力も強くて厄介な相手。敏捷は勝っていそうなのが救い。
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