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ババアの店リターンズ
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ボス戦の後は確定で現れるババアの店。
相手からすればただの商機。特にダンジョン内での商売なんていう特定すぎる限られた場所でのみ存在している店だからか、それとも人ならざる存在だからだろうか......
相手からの視線や言動に負の感情が一切無いのもそうだが、あちらからすれば顧客へのアフターサービスの一環だろうけど自分に対しての気遣いもしてくれる。
ただただ単純だなと我ながら思うけど、ババアの様な普通の対応に飢えていたんだなと感じる。ダンジョン内にある店じゃなくても、地上に居た時にこんな店があったのならばもう少し生きるのが楽だっただろうし、通っていたかもしれない。
「アハハハ......なんだこれ」
生き死にが隣人な世界の方が生きやすい自分に戸惑いながらババアの居るエリアに足を踏み入れた......
『イラッシャイ』
いつも通り、よく来たなという感情しか感じない声色のババアに迎えられる。
会話はほぼ無い......だが、悪感情を向けられないだけの空間がこんなにも居心地が良く、心を安らげてくれる。
『ヒッヒ、ボウズ......ノロワレテンノカイ、ナラコレハカッテオキナ!』
自分を一瞥したババアはこちらに向かって一本の小瓶を投げつけてきた。
「......これは?」
簡易鑑定で名前を確認すると〈解呪ポーション〉という名前の物と判る。
『ノロイニコウカガアルモンダヨ。モノデモヒトデモ、ノロワレテルノナラバソレヲフリカケレバイイ』
値段は300BPとお高めだったが、今の自分に絶対必要な物と理解したので有難く購入させてもらった。
単位は今適当に付けた。円やドルとか、数字の後に何か無いと呼びにくかったから。
不要なモノを全て売り払って得たBPは2050でポーション代の300を引いた1750BP。
『カイケイハスンダカラサッサトツカイナ。ソノタイチョウハ、ネレバナオルジャロ』
ババアの言葉に甘えて早速解呪ポーションを使用する。何処がどれくらい呪われているのかわからないから頭からポーションを被る。物にも使えるってババアが説明していたから使い方は間違っていないはず。
体から立ち昇る黒い靄、それが霧散していくにつれて軽くなっていく身体。
『ヒッヒッヒ......テッキリノミコムカトオモッテイタガ、タダシイツカイカタヲシタネェ。モウイッポンウレルカトオモッテイタノニ』
誰もが想像するような魔女の笑い方をしてこちらをおちょくる。まぁ多分ババアはどっちでもよかったんだろう。効果を知ってわかったけど、これは持っていて損は無い......割らないようにしなくてはならないが。
「こういうのもあるのか......もう一本も貰うよ。売り物の説明をしてくれよ。そうすればもっと色んなの買うかもしれないだろ」
『アマッタレンナ。ジブンノメデワカルヨウニナリナ』
商売っ気が有るのか無いのかわからない。仕方ないから名前だけでも判るだけ恵まれていると思っておこう......今は。
『ハヤクエラビナ』
「わかったよ」
◆◆◆◆◆
ババアの店で購入したのは下着類400BP分、投槍としても近接武器としても使えそうな短槍を二本500BP、解呪ポーション300BPの計1200BP。
霊体系モンスターに効果がありそうな物は売っておらず、今必要そうな物を揃えた。衣服類の充実......これは地味に嬉しい。
『マイドアリ......ヒヒッ、コレハオマケジャ』
買い物を終えた自分にオマケと言って鑑定できない枕を渡し、ババアは消えていった。何で作ったのかわからないのが怖いけど、正直助かる。
「......さて、身体を洗って水飲んで寝よう。起きたら体調も良くなってるでしょ」
湧き水で体を洗い、洗濯をする。そして、金棒や短槍に洗濯物を掛けてから眠った。
ババアから貰った枕は驚く程に寝やすかった。本当になんなんだろうか、あのババアの正体は......
◆◆◆◆◆◆◆
『ヒッヒッヒ......』
『どうしました? 貴女がそんな風に笑うなんて......珍しい事もあるものですね』
『妾を見ても恐れを抱かず、対等に話をする人間が居たと言われて、お主は信じられるかい?』
『......まさか。俄かには信じ難いですね』
『ヒッヒッヒ......そのまさかよ。最初に其奴は妾の隠蔽を物ともせずに品の選別をしている妾の前に現れおったのよ。流石に驚いたわい......驚きすぎてダンジョン内なのに店主の真似事をしてもうたわ』
『ソレは......本当に人間なのですか? 私たちですら貴女が隠蔽を使用すると感知する事すら出来ませんのに......』
『お主はもっと精進せぇ。それでの、お主たち以外で妾と会話し、正気を保っている者などここ数百年居なかったじゃろ? それで其奴に興味が出てのぉ、妾の印を与えてしもうたわ......イッヒッヒッヒ』
『......アレを渡しても無事だったのですか?』
『賭けじゃったが、何ともなくすんなりと受け取りよったわい。四度じゃ、今回で四度目じゃ......長生きはしてみるモンじゃの。神の加護を持った者でも、二度目はないというのに......ヒヒヒヒッ』
『またその人物に会いに行くのですか?』
『其奴が生きていればの。今其奴は原初の迷宮を一人で進んでおるでの? 10階層進む毎に出向いてババアの店の店主として会っておるわい』
『............』
『イヒヒヒヒヒ......次は50階層かの? その時はお主も来るかの? ただ、妾の正体を明かさない、其奴の言動に一々反応しない、害を加えずに大人しくしている......その三つを約束出来るのならになるがの』
『............それほどまでにその人間を気に入ったんですか?』
『お主ならばわかるじゃろ? 傅かず、媚びず、恐れずに話が出来る存在の貴重さを。お主らはいくら言っても遜るのを止めないからのぉ......』
『わかりました。では次回ご同行させてくださいませ。それと、私たちはいくら貴女が望んだとしても変わることは一切ありません』
『そうかい......あぁそうそう、会ってみて気に入ったら何か渡してやんな。イッヒッヒ、あの坊主は未だに妾が気まぐれで渡した布を大事に持っておるからの......可愛くて仕方ないわい』
『......わかりました。何か用意しておきます』
──────────────────────────────
吉持ㅤ匠
闘人
Lv:44
HP:100%
MP:100%
物攻:110
物防:1
魔攻:60
魔防:1
敏捷:110
幸運:10
残SP:10
魔法適性:炎
スキル:
ステータスチェック
血液貯蓄ㅤ残93.5L
不死血鳥
状態異常耐性Lv8
拳闘Lv5
鈍器Lv8
小剣術Lv4
簡易鑑定
空間把握Lv7
投擲Lv7
歩法Lv4
呪耐性Lv3
病気耐性Lv2
■■■■■■
装備:
魔鉄の金砕棒
肉食ナイフ
魔虎皮のシャツ
悪魔大土蜘蛛のバンテージ
合成皮革のズボン
再生獣革のブーツ
魔鉱のブレスレット
剛腕鬼の金棒
圧縮鋼の短槍×2
丈夫なリュック
厚手の肩掛け鞄
黒革のナイフホルダー
予備の服一式×3セット
下着類
????の枕
ババァの店の会員証ㅤ残高1290
──────────────────────────────
相手からすればただの商機。特にダンジョン内での商売なんていう特定すぎる限られた場所でのみ存在している店だからか、それとも人ならざる存在だからだろうか......
相手からの視線や言動に負の感情が一切無いのもそうだが、あちらからすれば顧客へのアフターサービスの一環だろうけど自分に対しての気遣いもしてくれる。
ただただ単純だなと我ながら思うけど、ババアの様な普通の対応に飢えていたんだなと感じる。ダンジョン内にある店じゃなくても、地上に居た時にこんな店があったのならばもう少し生きるのが楽だっただろうし、通っていたかもしれない。
「アハハハ......なんだこれ」
生き死にが隣人な世界の方が生きやすい自分に戸惑いながらババアの居るエリアに足を踏み入れた......
『イラッシャイ』
いつも通り、よく来たなという感情しか感じない声色のババアに迎えられる。
会話はほぼ無い......だが、悪感情を向けられないだけの空間がこんなにも居心地が良く、心を安らげてくれる。
『ヒッヒ、ボウズ......ノロワレテンノカイ、ナラコレハカッテオキナ!』
自分を一瞥したババアはこちらに向かって一本の小瓶を投げつけてきた。
「......これは?」
簡易鑑定で名前を確認すると〈解呪ポーション〉という名前の物と判る。
『ノロイニコウカガアルモンダヨ。モノデモヒトデモ、ノロワレテルノナラバソレヲフリカケレバイイ』
値段は300BPとお高めだったが、今の自分に絶対必要な物と理解したので有難く購入させてもらった。
単位は今適当に付けた。円やドルとか、数字の後に何か無いと呼びにくかったから。
不要なモノを全て売り払って得たBPは2050でポーション代の300を引いた1750BP。
『カイケイハスンダカラサッサトツカイナ。ソノタイチョウハ、ネレバナオルジャロ』
ババアの言葉に甘えて早速解呪ポーションを使用する。何処がどれくらい呪われているのかわからないから頭からポーションを被る。物にも使えるってババアが説明していたから使い方は間違っていないはず。
体から立ち昇る黒い靄、それが霧散していくにつれて軽くなっていく身体。
『ヒッヒッヒ......テッキリノミコムカトオモッテイタガ、タダシイツカイカタヲシタネェ。モウイッポンウレルカトオモッテイタノニ』
誰もが想像するような魔女の笑い方をしてこちらをおちょくる。まぁ多分ババアはどっちでもよかったんだろう。効果を知ってわかったけど、これは持っていて損は無い......割らないようにしなくてはならないが。
「こういうのもあるのか......もう一本も貰うよ。売り物の説明をしてくれよ。そうすればもっと色んなの買うかもしれないだろ」
『アマッタレンナ。ジブンノメデワカルヨウニナリナ』
商売っ気が有るのか無いのかわからない。仕方ないから名前だけでも判るだけ恵まれていると思っておこう......今は。
『ハヤクエラビナ』
「わかったよ」
◆◆◆◆◆
ババアの店で購入したのは下着類400BP分、投槍としても近接武器としても使えそうな短槍を二本500BP、解呪ポーション300BPの計1200BP。
霊体系モンスターに効果がありそうな物は売っておらず、今必要そうな物を揃えた。衣服類の充実......これは地味に嬉しい。
『マイドアリ......ヒヒッ、コレハオマケジャ』
買い物を終えた自分にオマケと言って鑑定できない枕を渡し、ババアは消えていった。何で作ったのかわからないのが怖いけど、正直助かる。
「......さて、身体を洗って水飲んで寝よう。起きたら体調も良くなってるでしょ」
湧き水で体を洗い、洗濯をする。そして、金棒や短槍に洗濯物を掛けてから眠った。
ババアから貰った枕は驚く程に寝やすかった。本当になんなんだろうか、あのババアの正体は......
◆◆◆◆◆◆◆
『ヒッヒッヒ......』
『どうしました? 貴女がそんな風に笑うなんて......珍しい事もあるものですね』
『妾を見ても恐れを抱かず、対等に話をする人間が居たと言われて、お主は信じられるかい?』
『......まさか。俄かには信じ難いですね』
『ヒッヒッヒ......そのまさかよ。最初に其奴は妾の隠蔽を物ともせずに品の選別をしている妾の前に現れおったのよ。流石に驚いたわい......驚きすぎてダンジョン内なのに店主の真似事をしてもうたわ』
『ソレは......本当に人間なのですか? 私たちですら貴女が隠蔽を使用すると感知する事すら出来ませんのに......』
『お主はもっと精進せぇ。それでの、お主たち以外で妾と会話し、正気を保っている者などここ数百年居なかったじゃろ? それで其奴に興味が出てのぉ、妾の印を与えてしもうたわ......イッヒッヒッヒ』
『......アレを渡しても無事だったのですか?』
『賭けじゃったが、何ともなくすんなりと受け取りよったわい。四度じゃ、今回で四度目じゃ......長生きはしてみるモンじゃの。神の加護を持った者でも、二度目はないというのに......ヒヒヒヒッ』
『またその人物に会いに行くのですか?』
『其奴が生きていればの。今其奴は原初の迷宮を一人で進んでおるでの? 10階層進む毎に出向いてババアの店の店主として会っておるわい』
『............』
『イヒヒヒヒヒ......次は50階層かの? その時はお主も来るかの? ただ、妾の正体を明かさない、其奴の言動に一々反応しない、害を加えずに大人しくしている......その三つを約束出来るのならになるがの』
『............それほどまでにその人間を気に入ったんですか?』
『お主ならばわかるじゃろ? 傅かず、媚びず、恐れずに話が出来る存在の貴重さを。お主らはいくら言っても遜るのを止めないからのぉ......』
『わかりました。では次回ご同行させてくださいませ。それと、私たちはいくら貴女が望んだとしても変わることは一切ありません』
『そうかい......あぁそうそう、会ってみて気に入ったら何か渡してやんな。イッヒッヒ、あの坊主は未だに妾が気まぐれで渡した布を大事に持っておるからの......可愛くて仕方ないわい』
『......わかりました。何か用意しておきます』
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吉持ㅤ匠
闘人
Lv:44
HP:100%
MP:100%
物攻:110
物防:1
魔攻:60
魔防:1
敏捷:110
幸運:10
残SP:10
魔法適性:炎
スキル:
ステータスチェック
血液貯蓄ㅤ残93.5L
不死血鳥
状態異常耐性Lv8
拳闘Lv5
鈍器Lv8
小剣術Lv4
簡易鑑定
空間把握Lv7
投擲Lv7
歩法Lv4
呪耐性Lv3
病気耐性Lv2
■■■■■■
装備:
魔鉄の金砕棒
肉食ナイフ
魔虎皮のシャツ
悪魔大土蜘蛛のバンテージ
合成皮革のズボン
再生獣革のブーツ
魔鉱のブレスレット
剛腕鬼の金棒
圧縮鋼の短槍×2
丈夫なリュック
厚手の肩掛け鞄
黒革のナイフホルダー
予備の服一式×3セット
下着類
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