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夢現
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醜く歪む口元
生物と認識していない視線
容赦なく振るわれる拳や足
飛んでくる嘲笑、暴言、唾や痰
投げ捨てられた中身の無い財布
それを見て嘲笑う家族
次々と浮かんでくる思い出と思いたくない思い出。ごちゃ混ぜになっているコレはなんなんだよ。
動けないので見てるだけしかできない。悔しいなぁ......
しばらく自分が甚振られるシーンを見続け、ようやくそれが終わった。クソ野郎が笑いながら頭を踏み付けているシーンで。
今、自分はダンジョンに居るはず......なんで今更こんな忘れ去りたいモノを見させられているのか。
泣きたいのに泣けない自分
ボロボロにされながらも耐える自分
なんでこんな事をして笑えるのか
お前らがやられてみろよ
逆の立場になってみろよ
............今は違うんだ。今の自分ならば余裕でやり返せる。
殺れるんだよ。あの醜く歪んでいる顔を簡単に肉片にできるんだ。
なんでやり返さない。なんで頭を踏みつけられても泣きそうになりながら耐えてるだけなんだお前は。
お前の目の前にある小さな石を、力を込めて投げるだけでそいつらを黙らせられるんだぞ......
かつての......やられているだけの自分を俯瞰するような視点で見させられてストレスが溜まる。ふざけんな......やり返せよ......
『オイッッ!!!』
............あ!?
「......アハッ......アハハハハ......アハハハハハハハハハハハッッ!!!」
何故かわからないけど声を出せるようになった。
それと同時に身体の支配権を奪えた。動く、動くぞっ!
頭を踏み付けられている屈辱的な体勢だが、そんな事はどうでもいい。
これだけ自分が笑っていても、ニヤニヤした表情のまま全く変わらないコイツら......きっとコレは幻なのだろう。だけど、幻でもいい。幻だろうがコイツらにやり返せるのならば。
「ここから出た時はきっちり殺してやる。だから今はその予行演習として一度死んでくれ。怯えた表情とかできないのか? まぁ、そんな事はどうでもいいか......アハッ......アハハハッ」
頭を踏みつけているカスの足を掴み、ソレを握り潰しながら立ち上がる。やけにリアルな感触がした。
......血は取り込めない。しかしこれでいい。
コイツらの血なんかを取り込みたいとは思わないから......
「金砕棒はないから代わりになるコレを武器として使おうか......アハッ......死ね」
足首の潰れたカスの頭を掴んで振りかぶり、取り巻きの一人に向けて振り下ろす。
肉の潰れる音と共に骨と骨のぶつかる鈍い音が聞こえる。悲鳴を出せ......恐怖に歪んだ顔を見せろ......
「融通の利かない夢だなクソッ!」
脳漿を飛び散らせながら血と肉と骨に変わったクソ袋が二匹。飛び出た目玉が気持ち悪い......一緒に潰れておけよ。
手に残った毛と脳漿混じりの頭蓋骨を残りの取り巻きに向かって全力で投げつける。
ガワだけじゃなく、その中に詰まっている中身までとてもリアルに作られたマネキンを破壊していく。表情の変化や感情さえあればもっとスカッとしたのに......
「アハハハハッ......そっか、倒したモンスターも武器になるんだよな。こんな事ならもっと有効に使えばよかったなぁ......」
骨の弾丸に撃ち抜かれ、内容物を撒き散らしながら崩れ落ちたカス共の頭を一つ一つ丁寧に潰して回る。
濃い血の臭いと臓物からはみ出たモノの臭いが凄い。......すごく興奮する。
続けて頭の潰れた死体を、無感情に地面に打ち付けていく。
水風船のように破裂し、飛び散って咲く血と肉が美しい。
丁寧に丁寧に、一匹ずつ人型のモンスターを殺して回る。死んだフリをしているかもしれないし、自分のように再生するかもしれないから。
「後はお前らだけだ。クソ共」
親だったモノに向き合い、こちらも一体一体丁寧に殺していく。
「アハッ......アハハハッ!! アハハハハハハハハ!!」
楽しい......楽しい......楽しい......!
グヂュッ......グジュッ......
無くなるな、まだ楽しませロ。
グチャッ......ブチュッ......
まだ足りなイ。モッとダ、もット壊さセロ。血を見せヤガれ!!
父親だったモノの人体を手開きにして内臓を取り出す。
母親だったモノの骨を一つ一つ抜き取り、父親の内臓を嵌め込み人体模型を自作。
姉だったモノの表皮を剥ぎ、筋肉を部位ごとにバラしていく。
「アハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハァッ!!」
楽シイッ!! 面白イッ!!
◆◆◆◆◆
『吉持ㅤ匠の■■■が規定値を越えました。所持スキル■■■■■■の封印が一部解かれました』
『次回進化時に■■が適応されます』
◆◆◆◆◆
「......夢から覚めた......か」
内臓を握り潰した感触、肉を殴る感触、返り血の生々しい温かさはまだ残っている。しかし、周囲には何も無い。
「妙な所にリアリティがある夢だったな。フフフフフ......地上に戻る時が楽しみだ」
体調は万全に戻っている、レイスにやられたあの体の重さも無い。
気力は有り余っている。今すぐモンスターハウスに放り込まれても対応できるくらいには調子がいい。
「......アハハッ、早くモンスターと戦いたいな......久しぶりに肉が食べたい」
湧き水で顔を洗い喉を潤した後、大急ぎで荷物を纏めて大急ぎで階段へと走り出した。
今まで生きてきて、今が一番モチベーションが高いと確信している。下の階にはどんなモンスターがいるのかな......ふふふふ。
──────────────────────────────
吉持ㅤ匠
闘人
Lv:44
HP:100%
MP:100%
物攻:110
物防:1
魔攻:60
魔防:1
敏捷:110
幸運:10
残SP:10
魔法適性:炎
スキル:
ステータスチェック
血液貯蓄ㅤ残92.4L
不死血鳥
状態異常耐性Lv8
拳闘Lv5
鈍器Lv8
小剣術Lv4
簡易鑑定
空間把握Lv7
投擲Lv7
歩法Lv4
呪耐性Lv3
病気耐性Lv4
解体・解剖
■■■■■■
装備:
魔鉄の金砕棒
肉食ナイフ
魔虎皮のシャツ
悪魔大土蜘蛛のバンテージ
合成皮革のズボン
再生獣革のブーツ
魔鉱のブレスレット
剛腕鬼の金棒
圧縮鋼の短槍×2
丈夫なリュック
厚手の肩掛け鞄
黒革のナイフホルダー
ババァの店の会員証ㅤ残高1290
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生物と認識していない視線
容赦なく振るわれる拳や足
飛んでくる嘲笑、暴言、唾や痰
投げ捨てられた中身の無い財布
それを見て嘲笑う家族
次々と浮かんでくる思い出と思いたくない思い出。ごちゃ混ぜになっているコレはなんなんだよ。
動けないので見てるだけしかできない。悔しいなぁ......
しばらく自分が甚振られるシーンを見続け、ようやくそれが終わった。クソ野郎が笑いながら頭を踏み付けているシーンで。
今、自分はダンジョンに居るはず......なんで今更こんな忘れ去りたいモノを見させられているのか。
泣きたいのに泣けない自分
ボロボロにされながらも耐える自分
なんでこんな事をして笑えるのか
お前らがやられてみろよ
逆の立場になってみろよ
............今は違うんだ。今の自分ならば余裕でやり返せる。
殺れるんだよ。あの醜く歪んでいる顔を簡単に肉片にできるんだ。
なんでやり返さない。なんで頭を踏みつけられても泣きそうになりながら耐えてるだけなんだお前は。
お前の目の前にある小さな石を、力を込めて投げるだけでそいつらを黙らせられるんだぞ......
かつての......やられているだけの自分を俯瞰するような視点で見させられてストレスが溜まる。ふざけんな......やり返せよ......
『オイッッ!!!』
............あ!?
「......アハッ......アハハハハ......アハハハハハハハハハハハッッ!!!」
何故かわからないけど声を出せるようになった。
それと同時に身体の支配権を奪えた。動く、動くぞっ!
頭を踏み付けられている屈辱的な体勢だが、そんな事はどうでもいい。
これだけ自分が笑っていても、ニヤニヤした表情のまま全く変わらないコイツら......きっとコレは幻なのだろう。だけど、幻でもいい。幻だろうがコイツらにやり返せるのならば。
「ここから出た時はきっちり殺してやる。だから今はその予行演習として一度死んでくれ。怯えた表情とかできないのか? まぁ、そんな事はどうでもいいか......アハッ......アハハハッ」
頭を踏みつけているカスの足を掴み、ソレを握り潰しながら立ち上がる。やけにリアルな感触がした。
......血は取り込めない。しかしこれでいい。
コイツらの血なんかを取り込みたいとは思わないから......
「金砕棒はないから代わりになるコレを武器として使おうか......アハッ......死ね」
足首の潰れたカスの頭を掴んで振りかぶり、取り巻きの一人に向けて振り下ろす。
肉の潰れる音と共に骨と骨のぶつかる鈍い音が聞こえる。悲鳴を出せ......恐怖に歪んだ顔を見せろ......
「融通の利かない夢だなクソッ!」
脳漿を飛び散らせながら血と肉と骨に変わったクソ袋が二匹。飛び出た目玉が気持ち悪い......一緒に潰れておけよ。
手に残った毛と脳漿混じりの頭蓋骨を残りの取り巻きに向かって全力で投げつける。
ガワだけじゃなく、その中に詰まっている中身までとてもリアルに作られたマネキンを破壊していく。表情の変化や感情さえあればもっとスカッとしたのに......
「アハハハハッ......そっか、倒したモンスターも武器になるんだよな。こんな事ならもっと有効に使えばよかったなぁ......」
骨の弾丸に撃ち抜かれ、内容物を撒き散らしながら崩れ落ちたカス共の頭を一つ一つ丁寧に潰して回る。
濃い血の臭いと臓物からはみ出たモノの臭いが凄い。......すごく興奮する。
続けて頭の潰れた死体を、無感情に地面に打ち付けていく。
水風船のように破裂し、飛び散って咲く血と肉が美しい。
丁寧に丁寧に、一匹ずつ人型のモンスターを殺して回る。死んだフリをしているかもしれないし、自分のように再生するかもしれないから。
「後はお前らだけだ。クソ共」
親だったモノに向き合い、こちらも一体一体丁寧に殺していく。
「アハッ......アハハハッ!! アハハハハハハハハ!!」
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グチャッ......ブチュッ......
まだ足りなイ。モッとダ、もット壊さセロ。血を見せヤガれ!!
父親だったモノの人体を手開きにして内臓を取り出す。
母親だったモノの骨を一つ一つ抜き取り、父親の内臓を嵌め込み人体模型を自作。
姉だったモノの表皮を剥ぎ、筋肉を部位ごとにバラしていく。
「アハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハァッ!!」
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『次回進化時に■■が適応されます』
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「......夢から覚めた......か」
内臓を握り潰した感触、肉を殴る感触、返り血の生々しい温かさはまだ残っている。しかし、周囲には何も無い。
「妙な所にリアリティがある夢だったな。フフフフフ......地上に戻る時が楽しみだ」
体調は万全に戻っている、レイスにやられたあの体の重さも無い。
気力は有り余っている。今すぐモンスターハウスに放り込まれても対応できるくらいには調子がいい。
「......アハハッ、早くモンスターと戦いたいな......久しぶりに肉が食べたい」
湧き水で顔を洗い喉を潤した後、大急ぎで荷物を纏めて大急ぎで階段へと走り出した。
今まで生きてきて、今が一番モチベーションが高いと確信している。下の階にはどんなモンスターがいるのかな......ふふふふ。
──────────────────────────────
吉持ㅤ匠
闘人
Lv:44
HP:100%
MP:100%
物攻:110
物防:1
魔攻:60
魔防:1
敏捷:110
幸運:10
残SP:10
魔法適性:炎
スキル:
ステータスチェック
血液貯蓄ㅤ残92.4L
不死血鳥
状態異常耐性Lv8
拳闘Lv5
鈍器Lv8
小剣術Lv4
簡易鑑定
空間把握Lv7
投擲Lv7
歩法Lv4
呪耐性Lv3
病気耐性Lv4
解体・解剖
■■■■■■
装備:
魔鉄の金砕棒
肉食ナイフ
魔虎皮のシャツ
悪魔大土蜘蛛のバンテージ
合成皮革のズボン
再生獣革のブーツ
魔鉱のブレスレット
剛腕鬼の金棒
圧縮鋼の短槍×2
丈夫なリュック
厚手の肩掛け鞄
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