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最後の関門
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お嬢様の好きなように進ませて、俺はその後をピノちゃんと共についていく。
ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ
わんこの行動って、見てると一貫性が無くて面白い。ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ
とりあえず可愛くて、見ていて癒される。
ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ
なんかよくわからない場所を妙に気にしたり、何も無い所の臭いを嗅いだり、ちょっと大きいだけのただの草に向かって走り出したり......ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ
ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ
その行動の意味は全くわからない。人間にはわからない何かがそこにはあるんだろうね。
ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ
ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ
そんなお嬢様だったけど、急にピクンッと反応を示して、少しピリピリしだした。ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ
......なんかまた変な事が起きる前兆なのかな?ちょっと本気で勘弁してほしい。
ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ
ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ
聞いてみないとどうなのかわからないから、諦めて聞いてみる。
どうしたのー?と尋ねてみると、進んでる方向から血の臭いがしてきているらしい。
おっけー。ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ
ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ
よっしゃ!迂回しよう!
ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ
急がば回れって言うし、トラブルなんてごめんだ。 ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ
探知を広げて確認してみると、合計二十人程度の人同士が争っているっぽい。
......これは厄介事で確定でございますね。
ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ
教えてくれてありがとう!
......うーん、もうちょっと常時展開している探知の範囲を広げておかないとダメかなぁ。
最初の方で脳味噌が破裂しそうな感覚を味わってから、どうも遠慮がちになってしまっている。ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ
......うん。半径一キロだったものを、二キロにしてみようか。
広げてみた後、しばらくキープしたままにしておいたが、今のところ脳への負担は全然無い。ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ
脳のスペックもちゃんと上がってるみたい。
......その割に俺の記憶力とかが上がってる感じはしないんだけどね。そっち方面も頑張ってくれよマイ脳味噌よ。
これを継続しながら移動してみて、大丈夫そうなら常時この距離でいこう。
お嬢様のおかげでトラブルを避けれたので、その後は問題に直面する事なく進む。
と言うより人っぽい生体反応を探知した瞬間から、そいつらとかち合わないように避けているってのが正解だけれども。
ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ
◇◇◇ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ
ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ
そのままゆっくり進んでいった。
ダラダラ進むこと五日間......探知に引っ掛かる人の反応が多くなってきた。
多分だけど、帝国が近くなってきたんだと思う。ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ
特に寄る必要性を感じないから、俺はスルーしようと思っているけど......
俺だけで決めるのは悪いから、お嬢様とピノちゃんの意志を確認してみる。
人里に寄りたかったのなら申し訳ないからね。ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ
ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ
「もうすぐ帝国に到着すると思うんだけど......どうかな?寄りたかったりする?
もし寄りたいと思ってるなら帝国に入るけど、どうする?」
お嬢様は寄りたいと言うかも......
そう予想していたけど、お嬢様とピノちゃんの両方ともが寄らなくていいと答えた。
どっちでもいいって感じの拒否ではなく、絶対に嫌だって気持ちが伝わってくる言い方だった。ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ
ガチの拒否とは珍しいな。
何かしら嫌な事が起こりそうなのかな?この子たちの嫌な予感は信用できるから、なるべく早くココから離れようかね。
人や建物などには決して近付かずに、コソコソと帝国から離れていく。
シアン危うきに近寄らず......
ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ
◇◇◇ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ
ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ
人里から十分離れたので、また移動スピードをゆっくりに戻して進んでいった。
そうして三日進んだところで、ようやく目的地の山脈が見えてきた。
あんなデカそうな山がなかなか見えてこないなんて......
この大陸はどんだけ広いんだって話よ。
そのくせ交通機関は全然発展していないのだから、人間社会はアホすぎる。
まぁもうそんな事どうでもいいんだけどね。
そんなアホな人間社会と決別できる所まで、ようやく辿り着けた。
俺とこの子たちの理想郷を見つける為に、次のステージへと進みましょう!
テンションが上がった俺は、無意識にだけど歩くスピードが早くなったらしい。
俺の少し先を歩いていたお嬢様に追いついてしまったが、それを挑戦と受け取ったらしくお嬢様のスピードもあがる。
早歩きでは追いつけないので走り出す俺。
まぁそのまま追いかけっこに発展したのはご愛嬌。楽しい時間をありがとう。
日が暮れるまで走り続けて、明日には山に入れそうな距離まで進んでいた。
しかしここで問題が発生。
いや、問題という程のことでもないんだけど......
遠くに見える関所というか......砦というか......
何やらそれらしき物がありましてね。
これはどうすれば良いのでしょう。王都みたいにゆるゆるな管理なら嬉しいけどなぁ......
まぁ国防の要みたいなポジションの場所が緩い訳がないだろう。
暗くなったし、今日はここで一旦休むとして......どう乗り切ろうか考えなくちゃなぁ......
お嬢様をもふもふしながら頭を動かしていき、何かしら良い案を捻りだそうと試みる。
・1、ヌルッと通過を試みる
・2、最初から強行突破
・3、口先だけで乗り切る
・4、行き当たりばったりの出たとこ勝負
いい案を出そうと考えて、出てきた結果がコチラになります。
......はぁ、俺も大分思考が脳筋になってきてるなぁ。ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ
ゴリ押しor誤魔化しorなるようになるさって案しか出てこない。
さすがにマズいだろう。
うーむ......こんなんはどうだろうか。
「ちーす!お勤めおつしゃーす!うちの子のお散歩コースを開拓する為にココ通りますねー」
......うん、無理そう。
ちょっとだけこんなんでもイケるかなぁと思っちゃっただけだ。
「はい君ぃ、ちょーっとあっちでお話しましょうねー」
ってなるよね。絶対。
うーん......ペンギンになって突入したり、砦やクソ高い塀を破壊して突破したとしよう......
きっと人間側がモンスターの襲撃に遭ったと解釈して争いの火種になりそうだよなぁ。
完全に姿を消せたりはできないから、きっと目撃者を出してしまうし、人間側から魔物側へ抜けたナニかが発見されれば、きっと何かしらの遺恨を残してしまう。
穏やかな生活の為に、無駄な争いの種は残したくない。
争いだしたら絶対にうざいだろう。
なるべく平和に関所を抜けられる手法を探さないとな......
それを踏まえて、野営の準備をしながらうちの天使たちに相談をする。
俺はダメだったけど、この子たちなら何か良さげな案をきっと出してくれるはずだ。ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ
話の途中からうずうずしていたお嬢様が、俺が話しを終えた瞬間にハイッハイッ!と前足を挙げた。
ドピンクな肉球がモロ見え。すっごくキュートだった。
はい、ではお嬢様どうぞ。
わたしが穴を掘るよっ!と渾身のドヤ顔をキめながら、お嬢様はそう言い放った。
ふむ......なるほど!とてもいい案だと思う。そういえば穴掘りのスキルを持ってたもんね。
でもかなり掘らなきゃいけないと思うけど疲れない?
「結構長い距離を掘り進める必要があると思うけど、そこらへんは大丈夫なの?疲れない?」
そう聞くと、大丈夫!任せてっ!とお返事があった。
「じゃあお願いするねー」と言うと、しっぽをちぎれんばかりに振りながら抱きついてきた。
無邪気な可愛さにノックアウト寸前まで追い込まれるも、ギリギリで耐えて食事の準備。
前に大量に作っておいた焼きそばとモツ野菜炒めを混ぜて、ホルモン焼きそばを作る。
仕上げにごま油を少々と一味をかける。
あんことピノちゃんにはいつものご飯を用意して夕飯の完成。
ハグハグとお食事してる姿を眺めてホッコリしながら、俺も飯を食べる。
こてっ〇ゃん特有のクニュクニュした食感と独特の旨味が焼きそばとマッチして美味しい。
香ばしさが足りないから、暇な時に混ぜたのを鉄板で焼こうと思う。
お供はビールが鉄板だろう......モツ焼きも焼きそばも単体で飲めるから、その二つが合わさったモノならハズレる訳がない。
そろそろ秋だなと感じる肌寒さが心地よく、その日は風呂に入った後も眠くなるまで晩酌を楽しんだ。
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わんこの行動って、見てると一貫性が無くて面白い。ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ
とりあえず可愛くて、見ていて癒される。
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なんかよくわからない場所を妙に気にしたり、何も無い所の臭いを嗅いだり、ちょっと大きいだけのただの草に向かって走り出したり......ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ
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その行動の意味は全くわからない。人間にはわからない何かがそこにはあるんだろうね。
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そんなお嬢様だったけど、急にピクンッと反応を示して、少しピリピリしだした。ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ
......なんかまた変な事が起きる前兆なのかな?ちょっと本気で勘弁してほしい。
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聞いてみないとどうなのかわからないから、諦めて聞いてみる。
どうしたのー?と尋ねてみると、進んでる方向から血の臭いがしてきているらしい。
おっけー。ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ
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よっしゃ!迂回しよう!
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急がば回れって言うし、トラブルなんてごめんだ。 ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ
探知を広げて確認してみると、合計二十人程度の人同士が争っているっぽい。
......これは厄介事で確定でございますね。
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教えてくれてありがとう!
......うーん、もうちょっと常時展開している探知の範囲を広げておかないとダメかなぁ。
最初の方で脳味噌が破裂しそうな感覚を味わってから、どうも遠慮がちになってしまっている。ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ
......うん。半径一キロだったものを、二キロにしてみようか。
広げてみた後、しばらくキープしたままにしておいたが、今のところ脳への負担は全然無い。ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ
脳のスペックもちゃんと上がってるみたい。
......その割に俺の記憶力とかが上がってる感じはしないんだけどね。そっち方面も頑張ってくれよマイ脳味噌よ。
これを継続しながら移動してみて、大丈夫そうなら常時この距離でいこう。
お嬢様のおかげでトラブルを避けれたので、その後は問題に直面する事なく進む。
と言うより人っぽい生体反応を探知した瞬間から、そいつらとかち合わないように避けているってのが正解だけれども。
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そのままゆっくり進んでいった。
ダラダラ進むこと五日間......探知に引っ掛かる人の反応が多くなってきた。
多分だけど、帝国が近くなってきたんだと思う。ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ
特に寄る必要性を感じないから、俺はスルーしようと思っているけど......
俺だけで決めるのは悪いから、お嬢様とピノちゃんの意志を確認してみる。
人里に寄りたかったのなら申し訳ないからね。ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ
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「もうすぐ帝国に到着すると思うんだけど......どうかな?寄りたかったりする?
もし寄りたいと思ってるなら帝国に入るけど、どうする?」
お嬢様は寄りたいと言うかも......
そう予想していたけど、お嬢様とピノちゃんの両方ともが寄らなくていいと答えた。
どっちでもいいって感じの拒否ではなく、絶対に嫌だって気持ちが伝わってくる言い方だった。ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ
ガチの拒否とは珍しいな。
何かしら嫌な事が起こりそうなのかな?この子たちの嫌な予感は信用できるから、なるべく早くココから離れようかね。
人や建物などには決して近付かずに、コソコソと帝国から離れていく。
シアン危うきに近寄らず......
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人里から十分離れたので、また移動スピードをゆっくりに戻して進んでいった。
そうして三日進んだところで、ようやく目的地の山脈が見えてきた。
あんなデカそうな山がなかなか見えてこないなんて......
この大陸はどんだけ広いんだって話よ。
そのくせ交通機関は全然発展していないのだから、人間社会はアホすぎる。
まぁもうそんな事どうでもいいんだけどね。
そんなアホな人間社会と決別できる所まで、ようやく辿り着けた。
俺とこの子たちの理想郷を見つける為に、次のステージへと進みましょう!
テンションが上がった俺は、無意識にだけど歩くスピードが早くなったらしい。
俺の少し先を歩いていたお嬢様に追いついてしまったが、それを挑戦と受け取ったらしくお嬢様のスピードもあがる。
早歩きでは追いつけないので走り出す俺。
まぁそのまま追いかけっこに発展したのはご愛嬌。楽しい時間をありがとう。
日が暮れるまで走り続けて、明日には山に入れそうな距離まで進んでいた。
しかしここで問題が発生。
いや、問題という程のことでもないんだけど......
遠くに見える関所というか......砦というか......
何やらそれらしき物がありましてね。
これはどうすれば良いのでしょう。王都みたいにゆるゆるな管理なら嬉しいけどなぁ......
まぁ国防の要みたいなポジションの場所が緩い訳がないだろう。
暗くなったし、今日はここで一旦休むとして......どう乗り切ろうか考えなくちゃなぁ......
お嬢様をもふもふしながら頭を動かしていき、何かしら良い案を捻りだそうと試みる。
・1、ヌルッと通過を試みる
・2、最初から強行突破
・3、口先だけで乗り切る
・4、行き当たりばったりの出たとこ勝負
いい案を出そうと考えて、出てきた結果がコチラになります。
......はぁ、俺も大分思考が脳筋になってきてるなぁ。ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ
ゴリ押しor誤魔化しorなるようになるさって案しか出てこない。
さすがにマズいだろう。
うーむ......こんなんはどうだろうか。
「ちーす!お勤めおつしゃーす!うちの子のお散歩コースを開拓する為にココ通りますねー」
......うん、無理そう。
ちょっとだけこんなんでもイケるかなぁと思っちゃっただけだ。
「はい君ぃ、ちょーっとあっちでお話しましょうねー」
ってなるよね。絶対。
うーん......ペンギンになって突入したり、砦やクソ高い塀を破壊して突破したとしよう......
きっと人間側がモンスターの襲撃に遭ったと解釈して争いの火種になりそうだよなぁ。
完全に姿を消せたりはできないから、きっと目撃者を出してしまうし、人間側から魔物側へ抜けたナニかが発見されれば、きっと何かしらの遺恨を残してしまう。
穏やかな生活の為に、無駄な争いの種は残したくない。
争いだしたら絶対にうざいだろう。
なるべく平和に関所を抜けられる手法を探さないとな......
それを踏まえて、野営の準備をしながらうちの天使たちに相談をする。
俺はダメだったけど、この子たちなら何か良さげな案をきっと出してくれるはずだ。ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ
話の途中からうずうずしていたお嬢様が、俺が話しを終えた瞬間にハイッハイッ!と前足を挙げた。
ドピンクな肉球がモロ見え。すっごくキュートだった。
はい、ではお嬢様どうぞ。
わたしが穴を掘るよっ!と渾身のドヤ顔をキめながら、お嬢様はそう言い放った。
ふむ......なるほど!とてもいい案だと思う。そういえば穴掘りのスキルを持ってたもんね。
でもかなり掘らなきゃいけないと思うけど疲れない?
「結構長い距離を掘り進める必要があると思うけど、そこらへんは大丈夫なの?疲れない?」
そう聞くと、大丈夫!任せてっ!とお返事があった。
「じゃあお願いするねー」と言うと、しっぽをちぎれんばかりに振りながら抱きついてきた。
無邪気な可愛さにノックアウト寸前まで追い込まれるも、ギリギリで耐えて食事の準備。
前に大量に作っておいた焼きそばとモツ野菜炒めを混ぜて、ホルモン焼きそばを作る。
仕上げにごま油を少々と一味をかける。
あんことピノちゃんにはいつものご飯を用意して夕飯の完成。
ハグハグとお食事してる姿を眺めてホッコリしながら、俺も飯を食べる。
こてっ〇ゃん特有のクニュクニュした食感と独特の旨味が焼きそばとマッチして美味しい。
香ばしさが足りないから、暇な時に混ぜたのを鉄板で焼こうと思う。
お供はビールが鉄板だろう......モツ焼きも焼きそばも単体で飲めるから、その二つが合わさったモノならハズレる訳がない。
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