異世界転移したけど、果物食い続けてたら無敵になってた

甘党羊

文字の大きさ
85 / 183

一夜明けて

しおりを挟む
 テントを無事に張り終わって、その出来栄えにテンションが上がった俺は、ランタンを片手に川の方へ向かっていく。
 ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ
 リクライニングタイプのアウトドアチェアを取り寄せて、深く腰を下ろしていく。
 ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ
 リラックスしたいという思いが強かったのか、ちょっとクオリティが高すぎる椅子が出てきていた。ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ
 ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ
 あぁ......人をダメにするタイプだわこの椅子は......ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ
 もう腰を上げる気が起きない。動きたくなくなる座り心地。ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ
 コーヒー片手に、マカダミアナッツ入りのチョコを摘みながら、ボケーッと川を眺め続けた。ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ
 日が落ちてきて、辺りが暗くなってきたけれど、ケツと椅子がイチャイチャしていてちょっと動けそうもない。
 ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ
 川沿い特有の冷やされた空気と川の音、ランタンの灯りに癒される。 ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ
 ここで数日過ごしてもいいかなと思えてくる......長閑でいいなぁ此処。
 今のところ変な虫や植物は確認されていないってのがポイント高い。
 ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ
 あのジャングルみたいな魔界を見た後だから、過剰にそう思えているのかもしれないけど。ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ
 ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ
 とりあえず此処は、永住候補地にノミネートしてもいいかもしれないな。
 ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ
 ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ
 六月辺りだとホタルとかも見れるのかなぁ?これだけ水が綺麗なら可能性はありそう。ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ
 この世界にホタル、もしくはホタルに近い生物がいてくれればいいなぁ......
 ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ
 ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ
 予想以上に此処はいい場所で、今の俺は最高に贅沢な時間を過ごせている。
 ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ
 心配なのは、何故か異常なまでにこの場所へ惹かれていたピノちゃんが、何事もなく過ごしてくれればいいんだけど......
 ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ
 ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ
 まだなにも動いていないみたいだし、今はこの贅沢な時間を楽しもうか。
 ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ
 明日になったら移動を再開するも良し、此処で数日まったりするも良し。
 今後のプランの事は、あの子たちと話し合って決めればいいや。
 ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ
 ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ
 あれこれ考えるのはもう終わりにしよう。
 せっかくこんなに素晴らしい環境なんだし、楽しまなければ損だよな。
 ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ
 ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ
 ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ
 辺りは暗くなってきている。
 そろそろ日が完全に沈みそうなので、アルコールにシフトしていこうと思う。
 ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ
 夕飯はチキ〇ラーメンにする予定だから、飯の準備は必要ない。
 いい景色の場所で食べるチキラーはアホみたいに美味いからね。普段よりも格段に美味しくなる不思議。

 ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ
 ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ
 贅沢な時間には、贅沢なお酒をお供にしたい。ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ
 ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ
 常温のブランデーを。みんな知ってる有名な銘柄のアレ。ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ
 ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ
 ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ
 チューリップ型のブランデーグラスに、目分量でシングルくらいの量を注ぎ、ストレートでブランデーの芳醇な香りと深い味わいを楽しんでいく。ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ
 ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ
 ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ
 冷たくすると香りが弱くなり、ブランデーのポテンシャルが死んでしまう。
 常温でストレートが基本的且つ絶対的な飲み方ってのが、ウイスキーに比べて敷居が高いポイントなんだろうね。

 慣れるまではキツいけど、慣れてくると世界が変わるので、高めの敷居を跨いでほしい。
 飲み方は人それぞれ合う物を飲むのが一番だから、とやかく言うことでは無いんだけど......

 それはさておき、ブランデーを楽しんでいく。
 20~30分をかけてゆっくりと舐めるよう一杯を味わう。

 合間にチェイサーを挟んだり、チョコを食べたり......

 二杯目を飲み終わり、三杯目にさしかかろうとした所で、あんこがこちらへやってきた。
 椅子に座って寛いだ体勢の俺の太ももの上に寝転んだ。
 何これ......すっごい嬉しい!可愛い!

 ピノちゃんは?と聞くと、あそこ!と前足でピノちゃんのいる方を差す。

 ......ん?

 お嬢様、俺には見えないっすよ。

「ごめん、見えないんだけど......」

 そう言うと、穴の中だよーと教えてくれた。肉眼で中は確認できなかったので探知で探る......

 うん、大木の洞の中で寝ているっぽい。

 何をしたいのかが全然わからないけど、寝ているだけだから心配する必要はないか。

 背中を撫でていると気が緩んだのか、お腹を上に向けるスタイルに変わる。
 せっかくお腹を向けてくれたのに、これを触らないのは失礼であろう。
 気合いを入れてぷにぷにの可愛らしいお腹を撫でていく。

 しっぽがユラユラ揺れている。

 気持ちよさそうにしてくれていて、撫でているこちらも嬉しい。

 お互いが満足するまでたっぷりイチャイチャを楽しみ、甘えてくるあんこにビーフジャーキーを食べさせたりといい時間だった。

 ピノちゃんが動く気配を見せないので、今日はもうそのまま放っておく事に。

 木の根元に煮卵をお供えしてからあんことお風呂に入り、テントの中で抱き合って眠りについた。

 イチャイチャするのに全力を出した結果ご飯を食べ忘れたけれど、そんな些細なことは気にならないくらい満たされた一日になった。
ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ
 ◇◇◇ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ
ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ
 朝になり目を覚ます。
 昨日感じた視線は今日は無かったので、テントがいい仕事をしてくれたのかな?

 ゆっくり寝かせてもらえてよかったよ。

 ピノちゃんはこちらへ来ていなかったので、木の洞で一夜を明かしたみたい。

 すやすやと可愛らしい寝息を立てているお嬢様を、ブランケットの上に寝かせてからテントの外に出てご飯の準備を始める。

 ちょっとお腹が空きすぎて我慢できそうにないから、今日の朝ごはんは先に食べさせてもらおう。

 昨日食べ損ねたチキラーは朝から食う物ではないので、今夜にスライド登板。

 お腹が空きすぎていたので、用意した卵かけご飯と豚汁をあっという間に食べ終えた。

 掻き込みやすい両者のせいだね。

 やや物足りないので、卵かけご飯をおかわり。
 二杯目は塩こんぶを追加し、こちらもあっという間に食べ終えた。

 テントに戻って寝ているお嬢様の頭を撫でていると、外泊していたピノちゃんが帰ってきた。

 朝帰りとかお父さん悲しいですよ......

 ............おや?なんか結構デカくなってる。

 手首から肘くらいの長さになっている。
 お顔は相変わらず可愛らしさを保っていたので一安心。成長しても可愛らしさは無くさないでね!!

「おかえりなさい。大きくなったねぇ」

 頭を撫でながら続ける。

「ご飯は食べた?新しいの用意しようか?」

 オカンみたいな事を言ってるなぁと思って苦笑い。
 ピノちゃんは煮卵に気付いていなかったみたいで、まだ食べてないと答えた。

 着いてきて欲しいと言われたので木の洞まで移動。穴の中へと入っていき何かを咥えて戻ってきた。

 あ、そっか。脱皮したんだね。

 どんな理論でデカくなっているんだろう。
 あげる!と言われて二個目の抜け殻をゲット。

 お礼を言ってからご飯をあげる。
 放置していた煮卵は今夜チキラーに入れて食べようと思う。

 ご飯を食べ終えたピノちゃんに、何があったのかを聞いてみた。
 不思議な力の溜まり場みたいな木で、そこで力を貰いながら脱皮したんだって。

 パワースポットとかそういった感じなのかあの木は。

 まさしく御神木とかの類やんけ!!

「この子の成長を手助けして頂き、ありがとうございます」

 手を合わせて一礼。どうすればいいかわからないから日本酒をお供えしておいた。

 余計なトラブルを招きそうな場所でもあるので、数泊する計画は白紙に戻して移動することにしよう。

 大きくなったピノちゃん。
 胸ポケットに入るには、ちょっと大きくなりすぎたかも。

 ちょっとだけ悲しい。成長しても親離れしないでね!!

 お嬢様が起きてきた時に、ピノちゃんの姿を見てどんなリアクションをするのか楽しみだ。
しおりを挟む
感想 60

あなたにおすすめの小説

うちの孫知りませんか?! 召喚された孫を追いかけ異世界転移。ばぁばとじぃじと探偵さんのスローライフ。

かの
ファンタジー
 孫の雷人(14歳)からテレパシーを受け取った光江(ばぁば64歳)。誘拐されたと思っていた雷人は異世界に召喚されていた。康夫(じぃじ66歳)と柏木(探偵534歳)⁈ をお供に従え、異世界へ転移。料理自慢のばぁばのスキルは胃袋を掴む事だけ。そしてじぃじのスキルは有り余る財力だけ。そんなばぁばとじぃじが、異世界で繰り広げるほのぼのスローライフ。  ばぁばとじぃじは無事異世界で孫の雷人に会えるのか⁈

スーパーの店長・結城偉介 〜異世界でスーパーの売れ残りを在庫処分〜

かの
ファンタジー
 世界一周旅行を夢見てコツコツ貯金してきたスーパーの店長、結城偉介32歳。  スーパーのバックヤードで、うたた寝をしていた偉介は、何故か異世界に転移してしまう。  偉介が転移したのは、スーパーでバイトするハル君こと、青柳ハル26歳が書いたファンタジー小説の世界の中。  スーパーの過剰商品(売れ残り)を捌きながら、微妙にズレた世界線で、偉介の異世界一周旅行が始まる!  冒険者じゃない! 勇者じゃない! 俺は商人だーーー! だからハル君、お願い! 俺を戦わせないでください!

間違い召喚! 追い出されたけど上位互換スキルでらくらく生活

カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
僕は20歳独身、名は小日向 連(こひなた れん)うだつの上がらないダメ男だ ひょんなことから異世界に召喚されてしまいました。 間違いで召喚された為にステータスは最初見えない状態だったけどネットのネタバレ防止のように背景をぼかせば見えるようになりました。 多分不具合だとおもう。 召喚した女と王様っぽいのは何も持っていないと言って僕をポイ捨て、なんて世界だ。それも元の世界には戻せないらしい、というか戻さないみたいだ。 そんな僕はこの世界で苦労すると思ったら大間違い、王シリーズのスキルでウハウハ、製作で人助け生活していきます ◇ 四巻が販売されました! 今日から四巻の範囲がレンタルとなります 書籍化に伴い一部ウェブ版と違う箇所がございます 追加場面もあります よろしくお願いします! 一応191話で終わりとなります 最後まで見ていただきありがとうございました コミカライズもスタートしています 毎月最初の金曜日に更新です お楽しみください!

猫好きのぼっちおじさん、招かれた異世界で気ままに【亜空間倉庫】で移動販売を始める

遥風 かずら
ファンタジー
【HOTランキング1位作品(9月2週目)】 猫好きを公言する独身おじさん麦山湯治(49)は商売で使っているキッチンカーを車検に出し、常連カードの更新も兼ねていつもの猫カフェに来ていた。猫カフェの一番人気かつ美人トラ猫のコムギに特に好かれており、湯治が声をかけなくても、自発的に膝に乗ってきては抱っこを要求されるほどの猫好き上級者でもあった。 そんないつものもふもふタイム中、スタッフに信頼されている湯治は他の客がいないこともあって、数分ほど猫たちの見守りを頼まれる。二つ返事で猫たちに温かい眼差しを向ける湯治。そんな時、コムギに手招きをされた湯治は細長い廊下をついて歩く。おかしいと感じながら延々と続く長い廊下を進んだ湯治だったが、コムギが突然湯治の顔をめがけて引き返してくる。怒ることのない湯治がコムギを顔から離して目を開けると、そこは猫カフェではなくのどかな厩舎の中。 まるで招かれるように異世界に降り立った湯治は、好きな猫と一緒に生きることを目指して外に向かうのだった。

『異世界庭付き一戸建て』を相続した仲良し兄妹は今までの不幸にサヨナラしてスローライフを満喫できる、はず?

釈 余白(しやく)
ファンタジー
 毒親の父が不慮の事故で死亡したことで最後の肉親を失い、残された高校生の小村雷人(こむら らいと)と小学生の真琴(まこと)の兄妹が聞かされたのは、父が家を担保に金を借りていたという絶望の事実だった。慣れ親しんだ自宅から早々の退去が必要となった二人は家の中で金目の物を探す。  その結果見つかったのは、僅かな現金に空の預金通帳といくつかの宝飾品、そして家の権利書と見知らぬ文字で書かれた書類くらいだった。謎の書類には祖父のサインが記されていたが内容は読めず、頼みの綱は挟まれていた弁護士の名刺だけだ。  最後の希望とも言える名刺の電話番号へ連絡した二人は、やってきた弁護士から契約書の内容を聞かされ唖然とする。それは祖父が遺産として残した『異世界トラス』にある土地と建物を孫へ渡すというものだった。もちろん現地へ行かなければ遺産は受け取れないが。兄妹には他に頼れるものがなく、思い切って異世界へと赴き新生活をスタートさせるのだった。 連載時、HOT 1位ありがとうございました! その他、多数投稿しています。 こちらもよろしくお願いします! https://www.alphapolis.co.jp/author/detail/398438394

才がないと伯爵家を追放された僕は、神様からのお詫びチートで、異世界のんびりスローライフ!!

にのまえ
ファンタジー
剣や魔法に才能がないカストール伯爵家の次男、ノエール・カストールは家族から追放され、辺境の別荘へ送られることになる。しかしノエールは追放を喜ぶ、それは彼に異世界の神様から、お詫びにとして貰ったチートスキルがあるから。 そう、ノエールは転生者だったのだ。 そのスキルを駆使して、彼の異世界のんびりスローライフが始まる。

神の加護を受けて異世界に

モンド
ファンタジー
親に言われるまま学校や塾に通い、卒業後は親の進める親族の会社に入り、上司や親の進める相手と見合いし、結婚。 その後馬車馬のように働き、特別好きな事をした覚えもないまま定年を迎えようとしている主人公、あとわずか数日の会社員生活でふと、何かに誘われるように会社を無断で休み、海の見える高台にある、神社に立ち寄った。 そこで野良犬に噛み殺されそうになっていた狐を助けたがその際、野良犬に喉笛を噛み切られその命を終えてしまうがその時、神社から不思議な光が放たれ新たな世界に生まれ変わる、そこでは自分の意思で何もかもしなければ生きてはいけない厳しい世界しかし、生きているという実感に震える主人公が、力強く生きるながら信仰と奇跡にに導かれて神に至る物語。

アイテムボックスの最も冴えた使い方~チュートリアル1億回で最強になったが、実力隠してアイテムボックス内でスローライフしつつ駄竜とたわむれる~

うみ
ファンタジー
「アイテムボックス発動 収納 自分自身!」  これしかないと思った!   自宅で休んでいたら突然異世界に拉致され、邪蒼竜と名乗る強大なドラゴンを前にして絶対絶命のピンチに陥っていたのだから。  奴に言われるがままステータスと叫んだら、アイテムボックスというスキルを持っていることが分かった。  得た能力を使って何とかピンチを逃れようとし、思いついたアイデアを咄嗟に実行に移したんだ。  直後、俺の体はアイテムボックスの中に入り、難を逃れることができた。  このまま戻っても捻りつぶされるだけだ。  そこで、アイテムボックスの中は時間が流れないことを利用し、チュートリアルバトルを繰り返すこと1億回。ついにレベルがカンストする。  アイテムボックスの外に出た俺はドラゴンの角を折り、危機を脱する。  助けた竜の巫女と共に彼女の村へ向かうことになった俺だったが――。

処理中です...