102 / 183
ひと狩り
しおりを挟む
昨日はプール、ご飯、お風呂と楽しかったな。ワイワイ楽しそうにしているウチの子たちを見るのは幸せだ。
でも最近少しだけ不満がある。
最近のご飯は魚、野菜、魚、野菜、魚......うん、ガッツリと肉が食いたいのじゃ。この子たちと一緒に。
ㅤそして肉料理の素晴らしさもこの子たちと共有したい。犬(見た目)、蛇、梟って本来は肉食じゃないの?
あんこは乾燥させた肉......ビーフジャーキーを好むし、ピノちゃんは肉をあんまりねだらない。
ツキミとダイフクは加工肉にご執心。焼いただけの肉とかもおいしいんだよー。
肉なら地球産でもイケるんだけど、どうせなら異世界肉の美味いもんが食いたい。
牛肉にはもう目星が付いている。あとは鳥肉(鶏肉)、豚肉、ジビエ系......まぁなんでもいい、それらの美味しい種類を探して、美味い肉料理を心ゆくまで堪能したい。
有名な食べ歩きおじさんみたいにウォォォォォンてしたいねん。
人間火力発電所になりたい。俺の体には、現在火力が足りてない。
鉄板で焼ける肉、立ち上がる煙、迸る肉汁......肉をこれでもかってほどに喰らい、体内の水分がビールなのは常識だろ?ってくらいに流し込たい。
ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ
肉と絡むタレ......香ばしく付いた焼き目......肉の味を引き立てる塩味......アツアツの肉にタレを纏わせて、白米の上でワンバンしたい。ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ
ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ
この二パターンが王道、円環の理......愛すべき無限ループ。お肉とご飯は合うんだよ!!ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ
ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ
とある有名な詐欺師も言っている。「肉を食え、肉を」と。
ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ
そう......肉だ、俺の体は肉を欲しい欲しいと喚いている。ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ
......よし、今晩は焼肉パーティーにしよう。移動中に獲物が狩れたらそれを使用して、ダメだったらお肉を大量に仕入れよう。
ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ
夜への期待を込めて、朝は簡単に済ませる。ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ
今はコレで我慢してくれマイストマックよ、夜だ......夜に欲望を解放するからな!!
ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ
◇◇◇ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ
ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ
はい、テンションが振り切れた俺は、これから企画を立ち上げます。では説明に移りましょう。ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ
ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ
「そんな訳で、お集まりの紳士淑女の皆さん。なぜ集められたのかわかりますかー?」
ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ
朝食後になんか変なモンでもキメたのか?ってテンションの俺から、頭の悪い問いかけをされて戸惑っている我が愛すべき小動物たち。ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ
そんな姿も可愛いよ!!でもね、殴れば元に戻るかな?って真剣に話し合わないで。こっち見てくれよ。
ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ
満場一致で「わからん」に四票入りました。もう少しだけおふざけに付き合ってくれてもいいのに......
ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ
まぁいい、これくらいでへこたれるくらいなら、こんな事は最初からやらん!
ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ
「えー、皆さんはお魚の美味しさを理解したと思います。それで、俺の山での目標はなんだったでしょうか?あんこちゃん!お答えください」
困惑してるお嬢様......吹っ切れようよ。もうさ、このバカバカしさを楽しんでほしい。いや、お付き合いをお願いしたい。
『お、お肉?』と困惑気味に答えるあんこちゃん。そんな姿も愛おしい。
心がへし折れるまではこのテンションでいかせてもらいます。
「はい正解でーす!ちゃんと答えられたあんこちゃんにはくしゅー」
ぱちぱち......俺の拍手だけが虚しく響き渡った。
まだだ......まだ終わらせんぞ!!
「それではピノちゃんやい!俺が今何を伝えたいかわかりましたかー?」
......ちょっ!!
白い炎の弾丸が割とガチめのスピードで俺の顔面を狙ってきた......
ねぇ、泣いちゃうよ?いいの?
成人男性が小動物を前にして泣きじゃくるよ?きっと地獄絵図だよ?
「はい、時間切れです。それとこちらに攻撃はダメですよー。残念ながらピノちゃんは不正解デース!もっとよくお勉強しましょ......あっっぶね!!」
超高熱のレーザーを放ってきやがった......後ろの木に大穴があいて、ブスブスと煙を上げてるぞオイ。
火力が足りてないとは言ったけど、ピノちゃん、そういう火力じゃないのよ。
え?殺す気?と思ってチラリとピノちゃんを見る。
あ、そろそろダメだね。取り返しがつかなくなる。
ピノちゃんが俺を今まで見たことのないような鋭い目で見てくる。
「ご、ごめんなさい......」
鳥ちゃんズはホッとした顔をしている。そちらへと被害が来なかったことを露骨に喜ばないで!安心しないで!
『で、何がしたいの?』
シャーってしながら言われた。悲しい。
「お魚は美味しかったでしょ?それでね、お肉が食べたくなったの。多分この山にはいっぱい肉が居ると思うから。
変なテンションになったのは謝るけど、皆でひと狩りいこうぜ!!って言いたかったんです。ハイ......ふざけた事してすみませんでした」
わかればよろしいとでも言いたげな八つの目。うん、クリンクリンで可愛いよ。
積極的に俺から何かを狩ろうって提案をしたのは初めてなので、あんこは気合いを入れているし、ツキミちゃんもヤル気みたい。
魚以外に獲ってこなかったし、そもそも獲物が寄ってこない。
そしてその元凶は今謹慎中、やるならば今......だ。
やってもいいけどウザいテンションは止めてねって、ピノちゃんとダイフクに釘を刺される。
綺麗に意見の別れるチームホワイトとチームふわもこ。チーム辛辣とチーム甘えんぼとも言う。
まぁいい。さぁ、ひと狩りいこうぜ!!
◇◇◇
そこからの行動は早く、手早く集合地点と、大体の集合時間を決め、皆さん散っていった。
さっきのチーム分けそのままに。君たち仲良いね。
「思ってたんと違うっっ!!」
皆でワイワイやれればいいと思っていたのに、なんで皆俺を置いて走っていっちゃうのよっ!!
コンビ、コンビ、ソロ......奇数だから仕方ないとしても、あの子たちの息がぴったりすぎて悲しい。仲間はずれにするのはダメよ!!
ツキミとダイフクに空から偵察させて、あんこが獲物を追い込み、俺とピノちゃんで仕留める......そんな事がやりたかったのに。悲しい。
はぁ......俺も狩りに行こうか。提案者が獲物0とか話にならない。
狩りなわけであり、殲滅とかじゃない。なので探知は使わずに歩き回って獲物を探す事に決める。
何も獲れなかった場合のみ解禁すればいいだろ。
狩りと言えば猟銃、もしくは弓やボウガンだな。野生児みたいな狩りより、飛び道具で仕留めたいっていう願望。
ということで手元に猟銃を取り寄せ、あの有名なゲームのBGMを口ずさみながら歩いていく。
あの子たちは絶対に獲物を獲るだろう。負けてらんないな。
魔力、プレッシャー、気配など、獲物に逃げられそうな要素を改良型犯人スーツで全て消していく。有名な大泥棒が建物内に侵入する時の格好みたいな見た目になっている。
怪しくたっていいじゃない、山奥だもの。
これで、某幻のシックスマンくらいに存在は希薄になっているだろう。
音を立てないよう、慎重に歩いていく。
小型の生物は結構見かける事ができて、可愛いなぁとは思うものの食肉にするには申し訳なく思うのでスルー。
しばらくそのまま進むと岩場に出る。
無闇に歩き回るよりも、待ち伏せタイプの狩りがいいのかな?どうも某狩りゲーの意識が強すぎる。
岩場の陰に隠れて獲物を待つことに切り替えた俺。
周囲を観察しながら待機する。
岩の上に巨大なシカが現れるとか、巨大イノシシが現れるとか、クマが丸太を振り回して打撃練習しているとか、ファンタジーにありそうなイベントがあったらいいなぁ......
夢のあるイベントが起きる事を祈りながら、水分補給して獲物が現れるのを待つ。さぁ、早く来い!
でも最近少しだけ不満がある。
最近のご飯は魚、野菜、魚、野菜、魚......うん、ガッツリと肉が食いたいのじゃ。この子たちと一緒に。
ㅤそして肉料理の素晴らしさもこの子たちと共有したい。犬(見た目)、蛇、梟って本来は肉食じゃないの?
あんこは乾燥させた肉......ビーフジャーキーを好むし、ピノちゃんは肉をあんまりねだらない。
ツキミとダイフクは加工肉にご執心。焼いただけの肉とかもおいしいんだよー。
肉なら地球産でもイケるんだけど、どうせなら異世界肉の美味いもんが食いたい。
牛肉にはもう目星が付いている。あとは鳥肉(鶏肉)、豚肉、ジビエ系......まぁなんでもいい、それらの美味しい種類を探して、美味い肉料理を心ゆくまで堪能したい。
有名な食べ歩きおじさんみたいにウォォォォォンてしたいねん。
人間火力発電所になりたい。俺の体には、現在火力が足りてない。
鉄板で焼ける肉、立ち上がる煙、迸る肉汁......肉をこれでもかってほどに喰らい、体内の水分がビールなのは常識だろ?ってくらいに流し込たい。
ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ
肉と絡むタレ......香ばしく付いた焼き目......肉の味を引き立てる塩味......アツアツの肉にタレを纏わせて、白米の上でワンバンしたい。ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ
ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ
この二パターンが王道、円環の理......愛すべき無限ループ。お肉とご飯は合うんだよ!!ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ
ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ
とある有名な詐欺師も言っている。「肉を食え、肉を」と。
ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ
そう......肉だ、俺の体は肉を欲しい欲しいと喚いている。ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ
......よし、今晩は焼肉パーティーにしよう。移動中に獲物が狩れたらそれを使用して、ダメだったらお肉を大量に仕入れよう。
ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ
夜への期待を込めて、朝は簡単に済ませる。ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ
今はコレで我慢してくれマイストマックよ、夜だ......夜に欲望を解放するからな!!
ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ
◇◇◇ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ
ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ
はい、テンションが振り切れた俺は、これから企画を立ち上げます。では説明に移りましょう。ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ
ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ
「そんな訳で、お集まりの紳士淑女の皆さん。なぜ集められたのかわかりますかー?」
ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ
朝食後になんか変なモンでもキメたのか?ってテンションの俺から、頭の悪い問いかけをされて戸惑っている我が愛すべき小動物たち。ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ
そんな姿も可愛いよ!!でもね、殴れば元に戻るかな?って真剣に話し合わないで。こっち見てくれよ。
ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ
満場一致で「わからん」に四票入りました。もう少しだけおふざけに付き合ってくれてもいいのに......
ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ
まぁいい、これくらいでへこたれるくらいなら、こんな事は最初からやらん!
ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ
「えー、皆さんはお魚の美味しさを理解したと思います。それで、俺の山での目標はなんだったでしょうか?あんこちゃん!お答えください」
困惑してるお嬢様......吹っ切れようよ。もうさ、このバカバカしさを楽しんでほしい。いや、お付き合いをお願いしたい。
『お、お肉?』と困惑気味に答えるあんこちゃん。そんな姿も愛おしい。
心がへし折れるまではこのテンションでいかせてもらいます。
「はい正解でーす!ちゃんと答えられたあんこちゃんにはくしゅー」
ぱちぱち......俺の拍手だけが虚しく響き渡った。
まだだ......まだ終わらせんぞ!!
「それではピノちゃんやい!俺が今何を伝えたいかわかりましたかー?」
......ちょっ!!
白い炎の弾丸が割とガチめのスピードで俺の顔面を狙ってきた......
ねぇ、泣いちゃうよ?いいの?
成人男性が小動物を前にして泣きじゃくるよ?きっと地獄絵図だよ?
「はい、時間切れです。それとこちらに攻撃はダメですよー。残念ながらピノちゃんは不正解デース!もっとよくお勉強しましょ......あっっぶね!!」
超高熱のレーザーを放ってきやがった......後ろの木に大穴があいて、ブスブスと煙を上げてるぞオイ。
火力が足りてないとは言ったけど、ピノちゃん、そういう火力じゃないのよ。
え?殺す気?と思ってチラリとピノちゃんを見る。
あ、そろそろダメだね。取り返しがつかなくなる。
ピノちゃんが俺を今まで見たことのないような鋭い目で見てくる。
「ご、ごめんなさい......」
鳥ちゃんズはホッとした顔をしている。そちらへと被害が来なかったことを露骨に喜ばないで!安心しないで!
『で、何がしたいの?』
シャーってしながら言われた。悲しい。
「お魚は美味しかったでしょ?それでね、お肉が食べたくなったの。多分この山にはいっぱい肉が居ると思うから。
変なテンションになったのは謝るけど、皆でひと狩りいこうぜ!!って言いたかったんです。ハイ......ふざけた事してすみませんでした」
わかればよろしいとでも言いたげな八つの目。うん、クリンクリンで可愛いよ。
積極的に俺から何かを狩ろうって提案をしたのは初めてなので、あんこは気合いを入れているし、ツキミちゃんもヤル気みたい。
魚以外に獲ってこなかったし、そもそも獲物が寄ってこない。
そしてその元凶は今謹慎中、やるならば今......だ。
やってもいいけどウザいテンションは止めてねって、ピノちゃんとダイフクに釘を刺される。
綺麗に意見の別れるチームホワイトとチームふわもこ。チーム辛辣とチーム甘えんぼとも言う。
まぁいい。さぁ、ひと狩りいこうぜ!!
◇◇◇
そこからの行動は早く、手早く集合地点と、大体の集合時間を決め、皆さん散っていった。
さっきのチーム分けそのままに。君たち仲良いね。
「思ってたんと違うっっ!!」
皆でワイワイやれればいいと思っていたのに、なんで皆俺を置いて走っていっちゃうのよっ!!
コンビ、コンビ、ソロ......奇数だから仕方ないとしても、あの子たちの息がぴったりすぎて悲しい。仲間はずれにするのはダメよ!!
ツキミとダイフクに空から偵察させて、あんこが獲物を追い込み、俺とピノちゃんで仕留める......そんな事がやりたかったのに。悲しい。
はぁ......俺も狩りに行こうか。提案者が獲物0とか話にならない。
狩りなわけであり、殲滅とかじゃない。なので探知は使わずに歩き回って獲物を探す事に決める。
何も獲れなかった場合のみ解禁すればいいだろ。
狩りと言えば猟銃、もしくは弓やボウガンだな。野生児みたいな狩りより、飛び道具で仕留めたいっていう願望。
ということで手元に猟銃を取り寄せ、あの有名なゲームのBGMを口ずさみながら歩いていく。
あの子たちは絶対に獲物を獲るだろう。負けてらんないな。
魔力、プレッシャー、気配など、獲物に逃げられそうな要素を改良型犯人スーツで全て消していく。有名な大泥棒が建物内に侵入する時の格好みたいな見た目になっている。
怪しくたっていいじゃない、山奥だもの。
これで、某幻のシックスマンくらいに存在は希薄になっているだろう。
音を立てないよう、慎重に歩いていく。
小型の生物は結構見かける事ができて、可愛いなぁとは思うものの食肉にするには申し訳なく思うのでスルー。
しばらくそのまま進むと岩場に出る。
無闇に歩き回るよりも、待ち伏せタイプの狩りがいいのかな?どうも某狩りゲーの意識が強すぎる。
岩場の陰に隠れて獲物を待つことに切り替えた俺。
周囲を観察しながら待機する。
岩の上に巨大なシカが現れるとか、巨大イノシシが現れるとか、クマが丸太を振り回して打撃練習しているとか、ファンタジーにありそうなイベントがあったらいいなぁ......
夢のあるイベントが起きる事を祈りながら、水分補給して獲物が現れるのを待つ。さぁ、早く来い!
21
あなたにおすすめの小説
うちの孫知りませんか?! 召喚された孫を追いかけ異世界転移。ばぁばとじぃじと探偵さんのスローライフ。
かの
ファンタジー
孫の雷人(14歳)からテレパシーを受け取った光江(ばぁば64歳)。誘拐されたと思っていた雷人は異世界に召喚されていた。康夫(じぃじ66歳)と柏木(探偵534歳)⁈ をお供に従え、異世界へ転移。料理自慢のばぁばのスキルは胃袋を掴む事だけ。そしてじぃじのスキルは有り余る財力だけ。そんなばぁばとじぃじが、異世界で繰り広げるほのぼのスローライフ。
ばぁばとじぃじは無事異世界で孫の雷人に会えるのか⁈
スーパーの店長・結城偉介 〜異世界でスーパーの売れ残りを在庫処分〜
かの
ファンタジー
世界一周旅行を夢見てコツコツ貯金してきたスーパーの店長、結城偉介32歳。
スーパーのバックヤードで、うたた寝をしていた偉介は、何故か異世界に転移してしまう。
偉介が転移したのは、スーパーでバイトするハル君こと、青柳ハル26歳が書いたファンタジー小説の世界の中。
スーパーの過剰商品(売れ残り)を捌きながら、微妙にズレた世界線で、偉介の異世界一周旅行が始まる!
冒険者じゃない! 勇者じゃない! 俺は商人だーーー! だからハル君、お願い! 俺を戦わせないでください!
間違い召喚! 追い出されたけど上位互換スキルでらくらく生活
カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
僕は20歳独身、名は小日向 連(こひなた れん)うだつの上がらないダメ男だ
ひょんなことから異世界に召喚されてしまいました。
間違いで召喚された為にステータスは最初見えない状態だったけどネットのネタバレ防止のように背景をぼかせば見えるようになりました。
多分不具合だとおもう。
召喚した女と王様っぽいのは何も持っていないと言って僕をポイ捨て、なんて世界だ。それも元の世界には戻せないらしい、というか戻さないみたいだ。
そんな僕はこの世界で苦労すると思ったら大間違い、王シリーズのスキルでウハウハ、製作で人助け生活していきます
◇
四巻が販売されました!
今日から四巻の範囲がレンタルとなります
書籍化に伴い一部ウェブ版と違う箇所がございます
追加場面もあります
よろしくお願いします!
一応191話で終わりとなります
最後まで見ていただきありがとうございました
コミカライズもスタートしています
毎月最初の金曜日に更新です
お楽しみください!
猫好きのぼっちおじさん、招かれた異世界で気ままに【亜空間倉庫】で移動販売を始める
遥風 かずら
ファンタジー
【HOTランキング1位作品(9月2週目)】
猫好きを公言する独身おじさん麦山湯治(49)は商売で使っているキッチンカーを車検に出し、常連カードの更新も兼ねていつもの猫カフェに来ていた。猫カフェの一番人気かつ美人トラ猫のコムギに特に好かれており、湯治が声をかけなくても、自発的に膝に乗ってきては抱っこを要求されるほどの猫好き上級者でもあった。
そんないつものもふもふタイム中、スタッフに信頼されている湯治は他の客がいないこともあって、数分ほど猫たちの見守りを頼まれる。二つ返事で猫たちに温かい眼差しを向ける湯治。そんな時、コムギに手招きをされた湯治は細長い廊下をついて歩く。おかしいと感じながら延々と続く長い廊下を進んだ湯治だったが、コムギが突然湯治の顔をめがけて引き返してくる。怒ることのない湯治がコムギを顔から離して目を開けると、そこは猫カフェではなくのどかな厩舎の中。
まるで招かれるように異世界に降り立った湯治は、好きな猫と一緒に生きることを目指して外に向かうのだった。
『異世界庭付き一戸建て』を相続した仲良し兄妹は今までの不幸にサヨナラしてスローライフを満喫できる、はず?
釈 余白(しやく)
ファンタジー
毒親の父が不慮の事故で死亡したことで最後の肉親を失い、残された高校生の小村雷人(こむら らいと)と小学生の真琴(まこと)の兄妹が聞かされたのは、父が家を担保に金を借りていたという絶望の事実だった。慣れ親しんだ自宅から早々の退去が必要となった二人は家の中で金目の物を探す。
その結果見つかったのは、僅かな現金に空の預金通帳といくつかの宝飾品、そして家の権利書と見知らぬ文字で書かれた書類くらいだった。謎の書類には祖父のサインが記されていたが内容は読めず、頼みの綱は挟まれていた弁護士の名刺だけだ。
最後の希望とも言える名刺の電話番号へ連絡した二人は、やってきた弁護士から契約書の内容を聞かされ唖然とする。それは祖父が遺産として残した『異世界トラス』にある土地と建物を孫へ渡すというものだった。もちろん現地へ行かなければ遺産は受け取れないが。兄妹には他に頼れるものがなく、思い切って異世界へと赴き新生活をスタートさせるのだった。
連載時、HOT 1位ありがとうございました!
その他、多数投稿しています。
こちらもよろしくお願いします!
https://www.alphapolis.co.jp/author/detail/398438394
才がないと伯爵家を追放された僕は、神様からのお詫びチートで、異世界のんびりスローライフ!!
にのまえ
ファンタジー
剣や魔法に才能がないカストール伯爵家の次男、ノエール・カストールは家族から追放され、辺境の別荘へ送られることになる。しかしノエールは追放を喜ぶ、それは彼に異世界の神様から、お詫びにとして貰ったチートスキルがあるから。
そう、ノエールは転生者だったのだ。
そのスキルを駆使して、彼の異世界のんびりスローライフが始まる。
神の加護を受けて異世界に
モンド
ファンタジー
親に言われるまま学校や塾に通い、卒業後は親の進める親族の会社に入り、上司や親の進める相手と見合いし、結婚。
その後馬車馬のように働き、特別好きな事をした覚えもないまま定年を迎えようとしている主人公、あとわずか数日の会社員生活でふと、何かに誘われるように会社を無断で休み、海の見える高台にある、神社に立ち寄った。
そこで野良犬に噛み殺されそうになっていた狐を助けたがその際、野良犬に喉笛を噛み切られその命を終えてしまうがその時、神社から不思議な光が放たれ新たな世界に生まれ変わる、そこでは自分の意思で何もかもしなければ生きてはいけない厳しい世界しかし、生きているという実感に震える主人公が、力強く生きるながら信仰と奇跡にに導かれて神に至る物語。
アイテムボックスの最も冴えた使い方~チュートリアル1億回で最強になったが、実力隠してアイテムボックス内でスローライフしつつ駄竜とたわむれる~
うみ
ファンタジー
「アイテムボックス発動 収納 自分自身!」
これしかないと思った!
自宅で休んでいたら突然異世界に拉致され、邪蒼竜と名乗る強大なドラゴンを前にして絶対絶命のピンチに陥っていたのだから。
奴に言われるがままステータスと叫んだら、アイテムボックスというスキルを持っていることが分かった。
得た能力を使って何とかピンチを逃れようとし、思いついたアイデアを咄嗟に実行に移したんだ。
直後、俺の体はアイテムボックスの中に入り、難を逃れることができた。
このまま戻っても捻りつぶされるだけだ。
そこで、アイテムボックスの中は時間が流れないことを利用し、チュートリアルバトルを繰り返すこと1億回。ついにレベルがカンストする。
アイテムボックスの外に出た俺はドラゴンの角を折り、危機を脱する。
助けた竜の巫女と共に彼女の村へ向かうことになった俺だったが――。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる