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娘よ幸せに……
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二十年前 *長月
「婿取り……ですか……」
稜禾詠ノ国 桜桃城 の姫君 楓菜姫は、母の楓希の言葉に、呆然と呟いた。
代々、稜禾詠ノ国は女性が桜王家を治めて来た。
分かっている。分かってはいるのだ。稜禾詠ノ国を治めて行く身としては、婿を迎えねばならない事は。
(私は誕生日が来ても……まだ十六ですのに……)
それでも十五の少女が、((もう……)(早い……)) そんな思いを抱くのは致し方ないことだと思うのだ……
「相手は、母上様と私とで選んだ方で良いか? いや、絵姿を用意するゆえ。楓菜姫の良いと思う方を選んだ方が……どう思われますか? 楓希の方?」
そう、父親の陽が、奥方の楓希の方に尋ねると。
「そうですね殿様。楓菜姫の願い、思いを優先してあげたいと思います。 楓菜姫? 大丈夫ですか?」
そう、夫の陽に返しつつ。楓希の方は、どこか無表情で自分達を見つめている楓菜姫が心配になった。
楓希の方には、痛いほど娘の気持ちが分かるのだ。女の身で、稜禾詠ノ国を治めて行く重圧、婿を迎える事。
( 楓菜姫よ、許して……)
かつて、自分の思い悩んだ事を娘も…… その事を思うと母親として、楓希の方は、胸が張り裂けそうになった。そして……
(私は 楓希の方に、選んで頂き幸せで。心から楓希姫様を一生涯御守りすると誓ったのだ。楓菜姫の選ぶ男も楓菜姫を大切にして欲しい……)
陽は、父親として、相手への願いと。娘の幸せを願わずにはいられなかったのである
*長月 九月
「婿取り……ですか……」
稜禾詠ノ国 桜桃城 の姫君 楓菜姫は、母の楓希の言葉に、呆然と呟いた。
代々、稜禾詠ノ国は女性が桜王家を治めて来た。
分かっている。分かってはいるのだ。稜禾詠ノ国を治めて行く身としては、婿を迎えねばならない事は。
(私は誕生日が来ても……まだ十六ですのに……)
それでも十五の少女が、((もう……)(早い……)) そんな思いを抱くのは致し方ないことだと思うのだ……
「相手は、母上様と私とで選んだ方で良いか? いや、絵姿を用意するゆえ。楓菜姫の良いと思う方を選んだ方が……どう思われますか? 楓希の方?」
そう、父親の陽が、奥方の楓希の方に尋ねると。
「そうですね殿様。楓菜姫の願い、思いを優先してあげたいと思います。 楓菜姫? 大丈夫ですか?」
そう、夫の陽に返しつつ。楓希の方は、どこか無表情で自分達を見つめている楓菜姫が心配になった。
楓希の方には、痛いほど娘の気持ちが分かるのだ。女の身で、稜禾詠ノ国を治めて行く重圧、婿を迎える事。
( 楓菜姫よ、許して……)
かつて、自分の思い悩んだ事を娘も…… その事を思うと母親として、楓希の方は、胸が張り裂けそうになった。そして……
(私は 楓希の方に、選んで頂き幸せで。心から楓希姫様を一生涯御守りすると誓ったのだ。楓菜姫の選ぶ男も楓菜姫を大切にして欲しい……)
陽は、父親として、相手への願いと。娘の幸せを願わずにはいられなかったのである
*長月 九月
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