上 下
120 / 133

少し先の夢見る未来⑥(英士&風歌)

しおりを挟む
 2020年 秋

 英士&涼也リモート中

 英士「るなちゃんと同じ事を風歌ちゃんが言っているんだけど」

 涼也「入籍、家事、仕事の事?」

 英士「そう。で……」
 ──
 吉井『か、ほご』

 英士『過保護?』

 吉井『は、なし、あえ』

 けど、ふうちゃんは可愛いから

 吉井『わか、ら……ん、でも……ない、な』
 ──
 英士「って言われたのも」

 意見が食い違って喧嘩になった時は、お互いに意地を張らずに

 吉井「す、ぐ……はな、し、あえ」

 英士「吉井さんに、ありがたい人生の教訓を教えてもらったのも一緒……風歌ちゃんと良く話合ってみるよ」

 涼也「俺も……るなちゃんともう一度話合ってみる」

 風歌.るなside

 るなの部屋

 風歌「るなちゃんも幸福園に行って来たの?」

 るな「ふうちゃんも行ったの? 来栖さん戻って来られて良かったね……」

 風歌「うん「逢いたかったよ。ふうちゃん」そう言って泣いてくれたの来栖さん。無事に回復して良かったよね」

 るな「美弥子さんにね、リョウくんと初めて喧嘩みたいになってしまったって言ったらね……」

 風歌「私もよ『英士さんと喧嘩になった』って言ったら『英士くんは、ふうちゃんが可愛いくて仕方なくて。心配なのね。ふうちゃんも英士くんが大切で。喧嘩しながら、お互いに想いをぶつけ合いながら成長していけば良いのよ。夫婦は。もう一度話合って……ね?』って。るなちゃんと同じ事を言われたわ」
 す
 るな「早くに、話合おうか? 取り返しの付かない事になる前に」

 風歌「そうだね……」
 ──
 風歌の部屋

 英士「ねぇ、風歌ちゃん。もう一度良く話合おうか?」

 風歌「ええ。英士さんわがまま言っていい?」

 英士「うん。いいよ」

 風歌「あのね、るなちゃんと同じ日に入籍したいの」

 わがままというか……可愛過ぎるお願いだよね。それ

 もちろんオイラは、いいよ。って答えて

 風歌「私、本当に、家事とかこれから勉強しなきゃならないレベルなの……少し出来る位じゃ……ママに家事を色々習いたいの。精神的にも大人にならなきゃ。英士さんに甘えてばかりの私のままじゃダメだから……」

 英士「昨日、これからいろんな事を経験して、精神的に大人になっていくんじゃないかって? 話たよね。それに、風歌ちゃんには甘えてもらいたいよって」

 風歌「英士さん……ありがとう」

 英士「体調だってまだ万全じゃないじゃん……仕事は、子供が授かって。少し手が掛からなくなってから考える……じゃダメなの?」  

 出来れば、それまでは……
 そう考えちゃうオイラって……わがままなのかな? 

 風歌「英士さん昨日はわがままだって言ってゴメンなさい」

 英士「風歌ちゃん、オイラもダメってばかり言ってゴメンなさい」

 風歌「仕事は、週3日位。幸福園でお世話になる事が可能なら……3、4時間の短時間だけでも……」

 英士「そうだよね。『アンタ達も、早く帰って来るんだよ』『はい。早く帰ります』って、風歌ちゃんと、るなちゃんは新川さんと、約束を交わしたんだもんね」

 風歌「うん」

 心配だから……とか、傍にいて欲しいとか。過保護にしたり、自分の価値観ばかりを相手に求めてばかりいたら……

 英士「本当に、お年寄り達の教えは尊くて、正しいね。風歌ちゃん。これからはお互いに意見が食い違って喧嘩になった時は、お互いに意地を張らずにさ。お互いに想いをぶつけ合いながら成長して行こうね」

 風歌「はい。英士さん。お年寄り達の教えを噛みしめて、迷ったら思い出して、話合って、お互いに成長出来る様な関係を築いて行きましょうね」

 こうして紆余曲折を経て

 俺と風歌ちゃんは、賃貸マンションを借りて住み初めて

 英士「いつの日か、戸建か、マンションを買える様に頑張ろうね」

 風歌「うん!」

 2021.2.14 に入籍したんだ

 ちなみに、るなちゃん涼也くん夫婦と同じマンションのお隣さんで

 月乃さんの希望で、風歌ちゃんとるなちゃんの実家からはスープの冷めない距離のマンションね


 春-

 風歌「英士さん、赤ちゃんを授かりました」

 英士「……ありがとう……風歌ちゃん……」

 二人で涙して……

 秋口に差し掛かるまで危惧していた通り

 家事に、週三日、るなちゃんと一緒に、介護施設 幸福園でのパートに

 風音さん、夏輝さん、るなちゃんとの細かい情報交換をしながら、マタニティ教室に

 何事も一生懸命にさ……

 風音さん、夏輝さんが無事に赤ちゃんを生んで
 るなちゃんも少し心配したけど無事に赤ちゃんを生んで……

 風歌ちゃんの予定日は2021.1月の半ば頃だったの

 2021.1月末

 風歌「のんびり屋さんなのかしら? 早く逢いたいけど……ママになる勉強の期間が伸びたと思えば良いんだもんね……」

 不安だったろうに……イヤ、オイラがすげぇ不安だったのに 

 そんな風に考えられる風歌ちゃんが
 偉いなって思ったんだ

 そして

 2022.1.25

 山乃涼士《やまの.りょうし》

 第一子の男の子を
 風歌ちゃんは出産したんだ

 風歌ちゃんの誕生日に
 オイラと涼也くんの名前の一字をもらった

 奇跡の子供が

 2日後、病院個室

 月乃「ふうちゃんおめでとう……」

 風歌「ママ……ありがとう」

 風音.夏輝「ふうちゃんおめでとう!」

 風歌「風音さん、夏輝さんがありがとうございます。これからも色々と情報を交換し合ったり、助けて下さいね」

 倫「風歌……良く頑張ったな……」

 風歌「パパ……」

 るな「ふうちゃんおめでとう! リョウくんと、英士さんから一字とって名付けたのね!」

 心紀「誕生日は、ふうちゃんと同じかぁ」

 涼也「ふうちゃん、一時は心配したけど……俺の名前の一字を持つ子供を……さすがだね。パパさんは不満げだけど……」

 英士「不満なんて飛んでもない。さすがオイラの子。奇跡を起こして凄いな。って思ってますよ」

 るな「きっと、りょうしちゃんは強力な運の持ち主なのよ」

 風歌「うふふ。私もそう思うわ」

 風歌ちゃんが、男の子なら

『英士さんと、リョウくんの一字からとって名付けたい』

 って、『わがまま』を言い出した時からね、何か他にもありそうって思ってたけどさ……

 英士『不満なんて飛んでもない。さすがオイラの子。奇跡を起こして凄いな。って思ってますよ』

 の、俺のちょっとした皮肉に、フワフワちゃん達は……

 るな『きっと、りょうしちゃんは強力な運の持ち主なのよ』

 風歌『うふふ。私もそう思うわ』

 そう取った訳ね

 てか、一か月前と同じやり取りしているってどういう事だろうね? 

 英士「でも、本当は12月24日の心紀先生の誕生日が予定日だったんだけどな」

 涼也「でも、本当は12月24日の心紀先生の誕生日が予定日ですけどね」

 心紀「うるさいよ(笑)二人して同時に同じ事を言わなくていいだろ?」

 倫.月乃.風音.夏輝「アハハハハ!」

 風歌「英士さんと、リョウくんは同じ言葉を言うとか。本当に気が合うね」

 るな「リョウくんと、英士さんは同じ言葉を言うとか。本当に気が合うね」 

 英士「やめてよ。風歌ちゃん。涼也くんと気が合うとか!」

 涼也「やめてよ。るなちゃん。英士さんと気が合うとか!」

 月乃.風音.夏輝「アハハハハ!」

 心紀「ホント羨ましい位仲良いな(笑)」

 倫「ホントだよな(笑)」

 英士「風歌ちゃん、改めてありがとう。オイラを父親にしてくれて。心が晴れの日も、曇りの日も、雨の日も、家族力を合わせて、頑張って行こうね。お互いに色々な事を話合って、一つ一つ乗り越えていって、幸せを築き上げていこうね」

 風歌「英士さん、ありがとう。私を母親にしてくれて……あのね……」

 泣いちゃった風歌ちゃん……

 英士「分かるよ風歌ちゃん。オイラと同じ想いって事……だよね?」

 うん。と頷いた風歌ちゃん

 そして……2年半後の2024.7.7

 親孝行な

  山乃はなやまの.はな

 第2子の女の子が誕生したんだ

 るなちゃんの誕生日に

 るなちゃんの一字をもらった
 奇跡の子供が

 オイラと風歌ちゃんの元に来てくれたんだ


 オイラは

 愛する 風歌ちゃんを

 愛しい 涼士を

 愛しい はなちゃんを

 永遠に守るから

 幸せになろうね

 ──

 さて……
 我が家の
 奇跡のフワフワちゃん達と

 もう一組の
 奇跡を起こした
 フワフワちゃん達の
 物語は終わりにしましょうかね








































しおりを挟む

処理中です...