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皇国の日常
休日の過ごし方 ―掘り出し物―
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ラインハルトが向かった先は、最近彼が気になっていた、寂れた武具店であった。人気は……あまりない。むしろ彼が店に顔を出している間、他の客を見たことが一度も無い。
店自体は、大通りから幾つか入り組んだ路地を抜けた先にあるのだが、周囲に乱立する住居群のせいで、その店先は昼だというのに薄暗かった。加えて店の中にも明かりはついておらず、とても経営が成り立っているとは思えない。だが不思議なもので、彼がこの店を見つけてから一度も、店が閉まっているところを見たことが無かった。
薄暗い店先から、更に薄暗い店内へと続く戸を開く。
綺麗な鈴の音。湿ったかびの匂い。店内の状態はあまりよくない。
来店を報せる鈴の音に誘われて、奥から店主らしき人物が現れた。
「いらっしゃい」
現れたのは丸い眼鏡をかけた四十くらいの男だ。鍛冶師ではない。大抵の鍛冶師が持つ戦士顔負けの筋肉や、鍛冶中にできる特有のやけど後が一切ないから一目でわかる。
どちらかと言えば見てくれは魔法使いに近く、杖を持っていたら正しくといった出立だ。
店主は来店者の顔を見ると、ぼさぼさの伸びきった灰色の髪をかきながら、惚けて笑い出した。
「おやおや、またあんたかい。こんなところに何度も顔を見せてくれるなんて、何て良い客で……はっ! まさかお前さん……変わりもんだね?」
ラインハルトが顔を出すときはいつもこんな感じだ。大げさな芝居じみた言動。老婆のように甲高い特徴ある笑い声。そのどれもが、日常で触れる機会のない新鮮な物であった。
「ははは、変り者には違いないが、客にその言い草はないんじゃないか?」
「おや、まさかお前さんも、巷で流行っている神様かい?」
「神様?」
神童と呼ばれていたラインハルトであっても、神と呼ばれたことはない。言葉の意味が分からずに首をかしげていると、店主はラインハルトを指でさしこう言った。
「知らんかい? 『お客様は神様だぁ』なんつってな」
そこまで聞いてラインハルトは、漸く言葉の意味を理解した。
巷の高級店が扱う商売精神の一つに『お客様は神様である』という物がある。商売とは品を売って金を儲けることであり、ならば金を下ろしてくれる客は、店側にとって正しく神様のような存在と言えよう。だから店側は雇った働き手に対し、客を神様と思って接しなさい、と教えた。これにより働き手の接客対応が向上、売上上昇にも効果があると分かると、忽ち同業の者たちへと広まっていった。
中にはその精神を逆手に取り、傍若無人を働く客も多い。勿論、ラインハルトはそんなことをする人間ではない。
「あの言葉は店側が持ち出すもんであって、客が何でもしていい理由じゃないんだぞ? 全く、最近の若いもんたちは……」
愚痴を語り出す店主。それに対しラインハルトは、適度に相槌を打って受け流す。
「分かった分かった。しかし、あんまりいうとその変わり者も帰ってしまうぞ?」
「おっといかん。口は災いのなんとやら。金を払うまで黙って待つとしよう」
最後にひとしきり笑った店主は、受付席に備え付けられた椅子に座ると、棚から本を抜き取り読み始めた。
会話が途切れたところで、ラインハルトも店内の物色を始める。
ラインハルトがその店を気にかけたのには、いくつか理由がある。
一つは、どうやって生計を立てているのか疑問に思ったからだ。
並ぶ武具類はどれも高級品とは程遠く、むしろ安いと思える品ばかり。また品質においても極上品は一つも無く、かといって酷く劣化したものがあるわけでもない。良くも悪くも並な商品ばかりだ。
店の大きさの割に品ぞろえは悪くはない。だが、清掃が十分されておらず、明かりも灯っていない店内が、客足を遠ざけてしまっている。店がこんな状況で、一体どうやってこの日の飯を食うのか、彼には不思議でならなかった。
そんなことを思いながら、ラインハルトは気にかかる二つ目の理由に差し掛かった。
そこは、剣、斧、槍といった武器類が積み上げられた一区画。ある程度整理整頓された他の区画とは違い、無造作に地べたに積み上げられているのだ。
しかもそれらは全て、とある鍛冶師の銘が掘られた品であった。
ラインハルトは積み上げられた武器の中から、槍を一つ持ち上げては繁々と見つめる。
「……間違いなくアガツマの印。それが何でこんなに無造作に積み上げられているんだ?」
名匠アガツマが作る武具は、全てが一級品として扱われる。中には国一つと同じ価値があるとされるものもあり、戦士であれば誰もがアガツマの作品を追い求めていた。
そんな名匠の作品が、無造作に積み上げてある光景は、異質の一言に尽きる。そこらで売っている無名の作よりも酷い扱いといえるだろう。
その扱いもさることながら、他の品に極上品質の物が無いからこそ、アガツマ作の武器がこれだけあることが不思議でならない。これが、彼がこの店に惹かれる二つ目の理由だ。
ラインハルトが持ち上げたその槍も、もとは相当な業物だったのかもしれない。だがぞんざいな扱いを受けているせいか、刃は所々傷つき、全体は埃だらけだ。当然その分値段も安いのだが、もっと研磨し綺麗に飾れば、今より高値で売れることは間違いない。
「勿体ないな。でもまぁ、あんなことを言われた後で経営方針に口出しも出来ないし」
先程のやり取りを思い出し、ラインハルトは続けて積み重なった武器の山を一瞥した。
その積み重なった武器の山を説明できる案が、一つだけ存在する。
アガツマの作る作品で有名な物は大体が剣だが、他の武器種を一つも作らないという訳ではない。訳ではないが……名が売れているせいか贋作も頗る多い。もしこれらが全て贋作であるのならば、この扱いも納得がいくというものだ。
ラインハルトは手に握った槍をもう一度見つめた。
(……これも結局、偽物かもしれないな)
そんなことを思いながらも、彼の手は掴んだ槍を放さない。いや、放せないのだ。
本当はこのような汚い品、直ぐに放り投げるつもりであった。だがなぜか、妙に手に馴染む。
そして遂に、彼の購買意欲が頭を擡げた。
(ま……たまにはいいか。これまで使っていた槍も訓練でボロボロだし、もしかしたら本物かもしれない……もしそうなら家宝ものだ。例え偽物でも、笑い話くらいにはなるだろ)
幾つかの言い訳を自分で作り、そんな軽い気持ちで彼は、槍を店主に差し出した。
店主はラインハルトに気が付くと、開いていた本を閉じ、差し出された槍を受け取る。
「おぉ、まさかこれ買いなさるか?」
ラインハルトが槍を買うことが甚だ信じられぬといった風だ。
「ああ、偶には金を使わないとな。貯めてばかりいても意味はない」
懐から財布を出し、値札に記された通り金貨一枚を手渡す。武器の相場としては少し高い部類で、王国兵士の給料約十日分ほどの値段だ。だが、アガツマ作であることを考えれば、格安と言ってもいい。
差し出された金貨を受け取った店主は、続いて嫌味な笑いを浮かべこう言った。
「ほい確かに。まぁ……こんなはした金じゃ景気のけの字も変わりゃせんが……」
「そう思うんならちゃんと磨いてもっと高く売ればいいじゃないか」
余りにもぞんざいに扱えば、いくら神様のような上客とて寄り付かない。そう思って忠告したラインハルトだったが、店主はきっぱりと首を振った。
「これでいいんだよ、これで。おかげでこうして、ちゃんと質が分かる人の所へと旅立つんだ」
「そういうもんかい」
「そういうもんだよ」
会話の最中、店主は布でごしごしと槍を磨く。流石にそのまま手渡すようなことはしないようだ。
やがて作業の全てを終えた店主は、アガツマの銘が掘られた槍を差し出した。
埃が取り除かれ、布で磨かれたその槍は、この店に不相応なほどの輝きを放ち出す。
その武器は正しくアガツマの作品。何故か、見ただけでそれが分かった。
「……本当に金貨一枚でいいのか? これ程の作品なら金貨三十枚は軽く……」
「いいんだよ金貨一枚で。この一枚で俺は、今日豪華な飯と美味い酒にありつけるんだ。それだけで十分だろう?」
とても商人とは思えぬ言葉に、ラインハルトは驚いた。彼の中で商人とは、もっと金にがめつく、もっと狡猾な印象があったのだ。だが今の店主の言葉は……どちらかと言えば職人が放つ言葉に近い。
尤も彼の言う通り、金貨三十枚を請求されたのではとても支払えない。
だからラインハルトは、店主の気が変わらぬうちにと、綺麗に磨かれた槍を受け取った。
「うん……いいね。似合ってるよ」
店主のその言葉に悪い気はせず、僅かに顔が緩む。
「でもその顔は気持ち悪いね」
すかさず飛ぶ毒舌。
「ほっとけ」
ラインハルトは店主に向けそう吐き捨てると、新たな槍を手に店を後にした。
「まいどありぃ」
間延びした声が背後から響いたが、その声は直ぐに鈴の音と戸の閉まる音にかき消されてしまった。
店自体は、大通りから幾つか入り組んだ路地を抜けた先にあるのだが、周囲に乱立する住居群のせいで、その店先は昼だというのに薄暗かった。加えて店の中にも明かりはついておらず、とても経営が成り立っているとは思えない。だが不思議なもので、彼がこの店を見つけてから一度も、店が閉まっているところを見たことが無かった。
薄暗い店先から、更に薄暗い店内へと続く戸を開く。
綺麗な鈴の音。湿ったかびの匂い。店内の状態はあまりよくない。
来店を報せる鈴の音に誘われて、奥から店主らしき人物が現れた。
「いらっしゃい」
現れたのは丸い眼鏡をかけた四十くらいの男だ。鍛冶師ではない。大抵の鍛冶師が持つ戦士顔負けの筋肉や、鍛冶中にできる特有のやけど後が一切ないから一目でわかる。
どちらかと言えば見てくれは魔法使いに近く、杖を持っていたら正しくといった出立だ。
店主は来店者の顔を見ると、ぼさぼさの伸びきった灰色の髪をかきながら、惚けて笑い出した。
「おやおや、またあんたかい。こんなところに何度も顔を見せてくれるなんて、何て良い客で……はっ! まさかお前さん……変わりもんだね?」
ラインハルトが顔を出すときはいつもこんな感じだ。大げさな芝居じみた言動。老婆のように甲高い特徴ある笑い声。そのどれもが、日常で触れる機会のない新鮮な物であった。
「ははは、変り者には違いないが、客にその言い草はないんじゃないか?」
「おや、まさかお前さんも、巷で流行っている神様かい?」
「神様?」
神童と呼ばれていたラインハルトであっても、神と呼ばれたことはない。言葉の意味が分からずに首をかしげていると、店主はラインハルトを指でさしこう言った。
「知らんかい? 『お客様は神様だぁ』なんつってな」
そこまで聞いてラインハルトは、漸く言葉の意味を理解した。
巷の高級店が扱う商売精神の一つに『お客様は神様である』という物がある。商売とは品を売って金を儲けることであり、ならば金を下ろしてくれる客は、店側にとって正しく神様のような存在と言えよう。だから店側は雇った働き手に対し、客を神様と思って接しなさい、と教えた。これにより働き手の接客対応が向上、売上上昇にも効果があると分かると、忽ち同業の者たちへと広まっていった。
中にはその精神を逆手に取り、傍若無人を働く客も多い。勿論、ラインハルトはそんなことをする人間ではない。
「あの言葉は店側が持ち出すもんであって、客が何でもしていい理由じゃないんだぞ? 全く、最近の若いもんたちは……」
愚痴を語り出す店主。それに対しラインハルトは、適度に相槌を打って受け流す。
「分かった分かった。しかし、あんまりいうとその変わり者も帰ってしまうぞ?」
「おっといかん。口は災いのなんとやら。金を払うまで黙って待つとしよう」
最後にひとしきり笑った店主は、受付席に備え付けられた椅子に座ると、棚から本を抜き取り読み始めた。
会話が途切れたところで、ラインハルトも店内の物色を始める。
ラインハルトがその店を気にかけたのには、いくつか理由がある。
一つは、どうやって生計を立てているのか疑問に思ったからだ。
並ぶ武具類はどれも高級品とは程遠く、むしろ安いと思える品ばかり。また品質においても極上品は一つも無く、かといって酷く劣化したものがあるわけでもない。良くも悪くも並な商品ばかりだ。
店の大きさの割に品ぞろえは悪くはない。だが、清掃が十分されておらず、明かりも灯っていない店内が、客足を遠ざけてしまっている。店がこんな状況で、一体どうやってこの日の飯を食うのか、彼には不思議でならなかった。
そんなことを思いながら、ラインハルトは気にかかる二つ目の理由に差し掛かった。
そこは、剣、斧、槍といった武器類が積み上げられた一区画。ある程度整理整頓された他の区画とは違い、無造作に地べたに積み上げられているのだ。
しかもそれらは全て、とある鍛冶師の銘が掘られた品であった。
ラインハルトは積み上げられた武器の中から、槍を一つ持ち上げては繁々と見つめる。
「……間違いなくアガツマの印。それが何でこんなに無造作に積み上げられているんだ?」
名匠アガツマが作る武具は、全てが一級品として扱われる。中には国一つと同じ価値があるとされるものもあり、戦士であれば誰もがアガツマの作品を追い求めていた。
そんな名匠の作品が、無造作に積み上げてある光景は、異質の一言に尽きる。そこらで売っている無名の作よりも酷い扱いといえるだろう。
その扱いもさることながら、他の品に極上品質の物が無いからこそ、アガツマ作の武器がこれだけあることが不思議でならない。これが、彼がこの店に惹かれる二つ目の理由だ。
ラインハルトが持ち上げたその槍も、もとは相当な業物だったのかもしれない。だがぞんざいな扱いを受けているせいか、刃は所々傷つき、全体は埃だらけだ。当然その分値段も安いのだが、もっと研磨し綺麗に飾れば、今より高値で売れることは間違いない。
「勿体ないな。でもまぁ、あんなことを言われた後で経営方針に口出しも出来ないし」
先程のやり取りを思い出し、ラインハルトは続けて積み重なった武器の山を一瞥した。
その積み重なった武器の山を説明できる案が、一つだけ存在する。
アガツマの作る作品で有名な物は大体が剣だが、他の武器種を一つも作らないという訳ではない。訳ではないが……名が売れているせいか贋作も頗る多い。もしこれらが全て贋作であるのならば、この扱いも納得がいくというものだ。
ラインハルトは手に握った槍をもう一度見つめた。
(……これも結局、偽物かもしれないな)
そんなことを思いながらも、彼の手は掴んだ槍を放さない。いや、放せないのだ。
本当はこのような汚い品、直ぐに放り投げるつもりであった。だがなぜか、妙に手に馴染む。
そして遂に、彼の購買意欲が頭を擡げた。
(ま……たまにはいいか。これまで使っていた槍も訓練でボロボロだし、もしかしたら本物かもしれない……もしそうなら家宝ものだ。例え偽物でも、笑い話くらいにはなるだろ)
幾つかの言い訳を自分で作り、そんな軽い気持ちで彼は、槍を店主に差し出した。
店主はラインハルトに気が付くと、開いていた本を閉じ、差し出された槍を受け取る。
「おぉ、まさかこれ買いなさるか?」
ラインハルトが槍を買うことが甚だ信じられぬといった風だ。
「ああ、偶には金を使わないとな。貯めてばかりいても意味はない」
懐から財布を出し、値札に記された通り金貨一枚を手渡す。武器の相場としては少し高い部類で、王国兵士の給料約十日分ほどの値段だ。だが、アガツマ作であることを考えれば、格安と言ってもいい。
差し出された金貨を受け取った店主は、続いて嫌味な笑いを浮かべこう言った。
「ほい確かに。まぁ……こんなはした金じゃ景気のけの字も変わりゃせんが……」
「そう思うんならちゃんと磨いてもっと高く売ればいいじゃないか」
余りにもぞんざいに扱えば、いくら神様のような上客とて寄り付かない。そう思って忠告したラインハルトだったが、店主はきっぱりと首を振った。
「これでいいんだよ、これで。おかげでこうして、ちゃんと質が分かる人の所へと旅立つんだ」
「そういうもんかい」
「そういうもんだよ」
会話の最中、店主は布でごしごしと槍を磨く。流石にそのまま手渡すようなことはしないようだ。
やがて作業の全てを終えた店主は、アガツマの銘が掘られた槍を差し出した。
埃が取り除かれ、布で磨かれたその槍は、この店に不相応なほどの輝きを放ち出す。
その武器は正しくアガツマの作品。何故か、見ただけでそれが分かった。
「……本当に金貨一枚でいいのか? これ程の作品なら金貨三十枚は軽く……」
「いいんだよ金貨一枚で。この一枚で俺は、今日豪華な飯と美味い酒にありつけるんだ。それだけで十分だろう?」
とても商人とは思えぬ言葉に、ラインハルトは驚いた。彼の中で商人とは、もっと金にがめつく、もっと狡猾な印象があったのだ。だが今の店主の言葉は……どちらかと言えば職人が放つ言葉に近い。
尤も彼の言う通り、金貨三十枚を請求されたのではとても支払えない。
だからラインハルトは、店主の気が変わらぬうちにと、綺麗に磨かれた槍を受け取った。
「うん……いいね。似合ってるよ」
店主のその言葉に悪い気はせず、僅かに顔が緩む。
「でもその顔は気持ち悪いね」
すかさず飛ぶ毒舌。
「ほっとけ」
ラインハルトは店主に向けそう吐き捨てると、新たな槍を手に店を後にした。
「まいどありぃ」
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