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疑惑
貴族の話
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翌日より、ジンの日常は忙しなくなる。
まず彼は朝目覚めると、早急に方々へと連絡を取り始めた。目的は唯一つ。皇国に掛かった疑惑を晴らすためだ。中でも人身売買を黙認していたとなれば、戦術指南役である彼とて黙っているわけにはいかない。
連絡は程なく済んだ。だが当日に時間が取れる者はそう多くはない。返事の多くは後日予定が空いたら、と回され、幾つかは丁重に断られたものもある。その報告を自室にて逐一受け取っていたジンは、この日の会談を諦めていた。
ところがその日の昼過ぎ。幸運なことに一人の貴族が、会っても良い、と名乗りを上げた。
皇国の北部に位置する貴族街。そこに住む貴族が一人‶クレイン・アルター”。
ジンとの面識はなく、また名前にも聞き覚えはない。それでも彼の貴族様がいつ心変わりをするかもわからないので、クレインの色よい返事が届くや否や、ジンは自室を飛び出した。
豪華な装飾が施された建物群の中を馬車は走る。右を見れば豪邸が立ち並び、左を見ればこれまた趣向の違う豪邸が立ち並ぶ。そこは、貴族らが好んで住まう皇国の北区。皇国の中でも異質の空気を放つ特別区である。
元々皇国の中は、そういった区分けが成されていたわけではない。だが一人、また一人と集まり始め、今では貴族が大半が集まる特別区となっていた。当然ながら警備も厳重で、農夫や職人といった者らには最も縁のない場所である。
その特別区の中に置いて、馬車は一つの館の前で止まった。来客が来たことにより館の中から幾人もの従者が現れ、馬車の前に列を成す。ジンがその様子を馬車の小窓から覗き見ていると、馬車の戸が開き、馬を操っていた男が顔を覗かせた。
「お待たせいたしました。アルター様の館に到着いたしました」
「ああ、有難う」
馬車の持ち主に一言礼を述べ、男に続き馬車を降りる。不安定な籠の中から地に足を降ろし、そしていざ視線を上げてみると、目の前には見たことも無い光景が広がった。
眼前に聳える大きな門。左右を見れば真っ白な壁が遠くまで伸びている。一転して真正面を向けば、まるで大通りのような広さの道。その広い道の両側には何十という従者が立ち並び、ジンへ向けて丁寧に辞儀をしていた。
「ようこそおいでくださいました、ホムエルシン様。主様も楽しみにしておいでです」
「あ、ああ」
兵士を育成する立場であったジンにとって、このような対応は初めての事だ。
言われるがまま、門をくぐったジンを出迎えるは何とも見事な大庭園。狼狽えるジンは従者に引き連れられ、館へと続く道を歩いていく。
館の外ですら見たことも無い景色だったというに、中は中で別世界の様だった。
足元には真っ赤な絨毯が敷き詰められ、所々に高価そうな壺や花瓶が並んでいる。上を見上げれば大きなシャンデリア。どれもこれも、一般市場では見たことも無い品ばかりだ。
ジンが知る中においては、強いて挙げれば法皇が住まう城が最も近いか。だがそれでも幾つかの共通点が見当たる程度で、流石の皇城もここまで派手ではなかった。
「ようこそ、ジン・ホムエルシン様」
ふと頭上から声がかかる。ジンが声の方を向けば、そこにはこれまた高価そうな衣服に身を包んだ、立派な髭を生やす一人の老人が。この御仁こそ、館の主クレイン・アルターであった。
クレインの案内で、ジンは館の一階にある応接間に通された。
道中、玄関から廊下にかけても相当な物だったが、来客を招く応接間こそ、贅沢の粋を集めたような部屋であった。
竜の模様が刻まれた大きな長椅子。漆黒の光沢ある大きな石机。壁に掛けられた絵画や刀剣に至るまで、素人目に見ても高価であるとわかる。
ジンが物珍し気に部屋の中を見渡していると、クレインは嬉しそうに笑って語り掛けた。
「如何いたしましたか? それ程珍しい部屋でもない筈ですが」
「は、はぁ……」
どうやらクレインは、ジンが嫌う人種であったようだ。金満であることを鼻にかけ、惚けた様子でいながら太々しく威張り散らしている。先の言葉も、心にもない言葉だということは表情からして分かる。
(見てくれは紳士な老人なのにな……貴族とは皆こんな輩なのだろうか?)
これまで長年軍に従事してきたジンだが、その大半は兵士と共に過ごしてきた。おかげで貴族と親身になる機会など無く、良くて軍の催す会食場で一つ二つ挨拶を交わす程度だ。故にクレインの態度が貴族の一般的な姿なのか、またクレインの館が貴族の一般的な館なのか、いまいちわからない。
「ま、お座りください。今飲み物をお持ちしますので」
クレインはそういって先に椅子に座ると、部屋の入り口で控えていた下女に命じる。
ジンはと言えば、気取られぬようにため息を一つついて心を落ち着かせると、濃紺色の背もたれに背中を預けた。
下女が飲み物の入ったグラスを持って来ると、話し合いが始まる。
まず口を開いたのはクレインだ。
「では要件を聞きましょうか。なんでも聞きたいことがあるそうですね」
「ええ、実は先日、ある貴族の館に賊が忍び込みまして……」
「ああ知っていますよ。シュライド卿のところですね? 全く、だから警備の厳重な北区に居を構えろと言ったのに……態々南区の真っ只中に作るから……」
「ちょ、ちょっと待ってください! 知っているのですか!?」
「……? ええ、勿論知っていますとも。どの貴族もそれなりの情報網を持っていますからね。尤も詳細を知っているというわけではありません。そういった事件があったということくらいです。しかし……運が悪い。こんなに貴族が暮らしていながら狙われるとはね」
ジンが驚愕したことに気を良くしたのか、ころころと笑うクレイン。その態度に、ジンは内心毒を吐く。
(同じ貴族が被害にあったというのによく笑っていられるものだ。一つ間違えば自分が被害にあっていたかもしれないのだぞ? ……全く、気が知れない)
その思いをおくびにも出さず、ジンは習い笑って見せる。
クレインは机に置かれたグラスに手を伸ばした。
「聞きたいこととは、その事件についてなのですか?」
一口液体を含み口を潤す。
ジンはクレインがグラスを置くのを待ってから首を振った。
「いえ実は……その事件にて、賊を一人捉えることに成功したのです。そこで少し話を聞いてみたのですが……その男の話では、我が国では数多の犯罪が行われていて、それを皇国上層部が握りつぶしているのでは、というのです」
「ははは! そんな物、盗人の戯言でしょうに。まさか信用なさるので?」
クレインは膝を叩いて笑う。だがジンは口を結んだまま、クレインを見つめ続ける。
「……どうやら、疑っているようですな」
僅かに、クレインの表情が陰る。
暫しの沈黙が流れた。クレインは再びグラスに手を伸ばす。それをゆっくりと傾け、もう一つ、ふむ、と頷くと、話を続けた。
「申し訳ありませんが……皇国が犯罪を握りつぶしているかどうかについてはなんとも言えません。私は貴族ですが、内政には余り関わっておりませんので……ただ、確かなことが一つあります。それは、先日の一件以外にも盗難、窃盗の被害にあっている貴族たちがいるということです」
「……なんですって?」
唐突に飛び出した言葉に、ジンは驚いた。クレインは一層深刻な面持ちで続ける。
「先日はシュライド卿の館でしたが、他にも幾つか、盗難にあったと声を上げる貴族は確かにいるのです。ただ、それが事件として取り上げられたことは今まで一度もありません。それが貴族間で行われる軽口の類なのか、それとも実際に軍へ申請をしていながら握りつぶされたのか、それは定かではありませんが」
「……そうですか……因みにその貴族様のお名前は……」
「それは私の一存で伝えることは出来ません。何やらこの話、相当複雑なようですからな。まず先方に了承を取り、もし許可が取れたならば追ってお知らせいたしましょう」
「有難うございます」
「いえいえ、困ったときはお互い様というではありませんか」
頭を下げるジンに、クレインは朗らかな笑みを向けた。
それからも会談は続いたが、他愛もない話が繰り返され碌な情報は手に入らなかった。だがジンは気落ちすることをしない。
(一人目としては十二分な情報が手に入ったな。これで被害にあったという貴族の名が分かれば言うこともないのだが……)
帰りの馬車で過ぎる街並みを眺めながら、そう願う。
ジンは胸元から一冊の手帳を取り出すと、先に聞いた話を認めた。全てをかき終えるとそれをもう一度読み直し、最後に手帳を終い視線を小窓の外へと戻す。馬車は豪邸が立ち並ぶ区画を通り過ぎる。ジンは馬車に揺られながら帰路に就く。
まず彼は朝目覚めると、早急に方々へと連絡を取り始めた。目的は唯一つ。皇国に掛かった疑惑を晴らすためだ。中でも人身売買を黙認していたとなれば、戦術指南役である彼とて黙っているわけにはいかない。
連絡は程なく済んだ。だが当日に時間が取れる者はそう多くはない。返事の多くは後日予定が空いたら、と回され、幾つかは丁重に断られたものもある。その報告を自室にて逐一受け取っていたジンは、この日の会談を諦めていた。
ところがその日の昼過ぎ。幸運なことに一人の貴族が、会っても良い、と名乗りを上げた。
皇国の北部に位置する貴族街。そこに住む貴族が一人‶クレイン・アルター”。
ジンとの面識はなく、また名前にも聞き覚えはない。それでも彼の貴族様がいつ心変わりをするかもわからないので、クレインの色よい返事が届くや否や、ジンは自室を飛び出した。
豪華な装飾が施された建物群の中を馬車は走る。右を見れば豪邸が立ち並び、左を見ればこれまた趣向の違う豪邸が立ち並ぶ。そこは、貴族らが好んで住まう皇国の北区。皇国の中でも異質の空気を放つ特別区である。
元々皇国の中は、そういった区分けが成されていたわけではない。だが一人、また一人と集まり始め、今では貴族が大半が集まる特別区となっていた。当然ながら警備も厳重で、農夫や職人といった者らには最も縁のない場所である。
その特別区の中に置いて、馬車は一つの館の前で止まった。来客が来たことにより館の中から幾人もの従者が現れ、馬車の前に列を成す。ジンがその様子を馬車の小窓から覗き見ていると、馬車の戸が開き、馬を操っていた男が顔を覗かせた。
「お待たせいたしました。アルター様の館に到着いたしました」
「ああ、有難う」
馬車の持ち主に一言礼を述べ、男に続き馬車を降りる。不安定な籠の中から地に足を降ろし、そしていざ視線を上げてみると、目の前には見たことも無い光景が広がった。
眼前に聳える大きな門。左右を見れば真っ白な壁が遠くまで伸びている。一転して真正面を向けば、まるで大通りのような広さの道。その広い道の両側には何十という従者が立ち並び、ジンへ向けて丁寧に辞儀をしていた。
「ようこそおいでくださいました、ホムエルシン様。主様も楽しみにしておいでです」
「あ、ああ」
兵士を育成する立場であったジンにとって、このような対応は初めての事だ。
言われるがまま、門をくぐったジンを出迎えるは何とも見事な大庭園。狼狽えるジンは従者に引き連れられ、館へと続く道を歩いていく。
館の外ですら見たことも無い景色だったというに、中は中で別世界の様だった。
足元には真っ赤な絨毯が敷き詰められ、所々に高価そうな壺や花瓶が並んでいる。上を見上げれば大きなシャンデリア。どれもこれも、一般市場では見たことも無い品ばかりだ。
ジンが知る中においては、強いて挙げれば法皇が住まう城が最も近いか。だがそれでも幾つかの共通点が見当たる程度で、流石の皇城もここまで派手ではなかった。
「ようこそ、ジン・ホムエルシン様」
ふと頭上から声がかかる。ジンが声の方を向けば、そこにはこれまた高価そうな衣服に身を包んだ、立派な髭を生やす一人の老人が。この御仁こそ、館の主クレイン・アルターであった。
クレインの案内で、ジンは館の一階にある応接間に通された。
道中、玄関から廊下にかけても相当な物だったが、来客を招く応接間こそ、贅沢の粋を集めたような部屋であった。
竜の模様が刻まれた大きな長椅子。漆黒の光沢ある大きな石机。壁に掛けられた絵画や刀剣に至るまで、素人目に見ても高価であるとわかる。
ジンが物珍し気に部屋の中を見渡していると、クレインは嬉しそうに笑って語り掛けた。
「如何いたしましたか? それ程珍しい部屋でもない筈ですが」
「は、はぁ……」
どうやらクレインは、ジンが嫌う人種であったようだ。金満であることを鼻にかけ、惚けた様子でいながら太々しく威張り散らしている。先の言葉も、心にもない言葉だということは表情からして分かる。
(見てくれは紳士な老人なのにな……貴族とは皆こんな輩なのだろうか?)
これまで長年軍に従事してきたジンだが、その大半は兵士と共に過ごしてきた。おかげで貴族と親身になる機会など無く、良くて軍の催す会食場で一つ二つ挨拶を交わす程度だ。故にクレインの態度が貴族の一般的な姿なのか、またクレインの館が貴族の一般的な館なのか、いまいちわからない。
「ま、お座りください。今飲み物をお持ちしますので」
クレインはそういって先に椅子に座ると、部屋の入り口で控えていた下女に命じる。
ジンはと言えば、気取られぬようにため息を一つついて心を落ち着かせると、濃紺色の背もたれに背中を預けた。
下女が飲み物の入ったグラスを持って来ると、話し合いが始まる。
まず口を開いたのはクレインだ。
「では要件を聞きましょうか。なんでも聞きたいことがあるそうですね」
「ええ、実は先日、ある貴族の館に賊が忍び込みまして……」
「ああ知っていますよ。シュライド卿のところですね? 全く、だから警備の厳重な北区に居を構えろと言ったのに……態々南区の真っ只中に作るから……」
「ちょ、ちょっと待ってください! 知っているのですか!?」
「……? ええ、勿論知っていますとも。どの貴族もそれなりの情報網を持っていますからね。尤も詳細を知っているというわけではありません。そういった事件があったということくらいです。しかし……運が悪い。こんなに貴族が暮らしていながら狙われるとはね」
ジンが驚愕したことに気を良くしたのか、ころころと笑うクレイン。その態度に、ジンは内心毒を吐く。
(同じ貴族が被害にあったというのによく笑っていられるものだ。一つ間違えば自分が被害にあっていたかもしれないのだぞ? ……全く、気が知れない)
その思いをおくびにも出さず、ジンは習い笑って見せる。
クレインは机に置かれたグラスに手を伸ばした。
「聞きたいこととは、その事件についてなのですか?」
一口液体を含み口を潤す。
ジンはクレインがグラスを置くのを待ってから首を振った。
「いえ実は……その事件にて、賊を一人捉えることに成功したのです。そこで少し話を聞いてみたのですが……その男の話では、我が国では数多の犯罪が行われていて、それを皇国上層部が握りつぶしているのでは、というのです」
「ははは! そんな物、盗人の戯言でしょうに。まさか信用なさるので?」
クレインは膝を叩いて笑う。だがジンは口を結んだまま、クレインを見つめ続ける。
「……どうやら、疑っているようですな」
僅かに、クレインの表情が陰る。
暫しの沈黙が流れた。クレインは再びグラスに手を伸ばす。それをゆっくりと傾け、もう一つ、ふむ、と頷くと、話を続けた。
「申し訳ありませんが……皇国が犯罪を握りつぶしているかどうかについてはなんとも言えません。私は貴族ですが、内政には余り関わっておりませんので……ただ、確かなことが一つあります。それは、先日の一件以外にも盗難、窃盗の被害にあっている貴族たちがいるということです」
「……なんですって?」
唐突に飛び出した言葉に、ジンは驚いた。クレインは一層深刻な面持ちで続ける。
「先日はシュライド卿の館でしたが、他にも幾つか、盗難にあったと声を上げる貴族は確かにいるのです。ただ、それが事件として取り上げられたことは今まで一度もありません。それが貴族間で行われる軽口の類なのか、それとも実際に軍へ申請をしていながら握りつぶされたのか、それは定かではありませんが」
「……そうですか……因みにその貴族様のお名前は……」
「それは私の一存で伝えることは出来ません。何やらこの話、相当複雑なようですからな。まず先方に了承を取り、もし許可が取れたならば追ってお知らせいたしましょう」
「有難うございます」
「いえいえ、困ったときはお互い様というではありませんか」
頭を下げるジンに、クレインは朗らかな笑みを向けた。
それからも会談は続いたが、他愛もない話が繰り返され碌な情報は手に入らなかった。だがジンは気落ちすることをしない。
(一人目としては十二分な情報が手に入ったな。これで被害にあったという貴族の名が分かれば言うこともないのだが……)
帰りの馬車で過ぎる街並みを眺めながら、そう願う。
ジンは胸元から一冊の手帳を取り出すと、先に聞いた話を認めた。全てをかき終えるとそれをもう一度読み直し、最後に手帳を終い視線を小窓の外へと戻す。馬車は豪邸が立ち並ぶ区画を通り過ぎる。ジンは馬車に揺られながら帰路に就く。
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