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真実の姿
法皇
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赤狼の足元に横たわる男。身に着ける物からして相当高い身分であることが分かる。ジンが被る赤い外套によく似た青の外套。同じくジンが着る純白の鎧に似たものを着ている。そしてスィックルの取り乱しようから、その男が皇国軍の総帥であることは一目瞭然であった。
「総帥様! ご無事ですか!?」
当初は安否を気遣っていたスィックルだったが、直ぐにその視線はブラッドウルフの下へと吸い込まれる。
彼もまた、ブラッドウルフの噂を知る者の一人であった。だが彼は、英雄の卵に属する戦士の中でも特に秀でた力を持つ戦士でもある。加えてメルビア卿から授かったあの剣を持っている今、彼の自尊心は異常な高鳴りを見せ、自己評価も恐ろしい水準まで高まっていた。
「英雄の子ともあろう方が人質ですか? 確かにそのお方を捕らえることは私たちに有効です。ですが、たかだか狼一匹で我々をどうにかできるとでもお思いで? 舐めないで頂きたい」
スィックルは剣を構えた。
彼が握る剣は唯の剣にあらず。その場で振るだけで遠く離れた敵を切り刻むことが出来る魔法の剣だ。そしてその威力は、剣を振った際の鋭さに比例する。
「……しっ!」
短く息を吐きながら、渾身の力で剣を振った。時を同じくして放たれる飛翔斬撃。魔力の塊故に風のように視認できず、高速で飛ぶ軌道を予測するのは限りなく難しい。……だがそれは、人間にとっての話だ。
ブラッドウルフは跳躍する。横たわっている男をその大きな口で咥え、迫る不可視の斬撃を避避けた。そして、スィックルの頭上を軽々と飛び越える。斬撃は兵士らの間を縫い、間一髪で城壁の内壁に傷をつけた。一方狼は、そのまま魔法の木の麓に着地すると、その前で座り再び男を地に降ろす。
呆然とするスィックルの頭上から、冷ややかな声がかけられた。
「……人質とか言っておいて、諸共切り捨てようとしてない? それとも死んでくれた方が……なんて考えてるのかな」
まるでスィックルが何をしていたのか、全て見えているかのようにカイネルは語った。
少年のこの言葉に、スィックルは冷静さを欠く。一つは、ラインハルトですら、ジンですらなす術も無く敗れ去った攻撃を、容易く回避された事実に衝撃を受け。次に、自身よりも大分若い少年に、全てを見透かされていた事実に屈辱を覚えて。その不快感、怒りを、露骨に表情に出すようなことはしない。だが心の内ではぐつぐつと腸が煮えくり返っていた。そして、皇国軍総帥が敵の手中に落ちたことが、更に彼の取り乱しっぷりに拍車をかける。
逆上したスィックルが次にすること。それは足元に転がっていた。
虚ろな目で木の上を見上げているラインハルト。出血は多量で、意識も朦朧としている。また先程の無茶な攻防が祟り、体を動かすことも儘ならない。その無力な獲物目掛けて、彼は剣を突き付けた。
「貴方がそうした卑怯な手を取るのであれば、今だけは私もそれに習いましょう」
スィックルはともかく、他の英雄の卵たちは総帥が敵の手の中にあることで動けない。そのうえで、スィックルが卑怯と宣う手法に自ら手を染めたことに、動揺を隠せない。
しかしスィックルのこの手法はある意味で正しく、事実カイネルは行動を大幅に制限されることになった。
カイネルに与えられた使命は、死者を出さずにこの戦いを終わらせること。それは勿論、罪人として扱われているジンやラインハルト、そして盗賊団の面々も含んでのことだ。
「はぁ……いつ僕がこの人を『人質』だなんて言ったのさ」
大きなため息をつくカイネル。少年のこの発言は、ほとほと呆れ果てて発した物だったが、スィックルはこれを真逆に解釈してしまう。要するに彼は、ここにきて漸く少年の上に立つことが出来たと勘違いし、口元に笑みを浮かべたのだ。
彼は更に手を染めていく。
「おい! 賊どもをひっ捕らえろ!」
スィックルは周囲の一般階級兵に向かってそう叫んだ。兵士らは暫し近くの兵士と顔を見合わせる等して狼狽えていたが、二度、三度にわたるスィックルの怒声に従い、それぞれ一番近い盗賊団員に群がる。
「くっ! 離せ! 離しなさい!!」
地に伏したままのジンに寄り添っていたエリスも、数人の兵士の手によって無理矢理立たされ拘束される。
これにより死にかけのジン、罪人とされる盗賊団員合わせて十六名が新たな人質となった。
「さぁ、今すぐ総帥様を解放してもらおうか。もし拒否するというのであれば……一人ずつ嬲り殺していくまでだ」
スィックルは一際邪悪な笑みを浮かべ木上の少年を睨む。
弓を構えたまま、カイネルは悩んだ。
スィックルの言う通り、総帥を開放したとしよう。しかし彼は、捉えたラインハルトらを解放する事をするだろうか。いや、そんなことはしないだろう。彼らにとっては罪人を捕らえることが目的であり、総帥を回収すれば枷はなくなるのだ。好き勝手に暴れだすに決まっている。
ではこのまま様子を見ているのはどうだろうか。その先もカイネルには判っている。スィックルの自制心はすでにぼろぼろで、いつ先の言葉を実行するか、分かったものではない。傍観という選択肢を選べば、いずれ時が満ちる頃、新たな岐路に立たされることになるだろう。
いっそのこと、人質云々は誤解だと説得してみようかとも考えた。だがそれこそ何の意味も無いことだ。カイネルがスィックルの言動を信用しないように、スィックルもカイネルの言動を信用していない。それは互いの反応と行動を見れば一目瞭然だ。
そんな自問自答を数度頭の中で繰り返したが、結局少年には直ぐ答えを出すことは出来なかった。
暫し膠着状態が続いた。余りの緊張感に捕らわれた者も捕らえた者も、どちらも声を発せずにいた。
しかし、長き戦いの中に更なる乱入者が現れる。それは始め、声しか聞こえなかった。
「いい加減にしないか!!」
カイネル同様酷く若い子供の声が響いた。何事かとエリス達は周囲を見渡す。彼女らを取り押さえる兵士たちも同様だ。だがその中で、少し毛並みが違う反応を見せる者がいた。それは英雄の卵たちだった。
スィックルはびくりと体を震わせる。その周囲に立つ英雄の卵たちも同様だ。
彼らは左右を見まわし、声の主を探した。だが真っ先に見つけたのは、木の上に立っていたカイネルだ。
先ほど赤狼が現れた場所、城内と中庭を繋ぐ通路にその人はいた。
背丈はカイネルと同じくらい。高貴なローブを身に纏い、高い帽子を被っている。傍には幾人もの兵士が付き従い、彼が唯の子供でないことを体現していた。顔立ちも幼く、おおよそカイネルと同年か。外見だけではその人物が男なのか女なのか、判別は難しい。
乱入者が口を開く。
「大臣様から話は聞いた。我らが国を守る軍隊が、僕が執政に疎いのを良いことに、国を好き勝手にしていると。異論はありますか?」
現れたのはこの国を統べる法皇‶コルクレア・ロウエン”。皇国を統べる幼き指導者である。
他国から称えられる程の安定を誇っていた皇国。だがこの時より数年前に一度、執政に当たる者達の中で大きな変動が起きていた。
前法皇の病死。それは、本来口を出すべき立場にない軍事に準ずる者らも交えて、大きな争点となった。
国の長が不在となれば、他国が攻め入る隙を作りかねない。また強かな賊であれば、これを期に国を蹂躙するやもしれない。これらのような理由により、法皇不在を恐れた皇国上層部は、当時まだ八つだった唯一の子を法皇と成した。だが新たな指導者はとても幼く、故に政治のせの字も知らない。勿論、戦争を回避するための外交や、国を繁栄させる為の商談など出来る筈も無く、それを危うく感じた軍は、彼に変わる指導者を見繕った。それが、赤狼の脇に伸びている男であった。
コルクレアは凛とした姿で歩く。その姿に当時の弱弱しい面影はない。確かに、皇に相応しき器の片鱗が垣間見える。
その堂々たる姿に、周囲の兵士は皆見とれた。そして数秒後には彼の背後に付き従うようになる。
コルクレアは、歩きながら語った。
「全ては僕がだらしなかったせいだ。……あの時僕は、周りの人達の言葉に甘えてしまった。でもあの子を見て僕は変わる決心をしたんだ。僕と同じ年なのに、強く、清いカイネルを見て」
コルクレアはそのままスィックルの前に立つ。
スィックルの手には抜身の剣。ほんの少し手を伸ばせば、小さき体は貫かれてしまうだろう。
だがコルクレアは、揺れることのない眼差しで英雄の卵を真っすぐ見つめた。
「国の私物化もこれまでだ。剣を捨てろ! スィックル・カーン!!」
その圧倒的存在感に押されて、英雄の卵らは息を飲む。
「総帥様! ご無事ですか!?」
当初は安否を気遣っていたスィックルだったが、直ぐにその視線はブラッドウルフの下へと吸い込まれる。
彼もまた、ブラッドウルフの噂を知る者の一人であった。だが彼は、英雄の卵に属する戦士の中でも特に秀でた力を持つ戦士でもある。加えてメルビア卿から授かったあの剣を持っている今、彼の自尊心は異常な高鳴りを見せ、自己評価も恐ろしい水準まで高まっていた。
「英雄の子ともあろう方が人質ですか? 確かにそのお方を捕らえることは私たちに有効です。ですが、たかだか狼一匹で我々をどうにかできるとでもお思いで? 舐めないで頂きたい」
スィックルは剣を構えた。
彼が握る剣は唯の剣にあらず。その場で振るだけで遠く離れた敵を切り刻むことが出来る魔法の剣だ。そしてその威力は、剣を振った際の鋭さに比例する。
「……しっ!」
短く息を吐きながら、渾身の力で剣を振った。時を同じくして放たれる飛翔斬撃。魔力の塊故に風のように視認できず、高速で飛ぶ軌道を予測するのは限りなく難しい。……だがそれは、人間にとっての話だ。
ブラッドウルフは跳躍する。横たわっている男をその大きな口で咥え、迫る不可視の斬撃を避避けた。そして、スィックルの頭上を軽々と飛び越える。斬撃は兵士らの間を縫い、間一髪で城壁の内壁に傷をつけた。一方狼は、そのまま魔法の木の麓に着地すると、その前で座り再び男を地に降ろす。
呆然とするスィックルの頭上から、冷ややかな声がかけられた。
「……人質とか言っておいて、諸共切り捨てようとしてない? それとも死んでくれた方が……なんて考えてるのかな」
まるでスィックルが何をしていたのか、全て見えているかのようにカイネルは語った。
少年のこの言葉に、スィックルは冷静さを欠く。一つは、ラインハルトですら、ジンですらなす術も無く敗れ去った攻撃を、容易く回避された事実に衝撃を受け。次に、自身よりも大分若い少年に、全てを見透かされていた事実に屈辱を覚えて。その不快感、怒りを、露骨に表情に出すようなことはしない。だが心の内ではぐつぐつと腸が煮えくり返っていた。そして、皇国軍総帥が敵の手中に落ちたことが、更に彼の取り乱しっぷりに拍車をかける。
逆上したスィックルが次にすること。それは足元に転がっていた。
虚ろな目で木の上を見上げているラインハルト。出血は多量で、意識も朦朧としている。また先程の無茶な攻防が祟り、体を動かすことも儘ならない。その無力な獲物目掛けて、彼は剣を突き付けた。
「貴方がそうした卑怯な手を取るのであれば、今だけは私もそれに習いましょう」
スィックルはともかく、他の英雄の卵たちは総帥が敵の手の中にあることで動けない。そのうえで、スィックルが卑怯と宣う手法に自ら手を染めたことに、動揺を隠せない。
しかしスィックルのこの手法はある意味で正しく、事実カイネルは行動を大幅に制限されることになった。
カイネルに与えられた使命は、死者を出さずにこの戦いを終わらせること。それは勿論、罪人として扱われているジンやラインハルト、そして盗賊団の面々も含んでのことだ。
「はぁ……いつ僕がこの人を『人質』だなんて言ったのさ」
大きなため息をつくカイネル。少年のこの発言は、ほとほと呆れ果てて発した物だったが、スィックルはこれを真逆に解釈してしまう。要するに彼は、ここにきて漸く少年の上に立つことが出来たと勘違いし、口元に笑みを浮かべたのだ。
彼は更に手を染めていく。
「おい! 賊どもをひっ捕らえろ!」
スィックルは周囲の一般階級兵に向かってそう叫んだ。兵士らは暫し近くの兵士と顔を見合わせる等して狼狽えていたが、二度、三度にわたるスィックルの怒声に従い、それぞれ一番近い盗賊団員に群がる。
「くっ! 離せ! 離しなさい!!」
地に伏したままのジンに寄り添っていたエリスも、数人の兵士の手によって無理矢理立たされ拘束される。
これにより死にかけのジン、罪人とされる盗賊団員合わせて十六名が新たな人質となった。
「さぁ、今すぐ総帥様を解放してもらおうか。もし拒否するというのであれば……一人ずつ嬲り殺していくまでだ」
スィックルは一際邪悪な笑みを浮かべ木上の少年を睨む。
弓を構えたまま、カイネルは悩んだ。
スィックルの言う通り、総帥を開放したとしよう。しかし彼は、捉えたラインハルトらを解放する事をするだろうか。いや、そんなことはしないだろう。彼らにとっては罪人を捕らえることが目的であり、総帥を回収すれば枷はなくなるのだ。好き勝手に暴れだすに決まっている。
ではこのまま様子を見ているのはどうだろうか。その先もカイネルには判っている。スィックルの自制心はすでにぼろぼろで、いつ先の言葉を実行するか、分かったものではない。傍観という選択肢を選べば、いずれ時が満ちる頃、新たな岐路に立たされることになるだろう。
いっそのこと、人質云々は誤解だと説得してみようかとも考えた。だがそれこそ何の意味も無いことだ。カイネルがスィックルの言動を信用しないように、スィックルもカイネルの言動を信用していない。それは互いの反応と行動を見れば一目瞭然だ。
そんな自問自答を数度頭の中で繰り返したが、結局少年には直ぐ答えを出すことは出来なかった。
暫し膠着状態が続いた。余りの緊張感に捕らわれた者も捕らえた者も、どちらも声を発せずにいた。
しかし、長き戦いの中に更なる乱入者が現れる。それは始め、声しか聞こえなかった。
「いい加減にしないか!!」
カイネル同様酷く若い子供の声が響いた。何事かとエリス達は周囲を見渡す。彼女らを取り押さえる兵士たちも同様だ。だがその中で、少し毛並みが違う反応を見せる者がいた。それは英雄の卵たちだった。
スィックルはびくりと体を震わせる。その周囲に立つ英雄の卵たちも同様だ。
彼らは左右を見まわし、声の主を探した。だが真っ先に見つけたのは、木の上に立っていたカイネルだ。
先ほど赤狼が現れた場所、城内と中庭を繋ぐ通路にその人はいた。
背丈はカイネルと同じくらい。高貴なローブを身に纏い、高い帽子を被っている。傍には幾人もの兵士が付き従い、彼が唯の子供でないことを体現していた。顔立ちも幼く、おおよそカイネルと同年か。外見だけではその人物が男なのか女なのか、判別は難しい。
乱入者が口を開く。
「大臣様から話は聞いた。我らが国を守る軍隊が、僕が執政に疎いのを良いことに、国を好き勝手にしていると。異論はありますか?」
現れたのはこの国を統べる法皇‶コルクレア・ロウエン”。皇国を統べる幼き指導者である。
他国から称えられる程の安定を誇っていた皇国。だがこの時より数年前に一度、執政に当たる者達の中で大きな変動が起きていた。
前法皇の病死。それは、本来口を出すべき立場にない軍事に準ずる者らも交えて、大きな争点となった。
国の長が不在となれば、他国が攻め入る隙を作りかねない。また強かな賊であれば、これを期に国を蹂躙するやもしれない。これらのような理由により、法皇不在を恐れた皇国上層部は、当時まだ八つだった唯一の子を法皇と成した。だが新たな指導者はとても幼く、故に政治のせの字も知らない。勿論、戦争を回避するための外交や、国を繁栄させる為の商談など出来る筈も無く、それを危うく感じた軍は、彼に変わる指導者を見繕った。それが、赤狼の脇に伸びている男であった。
コルクレアは凛とした姿で歩く。その姿に当時の弱弱しい面影はない。確かに、皇に相応しき器の片鱗が垣間見える。
その堂々たる姿に、周囲の兵士は皆見とれた。そして数秒後には彼の背後に付き従うようになる。
コルクレアは、歩きながら語った。
「全ては僕がだらしなかったせいだ。……あの時僕は、周りの人達の言葉に甘えてしまった。でもあの子を見て僕は変わる決心をしたんだ。僕と同じ年なのに、強く、清いカイネルを見て」
コルクレアはそのままスィックルの前に立つ。
スィックルの手には抜身の剣。ほんの少し手を伸ばせば、小さき体は貫かれてしまうだろう。
だがコルクレアは、揺れることのない眼差しで英雄の卵を真っすぐ見つめた。
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