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迷宮
作戦会議
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三日後の朝早く、再び赤目の少女が宿を訪れた。
自室にてその知らせを受けたラインハルトらは、用意していた荷物を手に一階へと降りる。そして入り口付近で待つ彼女の姿を見て驚いた。
兎は以前と同様、頭から足元まですっぽり覆うほど大きなローブを羽織り、手には革製の手袋、下半身もズボンとブーツを身に着け、素肌は一切見えない状態だった。彼女が自ら赤目の兎を名乗らなければ、それが誰なのかラインハルトには分からなかっただろう。
また、彼女は見覚えのある女を一人引き連れていた。
「やっほー」
陽気に手を振る真っ赤な髪の女。彼女は三日前の選抜試験の折、カイネルと試合を行った女戦士エンカであった。
鉄製のブレストプレート、仰々しいガントレット、頑丈そうなグリーブに似つかわしくない巨大な斧……かなりの重装備と見える。
ラインハルトらの姿を見つけると、兎は頭にかかったローブを外した。
「お早うございます。急で申し訳ありませんが、彼女も共に迷宮へ潜って頂くことになりました」
白く長い耳を揺らし、申し訳なさそうに辞儀をする兎。一方エンカはといえば鼻歌交じりといった感じだ。
「……なんだ、貴族様のところは首になったのか?」
ラインハルトは自身が落ちた試験に彼女が合格していたことを思い出す。開催者のフロベルティに名を呼ばれ、他の合格者と共に別宅の中へと入っていったはずだ。
それを指摘してみると、エンカは手をひらひらと振って見せた。
「まさか、私から断ったのよ」
エンカは背中に下げていた大きな道具袋を床に置くと、同じく抱えていた斧を壁に立てかける。
「だってそうでしょう? 『優秀な戦士はいらない』『狡猾であればいい』だなんて言われておいて、大人しくついていったら自らそうだと認めることになるわ。それでも報酬が良かったら受けるつもりだったけど……十何人もいるのに全部折版って言われちゃあね」
愚痴るエンカに、成程な、と返すラインハルト。するとエンカは、ラインハルトの脇をすり抜け、後ろにいるカイネルへと近づいた。
「宜しくねカイネル」
笑顔を作って手を差し伸べる。ラインハルトにもしなかったその行為に、カイネルは狼狽えながら手を差し伸べた。
「えぇ!? は、はい。宜しくお願いします」
「なんだ、カイネルを追ってきたのか?」
それはラインハルトの冗談だった。だがエンカは不敵な笑みを浮かべ振り向く。
「ここで出会ったのは本当に偶然よ。でも嬉しいのも本当。一緒に戦った仲だもの。少なくともそこら辺の色男よりも好きよ」
繋いだ手を数度振り手を放す。それから兎へと声をかけた。
「さぁ兎さん。作戦会議と行きましょうよ」
兎は店主へ一部屋貸して欲しいと申し出た。やがて一同は先日集まった部屋と同じ応接間に通される。
少し大きな丸机に人数分のカップが置かれている。気の利く店主の粋な計らいだ。一同はそれぞれ出された茶を一口啜り、一息つくと会議が始まった。
まず口を開いたのは兎だ。
「其方の方の準備は万端ですか?」
「ああ、節制すれば二十日は籠れると思う。だが普通の旅ならばの話だ。何か特別なものは必要なかったのか?」
「ええ大丈夫です。先ずは様子見のつもりですし、余裕のあるうちに戻ってきましょう。それに奥の手もありますし」
兎はそう言うと、近くに座るエンカを見て頷いた。
エンカは自身の荷物袋から幾つか道具を取り出し机上に置く。
それらを見たラインハルトは、手に取りながら兎に問いかけた。
「……これは?」
「これらは、危険な迷宮を安全に探索するための特殊な道具たちです。先ずは『魔法の針』。これは指定した地点を常に指し示す道標です。次に『帰還の魔導紙』。使い切りではありますが、転移の魔法が刻まれていて使用すれば町へと戻ることが出来ます」
説明を受けたラインハルトは感嘆の声を上げた。
「それは凄いな。これがあればここまで慎重になる必要もないんじゃないか?」
満足いくまで道具を調べたラインハルトは、道具を机の上に戻す。続いて兎が手を伸ばすと、その道具を持ち上げた。
「いいえ、これでもまだ甘いくらいです。そもそも迷宮がどれだけ深いのかも分かりませんし、潜む者たちも全てが明らかになっているわけではありませんから。ですからもしもの時の為に、先ずはこれらの使い方を覚えてください」
それから兎は、一つずつ丁寧に道具の使用方法を教えていく。
話し合いは昼過ぎまで続いた。尤もその大半は勉強会のようなもので、迷宮に入ったことのないラインハルトらへの注意喚起が殆どだ。
一同は切りの良いところで一時休息をとり、宿の店主が腕を振るった飯を食う。後、再開された会議では迷宮内での役割分担の話となった。
「……それぞれの役割はこのような感じでお願いします。次に戦闘が始まった場合ですが……前衛をエンカさんにお願いするつもりです。その後ろをラインハルトさん。次にシェインさんとカイネルさん。そして最後に私が……」
一人ひとりの顔を見ながらそう語る兎。そこへラインハルトが口を挟む。
「兎は戦えるのか?」
兎は服装を見るに動きやすそうな格好をしている。だがエンカのように鎧を身に着けているというわけでは無く、また見える範囲で武器のような物も見当たらない。ラインハルトの目からはとても戦闘がこなせるようには見えなかった。
兎を心配しての問いかけだったが、兎はその問いに申し訳なさそうに答えた。
「……申し訳ありませんが、私は戦闘に関して力になれないと思います。魔法が使えるというわけでなく、剣を扱えるというわけでもありません。一応護衛の為にこんなものを持っていますが、振り回すことしかできません」
兎はそう言って、ローブの下から小さな短剣を取り出して見せた。
兎の答えにラインハルトの老婆心に拍車がかかる。
「なら俺とエンカが両端にいた方がいいんじゃないか? これなら後方から敵が来た時も安全だ。さらにシェインとカイネルで挟めば、より盤石になると思うが……」
それは兎の身を按じての提案だった。だが彼女はそれに力強く首を振る。
「いいえ。それには及びません。確かに私は戦う力がありません。ですが私にも特別な力があるのです」
「特別な力?」
「ふふっ、この耳は伊達でついているわけではないんですよ?」
微笑む兎は、視線をラインハルトから外し、入り口付近にいた店主へと移した。
「店長さん、お客様の様ですよ?」
「ん、そうか? じゃあすまないが行ってくる」
店の主人は兎の言葉に何も疑問を感じない。だがラインハルトは気がついた。この宿の扉には来客を知らせるための鈴が備え付けられている。もし客が宿を訪れた時は、その鈴の音がなる筈なのだ。だが彼女が来客を知らせる今、そんな音は聞こえなかった。
宿の主が部屋を出ていく。暫し静寂が部屋を包み、そして扉が閉まって暫くして漸く、来客を知らせる鈴の音が聞こえてきた。
それはまるで予言のようだった。どんな仕掛けがあるのか、ラインハルトは驚いた表情で兎を見る。
「私は耳がいいんです。それは個人差という話ではなく種族による差です。足音、息遣い、会話、そういったものを察知して、周囲の状況を把握することができるんです」
彼女は先程、この宿の外を歩く冒険者の声を聴いていた。『漸く町に着いた』『どこか休めるところはないか』『丁度あそこに宿があるようだ』そうした声を聴き、此方へ向かう足音を聞き分け、来客を知らせたのだった。
「……成程。問題なさそうだ」
「分かって頂けて良かったです。私は迷宮内で、先ほどのように極力索敵に集中します。敵を見つけ次第皆さんに報せますので、先ほどの隊列で迎撃して下さい。迷宮内では迅速な殲滅が大事です。援軍が来て挟み撃ちになる前に……宜しくお願いします」
兎の特殊な力を目の当たりにし、それからラインハルトは口を挟むことをやめた。というよりは挟む余地がなかったという方が正しい。一にも二にも経験したことがないというのが大きく、大人しく雇い主の意向に従うことにしたのだ。
「ではこれで決まりですね。ちょっと遅くなりましたがいよいよ迷宮に行きましょうか」
漸く会議も終わり、一同は店主に別れを告げると一路迷宮へと向かった。
自室にてその知らせを受けたラインハルトらは、用意していた荷物を手に一階へと降りる。そして入り口付近で待つ彼女の姿を見て驚いた。
兎は以前と同様、頭から足元まですっぽり覆うほど大きなローブを羽織り、手には革製の手袋、下半身もズボンとブーツを身に着け、素肌は一切見えない状態だった。彼女が自ら赤目の兎を名乗らなければ、それが誰なのかラインハルトには分からなかっただろう。
また、彼女は見覚えのある女を一人引き連れていた。
「やっほー」
陽気に手を振る真っ赤な髪の女。彼女は三日前の選抜試験の折、カイネルと試合を行った女戦士エンカであった。
鉄製のブレストプレート、仰々しいガントレット、頑丈そうなグリーブに似つかわしくない巨大な斧……かなりの重装備と見える。
ラインハルトらの姿を見つけると、兎は頭にかかったローブを外した。
「お早うございます。急で申し訳ありませんが、彼女も共に迷宮へ潜って頂くことになりました」
白く長い耳を揺らし、申し訳なさそうに辞儀をする兎。一方エンカはといえば鼻歌交じりといった感じだ。
「……なんだ、貴族様のところは首になったのか?」
ラインハルトは自身が落ちた試験に彼女が合格していたことを思い出す。開催者のフロベルティに名を呼ばれ、他の合格者と共に別宅の中へと入っていったはずだ。
それを指摘してみると、エンカは手をひらひらと振って見せた。
「まさか、私から断ったのよ」
エンカは背中に下げていた大きな道具袋を床に置くと、同じく抱えていた斧を壁に立てかける。
「だってそうでしょう? 『優秀な戦士はいらない』『狡猾であればいい』だなんて言われておいて、大人しくついていったら自らそうだと認めることになるわ。それでも報酬が良かったら受けるつもりだったけど……十何人もいるのに全部折版って言われちゃあね」
愚痴るエンカに、成程な、と返すラインハルト。するとエンカは、ラインハルトの脇をすり抜け、後ろにいるカイネルへと近づいた。
「宜しくねカイネル」
笑顔を作って手を差し伸べる。ラインハルトにもしなかったその行為に、カイネルは狼狽えながら手を差し伸べた。
「えぇ!? は、はい。宜しくお願いします」
「なんだ、カイネルを追ってきたのか?」
それはラインハルトの冗談だった。だがエンカは不敵な笑みを浮かべ振り向く。
「ここで出会ったのは本当に偶然よ。でも嬉しいのも本当。一緒に戦った仲だもの。少なくともそこら辺の色男よりも好きよ」
繋いだ手を数度振り手を放す。それから兎へと声をかけた。
「さぁ兎さん。作戦会議と行きましょうよ」
兎は店主へ一部屋貸して欲しいと申し出た。やがて一同は先日集まった部屋と同じ応接間に通される。
少し大きな丸机に人数分のカップが置かれている。気の利く店主の粋な計らいだ。一同はそれぞれ出された茶を一口啜り、一息つくと会議が始まった。
まず口を開いたのは兎だ。
「其方の方の準備は万端ですか?」
「ああ、節制すれば二十日は籠れると思う。だが普通の旅ならばの話だ。何か特別なものは必要なかったのか?」
「ええ大丈夫です。先ずは様子見のつもりですし、余裕のあるうちに戻ってきましょう。それに奥の手もありますし」
兎はそう言うと、近くに座るエンカを見て頷いた。
エンカは自身の荷物袋から幾つか道具を取り出し机上に置く。
それらを見たラインハルトは、手に取りながら兎に問いかけた。
「……これは?」
「これらは、危険な迷宮を安全に探索するための特殊な道具たちです。先ずは『魔法の針』。これは指定した地点を常に指し示す道標です。次に『帰還の魔導紙』。使い切りではありますが、転移の魔法が刻まれていて使用すれば町へと戻ることが出来ます」
説明を受けたラインハルトは感嘆の声を上げた。
「それは凄いな。これがあればここまで慎重になる必要もないんじゃないか?」
満足いくまで道具を調べたラインハルトは、道具を机の上に戻す。続いて兎が手を伸ばすと、その道具を持ち上げた。
「いいえ、これでもまだ甘いくらいです。そもそも迷宮がどれだけ深いのかも分かりませんし、潜む者たちも全てが明らかになっているわけではありませんから。ですからもしもの時の為に、先ずはこれらの使い方を覚えてください」
それから兎は、一つずつ丁寧に道具の使用方法を教えていく。
話し合いは昼過ぎまで続いた。尤もその大半は勉強会のようなもので、迷宮に入ったことのないラインハルトらへの注意喚起が殆どだ。
一同は切りの良いところで一時休息をとり、宿の店主が腕を振るった飯を食う。後、再開された会議では迷宮内での役割分担の話となった。
「……それぞれの役割はこのような感じでお願いします。次に戦闘が始まった場合ですが……前衛をエンカさんにお願いするつもりです。その後ろをラインハルトさん。次にシェインさんとカイネルさん。そして最後に私が……」
一人ひとりの顔を見ながらそう語る兎。そこへラインハルトが口を挟む。
「兎は戦えるのか?」
兎は服装を見るに動きやすそうな格好をしている。だがエンカのように鎧を身に着けているというわけでは無く、また見える範囲で武器のような物も見当たらない。ラインハルトの目からはとても戦闘がこなせるようには見えなかった。
兎を心配しての問いかけだったが、兎はその問いに申し訳なさそうに答えた。
「……申し訳ありませんが、私は戦闘に関して力になれないと思います。魔法が使えるというわけでなく、剣を扱えるというわけでもありません。一応護衛の為にこんなものを持っていますが、振り回すことしかできません」
兎はそう言って、ローブの下から小さな短剣を取り出して見せた。
兎の答えにラインハルトの老婆心に拍車がかかる。
「なら俺とエンカが両端にいた方がいいんじゃないか? これなら後方から敵が来た時も安全だ。さらにシェインとカイネルで挟めば、より盤石になると思うが……」
それは兎の身を按じての提案だった。だが彼女はそれに力強く首を振る。
「いいえ。それには及びません。確かに私は戦う力がありません。ですが私にも特別な力があるのです」
「特別な力?」
「ふふっ、この耳は伊達でついているわけではないんですよ?」
微笑む兎は、視線をラインハルトから外し、入り口付近にいた店主へと移した。
「店長さん、お客様の様ですよ?」
「ん、そうか? じゃあすまないが行ってくる」
店の主人は兎の言葉に何も疑問を感じない。だがラインハルトは気がついた。この宿の扉には来客を知らせるための鈴が備え付けられている。もし客が宿を訪れた時は、その鈴の音がなる筈なのだ。だが彼女が来客を知らせる今、そんな音は聞こえなかった。
宿の主が部屋を出ていく。暫し静寂が部屋を包み、そして扉が閉まって暫くして漸く、来客を知らせる鈴の音が聞こえてきた。
それはまるで予言のようだった。どんな仕掛けがあるのか、ラインハルトは驚いた表情で兎を見る。
「私は耳がいいんです。それは個人差という話ではなく種族による差です。足音、息遣い、会話、そういったものを察知して、周囲の状況を把握することができるんです」
彼女は先程、この宿の外を歩く冒険者の声を聴いていた。『漸く町に着いた』『どこか休めるところはないか』『丁度あそこに宿があるようだ』そうした声を聴き、此方へ向かう足音を聞き分け、来客を知らせたのだった。
「……成程。問題なさそうだ」
「分かって頂けて良かったです。私は迷宮内で、先ほどのように極力索敵に集中します。敵を見つけ次第皆さんに報せますので、先ほどの隊列で迎撃して下さい。迷宮内では迅速な殲滅が大事です。援軍が来て挟み撃ちになる前に……宜しくお願いします」
兎の特殊な力を目の当たりにし、それからラインハルトは口を挟むことをやめた。というよりは挟む余地がなかったという方が正しい。一にも二にも経験したことがないというのが大きく、大人しく雇い主の意向に従うことにしたのだ。
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