109 / 124
試練
蜈蚣 3
しおりを挟む
……シェインが意識を取り戻すまで、カイネルは一人で戦い続けた。
先だって標的であるシェインが岩の檻で守られてからというもの、蜈蚣はカイネルを集中的に狙い始める。だが蜈蚣がどれだけ速く動こうとも、魔法を操り始めたカイネルには掠りもしない。
一方で、魔力を宿したカイネルの矢の鋭さは凄まじく、悉くが頑丈な蜈蚣の甲殻を貫いた。
その両者の戦いを端から見ていた兎は、巨大な蜈蚣に挑む小さな弓使いの雄姿に見惚れた。
当初、突進程度の単純な攻撃ばかりだった蜈蚣だが、ここにきて多様な攻撃を混ぜ始めた。
蜈蚣が離れた位置からカイネルに向けて口を開く。すると口の辺りから白濁の液体が飛び出た。それはあらゆる物を溶かす消化液。あたった岩床などが瞬く間に溶けていく。もし一度これを浴びてしまえば、肉は溶け骨すらも残らぬ程に強力だ。だがどれだけ威力があろうとも当たらなければ意味がない。カイネルはその消化液を後方に飛び退くことで躱すと、空中にありながら魔力を込めた矢を放つ。
放たれた矢は蜈蚣の足の付け根に突き刺さった。しかし蜈蚣はそれを意に介さず、それどころか同時に百足の後ろ側がカイネルの背後から襲いかかる。空中にあるカイネルにそれを避けることは出来ない。そう思われたが、彼の足元に魔方陣が浮かび上がると、カイネルは空中に居ながらもう一度飛び上がって見せた。
「凄い……」
兎が呟いた。
迷宮に入ってからこれまでの戦闘の中では、常に優秀な前衛がいて、常に優秀な魔法使いがいた。そのせいもあって、カイネルが主だって戦う戦闘は一つもなかった。彼の本来の戦い方を一度も見たことがなかった兎は、カイネルがここまで戦えると思っていなかったのだ。
両者の戦闘は終始、一方的な戦いとなった。蜈蚣の攻撃はカイネルに当たらず、カイネルの攻撃は蜈蚣に必中する。体の大きさに天と地ほどの差があるというのに、カイネルは圧倒して見せた。
しかし、そのまま勝利できるほど蜈蚣は容易い相手ではなかった。要因はただひとつ。蜈蚣の圧倒的な体の大きさにある。カイネルの矢がどれだけ正確であろうとも、どれだけ鋭かろうとも、巨大な蜈蚣の体にとって彼の矢は、あまりにも小さい。蜈蚣からすればチクリとする程度だろうか。気にはなるが我慢できぬ位ではない。その程度のものだ。それでも、延々と繰り返せばカイネルに勝利はあったかもしれない。だがここで弓使いの弱点が浮き彫りになる。
「くっ……そ!」
息も切れ切れに、カイネルが次なる矢を取ろうと矢筒にてを伸ばした時、彼の手が空を切った。遂に矢の残弾が尽きたのだ。
最後の矢は既に放ち終え、蜈蚣の体に突き刺さっている。それでも蜈蚣は元気に動き回っていて、小さな弓使いを潰さんと次なる攻撃を放つ。
「くそっ! もう……どうしようかな……っと!」
迫る蜈蚣の足を、魔法の力を使って数度回避する。しかし回避することしかできないカイネルは、額に汗を浮かべながら苦笑いをした。
弓使いからの攻撃がなくなったことで、より活気を取り戻す蜈蚣。その攻撃は更に激しさを増し、遂に回避も間に合わなくなってくる。
「よっ……くっ……痛っ!」
魔法を使ったカイネルの回避能力は高い。だが砕け飛散する石礫の全てを避けることはできず、致命傷ではないが体にはどんどん傷が増えていく。やがて軽快だった足も鈍くなり、膝が笑い出した。その隙を見計らって、蜈蚣が大きな口を開けて突進を始める。
迫る無数の牙。まるで剣山の様だ。あれに噛まれたら痛いだろうな、等と呑気なことを考えながら、彼は蜈蚣を見つめた。すると突如、視界を遮るように石床がせり上がった。
再び、石柱に阻まれる蜈蚣。こんなことができるのは広間に二人しかいない。カイネル自身が魔法を行使していないのなら残す候補は一人だけ。カイネルは兎とシェインがいる筈の方を見る。
「ごめん! 気を失ってたみたい!」
シェインは石の檻の中で杖を掲げていた。服は所々ぼろぼろだが傷はしっかり塞がっているようで、隙間から見える肌に傷跡は見当たらない。魔力の回復も十分なようで、次なる魔法の準備を既に始めていた。
蜈蚣は巨大故に、石の檻の中に危害を与える方法が限られる。消化液による攻撃か、檻の隙間から細い足を突き刺す位だろう。この点を考慮して、シェインは敢えて自身の周囲にある石の檻を取り除くことをしなかった。
光弾が弾け、氷炎が舞う。
カイネルに気を取られ出来た隙を突き放たれたそれらの魔法は、どれも蜈蚣に十分な傷を与えた。その都度蜈蚣は、苛立たしくシェインを睨み付ける。
シェインの魔法を受けた蜈蚣はすぐに、残弾が付き攻撃の手段を失くしたカイネルを無視し、シェインと兎が籠る石の檻へと向き直った。
ぎちぎちと威嚇の声を上げ、口を開く。そして石の檻目掛けて消化液を放つ。
粘性のある消化液は、石柱に当たるなりしゅわしゅわと揮発し、それと同時に石柱を溶かしていった。それが二度繰り返されると、蜈蚣の突進を遮った頑強な石柱も、小枝のように痩せ細ってしまった。こうなってはもはや防御に運用することはできず、行動を阻害する要因でしかない。
急いでその場を離れようとする兎とシェイン。その二人目掛け、蜈蚣は突進を始めた。
何対もの足が石畳を砕く。飛び散る破片があたりを打ち、粉塵が舞い上がった。蜈蚣の頭はもう少しで、溶けて貧弱になった石の檻を砕くだろう。だがシェイン、兎はいまだ檻の中だ。
「シェインさん! 兎さん! 早く……!」
石片を避けながら、カイネルは叫んだ。しかしその声も再び、蜈蚣の走る音でかき消される。
『ギィイイイ!!』
蜈蚣の頭が石柱にぶつかると思われたその時、身の毛がよだつ咆哮が上がった。
何事かと三人が蜈蚣を見ると、じたばたとのたうち回る姿。
「……一体何が……?」
余りの痛さに暴れまわっている、といった風だ。先ほどまで躍起になっていた敵の姿など、今はまるで眼中にないように見える。
蜈蚣がそうしている間に、シェイン、兎は石の檻を抜け出し、走り寄ってきたカイネルと合流を果たした。そのまま三人が成り行きを見守っていると、蜈蚣は前触れもなく大きく立ち上がり天井を見上げる。
『ギ、ギィイイイアア!!』
一際大きな声が上がる。その時、三人は見た。
蜈蚣の喉元。先ほどの戦闘で、シェインが放った魔法により傷がついた場所から、一本の棒のようなものが突き出ているではないか。それは何度か出たり入ったりを繰り返している。
「あれは……もしかして!」
シェインが杖を掲げる。すると再び真っ白に輝く剣が現れた。剣は一直線に蜈蚣へと飛んでいき、何かが出入りしていた傷口と全く同じ場所を切りつける。
吹き出る緑の血液。度重なる攻撃により、そこにはぱっくりと大きな切り傷が出来上がる。
その大きな切り傷から、一同は何かが這い出して来るのを見た。
「ラインハルトさん!」
カイネルはその姿を見て名を呼ぶ。
蜈蚣の血液で緑に染まったラインハルトの姿があった。
先だって標的であるシェインが岩の檻で守られてからというもの、蜈蚣はカイネルを集中的に狙い始める。だが蜈蚣がどれだけ速く動こうとも、魔法を操り始めたカイネルには掠りもしない。
一方で、魔力を宿したカイネルの矢の鋭さは凄まじく、悉くが頑丈な蜈蚣の甲殻を貫いた。
その両者の戦いを端から見ていた兎は、巨大な蜈蚣に挑む小さな弓使いの雄姿に見惚れた。
当初、突進程度の単純な攻撃ばかりだった蜈蚣だが、ここにきて多様な攻撃を混ぜ始めた。
蜈蚣が離れた位置からカイネルに向けて口を開く。すると口の辺りから白濁の液体が飛び出た。それはあらゆる物を溶かす消化液。あたった岩床などが瞬く間に溶けていく。もし一度これを浴びてしまえば、肉は溶け骨すらも残らぬ程に強力だ。だがどれだけ威力があろうとも当たらなければ意味がない。カイネルはその消化液を後方に飛び退くことで躱すと、空中にありながら魔力を込めた矢を放つ。
放たれた矢は蜈蚣の足の付け根に突き刺さった。しかし蜈蚣はそれを意に介さず、それどころか同時に百足の後ろ側がカイネルの背後から襲いかかる。空中にあるカイネルにそれを避けることは出来ない。そう思われたが、彼の足元に魔方陣が浮かび上がると、カイネルは空中に居ながらもう一度飛び上がって見せた。
「凄い……」
兎が呟いた。
迷宮に入ってからこれまでの戦闘の中では、常に優秀な前衛がいて、常に優秀な魔法使いがいた。そのせいもあって、カイネルが主だって戦う戦闘は一つもなかった。彼の本来の戦い方を一度も見たことがなかった兎は、カイネルがここまで戦えると思っていなかったのだ。
両者の戦闘は終始、一方的な戦いとなった。蜈蚣の攻撃はカイネルに当たらず、カイネルの攻撃は蜈蚣に必中する。体の大きさに天と地ほどの差があるというのに、カイネルは圧倒して見せた。
しかし、そのまま勝利できるほど蜈蚣は容易い相手ではなかった。要因はただひとつ。蜈蚣の圧倒的な体の大きさにある。カイネルの矢がどれだけ正確であろうとも、どれだけ鋭かろうとも、巨大な蜈蚣の体にとって彼の矢は、あまりにも小さい。蜈蚣からすればチクリとする程度だろうか。気にはなるが我慢できぬ位ではない。その程度のものだ。それでも、延々と繰り返せばカイネルに勝利はあったかもしれない。だがここで弓使いの弱点が浮き彫りになる。
「くっ……そ!」
息も切れ切れに、カイネルが次なる矢を取ろうと矢筒にてを伸ばした時、彼の手が空を切った。遂に矢の残弾が尽きたのだ。
最後の矢は既に放ち終え、蜈蚣の体に突き刺さっている。それでも蜈蚣は元気に動き回っていて、小さな弓使いを潰さんと次なる攻撃を放つ。
「くそっ! もう……どうしようかな……っと!」
迫る蜈蚣の足を、魔法の力を使って数度回避する。しかし回避することしかできないカイネルは、額に汗を浮かべながら苦笑いをした。
弓使いからの攻撃がなくなったことで、より活気を取り戻す蜈蚣。その攻撃は更に激しさを増し、遂に回避も間に合わなくなってくる。
「よっ……くっ……痛っ!」
魔法を使ったカイネルの回避能力は高い。だが砕け飛散する石礫の全てを避けることはできず、致命傷ではないが体にはどんどん傷が増えていく。やがて軽快だった足も鈍くなり、膝が笑い出した。その隙を見計らって、蜈蚣が大きな口を開けて突進を始める。
迫る無数の牙。まるで剣山の様だ。あれに噛まれたら痛いだろうな、等と呑気なことを考えながら、彼は蜈蚣を見つめた。すると突如、視界を遮るように石床がせり上がった。
再び、石柱に阻まれる蜈蚣。こんなことができるのは広間に二人しかいない。カイネル自身が魔法を行使していないのなら残す候補は一人だけ。カイネルは兎とシェインがいる筈の方を見る。
「ごめん! 気を失ってたみたい!」
シェインは石の檻の中で杖を掲げていた。服は所々ぼろぼろだが傷はしっかり塞がっているようで、隙間から見える肌に傷跡は見当たらない。魔力の回復も十分なようで、次なる魔法の準備を既に始めていた。
蜈蚣は巨大故に、石の檻の中に危害を与える方法が限られる。消化液による攻撃か、檻の隙間から細い足を突き刺す位だろう。この点を考慮して、シェインは敢えて自身の周囲にある石の檻を取り除くことをしなかった。
光弾が弾け、氷炎が舞う。
カイネルに気を取られ出来た隙を突き放たれたそれらの魔法は、どれも蜈蚣に十分な傷を与えた。その都度蜈蚣は、苛立たしくシェインを睨み付ける。
シェインの魔法を受けた蜈蚣はすぐに、残弾が付き攻撃の手段を失くしたカイネルを無視し、シェインと兎が籠る石の檻へと向き直った。
ぎちぎちと威嚇の声を上げ、口を開く。そして石の檻目掛けて消化液を放つ。
粘性のある消化液は、石柱に当たるなりしゅわしゅわと揮発し、それと同時に石柱を溶かしていった。それが二度繰り返されると、蜈蚣の突進を遮った頑強な石柱も、小枝のように痩せ細ってしまった。こうなってはもはや防御に運用することはできず、行動を阻害する要因でしかない。
急いでその場を離れようとする兎とシェイン。その二人目掛け、蜈蚣は突進を始めた。
何対もの足が石畳を砕く。飛び散る破片があたりを打ち、粉塵が舞い上がった。蜈蚣の頭はもう少しで、溶けて貧弱になった石の檻を砕くだろう。だがシェイン、兎はいまだ檻の中だ。
「シェインさん! 兎さん! 早く……!」
石片を避けながら、カイネルは叫んだ。しかしその声も再び、蜈蚣の走る音でかき消される。
『ギィイイイ!!』
蜈蚣の頭が石柱にぶつかると思われたその時、身の毛がよだつ咆哮が上がった。
何事かと三人が蜈蚣を見ると、じたばたとのたうち回る姿。
「……一体何が……?」
余りの痛さに暴れまわっている、といった風だ。先ほどまで躍起になっていた敵の姿など、今はまるで眼中にないように見える。
蜈蚣がそうしている間に、シェイン、兎は石の檻を抜け出し、走り寄ってきたカイネルと合流を果たした。そのまま三人が成り行きを見守っていると、蜈蚣は前触れもなく大きく立ち上がり天井を見上げる。
『ギ、ギィイイイアア!!』
一際大きな声が上がる。その時、三人は見た。
蜈蚣の喉元。先ほどの戦闘で、シェインが放った魔法により傷がついた場所から、一本の棒のようなものが突き出ているではないか。それは何度か出たり入ったりを繰り返している。
「あれは……もしかして!」
シェインが杖を掲げる。すると再び真っ白に輝く剣が現れた。剣は一直線に蜈蚣へと飛んでいき、何かが出入りしていた傷口と全く同じ場所を切りつける。
吹き出る緑の血液。度重なる攻撃により、そこにはぱっくりと大きな切り傷が出来上がる。
その大きな切り傷から、一同は何かが這い出して来るのを見た。
「ラインハルトさん!」
カイネルはその姿を見て名を呼ぶ。
蜈蚣の血液で緑に染まったラインハルトの姿があった。
0
あなたにおすすめの小説
お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます
菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。
嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。
「居なくていいなら、出ていこう」
この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし
つまらない妃と呼ばれた日
柴田はつみ
恋愛
公爵令嬢リーシャは政略結婚で王妃に迎えられる。だが国王レオニスの隣には、幼馴染のセレスが“当然”のように立っていた。祝宴の夜、リーシャは国王が「つまらない妃だ」と語る声を聞いてしまい、心を閉ざす。
舞踏会で差し出された手を取らず、王弟アドリアンの助けで踊ったことで、噂は一気に燃え上がる――「王妃は王弟と」「国王の本命は幼馴染」と。
さらに宰相は儀礼と世論を操り、王妃を孤立させる策略を進める。監視の影、届かない贈り物、すり替えられた言葉、そして“白薔薇の香”が事件現場に残る冤罪の罠。
リーシャは微笑を鎧に「今日から、王の隣に立たない」と決めるが、距離を取るほど誤解は確定し、王宮は二人を引き裂いていく。
――つまらない妃とは、いったい誰が作ったのか。真実が露わになった時、失われた“隣”は戻るのか。
【完結】捨て去られた王妃は王宮で働く
ここ
ファンタジー
たしかに私は王妃になった。
5歳の頃に婚約が決まり、逃げようがなかった。完全なる政略結婚。
夫である国王陛下は、ハーレムで浮かれている。政務は王妃が行っていいらしい。私は仕事は得意だ。家臣たちが追いつけないほど、理解が早く、正確らしい。家臣たちは、王妃がいないと困るようになった。何とかしなければ…
夫と息子に邪険にされたので王太子妃の座を譲ります~死に戻ってから溺愛されても今更遅い
青の雀
恋愛
夫婦喧嘩の末に置き去りにされた妻は、旦那が若い愛人とイチャついている間に盗賊に襲われ、命を落とした。
神様の温情により、10日間だけこの世に戻った妻と護衛の騎士は、その10日間の間に心残りを処分する。それは、娘の行く末と……もし、来世があるならば、今度は政略といえども夫以外の人の妻になるということ。
もう二度と夫と出会いたくない彼女は、彼女を蔑ろにしてきた息子とも縁を切ることを決意する。
生まれかわった妻は、新しい人生を強く生きることを決意。
過去世と同じ轍を踏みたくない……
「地味ブス」と捨てられた私、文化祭の大型スクリーンで王子様の裏の顔を全校生に配信します
スカッと文庫
恋愛
「お前みたいな地味女、引き立て役にもならないんだよ」
眼鏡にボサボサ頭の特待生・澪(みお)は、全校生徒が見守る中、恋人だった学園の王子・ハルトから冷酷に捨てられた。
隣には、可憐な微笑みを浮かべる転校生・エマ。
エマの自作自演により「いじめの犯人」という濡れ衣まで着せられ、学園中から蔑まれる澪。
しかし、彼女を嘲笑う者たちはまだ知らない。
彼女が眼鏡の奥に、誰もが平伏す「真実の美貌」と、学園さえも支配できる「最強の背景」を隠していることを――。
「……ねぇ、文化祭、最高のステージにしてあげる」
裏切りへのカウントダウンが今、始まる。
スクリーンの裏側を暴き、傲慢な王子と偽りのヒロインを奈落へ突き落とす、痛快・学園下剋上ファンタジー!
幽閉王女と指輪の精霊~嫁いだら幽閉された!餓死する前に脱出したい!~
二階堂吉乃
恋愛
同盟国へ嫁いだヴァイオレット姫。夫である王太子は初夜に現れなかった。たった1人幽閉される姫。やがて貧しい食事すら届かなくなる。長い幽閉の末、死にかけた彼女を救ったのは、家宝の指輪だった。
1年後。同盟国を訪れたヴァイオレットの従兄が彼女を発見する。忘れられた牢獄には姫のミイラがあった。激怒した従兄は同盟を破棄してしまう。
一方、下町に代書業で身を立てる美少女がいた。ヴィーと名を偽ったヴァイオレットは指輪の精霊と助けあいながら暮らしていた。そこへ元夫?である王太子が視察に来る。彼は下町を案内してくれたヴィーに恋をしてしまう…。
さようならの定型文~身勝手なあなたへ
宵森みなと
恋愛
「好きな女がいる。君とは“白い結婚”を——」
――それは、夢にまで見た結婚式の初夜。
額に誓いのキスを受けた“その夜”、彼はそう言った。
涙すら出なかった。
なぜなら私は、その直前に“前世の記憶”を思い出したから。
……よりによって、元・男の人生を。
夫には白い結婚宣言、恋も砕け、初夜で絶望と救済で、目覚めたのは皮肉にも、“現実”と“前世”の自分だった。
「さようなら」
だって、もう誰かに振り回されるなんて嫌。
慰謝料もらって悠々自適なシングルライフ。
別居、自立して、左団扇の人生送ってみせますわ。
だけど元・夫も、従兄も、世間も――私を放ってはくれないみたい?
「……何それ、私の人生、まだ波乱あるの?」
はい、あります。盛りだくさんで。
元・男、今・女。
“白い結婚からの離縁”から始まる、人生劇場ここに開幕。
-----『白い結婚の行方』シリーズ -----
『白い結婚の行方』の物語が始まる、前のお話です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる