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二、三日が過ぎた頃、いよいよ異変とも呼べる事象が起き始めた。森から明らかに動物が少なくなっていたのだ。鹿や兎だけではない。狼や熊といった凶暴な獣も見当たらない。これでは狩りにならないとシウバリスは諦め、家へと戻る。それから椅子に腰掛け、暫し天井を仰いだ。
「……」
動物が姿を隠しているせいか、酷く静かな時間が流れる。その間シウバリスは、ただ天井を見上げているだけだ。
それから更に時間が経った。正午を過ぎ、太陽が沈み始める様な頃、シウバリスは徐に椅子から立ち上がる。すかさず壁に掛けてある大盾と剣を手に取り、部屋の端の机の上から様々な道具が詰まった袋を掴み取る。それらを全て身に付けると、勢いよく家を飛び出した。
走るシウバリスは俊思した。町に近寄らぬという約束は? 向ったところでもう町を離れてしまっているかもしれない。これから危険地帯となる場所へ自ら出向こうとはなんと馬鹿げたことか。そんな考えが浮かんでは消えていった。
(もしまだ町にいるのなら、この命に代えてでも……)
彼の足は止まらない。森から農村を経ては時間がかかり過ぎる。だから彼は森の中を町へ向かって駆け抜けた。本来そこは凶暴な獣の住まう場所。だがこの時ばかりは穏やかな森道となっていた。町までは相当な距離がある。だが最悪の状況を思い描くだけで彼は奮起し、足を忙しなく動かした。
乗り合い馬車で半日かかる距離を、日が落ちる前に走り切る。体は相当草臥れていたが、休んでいる暇などない。シウバリスはすぐに町の中へと乗り込んだ。
町の中は騒然としていた。四方から飛び交う罵詈雑言。老若男女の叫び声。逃げ惑う町人に、あちこちへと向かう傭兵たち。既に数種の獣、モンスターが町に入り込んでいるようだ。アルタナは大きな町だが、城塞都市ではない為頑丈な防壁のようなものを備えていない。おかげで大移動をする動物は町に入り放題で、全てを防ぐことなど不可能だ。その牙は確実に、町に住む人々の命を脅かしている。
シウバリスは直ぐにキャロルロットが嫁いだレオニード家への屋敷へと急いだ。既に町を離れた可能性が高いが、それでも自分の目で確かめたかった。その道すがら、狼を何匹か切り捨てる。レオニード家は傭兵組合と同じく町の中心部にある。既にその付近まで獣が押し寄せていることに一抹の不安を感じながら、彼は必死に走った。
遂にレオニード家の鉄門が見えてきた。門の前には豪奢な馬車が幾つか。その周囲で数人の男女が動いている。
「はぁっ! はぁっ!」
森にある家からこれまで走りづめで、かつ戦闘も介したこともあって肺が張り裂けそうだ。流石にすぐ声をかけることは出来ず、必死に呼吸を整える。
馬車の周りに集まる使用人の内の一人がシウバリスの存在に気が付いた。
「シウバリスさん!」
声の主はミーティア。綺麗なメイド服は泥で汚れ、その顔にはとても余裕は感じられない。
「キャロルは!? もう別の町に避難しているよな?」
そうであれと願いながら訪ねた。だがその願いは聞き届けられない。
「前の馬車に乗っています!」
「なっ、どうしてまだ町にいるんだ!!」
シウバリスは声を張り上げた。スタンピードが起こるのは前もって分かっていた筈。なのになぜ、こんな切羽詰まった時分まで逃げなかったのかと問い詰める。
「旦那様が私兵を放って町人を守ろうとして、奥様も共に行動するとおっしゃって」
「その旦那は!?」
「お屋敷の中です。頃合いを見て離脱すると……」
その行いはとても立派な行いだ。だがシウバリスからすればそうではない。彼からすれば極端な話、キャロルロットが無事であれば何も問題は無いのだ。例え町が滅びようとも、例え何人の町人が犠牲になろうとも、キャロルロットが幸せであれば何も問題が無かった。なのに彼女は、自身の身の危険を前に逃げる選択をしなかった。勿論、その時の為にシウバリスは駆け付けたのだが、彼女の身が、予め回避できる危険の最中にある事に苛立ちを感じた。
使用人たちは荷台の馬車の内、後ろの馬車に荷物を積み込んでいるようだ。前の馬車には恐らくキャロルロットが乗り込んでいるのだろう。シウバリスはすぐにでも馬車に駆け寄り、安否を確かめたかった。だがそんなことをしている暇はない。彼にはそれよりも先にやらなければならないことがある。
「退けろ!」
シウバリスはミーティアを突き飛ばした。そして左腕で剣を振るう。その先には白狼。ミーティアに襲い掛かっていた最中だった。剣は狼を袈裟に切り捨てる。気が付けば周囲には白狼の群れ。悠長に話している暇はない。
シウバリスは叫んだ。
「私が時間を稼ぐ! 早く町の外へ!」
ミーティアは黙って頷くと、前方の馬車へと駆け寄った。御者に二言三言告げ、続いて馬車の中へと顔を出す。走り出す馬車。その馬を狙って、数匹の狼が襲い掛かった。
「はあっ!!」
あえて声を出して狼の注意を引きつつ飛び掛かる狼を払う。義手に装着した盾を叩き、大きな声を張り上げる。
「お前たちの相手はこっちだ!!」
獣は馬から視線を切り対峙する兵士たちを睨みつけた。この場にいるのはシウバリスだけではない。貴族家に使える衛兵、雇われた傭兵が数人集まっている。
戦闘が始まって幾許か、漸く馬車が白狼の包囲を抜け町の外へと駆けだした。後は狼を適度に追い払いながら自身も逃げるだけ……その時、一際大きな狼が現れる。
「はは……またお前さんか」
シウバリスは生きた心地がしなかった。十を超える白狼の群れ。それを支配する白銀狼の到来。町に雪崩込む獣は後を絶たず、時間が掛かれば掛かる程モンスターの数は増えていくだろう。剣をも通さぬ分厚い体毛を持つ『剛羊』。岩をも穿つ牙を持つ『岩窟老猪』。植物の成長を操れるという鹿『森の賢者』。少なくとも鉱槍蜘蛛より下位とされる獣たちは、このスタンピードに含まれている可能性がある。
「だから早く逃げればよかったんだ」
ぞろぞろと集まってくる獣たちを前に、シウバリスは小さくそう呟いた。
ふと、遠くで何かが聞こえた。悲鳴や怒声の類ではない。自身の名を呼ぶ声。何度も何度も聞こえてくるそれは、馬車が走り去った方角から。
「シウ! 逃げて! 逃げなさい!!」
キャロルロットだった。馬車の窓から身を乗り出し、必死にシウバリスの名を呼んでいる。だが彼は振り向かない。その顔を見てしまえば名前を呼んでしまうだろうから。その顔を見てしまえば決心が鈍ってしまうだろうから。命を賭してでも彼女を守ると決めここへ来た。その決心が鈍り、自身も逃げ出してしまうのが怖かった。今獣らの足止めをする存在がいなければ、馬車は容易く追いつかれてしまう。そんなことをは何があっても止めなければならない。
シウバリスは呼びかけに答える代わりに剣を振るう。爪や牙で体に傷を負いながらも、只管に剣を振るう。共に残ってくれていた傭兵、レオニード家の私兵が次々に倒れていく。それでも彼は我武者羅に抗った。
キャロルロットの声が遠ざかっていく。馬車はスタンピードの進行方向へ走っていったが、いずれ街道に沿って西の方にずれていくだろう。この場で身を犠牲にするシウバリスに、走り去る馬車を追うことは出来ない。道中馬車が獣に襲われぬ保証はないが、彼には無事を願うことしかできない。
「キャロルロット、どうか無事に」
届かぬ声でシウバリスはそう願った。共に戦ってくれた最後の兵士が倒れる。スタンピードはいまだ序章に過ぎない。これから日を跨ぎ、月を跨ぎ、その被害は更に広がっていく。かつてない程迫りくる死の気配に、彼は笑った。
「ははは……やっぱり一度くらいは女遊びもしてみるんだったかな」
力の入らぬ腕を下ろし、シウバリスは道具袋へ手を伸ばした。
「最後まで付き合ってもらうぞ!」
途端上がる破裂音と火柱。続けて真っ白い閃光が溢れる。それは町の至るとこで見られたが……日が明ける頃には全て鳴りを潜め、町は獣で埋め尽くされた。
「……」
動物が姿を隠しているせいか、酷く静かな時間が流れる。その間シウバリスは、ただ天井を見上げているだけだ。
それから更に時間が経った。正午を過ぎ、太陽が沈み始める様な頃、シウバリスは徐に椅子から立ち上がる。すかさず壁に掛けてある大盾と剣を手に取り、部屋の端の机の上から様々な道具が詰まった袋を掴み取る。それらを全て身に付けると、勢いよく家を飛び出した。
走るシウバリスは俊思した。町に近寄らぬという約束は? 向ったところでもう町を離れてしまっているかもしれない。これから危険地帯となる場所へ自ら出向こうとはなんと馬鹿げたことか。そんな考えが浮かんでは消えていった。
(もしまだ町にいるのなら、この命に代えてでも……)
彼の足は止まらない。森から農村を経ては時間がかかり過ぎる。だから彼は森の中を町へ向かって駆け抜けた。本来そこは凶暴な獣の住まう場所。だがこの時ばかりは穏やかな森道となっていた。町までは相当な距離がある。だが最悪の状況を思い描くだけで彼は奮起し、足を忙しなく動かした。
乗り合い馬車で半日かかる距離を、日が落ちる前に走り切る。体は相当草臥れていたが、休んでいる暇などない。シウバリスはすぐに町の中へと乗り込んだ。
町の中は騒然としていた。四方から飛び交う罵詈雑言。老若男女の叫び声。逃げ惑う町人に、あちこちへと向かう傭兵たち。既に数種の獣、モンスターが町に入り込んでいるようだ。アルタナは大きな町だが、城塞都市ではない為頑丈な防壁のようなものを備えていない。おかげで大移動をする動物は町に入り放題で、全てを防ぐことなど不可能だ。その牙は確実に、町に住む人々の命を脅かしている。
シウバリスは直ぐにキャロルロットが嫁いだレオニード家への屋敷へと急いだ。既に町を離れた可能性が高いが、それでも自分の目で確かめたかった。その道すがら、狼を何匹か切り捨てる。レオニード家は傭兵組合と同じく町の中心部にある。既にその付近まで獣が押し寄せていることに一抹の不安を感じながら、彼は必死に走った。
遂にレオニード家の鉄門が見えてきた。門の前には豪奢な馬車が幾つか。その周囲で数人の男女が動いている。
「はぁっ! はぁっ!」
森にある家からこれまで走りづめで、かつ戦闘も介したこともあって肺が張り裂けそうだ。流石にすぐ声をかけることは出来ず、必死に呼吸を整える。
馬車の周りに集まる使用人の内の一人がシウバリスの存在に気が付いた。
「シウバリスさん!」
声の主はミーティア。綺麗なメイド服は泥で汚れ、その顔にはとても余裕は感じられない。
「キャロルは!? もう別の町に避難しているよな?」
そうであれと願いながら訪ねた。だがその願いは聞き届けられない。
「前の馬車に乗っています!」
「なっ、どうしてまだ町にいるんだ!!」
シウバリスは声を張り上げた。スタンピードが起こるのは前もって分かっていた筈。なのになぜ、こんな切羽詰まった時分まで逃げなかったのかと問い詰める。
「旦那様が私兵を放って町人を守ろうとして、奥様も共に行動するとおっしゃって」
「その旦那は!?」
「お屋敷の中です。頃合いを見て離脱すると……」
その行いはとても立派な行いだ。だがシウバリスからすればそうではない。彼からすれば極端な話、キャロルロットが無事であれば何も問題は無いのだ。例え町が滅びようとも、例え何人の町人が犠牲になろうとも、キャロルロットが幸せであれば何も問題が無かった。なのに彼女は、自身の身の危険を前に逃げる選択をしなかった。勿論、その時の為にシウバリスは駆け付けたのだが、彼女の身が、予め回避できる危険の最中にある事に苛立ちを感じた。
使用人たちは荷台の馬車の内、後ろの馬車に荷物を積み込んでいるようだ。前の馬車には恐らくキャロルロットが乗り込んでいるのだろう。シウバリスはすぐにでも馬車に駆け寄り、安否を確かめたかった。だがそんなことをしている暇はない。彼にはそれよりも先にやらなければならないことがある。
「退けろ!」
シウバリスはミーティアを突き飛ばした。そして左腕で剣を振るう。その先には白狼。ミーティアに襲い掛かっていた最中だった。剣は狼を袈裟に切り捨てる。気が付けば周囲には白狼の群れ。悠長に話している暇はない。
シウバリスは叫んだ。
「私が時間を稼ぐ! 早く町の外へ!」
ミーティアは黙って頷くと、前方の馬車へと駆け寄った。御者に二言三言告げ、続いて馬車の中へと顔を出す。走り出す馬車。その馬を狙って、数匹の狼が襲い掛かった。
「はあっ!!」
あえて声を出して狼の注意を引きつつ飛び掛かる狼を払う。義手に装着した盾を叩き、大きな声を張り上げる。
「お前たちの相手はこっちだ!!」
獣は馬から視線を切り対峙する兵士たちを睨みつけた。この場にいるのはシウバリスだけではない。貴族家に使える衛兵、雇われた傭兵が数人集まっている。
戦闘が始まって幾許か、漸く馬車が白狼の包囲を抜け町の外へと駆けだした。後は狼を適度に追い払いながら自身も逃げるだけ……その時、一際大きな狼が現れる。
「はは……またお前さんか」
シウバリスは生きた心地がしなかった。十を超える白狼の群れ。それを支配する白銀狼の到来。町に雪崩込む獣は後を絶たず、時間が掛かれば掛かる程モンスターの数は増えていくだろう。剣をも通さぬ分厚い体毛を持つ『剛羊』。岩をも穿つ牙を持つ『岩窟老猪』。植物の成長を操れるという鹿『森の賢者』。少なくとも鉱槍蜘蛛より下位とされる獣たちは、このスタンピードに含まれている可能性がある。
「だから早く逃げればよかったんだ」
ぞろぞろと集まってくる獣たちを前に、シウバリスは小さくそう呟いた。
ふと、遠くで何かが聞こえた。悲鳴や怒声の類ではない。自身の名を呼ぶ声。何度も何度も聞こえてくるそれは、馬車が走り去った方角から。
「シウ! 逃げて! 逃げなさい!!」
キャロルロットだった。馬車の窓から身を乗り出し、必死にシウバリスの名を呼んでいる。だが彼は振り向かない。その顔を見てしまえば名前を呼んでしまうだろうから。その顔を見てしまえば決心が鈍ってしまうだろうから。命を賭してでも彼女を守ると決めここへ来た。その決心が鈍り、自身も逃げ出してしまうのが怖かった。今獣らの足止めをする存在がいなければ、馬車は容易く追いつかれてしまう。そんなことをは何があっても止めなければならない。
シウバリスは呼びかけに答える代わりに剣を振るう。爪や牙で体に傷を負いながらも、只管に剣を振るう。共に残ってくれていた傭兵、レオニード家の私兵が次々に倒れていく。それでも彼は我武者羅に抗った。
キャロルロットの声が遠ざかっていく。馬車はスタンピードの進行方向へ走っていったが、いずれ街道に沿って西の方にずれていくだろう。この場で身を犠牲にするシウバリスに、走り去る馬車を追うことは出来ない。道中馬車が獣に襲われぬ保証はないが、彼には無事を願うことしかできない。
「キャロルロット、どうか無事に」
届かぬ声でシウバリスはそう願った。共に戦ってくれた最後の兵士が倒れる。スタンピードはいまだ序章に過ぎない。これから日を跨ぎ、月を跨ぎ、その被害は更に広がっていく。かつてない程迫りくる死の気配に、彼は笑った。
「ははは……やっぱり一度くらいは女遊びもしてみるんだったかな」
力の入らぬ腕を下ろし、シウバリスは道具袋へ手を伸ばした。
「最後まで付き合ってもらうぞ!」
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