4 / 46
セゾンとシキ
思い出の場所
しおりを挟む
小さな四角い部屋。
壁一面に、錆びかけのロッカーが並んでいる。
外へと繋がる二つの壁の一方には扉、もう一方にはうっすら光の入る磨り硝子の窓がある。
その下にはサッカーボールが、籠の中に山盛りに積まれている。
柔らかな光を落とす蛍光灯の下には、大きな机が一つと、それを囲むパイプ椅子が数脚。
三年間、毎日通い続けた部室。
何度この部屋で泣いて、怒って、笑ったか……。
目を閉じると鮮明に浮かんでくる、数々の光景。
これを青春って言うのかな?
思い出の中の俺の隣には、いつもアイツがいる。
そうだ、この部屋で泣いた時、怒った時、笑った時、いつもアイツと一緒だった。
アイツが俺の体を抱きしめて、好きだ、と告げてくれたのもこの部屋。
「シキ、こっち来いよ」
ロッカー内の整理をしながら、手に持った物の思い出を一つずつ振り返っていたら、後ろからセゾンの呼ぶ声がした。
立ち上がり、セゾンの腰掛けている隣の椅子を引き、そこに座ろうとする。
「違う。座るのはここ」
俺の方に椅子ごと体を向けたセゾンが、太股の上をパンパンと叩く。
「何言って……」
「寒ぃんだもん。シキで暖めてよ」
戸惑っていると強引に腕を引かれ、体勢を崩した俺はセゾンに向き合う形で腰をおろしてしまった。
手をかけていた椅子が、バタンと凄い音を立てて倒れる。
余りにも恥ずかしい体勢に立ち上がろうとすると、ぐいっと引き寄せて俺を離さまいとするセゾン。
心臓の前にセゾンの顔があって、自分でもびっくりするほど早く打つ心音を聞かれたら絶対にからかわれるから落ち着けと念じるのに、裏腹にそれは激しさを増していく。
「シキ、すっごいドキドキしてるな。心臓壊れちゃうんじゃねぇ?」
「うるせぇ」
恥ずかしくて、顔がクラクラするほど熱くなる。
たぶん、耳まで赤くなっているんだろうな。
そんな顔を見られて、これ以上からかわれるのは勘弁だと、セゾンにしがみついて肩に顔を埋める。
「嘘だよ。自分の心臓がドキドキ言い過ぎて、シキの心臓の音なんか聞こえねぇもん」
くしゃっと俺の頭を触って、そのまま髪に指を通しはじめたセゾン。
「シキ、何かいい匂いするな」
「安物のシャンプーしか使ってねぇぞ」
何度も何度も同じ事を繰り返しながら、クスクスと笑うセゾンの息が首筋にかかる。
「ん……」
擽ったくて腰が反るようなその感覚に、思わず声が漏れてしまう。
「シキは首が弱いもんな」
執拗に息を吹きかけてくるセゾンにしがみつき、背筋を駆け抜ける甘い痺れに必死で耐える。
「ごめん、ごめん」
細かく震えだした俺にやっとそれを止めたセゾンが、優しく頭を撫でてくれる。
息を止めて声を出すのを我慢していた俺は、大きく息を吸って呼吸を整える。
「なぁ、顔見せてくれよ。キスしよ?」
「あぁ……」
さっきのセゾンの意地悪で体の中が熱くなってきた俺は顔が真っ赤なことも忘れ、しがみついていた腕を解いてセゾンの背中に絡めて顔を見合わせる。
セゾンの頬も桜色に染まっていて、セゾンもドキドキしているんだって分かり、愛しくてたまらなくなった。
腰に巻かれたセゾンの腕が、俺の体を引き寄せる。
ゆっくり目を閉じると、温かく湿った感触が唇を包んだ。
暫く触れ合ったまま抱きしめ合っていると、セゾンの唇が俺の下唇だけを挟み、左右に動き始めた。
セゾンの唇によって下げられた下唇。その隙間から生温かい肉の塊が入ってくる。
反射的に逃げてしまった俺の舌をセゾンの舌が追い掛けて絡め取ると、磁石のように引っついた二つの舌は、一つの生物のように二つの口内を動き回る。
「んぁ……」
我慢出来ずに声が漏れてしまう。
どちらのものか分からない唾液が、口の端から流れ落ちる。
「シキ……しよ?」
「あぁ」
熱に侵された俺は、本能のままに頷く。
机に寝かされた俺。ギシギシと音を立てて、セゾンもそこに乗ってくる。
ゆっくりと俺の学ランのボタンを外し、脱がしたそれを椅子の背にかけると、今度はシャツのボタンを一つずつ外し始めたセゾン。
肌が冷えた外気に触れ、毛穴がぎゅっと締まる感覚がする。
「すぐ暖かくなるから、ちょっとの我慢だからな」
俺を気遣って優しく笑いかけてくれたセゾンの唇が、俺の首筋に吸い付く。
「っ……」
さっき感じたのの何倍もの感覚に、大きく腰が反ってしまう。
その振動で、机が大きな音を立てた。
「机……壊れちまう……」
「大丈夫、大丈夫」
お構いなしにセゾンは唇を這わせ続ける。
「ん……あぁっ……」
ねっとりとした舌が、胸の突起を転がすように動く。
体の芯がツーンとする。
体の一点に集まった熱が、張り裂けそうで痛い。
セゾンの背中に回した腕に力を入れ、学ランをぎゅっと掴む。
セゾンの唇が、もう片方の突起に移る。
ゴソゴソと下半身で動く感覚に視線をそこに向けると、手探りで必死にベルトを外しているセゾンの手が見えた。
「やめっ……」
初めてじゃないけれど、やはり欲望まみれの自分を見られるのは恥ずかしい。
体を回転させて拒むと、冷たい机の板が体の熱を吸い取っていく。
「シキのすげー綺麗だよ。だから、恥ずかしがらないで見せてくれよ。な?」
「でも……」
「大丈夫。俺のもこんなになっちゃってっから」
俺の手を掴んで、自分自身に当てるセゾン。
布の上からでもそれが、硬く天を向いていることが分かる。
くるっと体を元の体勢に戻した俺に、微笑んだセゾンが軽く口付けをくれる。
自らの学ランを脱いで床に落としたセゾンが、俺のベルトを外してファスナーを下ろし、ズボンに手をかけて下着と共にゆっくり下ろしていった。
自らの欲望を見るのが恥ずかしくて目を閉じる。
外気にさらされ、さっきと同じ様に毛穴が締まる感覚がする。ただ一点を除いて。
「シキ……綺麗だ……」
セゾンの掌が、俺自身を包む。
触れてくる掌は、火傷しそうなほどに熱い。
セゾンの体も熱くなっているのか?
「シキのもっと綺麗なとこ見せてくれよ」
膝に引っかかっていたズボンを床に落とし、はだけたYシャツと靴下だけを身にまとっている俺の太腿を掴んで、グッと開いて持ち上げたセゾン。
セゾン以外に見せたことのないそこに顔を埋めたセゾンは、ピンと天を向く俺自身にはわざと触れず、その下の双袋を交互に口に含んで転がし始めた。
「ん……はぁん……」
敏感になっている俺の体は、何をされても快感にしかならない。
セゾンの口内に俺自身が飲み込まれると、羞恥心を絡めとるように動く舌に同調するように腰が動き出してしまう。
「くっ……」
ひんやりとした感覚に腰が反る。
ローションを付けたセゾンの長い指が、俺の中に入ってきた。
「あぁっ……」
セゾンだけが知っている秘密の花園が一気に花開き、体中に快楽の花が咲く。
「もぉ俺、限界。シキ、いい?」
「あぁ。来いよ」
両手を広げてセゾンを見上げると、ズボンを脱ぎ捨てたセゾンがそこに自身をあてがい、俺の上に覆い被さってきた。
「いくぞ?」
「あぁ」
耳元で囁かれた声に答えるように、ぎゅっとセゾンの背中を掴む。
「ひゃぁっ……あぁ……」
「力抜いて」
まだ慣れていない異物感と、限界まで広げられた入口が張り裂けそうで、生理的な涙が頬を伝う。
萎えてしまった前を扱いてもらい、ゆっくり息を吐いて体の力を抜くと痛みは薄れていき、段々と快感が広がり始めてきた。
「上手に出来ました」
セゾンも自身で俺の変化が分かったのか、子供を褒めるように言いながらチュッと音を立てて口付けをくれた。
「動くな」
「いいぞ」
ゆっくりと腰を動かし始めたセゾン。
セゾンのが内壁を擦れる度に、ジンジンと快感が走る。
セゾンに合わせて俺も腰を振りはじめると、俺自身もセゾンの腹で擦れ、新たな快感が生まれて増大していく。
「くぁ……あぁぁ……」
ガタガタとひっきりなしに音を立てる机。
サッカーボールが一つ籠から落ち、コロコロと机の下を転がっていく。
「シキ……大好き……」
「セゾン……」
俺もセゾンが大好きだ。
ずーっとこうやって繋がっていたい。
この三年間のように、これからも思い出の中の俺の隣にはセゾンに立っていて欲しい。
泣きそうな俺を慰めて。怒っている俺を宥めて。悩んでいる俺の話を聞いて。一緒に笑って。
卒業後は、遠く離れた別々のチームで、プロサッカー選手の道を歩んでいく俺達。
もうこれからは、今まで通り隣に立っていることが出来ないと分かっているのに、まだまだこの距離での関係が延々と続くような気がして、そんなことを考えてしまった。
自分勝手なのは俺の方だな。
自分達のことを考えて、それぞれに選んだ道だ。
その時が来たら、ちゃんと前を見て進んでいくから。
だから、まだこの距離でいられる間は、少しでも長くセゾンの隣にいたい、セゾンに触れていたい。
青春の思い出を、まだまだいっぱい作ろう。
その頃、部室の前では――
「あれ? お前ら何やってんの?」
荷物を整理しようと部室を訪れた副キャプテンの目に映ったのは、扉の前で耳まで真っ赤に染めて、もじもじしている一年生三人組だ。
「あっ、副キャプテーン」
副キャプテンの声に、一人が泣きそうな顔で彼を見る。
「セゾンさんとシキさんが……」
副キャプテンの同級生の名を呟くと俯いてしまった。他の二人は放心状態で、立っているのがやっとという感じだ。
彼らの方に足を進めると、盛りのついた猫のような声が聞こえてきた。それは部室の中からしてきて、五センチほど開いた扉の隙間から中を覗くと……。
「俺らが卒業するまでの我慢だから。今日は部室入れないから帰ろう。何か飯奢ってやるから元気出せ。な?」
溜め息をひとつつくと後輩の肩を抱き、魔の部室を後にする副キャプテンなのでした。
壁一面に、錆びかけのロッカーが並んでいる。
外へと繋がる二つの壁の一方には扉、もう一方にはうっすら光の入る磨り硝子の窓がある。
その下にはサッカーボールが、籠の中に山盛りに積まれている。
柔らかな光を落とす蛍光灯の下には、大きな机が一つと、それを囲むパイプ椅子が数脚。
三年間、毎日通い続けた部室。
何度この部屋で泣いて、怒って、笑ったか……。
目を閉じると鮮明に浮かんでくる、数々の光景。
これを青春って言うのかな?
思い出の中の俺の隣には、いつもアイツがいる。
そうだ、この部屋で泣いた時、怒った時、笑った時、いつもアイツと一緒だった。
アイツが俺の体を抱きしめて、好きだ、と告げてくれたのもこの部屋。
「シキ、こっち来いよ」
ロッカー内の整理をしながら、手に持った物の思い出を一つずつ振り返っていたら、後ろからセゾンの呼ぶ声がした。
立ち上がり、セゾンの腰掛けている隣の椅子を引き、そこに座ろうとする。
「違う。座るのはここ」
俺の方に椅子ごと体を向けたセゾンが、太股の上をパンパンと叩く。
「何言って……」
「寒ぃんだもん。シキで暖めてよ」
戸惑っていると強引に腕を引かれ、体勢を崩した俺はセゾンに向き合う形で腰をおろしてしまった。
手をかけていた椅子が、バタンと凄い音を立てて倒れる。
余りにも恥ずかしい体勢に立ち上がろうとすると、ぐいっと引き寄せて俺を離さまいとするセゾン。
心臓の前にセゾンの顔があって、自分でもびっくりするほど早く打つ心音を聞かれたら絶対にからかわれるから落ち着けと念じるのに、裏腹にそれは激しさを増していく。
「シキ、すっごいドキドキしてるな。心臓壊れちゃうんじゃねぇ?」
「うるせぇ」
恥ずかしくて、顔がクラクラするほど熱くなる。
たぶん、耳まで赤くなっているんだろうな。
そんな顔を見られて、これ以上からかわれるのは勘弁だと、セゾンにしがみついて肩に顔を埋める。
「嘘だよ。自分の心臓がドキドキ言い過ぎて、シキの心臓の音なんか聞こえねぇもん」
くしゃっと俺の頭を触って、そのまま髪に指を通しはじめたセゾン。
「シキ、何かいい匂いするな」
「安物のシャンプーしか使ってねぇぞ」
何度も何度も同じ事を繰り返しながら、クスクスと笑うセゾンの息が首筋にかかる。
「ん……」
擽ったくて腰が反るようなその感覚に、思わず声が漏れてしまう。
「シキは首が弱いもんな」
執拗に息を吹きかけてくるセゾンにしがみつき、背筋を駆け抜ける甘い痺れに必死で耐える。
「ごめん、ごめん」
細かく震えだした俺にやっとそれを止めたセゾンが、優しく頭を撫でてくれる。
息を止めて声を出すのを我慢していた俺は、大きく息を吸って呼吸を整える。
「なぁ、顔見せてくれよ。キスしよ?」
「あぁ……」
さっきのセゾンの意地悪で体の中が熱くなってきた俺は顔が真っ赤なことも忘れ、しがみついていた腕を解いてセゾンの背中に絡めて顔を見合わせる。
セゾンの頬も桜色に染まっていて、セゾンもドキドキしているんだって分かり、愛しくてたまらなくなった。
腰に巻かれたセゾンの腕が、俺の体を引き寄せる。
ゆっくり目を閉じると、温かく湿った感触が唇を包んだ。
暫く触れ合ったまま抱きしめ合っていると、セゾンの唇が俺の下唇だけを挟み、左右に動き始めた。
セゾンの唇によって下げられた下唇。その隙間から生温かい肉の塊が入ってくる。
反射的に逃げてしまった俺の舌をセゾンの舌が追い掛けて絡め取ると、磁石のように引っついた二つの舌は、一つの生物のように二つの口内を動き回る。
「んぁ……」
我慢出来ずに声が漏れてしまう。
どちらのものか分からない唾液が、口の端から流れ落ちる。
「シキ……しよ?」
「あぁ」
熱に侵された俺は、本能のままに頷く。
机に寝かされた俺。ギシギシと音を立てて、セゾンもそこに乗ってくる。
ゆっくりと俺の学ランのボタンを外し、脱がしたそれを椅子の背にかけると、今度はシャツのボタンを一つずつ外し始めたセゾン。
肌が冷えた外気に触れ、毛穴がぎゅっと締まる感覚がする。
「すぐ暖かくなるから、ちょっとの我慢だからな」
俺を気遣って優しく笑いかけてくれたセゾンの唇が、俺の首筋に吸い付く。
「っ……」
さっき感じたのの何倍もの感覚に、大きく腰が反ってしまう。
その振動で、机が大きな音を立てた。
「机……壊れちまう……」
「大丈夫、大丈夫」
お構いなしにセゾンは唇を這わせ続ける。
「ん……あぁっ……」
ねっとりとした舌が、胸の突起を転がすように動く。
体の芯がツーンとする。
体の一点に集まった熱が、張り裂けそうで痛い。
セゾンの背中に回した腕に力を入れ、学ランをぎゅっと掴む。
セゾンの唇が、もう片方の突起に移る。
ゴソゴソと下半身で動く感覚に視線をそこに向けると、手探りで必死にベルトを外しているセゾンの手が見えた。
「やめっ……」
初めてじゃないけれど、やはり欲望まみれの自分を見られるのは恥ずかしい。
体を回転させて拒むと、冷たい机の板が体の熱を吸い取っていく。
「シキのすげー綺麗だよ。だから、恥ずかしがらないで見せてくれよ。な?」
「でも……」
「大丈夫。俺のもこんなになっちゃってっから」
俺の手を掴んで、自分自身に当てるセゾン。
布の上からでもそれが、硬く天を向いていることが分かる。
くるっと体を元の体勢に戻した俺に、微笑んだセゾンが軽く口付けをくれる。
自らの学ランを脱いで床に落としたセゾンが、俺のベルトを外してファスナーを下ろし、ズボンに手をかけて下着と共にゆっくり下ろしていった。
自らの欲望を見るのが恥ずかしくて目を閉じる。
外気にさらされ、さっきと同じ様に毛穴が締まる感覚がする。ただ一点を除いて。
「シキ……綺麗だ……」
セゾンの掌が、俺自身を包む。
触れてくる掌は、火傷しそうなほどに熱い。
セゾンの体も熱くなっているのか?
「シキのもっと綺麗なとこ見せてくれよ」
膝に引っかかっていたズボンを床に落とし、はだけたYシャツと靴下だけを身にまとっている俺の太腿を掴んで、グッと開いて持ち上げたセゾン。
セゾン以外に見せたことのないそこに顔を埋めたセゾンは、ピンと天を向く俺自身にはわざと触れず、その下の双袋を交互に口に含んで転がし始めた。
「ん……はぁん……」
敏感になっている俺の体は、何をされても快感にしかならない。
セゾンの口内に俺自身が飲み込まれると、羞恥心を絡めとるように動く舌に同調するように腰が動き出してしまう。
「くっ……」
ひんやりとした感覚に腰が反る。
ローションを付けたセゾンの長い指が、俺の中に入ってきた。
「あぁっ……」
セゾンだけが知っている秘密の花園が一気に花開き、体中に快楽の花が咲く。
「もぉ俺、限界。シキ、いい?」
「あぁ。来いよ」
両手を広げてセゾンを見上げると、ズボンを脱ぎ捨てたセゾンがそこに自身をあてがい、俺の上に覆い被さってきた。
「いくぞ?」
「あぁ」
耳元で囁かれた声に答えるように、ぎゅっとセゾンの背中を掴む。
「ひゃぁっ……あぁ……」
「力抜いて」
まだ慣れていない異物感と、限界まで広げられた入口が張り裂けそうで、生理的な涙が頬を伝う。
萎えてしまった前を扱いてもらい、ゆっくり息を吐いて体の力を抜くと痛みは薄れていき、段々と快感が広がり始めてきた。
「上手に出来ました」
セゾンも自身で俺の変化が分かったのか、子供を褒めるように言いながらチュッと音を立てて口付けをくれた。
「動くな」
「いいぞ」
ゆっくりと腰を動かし始めたセゾン。
セゾンのが内壁を擦れる度に、ジンジンと快感が走る。
セゾンに合わせて俺も腰を振りはじめると、俺自身もセゾンの腹で擦れ、新たな快感が生まれて増大していく。
「くぁ……あぁぁ……」
ガタガタとひっきりなしに音を立てる机。
サッカーボールが一つ籠から落ち、コロコロと机の下を転がっていく。
「シキ……大好き……」
「セゾン……」
俺もセゾンが大好きだ。
ずーっとこうやって繋がっていたい。
この三年間のように、これからも思い出の中の俺の隣にはセゾンに立っていて欲しい。
泣きそうな俺を慰めて。怒っている俺を宥めて。悩んでいる俺の話を聞いて。一緒に笑って。
卒業後は、遠く離れた別々のチームで、プロサッカー選手の道を歩んでいく俺達。
もうこれからは、今まで通り隣に立っていることが出来ないと分かっているのに、まだまだこの距離での関係が延々と続くような気がして、そんなことを考えてしまった。
自分勝手なのは俺の方だな。
自分達のことを考えて、それぞれに選んだ道だ。
その時が来たら、ちゃんと前を見て進んでいくから。
だから、まだこの距離でいられる間は、少しでも長くセゾンの隣にいたい、セゾンに触れていたい。
青春の思い出を、まだまだいっぱい作ろう。
その頃、部室の前では――
「あれ? お前ら何やってんの?」
荷物を整理しようと部室を訪れた副キャプテンの目に映ったのは、扉の前で耳まで真っ赤に染めて、もじもじしている一年生三人組だ。
「あっ、副キャプテーン」
副キャプテンの声に、一人が泣きそうな顔で彼を見る。
「セゾンさんとシキさんが……」
副キャプテンの同級生の名を呟くと俯いてしまった。他の二人は放心状態で、立っているのがやっとという感じだ。
彼らの方に足を進めると、盛りのついた猫のような声が聞こえてきた。それは部室の中からしてきて、五センチほど開いた扉の隙間から中を覗くと……。
「俺らが卒業するまでの我慢だから。今日は部室入れないから帰ろう。何か飯奢ってやるから元気出せ。な?」
溜め息をひとつつくと後輩の肩を抱き、魔の部室を後にする副キャプテンなのでした。
0
あなたにおすすめの小説
上司、快楽に沈むまで
赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。
冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。
だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。
入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。
真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。
ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、
篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」
疲労で僅かに緩んだ榊の表情。
その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。
「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」
指先が榊のネクタイを掴む。
引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。
拒むことも、許すこともできないまま、
彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。
言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。
だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。
そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。
「俺、前から思ってたんです。
あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」
支配する側だったはずの男が、
支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。
上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。
秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。
快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。
――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。
BL 男達の性事情
蔵屋
BL
漁師の仕事は、海や川で魚介類を獲ることである。
漁獲だけでなく、養殖業に携わる漁師もいる。
漁師の仕事は多岐にわたる。
例えば漁船の操縦や漁具の準備や漁獲物の処理等。
陸上での魚の選別や船や漁具の手入れなど、
多彩だ。
漁師の日常は毎日漁に出て魚介類を獲るのが主な業務だ。
漁獲とは海や川で魚介類を獲ること。
養殖の場合は魚介類を育ててから出荷する養殖業もある。
陸上作業の場合は獲った魚の選別、船や漁具の手入れを行うことだ。
漁業の種類と言われる仕事がある。
漁師の仕事だ。
仕事の内容は漁を行う場所や方法によって多様である。
沿岸漁業と言われる比較的に浜から近い漁場で行われ、日帰りが基本。
日本の漁師の多くがこの形態なのだ。
沖合(近海)漁業という仕事もある。
沿岸漁業よりも遠い漁場で行われる。
遠洋漁業は数ヶ月以上漁船で生活することになる。
内水面漁業というのは川や湖で行われる漁業のことだ。
漁師の働き方は、さまざま。
漁業の種類や狙う魚によって異なるのだ。
出漁時間は早朝や深夜に出漁し、市場が開くまでに港に戻り魚の選別を終えるという仕事が日常である。
休日でも釣りをしたり、漁具の手入れをしたりと、海を愛する男達が多い。
個人事業主になれば漁船や漁具を自分で用意し、漁業権などの資格も必要になってくる。
漁師には、豊富な知識と経験が必要だ。
専門知識は魚類の生態や漁場に関する知識、漁法の技術と言えるだろう。
資格は小型船舶操縦士免許、海上特殊無線技士免許、潜水士免許などの資格があれば役に立つ。
漁師の仕事は、自然を相手にする厳しさもあるが大きなやりがいがある。
食の提供は人々の毎日の食卓に新鮮な海の幸を届ける重要な役割を担っているのだ。
地域との連携も必要である。
沿岸漁業では地域社会との結びつきが強く、地元のイベントにも関わってくる。
この物語の主人公は極楽翔太。18歳。
翔太は来年4月から地元で漁師となり働くことが決まっている。
もう一人の主人公は木下英二。28歳。
地元で料理旅館を経営するオーナー。
翔太がアルバイトしている地元のガソリンスタンドで英二と偶然あったのだ。
この物語の始まりである。
この物語はフィクションです。
この物語に出てくる団体名や個人名など同じであってもまったく関係ありません。
タトゥーの甘い檻
マリ・シンジュ
BL
執着系わんこ攻(大学生)× 高潔な美形教授受(30代)
どのお話も単体でお楽しみいただけます。
「先生、ここ……僕の瞳を入れるから。ずっと、僕だけを見てて」
真面目な大学教授・新城が、大学生の・羽生にだけ許した、あまりにも淫らな「わがまま」。
それは、誰にも見えない内腿の奥深くに、消えないタトゥーを刻むこと。
「下書き」と称して肌を赤く染めるペン先の冷たさ。
アトリエの無機質なライトの下、四つん這いで晒される大人の矜持。
ずっと年下の青年の、必死で、残酷で、純粋な独占欲。
愚かだと知りながら、新城はその熱に絆され、ゆっくりと「聖域」を明け渡していく――。
「……お前のわがままには、最後まで付き合う」
針が通るその時、二人の関係は一生消えない「共犯」へと変わる。
執着攻め×年上受け、密やかに刻まれる秘め事のお話。
消えない思い
樹木緑
BL
オメガバース:僕には忘れられない夏がある。彼が好きだった。ただ、ただ、彼が好きだった。
高校3年生 矢野浩二 α
高校3年生 佐々木裕也 α
高校1年生 赤城要 Ω
赤城要は運命の番である両親に憧れ、両親が出会った高校に入学します。
自分も両親の様に運命の番が欲しいと思っています。
そして高校の入学式で出会った矢野浩二に、淡い感情を抱き始めるようになります。
でもあるきっかけを基に、佐々木裕也と出会います。
彼こそが要の探し続けた運命の番だったのです。
そして3人の運命が絡み合って、それぞれが、それぞれの選択をしていくと言うお話です。
従僕に溺愛されて逃げられない
大の字だい
BL
〈従僕攻め×強気受け〉のラブコメ主従BL!
俺様気質で傲慢、まるで王様のような大学生・煌。
その傍らには、当然のようにリンがいる。
荷物を持ち、帰り道を誘導し、誰より自然に世話を焼く姿は、周囲から「犬みたい」と呼ばれるほど。
高校卒業間近に受けた突然の告白を、煌は「犬として立派になれば考える」とはぐらかした。
けれど大学に進学しても、リンは変わらず隣にいる。
当たり前の存在だったはずなのに、最近どうも心臓がおかしい。
居なくなると落ち着かない自分が、どうしても許せない。
さらに現れた上級生の熱烈なアプローチに、リンの嫉妬は抑えきれず――。
主従なのか、恋人なのか。
境界を越えたその先で、煌は思い知らされる。
従僕の溺愛からは、絶対に逃げられない。
オッサン課長のくせに、無自覚に色気がありすぎる~ヨレヨレ上司とエリート部下、恋は仕事の延長ですか?
中岡 始
BL
「新しい営業課長は、超敏腕らしい」
そんな噂を聞いて、期待していた橘陽翔(28)。
しかし、本社に異動してきた榊圭吾(42)は――
ヨレヨレのスーツ、だるそうな関西弁、ネクタイはゆるゆる。
(……いやいや、これがウワサの敏腕課長⁉ 絶対ハズレ上司だろ)
ところが、初めての商談でその評価は一変する。
榊は巧みな話術と冷静な判断で、取引先をあっさり落としにかかる。
(仕事できる……! でも、普段がズボラすぎるんだよな)
ネクタイを締め直したり、書類のコーヒー染みを指摘したり――
なぜか陽翔は、榊の世話を焼くようになっていく。
そして気づく。
「この人、仕事中はめちゃくちゃデキるのに……なんでこんなに色気ダダ漏れなんだ?」
煙草をくゆらせる仕草。
ネクタイを緩める無防備な姿。
そのたびに、陽翔の理性は削られていく。
「俺、もう待てないんで……」
ついに陽翔は榊を追い詰めるが――
「……お前、ほんまに俺のこと好きなんか?」
攻めるエリート部下 × 無自覚な色気ダダ漏れのオッサン上司。
じわじわ迫る恋の攻防戦、始まります。
【最新話:主任補佐のくせに、年下部下に見透かされている(気がする)ー関西弁とミルクティーと、春のすこし前に恋が始まった話】
主任補佐として、ちゃんとせなあかん──
そう思っていたのに、君はなぜか、俺の“弱いとこ”ばっかり見抜いてくる。
春のすこし手前、まだ肌寒い季節。
新卒配属された年下部下・瀬戸 悠貴は、無表情で口数も少ないけれど、妙に人の感情に鋭い。
風邪気味で声がかすれた朝、佐倉 奏太は、彼にそっと差し出された「ミルクティー」に言葉を失う。
何も言わないのに、なぜか伝わってしまう。
拒むでも、求めるでもなく、ただそばにいようとするその距離感に──佐倉の心は少しずつ、ほどけていく。
年上なのに、守られるみたいで、悔しいけどうれしい。
これはまだ、恋になる“少し前”の物語。
関西弁とミルクティーに包まれた、ふたりだけの静かな始まり。
(5月14日より連載開始)
[BL]憧れだった初恋相手と偶然再会したら、速攻で抱かれてしまった
ざびえる
BL
エリートリーマン×平凡リーマン
モデル事務所で
メンズモデルのマネージャーをしている牧野 亮(まきの りょう) 25才
中学時代の初恋相手
高瀬 優璃 (たかせ ゆうり)が
突然現れ、再会した初日に強引に抱かれてしまう。
昔、優璃に嫌われていたとばかり思っていた亮は優璃の本当の気持ちに気付いていき…
夏にピッタリな青春ラブストーリー💕
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる