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「全然大丈夫そうじゃないよっ。どうしよう? 病院……」
きょろきょろ見渡して……そうだ、今ここ異世界なんだった、と落胆する。
「大丈夫だ」
そう言ってアイスグリーンの瞳を細め、不敵に笑う。
「見ていろっ、風芽」
そう言ったヴィフレアの体を、暖かい風が傍にいた僕ごと包む。
その光景に驚いてると、
「私の背中を見ていなさい」
「え?」
背中の傷がみるみるうちに塞がっていく。それはもう病院で施される縫製よりも綺麗にだ。
「今のは癒しの風だ」
そう言い僕に向かって、惚れ魔法をかけるかのように色っぽいウインクを投げた。
*****
魔法で異世界を抜け出して雲に乗り風を吹かせホテルに帰って来たのは二時間程前。日はたっぷり暮れて室内は間接照明とシャンデリアが灯っている。
部屋の二人掛けアンティークソファにヴィフレアが座り、その正面に僕は立って、
「ありがとう。助けてくれて……」
今更ながらにお礼を述べる。
そんな僕に極上の笑みを向けて、
「どういたしまして」
と耳に心地良い綺麗な低音で応えてくれた。
……お礼を嫌がって部屋を飛び出した僕を責めもせず助けてくれて笑ってくれる。
僕は胸がいっぱいになった。視界が霞み、ヴィフレアが揺れる。
「なぜ泣くのだ? もしかして奴に傷を付けられたのか?」
と、立ち上がったヴィフレアが長身の上体を屈め、僕の顔を窺いながら訊いてくる……顔が近い……。僕の両腕を優しく掴んではいるが語尾は強い。
「違うよ。ヴィフレア」
「では、なぜ泣くのだ?」
「この涙は……」
目を閉じヴィフレアの唇に自分のを重ねる。
触れ合うだけの軽いキス。そのままほんの少しだけ唇を離して、掠める距離で、
「……この涙は、ヴィフレアが好きだから……」
その気持ちが溢れ出たんだ、と、続きの言葉は彼の舌に絡め取られてしまった。
ヴィフレアの左手が僕の後頭部を支え、口腔内に彼の熱い舌が唾液が流れ込んでくる。蕩けそうなほどの甘い刺激。ヴィフレアの柔らかい唇が僕の唇や口角にまとわりついてくる。時折舌が唇を滑る。互いの唇がむにゅむにゅする感触。口の中で踊る二つの舌……口端から滴る唾液。
深くていやらしいキス。そんなキスをしていて下半身が反応しないわけがない。僕の腹辺りには固くなったヴィフレアの花茎が当たっている。そういう僕もズボンがきつくて仕方がない。
ひとつになりたい……。
無理矢理されていた時は思いもしなかったことが頭をよぎる。口を離し息も絶え絶えにぽつりと言葉を発する。
「な、なあ、ヴィフレア……お礼受け取ってくれる?」
恥ずかしくて視線を合わせられないでいると、ヴィフレアの両手が頬を包む。彼は片親指だけを動かして僕の唇の粘っこい銀糸を拭い、顔を上に向けさせる。
「もちろんだ」
きょろきょろ見渡して……そうだ、今ここ異世界なんだった、と落胆する。
「大丈夫だ」
そう言ってアイスグリーンの瞳を細め、不敵に笑う。
「見ていろっ、風芽」
そう言ったヴィフレアの体を、暖かい風が傍にいた僕ごと包む。
その光景に驚いてると、
「私の背中を見ていなさい」
「え?」
背中の傷がみるみるうちに塞がっていく。それはもう病院で施される縫製よりも綺麗にだ。
「今のは癒しの風だ」
そう言い僕に向かって、惚れ魔法をかけるかのように色っぽいウインクを投げた。
*****
魔法で異世界を抜け出して雲に乗り風を吹かせホテルに帰って来たのは二時間程前。日はたっぷり暮れて室内は間接照明とシャンデリアが灯っている。
部屋の二人掛けアンティークソファにヴィフレアが座り、その正面に僕は立って、
「ありがとう。助けてくれて……」
今更ながらにお礼を述べる。
そんな僕に極上の笑みを向けて、
「どういたしまして」
と耳に心地良い綺麗な低音で応えてくれた。
……お礼を嫌がって部屋を飛び出した僕を責めもせず助けてくれて笑ってくれる。
僕は胸がいっぱいになった。視界が霞み、ヴィフレアが揺れる。
「なぜ泣くのだ? もしかして奴に傷を付けられたのか?」
と、立ち上がったヴィフレアが長身の上体を屈め、僕の顔を窺いながら訊いてくる……顔が近い……。僕の両腕を優しく掴んではいるが語尾は強い。
「違うよ。ヴィフレア」
「では、なぜ泣くのだ?」
「この涙は……」
目を閉じヴィフレアの唇に自分のを重ねる。
触れ合うだけの軽いキス。そのままほんの少しだけ唇を離して、掠める距離で、
「……この涙は、ヴィフレアが好きだから……」
その気持ちが溢れ出たんだ、と、続きの言葉は彼の舌に絡め取られてしまった。
ヴィフレアの左手が僕の後頭部を支え、口腔内に彼の熱い舌が唾液が流れ込んでくる。蕩けそうなほどの甘い刺激。ヴィフレアの柔らかい唇が僕の唇や口角にまとわりついてくる。時折舌が唇を滑る。互いの唇がむにゅむにゅする感触。口の中で踊る二つの舌……口端から滴る唾液。
深くていやらしいキス。そんなキスをしていて下半身が反応しないわけがない。僕の腹辺りには固くなったヴィフレアの花茎が当たっている。そういう僕もズボンがきつくて仕方がない。
ひとつになりたい……。
無理矢理されていた時は思いもしなかったことが頭をよぎる。口を離し息も絶え絶えにぽつりと言葉を発する。
「な、なあ、ヴィフレア……お礼受け取ってくれる?」
恥ずかしくて視線を合わせられないでいると、ヴィフレアの両手が頬を包む。彼は片親指だけを動かして僕の唇の粘っこい銀糸を拭い、顔を上に向けさせる。
「もちろんだ」
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