24 / 362
第一章 先祖還り
その21 漆黒の魔法使いカルナック
しおりを挟む
21
「いいかげんにしないか!」
先ほどテノール青年を諫めていた、父親らしき男性が飛んできて、彼を捕まえ、頭を床に押しつけた。
「なんということを『漆黒の魔法使いカルナック』様に向かって! このお方は《世界の大いなる意思》の代行者、神聖なる存在だと、幼い頃から教えていたのに。いったい何を聞いていたのだ! この喜ばしき祝宴に、おまえを連れてくるのではなかった! ラゼル家の方々にも、我が家の親戚縁者一同にも、顔向けができん」
そして自ら、深く頭を垂れる。
額が床をこするほどに。
「カルナック様! 申し訳ございません! わたくしはザイール家の当主、テルミス・ゲン・ルミナリエ・ザイールにございます。わが息子テノールの妄言、お詫びのしようもございません。今後は、跡継ぎ候補から外し、厳しく監視のもとに再教育を施します。どうか」
ゆっくりと顔を上げて、悲壮な表情で、言った。
「愚かな息子を、いかようにも罰してください」
「なにを! 親父、オレが何をしたっていうんだ」
焦ったようすでテノール青年が叫んだ。
「それもわからんのか! 大馬鹿ものが!」
そのときだった。
静まりかえっていた大広間に、ふいに、高らかな笑い声が響いた。
漆黒の魔法使いカルナックが笑ったのだ。たのしげに。
「ザイール家の当主テルミス殿。あなたのことを、私は高く評価している。その覚悟に免じて、今回の、私に対する侮辱に限っては、赦す。息子を厳しく教育し直すとの言葉を信じよう」
それから、ふっと柔らかく微笑んだ。
「それに、この手の噂を初めて耳にしたわけでもないし。まぁ、しょうがないかな。何しろ私は、こんなに若々しくてキレイだし」
「自分で言うか?」
コマラパ老師は、苦笑いをした。
「いいじゃないか。コマラパも枯れきった爺さんじゃなくて、まだまだ愛人を身近に侍らせる甲斐性があると思われてるんだから」
「よくないわい。名誉毀損じゃ」
「頭が固いと、老けるよ?」
くくっと、小さく笑った。
「それにテノール君は、私の身の上に同情しているようだったよ。魔法使いになりたい一心で、権力を持った魔導師協会の重鎮であるじじいの愛人になってるなんて噂を真に受けたとしたら、かわいそうだって思うよねえ。だから私へのセクハラ……いや、失礼な発言に限っては、赦す」
あれ? いま、セクハラって?
カルナックさま、日本語ですか!?
乳母やのサリーは緊張して、あたし、アイリスをしっかり抱きしめたままだし、お父さまお母さま叔父さまも怒りを抑えてないようすだけど、さっき「また死んじゃうのかな?」って放心状態になっていたあたしの、恐怖と緊張はしだいに、ほぐれ始めていた。
このひと……カルナックさまは、あたしたちを助けに来てくれたの?
「ただし、所持するだけで重罪となる『禁止魔道具』を『魔力診』の宴席に持ち込んだこと、大陸全土における名家ラゼル家の正当なる跡継ぎであるアイリス・リデル・ティス・ラゼル嬢を魔道具のナイフで襲撃した罪は、アイリス嬢に怪我がなかったとはいえ、なかったことにはできない。ともかく証拠品の凶器は押収する」
テノール青年が持っていた、禍々しい赤い色をしたナイフをいつの間にか拾い上げて、どこからか取り出した黒いカバンみたいなものの口を開けて放り込んだ。
それからテルミスさんがおさえつけているテノール青年に、歩み寄る。ひとあし踏み出すごとに、足首にしているアンクレットの鈴が、小さな音を響かせる。
魔除けの鈴だろうか?
かすかな音が、波のようにひろがっていくと、空気が澄んでいくように思えた。
カルナックさまは、テノール青年の前に屈み込み、彼の顎を手のひらに乗せて持ち上げ、目線を合わせた。
「ふむ。『痕跡』があるな。誰かにそそのかされたか。おまえの『魔力診』を執り行った魔法使いは、その時点では、魔力をほぼ持ち合わせていないことも、成長しても伸びないこと、魔法使いになれないことも、静かに受け入れたと報告しているが」
「オレのことを知っているのか? 魔法使いになれもしない、取るに足らない平民の子のことを」
「私はこの都で起こっていることを全て把握している。おまえはザイール家の跡取り息子。けっして取るに足らない存在などではない」
「……そんな……はずは」
テノール青年の目に、光が戻ってきた。
「それに、間違った思い込みではあったが、私の身の上に同情してくれた、優しい子だ」
「え……オレが?」
意外そうに呟いた、青年の顔から、自暴自棄になっていた、とげとげしさが消えた。
「かわいそうに。……とうの昔に諦めた、けれども心の底ではいつまでも諦めきれずに渇望しつづけていたものに、手が届くよと、誰かに囁かれたなら。人間だ、隙もできるさ」
どうしてかしら。
カルナックさまの言葉に、何か別の思いが重なっているように、あたしは、感じた。
「あああ……」
青年の目に涙が浮かんで。嗚咽がもれた。
「試してみようか。この杖を持ってごらん」
黒曜の杖、と呼ばれていた、全体が真っ黒な『魔法使いの杖』を、差しだした。
「ほ、本当ですか!」
「君が思っているような万能の杖ではないかもしれないよ。それでもいいなら」
「触ってみたいです……」
うっとりと、憧れて。テノール青年は答えた。
カルナックさまはザイール家の当主テルミスさまに、テノール青年を放すように伝え、杖を差し出した。
震える手をのばして、彼は、真っ黒な『黒曜の杖』に触れて、握り込んだ。
「ああ! これが、これが魔力!? これが、魔法の杖!」
喜びに溢れた表情。
が、次の瞬間。
苦痛に歪んだ。
「うぐ……ク、苦しい」
「残念だが、君には合わないようだな。杖を離しなさい」
憐れみを込めながらも、きっぱりと宣告する、カルナックさま。
「い、いやだ。これでオレは、やっと魔法をつかえるんだ……!」
苦しそうなのに、テノール青年は『黒曜の杖』を抱えこむ。
すると……
バチッ!
鋭い音と共に、極小の雷のような光が生じて、テノール青年は、弾かれた。
「うわあああああ! なんでだ! なんで、オレではダメなんだ!?」
涙を流して。
「この杖があれば魔法が使えるなんて、誰に吹き込まれた? この『黒曜の杖』を私にくれたのは、真月の女神イル・リリヤの御使い《色の竜》が一柱《黒竜》。その理由は、君が思っているものとは違う。むしろ、真逆だ」
「どういう意味……」
力なく呟く、テノール青年。
「ごらん。この私を」
不思議なことが起こった。
黒曜の杖から手を離したカルナックさまの瞳が、青く、染まった。まるでブルームーンストーンみたいに。内側から、ほの青い光が浮かび上がったのだ。
それと同時に、身体の、皮膚の表面に、青白い光がにじみ出て、人間の頭ほどもある、光る球体となって、いくつも浮き上がって。
青白い光の球体は、カルナックさまのまわりを離れず、まつわりついて、ふわふわと漂う。
おびただしい数の光球に包まれながらも、カルナックさまが身に纏う黒いローブも、長い黒髪も、決して光を宿すことはなくて、まるで光を吸収してしまう闇、そのもののよう。
「精霊火だ!」
誰かが叫んだ。
その声には、恐怖が、こもっていた。
「精霊火(せいれいか)! おお、精霊の魂の火よ! なんとおそれおおい。人の住む家に現れるなんて!」
また、別の声。
それには、畏怖が。こもっていた。
「おお、精霊様! お怒りでございましょうか!? お赦しを!」
「夜と死を支配する貴きお方、真月の女神イル・リリヤ様! どうかお慈悲を」
涙を流して、床にひれ伏し、この世の最高神であるイル・リリヤさまの御名を唱え、震える者たち。
でも、
これ……精霊火(せいれいか)って……。
たった今、
カルナックさまの身体から、皮膚からにじみ出て来たんだよね!?
「いいかげんにしないか!」
先ほどテノール青年を諫めていた、父親らしき男性が飛んできて、彼を捕まえ、頭を床に押しつけた。
「なんということを『漆黒の魔法使いカルナック』様に向かって! このお方は《世界の大いなる意思》の代行者、神聖なる存在だと、幼い頃から教えていたのに。いったい何を聞いていたのだ! この喜ばしき祝宴に、おまえを連れてくるのではなかった! ラゼル家の方々にも、我が家の親戚縁者一同にも、顔向けができん」
そして自ら、深く頭を垂れる。
額が床をこするほどに。
「カルナック様! 申し訳ございません! わたくしはザイール家の当主、テルミス・ゲン・ルミナリエ・ザイールにございます。わが息子テノールの妄言、お詫びのしようもございません。今後は、跡継ぎ候補から外し、厳しく監視のもとに再教育を施します。どうか」
ゆっくりと顔を上げて、悲壮な表情で、言った。
「愚かな息子を、いかようにも罰してください」
「なにを! 親父、オレが何をしたっていうんだ」
焦ったようすでテノール青年が叫んだ。
「それもわからんのか! 大馬鹿ものが!」
そのときだった。
静まりかえっていた大広間に、ふいに、高らかな笑い声が響いた。
漆黒の魔法使いカルナックが笑ったのだ。たのしげに。
「ザイール家の当主テルミス殿。あなたのことを、私は高く評価している。その覚悟に免じて、今回の、私に対する侮辱に限っては、赦す。息子を厳しく教育し直すとの言葉を信じよう」
それから、ふっと柔らかく微笑んだ。
「それに、この手の噂を初めて耳にしたわけでもないし。まぁ、しょうがないかな。何しろ私は、こんなに若々しくてキレイだし」
「自分で言うか?」
コマラパ老師は、苦笑いをした。
「いいじゃないか。コマラパも枯れきった爺さんじゃなくて、まだまだ愛人を身近に侍らせる甲斐性があると思われてるんだから」
「よくないわい。名誉毀損じゃ」
「頭が固いと、老けるよ?」
くくっと、小さく笑った。
「それにテノール君は、私の身の上に同情しているようだったよ。魔法使いになりたい一心で、権力を持った魔導師協会の重鎮であるじじいの愛人になってるなんて噂を真に受けたとしたら、かわいそうだって思うよねえ。だから私へのセクハラ……いや、失礼な発言に限っては、赦す」
あれ? いま、セクハラって?
カルナックさま、日本語ですか!?
乳母やのサリーは緊張して、あたし、アイリスをしっかり抱きしめたままだし、お父さまお母さま叔父さまも怒りを抑えてないようすだけど、さっき「また死んじゃうのかな?」って放心状態になっていたあたしの、恐怖と緊張はしだいに、ほぐれ始めていた。
このひと……カルナックさまは、あたしたちを助けに来てくれたの?
「ただし、所持するだけで重罪となる『禁止魔道具』を『魔力診』の宴席に持ち込んだこと、大陸全土における名家ラゼル家の正当なる跡継ぎであるアイリス・リデル・ティス・ラゼル嬢を魔道具のナイフで襲撃した罪は、アイリス嬢に怪我がなかったとはいえ、なかったことにはできない。ともかく証拠品の凶器は押収する」
テノール青年が持っていた、禍々しい赤い色をしたナイフをいつの間にか拾い上げて、どこからか取り出した黒いカバンみたいなものの口を開けて放り込んだ。
それからテルミスさんがおさえつけているテノール青年に、歩み寄る。ひとあし踏み出すごとに、足首にしているアンクレットの鈴が、小さな音を響かせる。
魔除けの鈴だろうか?
かすかな音が、波のようにひろがっていくと、空気が澄んでいくように思えた。
カルナックさまは、テノール青年の前に屈み込み、彼の顎を手のひらに乗せて持ち上げ、目線を合わせた。
「ふむ。『痕跡』があるな。誰かにそそのかされたか。おまえの『魔力診』を執り行った魔法使いは、その時点では、魔力をほぼ持ち合わせていないことも、成長しても伸びないこと、魔法使いになれないことも、静かに受け入れたと報告しているが」
「オレのことを知っているのか? 魔法使いになれもしない、取るに足らない平民の子のことを」
「私はこの都で起こっていることを全て把握している。おまえはザイール家の跡取り息子。けっして取るに足らない存在などではない」
「……そんな……はずは」
テノール青年の目に、光が戻ってきた。
「それに、間違った思い込みではあったが、私の身の上に同情してくれた、優しい子だ」
「え……オレが?」
意外そうに呟いた、青年の顔から、自暴自棄になっていた、とげとげしさが消えた。
「かわいそうに。……とうの昔に諦めた、けれども心の底ではいつまでも諦めきれずに渇望しつづけていたものに、手が届くよと、誰かに囁かれたなら。人間だ、隙もできるさ」
どうしてかしら。
カルナックさまの言葉に、何か別の思いが重なっているように、あたしは、感じた。
「あああ……」
青年の目に涙が浮かんで。嗚咽がもれた。
「試してみようか。この杖を持ってごらん」
黒曜の杖、と呼ばれていた、全体が真っ黒な『魔法使いの杖』を、差しだした。
「ほ、本当ですか!」
「君が思っているような万能の杖ではないかもしれないよ。それでもいいなら」
「触ってみたいです……」
うっとりと、憧れて。テノール青年は答えた。
カルナックさまはザイール家の当主テルミスさまに、テノール青年を放すように伝え、杖を差し出した。
震える手をのばして、彼は、真っ黒な『黒曜の杖』に触れて、握り込んだ。
「ああ! これが、これが魔力!? これが、魔法の杖!」
喜びに溢れた表情。
が、次の瞬間。
苦痛に歪んだ。
「うぐ……ク、苦しい」
「残念だが、君には合わないようだな。杖を離しなさい」
憐れみを込めながらも、きっぱりと宣告する、カルナックさま。
「い、いやだ。これでオレは、やっと魔法をつかえるんだ……!」
苦しそうなのに、テノール青年は『黒曜の杖』を抱えこむ。
すると……
バチッ!
鋭い音と共に、極小の雷のような光が生じて、テノール青年は、弾かれた。
「うわあああああ! なんでだ! なんで、オレではダメなんだ!?」
涙を流して。
「この杖があれば魔法が使えるなんて、誰に吹き込まれた? この『黒曜の杖』を私にくれたのは、真月の女神イル・リリヤの御使い《色の竜》が一柱《黒竜》。その理由は、君が思っているものとは違う。むしろ、真逆だ」
「どういう意味……」
力なく呟く、テノール青年。
「ごらん。この私を」
不思議なことが起こった。
黒曜の杖から手を離したカルナックさまの瞳が、青く、染まった。まるでブルームーンストーンみたいに。内側から、ほの青い光が浮かび上がったのだ。
それと同時に、身体の、皮膚の表面に、青白い光がにじみ出て、人間の頭ほどもある、光る球体となって、いくつも浮き上がって。
青白い光の球体は、カルナックさまのまわりを離れず、まつわりついて、ふわふわと漂う。
おびただしい数の光球に包まれながらも、カルナックさまが身に纏う黒いローブも、長い黒髪も、決して光を宿すことはなくて、まるで光を吸収してしまう闇、そのもののよう。
「精霊火だ!」
誰かが叫んだ。
その声には、恐怖が、こもっていた。
「精霊火(せいれいか)! おお、精霊の魂の火よ! なんとおそれおおい。人の住む家に現れるなんて!」
また、別の声。
それには、畏怖が。こもっていた。
「おお、精霊様! お怒りでございましょうか!? お赦しを!」
「夜と死を支配する貴きお方、真月の女神イル・リリヤ様! どうかお慈悲を」
涙を流して、床にひれ伏し、この世の最高神であるイル・リリヤさまの御名を唱え、震える者たち。
でも、
これ……精霊火(せいれいか)って……。
たった今、
カルナックさまの身体から、皮膚からにじみ出て来たんだよね!?
11
あなたにおすすめの小説
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
【完結】乙女ゲーム開始前に消える病弱モブ令嬢に転生しました
佐倉穂波
恋愛
転生したルイシャは、自分が若くして死んでしまう乙女ゲームのモブ令嬢で事を知る。
確かに、まともに起き上がることすら困難なこの体は、いつ死んでもおかしくない状態だった。
(そんな……死にたくないっ!)
乙女ゲームの記憶が正しければ、あと数年で死んでしまうルイシャは、「生きる」ために努力することにした。
2023.9.3 投稿分の改稿終了。
2023.9.4 表紙を作ってみました。
2023.9.15 完結。
2023.9.23 後日談を投稿しました。
転生の水神様ーー使える魔法は水属性のみだが最強ですーー
芍薬甘草湯
ファンタジー
水道局職員が異世界に転生、水神様の加護を受けて活躍する異世界転生テンプレ的なストーリーです。
42歳のパッとしない水道局職員が死亡したのち水神様から加護を約束される。
下級貴族の三男ネロ=ヴァッサーに転生し12歳の祝福の儀で水神様に再会する。
約束通り祝福をもらったが使えるのは水属性魔法のみ。
それでもネロは水魔法を工夫しながら活躍していく。
一話当たりは短いです。
通勤通学の合間などにどうぞ。
あまり深く考えずに、気楽に読んでいただければ幸いです。
完結しました。
疲れきった退職前女教師がある日突然、異世界のどうしようもない貴族令嬢に転生。こっちの世界でも子供たちの幸せは第一優先です!
ミミリン
恋愛
小学校教師として長年勤めた独身の皐月(さつき)。
退職間近で突然異世界に転生してしまった。転生先では醜いどうしようもない貴族令嬢リリア・アルバになっていた!
私を陥れようとする兄から逃れ、
不器用な大人たちに助けられ、少しずつ現世とのギャップを埋め合わせる。
逃れた先で出会った訳ありの美青年は何かとからかってくるけど、気がついたら成長して私を支えてくれる大切な男性になっていた。こ、これは恋?
異世界で繰り広げられるそれぞれの奮闘ストーリー。
この世界で新たに自分の人生を切り開けるか!?
真祖竜に転生したけど、怠け者の世界最強種とか性に合わないんで、人間のふりして旅に出ます
難波一
ファンタジー
"『第18回ファンタジー小説大賞【奨励賞】受賞!』"
ブラック企業勤めのサラリーマン、橘隆也(たちばな・りゅうや)、28歳。
社畜生活に疲れ果て、ある日ついに階段から足を滑らせてあっさりゲームオーバー……
……と思いきや、目覚めたらなんと、伝説の存在・“真祖竜”として異世界に転生していた!?
ところがその竜社会、価値観がヤバすぎた。
「努力は未熟の証、夢は竜の尊厳を損なう」
「強者たるもの怠惰であれ」がスローガンの“七大怠惰戒律”を掲げる、まさかのぐうたら最強種族!
「何それ意味わかんない。強く生まれたからこそ、努力してもっと強くなるのが楽しいんじゃん。」
かくして、生まれながらにして世界最強クラスのポテンシャルを持つ幼竜・アルドラクスは、
竜社会の常識をぶっちぎりで踏み倒し、独学で魔法と技術を学び、人間の姿へと変身。
「世界を見たい。自分の力がどこまで通じるか、試してみたい——」
人間のふりをして旅に出た彼は、貴族の令嬢や竜の少女、巨大な犬といった仲間たちと出会い、
やがて“魔王”と呼ばれる世界級の脅威や、世界の秘密に巻き込まれていくことになる。
——これは、“怠惰が美徳”な最強種族に生まれてしまった元社畜が、
「自分らしく、全力で生きる」ことを選んだ物語。
世界を知り、仲間と出会い、規格外の強さで冒険と成長を繰り広げる、
最強幼竜の“成り上がり×異端×ほのぼの冒険ファンタジー”開幕!
※小説家になろう様にも掲載しています。
【本編完結】伯爵令嬢に転生して命拾いしたけどお嬢様に興味ありません!
ななのん
恋愛
早川梅乃、享年25才。お祭りの日に通り魔に刺されて死亡…したはずだった。死後の世界と思いしや目が覚めたらシルキア伯爵の一人娘、クリスティナに転生!きらきら~もふわふわ~もまったく興味がなく本ばかり読んでいるクリスティナだが幼い頃のお茶会での暴走で王子に気に入られ婚約者候補にされてしまう。つまらない生活ということ以外は伯爵令嬢として不自由ない毎日を送っていたが、シルキア家に養女が来た時からクリスティナの知らぬところで運命が動き出す。気がついた時には退学処分、伯爵家追放、婚約者候補からの除外…―― それでもクリスティナはやっと人生が楽しくなってきた!と前を向いて生きていく。
※本編完結してます。たまに番外編などを更新してます。
王女の中身は元自衛官だったので、継母に追放されたけど思い通りになりません
きぬがやあきら
恋愛
「妻はお妃様一人とお約束されたそうですが、今でもまだ同じことが言えますか?」
「正直なところ、不安を感じている」
久方ぶりに招かれた故郷、セレンティア城の月光満ちる庭園で、アシュレイは信じ難い光景を目撃するーー
激闘の末、王座に就いたアルダシールと結ばれた、元セレンティア王国の王女アシュレイ。
アラウァリア国では、新政権を勝ち取ったアシュレイを国母と崇めてくれる国民も多い。だが、結婚から2年、未だ後継ぎに恵まれないアルダシールに側室を推す声も上がり始める。そんな頃、弟シュナイゼルから結婚式の招待が舞い込んだ。
第2幕、連載開始しました!
お気に入り登録してくださった皆様、ありがとうございます! 心より御礼申し上げます。
以下、1章のあらすじです。
アシュレイは前世の記憶を持つ、セレンティア王国の皇女だった。後ろ盾もなく、継母である王妃に体よく追い出されてしまう。
表向きは外交の駒として、アラウァリア王国へ嫁ぐ形だが、国王は御年50歳で既に18人もの妃を持っている。
常に不遇の扱いを受けて、我慢の限界だったアシュレイは、大胆な計画を企てた。
それは輿入れの道中を、自ら雇った盗賊に襲撃させるもの。
サバイバルの知識もあるし、宝飾品を処分して生き抜けば、残りの人生を自由に謳歌できると踏んでいた。
しかし、輿入れ当日アシュレイを攫い出したのは、アラウァリアの第一王子・アルダシール。
盗賊団と共謀し、晴れて自由の身を望んでいたのに、アルダシールはアシュレイを手放してはくれず……。
アシュレイは自由と幸福を手に入れられるのか?
中身は80歳のおばあちゃんですが、異世界でイケオジ伯爵に溺愛されています
浅水シマ
ファンタジー
【完結しました】
ーー人生まさかの二週目。しかもお相手は年下イケオジ伯爵!?
激動の時代を生き、八十歳でその生涯を終えた早川百合子。
目を覚ますと、そこは異世界。しかも、彼女は公爵家令嬢“エマ”として新たな人生を歩むことに。
もう恋愛なんて……と思っていた矢先、彼女の前に現れたのは、渋くて穏やかなイケオジ伯爵・セイルだった。
セイルはエマに心から優しく、どこまでも真摯。
戸惑いながらも、エマは少しずつ彼に惹かれていく。
けれど、中身は人生80年分の知識と経験を持つ元おばあちゃん。
「乙女のときめき」にはとっくに卒業したはずなのに――どうしてこの人といると、胸がこんなに苦しいの?
これは、中身おばあちゃん×イケオジ伯爵の、
ちょっと不思議で切ない、恋と家族の物語。
※小説家になろうにも掲載中です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる