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24時間の鎖
24時間の鎖⑧
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「うーん……まだかなぁ」
「もしかしてこのまま……誰も見つけてくれなかったりして……」
俺は何とか暁さんを見つけることが出来たのだが……暁さんは足を怪我していおり、俺一人では到底暁さんを連れて帰れそうにないので二人で誰かが見つけてくれるのを待つことにした。
どうしてこんな残念なことになっているのかと言うと……俺が暁さんを助けるために下に降りてみたところ暁さんが落ちた場所は小さな崖になっていて降りる分には苦労しなかったのだが、暁さんを背負って登るとなると俺には絶対無理だなぁという何とも言えない高さの崖が行く道を阻んでいたのだ。
一応俺一人だけでも崖を登って誰かの助けを呼んでくるという案も出たのだが暁さんが『もう一人にはなりたくない』と必死の抵抗を見せたので二人で待つことになった。
「そう言えば、何で俺のこと覚えてたんだ?昨日会ってないだろ?」
全然助けが来る気配がないので俺は少し気になっていたことを暁さんにきいてみた。
「飛翔のことは忘れると困ると思って暇な時は思い出すようにしているの」
暁さんによると、例えば朝遊びに行ったとする。何もしなければ次の日の朝には遊びに行ったことは記憶には残らないが、遊びに行った日の夜にその事を思い出せば、遊びに行ったことは次の日の夜までは記憶に残るということらしい。ただ、思い出せたことしか記憶には残らないらしいので細かいことは、ほとんど覚えられないらしい。
「じゃあ、さっき俺のこと見つけたときどれくらい俺のこと覚えてたんだ?」
「わたしの記憶のことを知っていてそれを隠す協力をしてくれていることと、顔と名前、それから……大魔王さんじゃない方……くらいかな?」
……何日か会わなかっただけなのにコイツの記憶に残っているのは、たったそれだけか……覚悟していたつもりだけどやっぱり、ツラいな……
「……」
「やっぱり傷付けちゃったかな……」
「いや、まあ何てことないよ」
「飛翔にウソをつかれるのは何だか嫌だ……」
……全く、全然俺のこと覚えてないのに俺がウソついてるのはわかるのかよ……俺、ウソつくの上手いんだぜ……まだ俺のこと覚えてるんじゃないかって期待しちまいそうになるだろ……
「……そのさ、正直結構ツラい……でもお前は俺以上にツラいんじゃねえか?」
「!?……別に……そんなこと……ない……です」
「何か俺もお前にウソつかれるのは嫌だな……てか、下手すぎじゃね?」
「しょっ、そんなことないもん!……でも、本当はわたしもツラいのかも……しれない……たぶんだけど」
……たぶんコイツは『自分』ってものが何なのかもわかってないんだろうな……
「お前誰かに人生相談とかしたことないだろ」
「な、無いけど別に困ったことないし……」
いや、お前は明らかに困ったことあるだろ
「でも、どうせ飛翔もしたことないでしょ?」
「俺はあるぞ」
「うっ、裏切り者!」
よく分からないが暁さんがポコポコ殴ってくる。
「何だよ?したことないって言えばよかったのかよ」
「……やっぱりウソは嫌だ」
暁さんの手がとまった。
「なら……今後俺たちの間に、ウソはなしだ!もし、ウソついたら……」
「ついたら……?」
暁さんが唾をゴクリと鳴らそうとしている……まあ、鳴ってないけど
「まあ、そんとき考えればいいだろ」
「……」
暁さんの視線が痛い
「まあ、何されるかそのときまで分からないってのは、それはそれで怖いだろ?」
「……」
どうやら俺の理屈に納得できないようだ。
「と・に・か・く!俺たちはお互いにウソをつかない!それでいいか?」
「うん」
「じゃあ約束な」
俺と暁さんは指切りをしてお互いにウソをつかないことを約束した。
……そう言えば暁さんは人生相談をしたことがないんだったな、せっかくだし俺が相談に乗ってやるか
「よし、せっかくだから俺が人生相談してやるよ!何でも話せ!」
うーん、これは話し出しにくいかな、少し聞き方を変えた方がいいかな……
「その……わたし、あまり『自分』ってものがなくて……」
「お、おう……」
あんな言い出しにくい聞き方でも相談するんだなお前、天然というか何というかやっぱり面白いなコイツ……てか、相談内容が想像通りすぎるんだが
まあ、相談自体は真面目なものだからな俺も真剣に聞かないとな。
「それでお前はどうしたいんだ?」
「えぇーっと、わたしはもっと友達と楽しくお話ししたり、遊びにいったり、あと、出来れば……で、デートにも行きたい!
けど、こんなに曖昧なわたしがそんなことしてもいいのかなって……」
「したいだけすればいいじゃんか」
「そんなの無理だよ、だって……24時間しか記憶に残らないんだよ!昨日までのわたしが何を考えていたのかも分からないし!今こうして飛翔と話していることだって、もしかしたら明日にはもうほとんど覚えてないかもしれないんだよ!それにもし明日1日中目が覚めなかったら……今のわたしはどうなるの?死んじゃうの?」
……それは……
「……別のわたしが生まれて1日前は『特に何もなかったなぁ』って今のわたしが何をしたかったのか、何を想って生きてたのかも全部忘れちゃうの?……そしたら今のわたしには何が残るの?ねぇ……そんな簡単に消えちゃうようなわたしが本当に友達と楽しくお話ししたり、遊びに行ったり、あと、デートに行ったりしてもいいの?……教えてよ……飛翔!わたしに教えてよ!」
暁さんは今自分が抱えている不安や悩み、夢を俺に話してくれた。あまりにも色んなことを吐き出したせいか、涙は止まらないし息も上がっている。
暁さんはこれだけ本気で俺にぶつかって自分の全てをさらけ出してくれた。
今度は、俺が暁さんに答えてあげる番だな……さて、今回だけはおふざけなしで、俺も本気でお前に、俺が今まで学んできたこと全てを教えてやるよ。
「なあ、暁さんがしたいこと俺とするって事じゃあダメか?」
「ふざけてるの?」
……まあ、ふつうはそう思うよなぁ……俺も昔はそう思ってたよ
「俺は本気だ……お前と楽しくお話しもしたいし、遊びにも行きたい、まあ、デートは別にしてだ……
まずは、俺と一緒にお前がしてみたいことをとことんやらねえか?それで他のやつらに自慢しまくるんだよ、俺たちはこんだけ青春してるぞってな……そしたら今度は悔しがってるそいつらを誘って一緒に遊んだりしてよ……そうやってどんどん色んなやつを巻き込んでさ……そういうのじゃダメか?」
「それはとてもステキな事だけど……わたしの問題は何も解決してないし、その事も何日か経てば忘れちゃうよ……」
少し上がっていた暁さんの顔がまたうつむいてしまっていた。
「なら、お前が忘れる度に俺が教えてやるよ」
「えっ?」
「だから、もしもお前が忘れたら俺が全部教えてやるって言ってるんだよ!それに俺はしつこいからなぁ、たぶん一日中お前にあれが楽しかったこれが楽しかったって言いまくって絶対に忘れさせねえからな!」
少しだけ暁さんは顔をあげてくれた。
「でも……もしもわたしが、たまたま飛翔と会えないときに24時間経って全部忘れたら?もう今のわたしはいなくなって違うわたしになるんだよ?そしたらどうするの?どうにかして今のわたしを助けてくれるの?」
「……もしもそうなったとき、たぶん俺は今のお前を助けることは出来ないとおもう……けど、そのときは新しいお前に今のお前がどんなことをしていたのか全部教えてお前のことを忘れさせねえ……てか、まず俺がお前のこと忘れてやんねえ!」
……これでダメならたぶ俺には暁さんの悩みを解決することは出来ないだろう。……本当、俺にもアイツみたいにもう少し教養があれば違ったもっといい方法で解決できたのかもなぁ……
すると色んなことを吐き出しすぎてヘロヘロになっていた暁さんがとても小さな声だったが確かに、こう言った
「本当にそんなことしてくれるの?ウソじゃない?」
「当たり前じゃねえか、それに、さっきお前にウソつかないって約束したばっかりだろ?」
「こんなわたしでも友達とお話ししたり、遊びにも行ったり、それからで、デートに行ってもいいのかな?」
……こんなわたしでも……か、本当コイツは馬鹿だなぁ
「俺はむしろお前だから一緒に色々したいんだよ」
「ありがと……飛翔」
「お、おう」
何だ……今『ありがと』って言ったときのコイツの顔メチャメチャ可愛いくなかったか?
「あのさぁ暁さん」
「ん?なに?」
暁さんはキョトン?と首を傾げて聞いてくる。
おいおいどうしちゃったの俺?何でコイツがメチャメチャ可愛いく見えるんだよ?俺は雛田さん一筋のはずなのに……
「まあ、その何だ……昴って呼んでもいい?」
「もしかしてこのまま……誰も見つけてくれなかったりして……」
俺は何とか暁さんを見つけることが出来たのだが……暁さんは足を怪我していおり、俺一人では到底暁さんを連れて帰れそうにないので二人で誰かが見つけてくれるのを待つことにした。
どうしてこんな残念なことになっているのかと言うと……俺が暁さんを助けるために下に降りてみたところ暁さんが落ちた場所は小さな崖になっていて降りる分には苦労しなかったのだが、暁さんを背負って登るとなると俺には絶対無理だなぁという何とも言えない高さの崖が行く道を阻んでいたのだ。
一応俺一人だけでも崖を登って誰かの助けを呼んでくるという案も出たのだが暁さんが『もう一人にはなりたくない』と必死の抵抗を見せたので二人で待つことになった。
「そう言えば、何で俺のこと覚えてたんだ?昨日会ってないだろ?」
全然助けが来る気配がないので俺は少し気になっていたことを暁さんにきいてみた。
「飛翔のことは忘れると困ると思って暇な時は思い出すようにしているの」
暁さんによると、例えば朝遊びに行ったとする。何もしなければ次の日の朝には遊びに行ったことは記憶には残らないが、遊びに行った日の夜にその事を思い出せば、遊びに行ったことは次の日の夜までは記憶に残るということらしい。ただ、思い出せたことしか記憶には残らないらしいので細かいことは、ほとんど覚えられないらしい。
「じゃあ、さっき俺のこと見つけたときどれくらい俺のこと覚えてたんだ?」
「わたしの記憶のことを知っていてそれを隠す協力をしてくれていることと、顔と名前、それから……大魔王さんじゃない方……くらいかな?」
……何日か会わなかっただけなのにコイツの記憶に残っているのは、たったそれだけか……覚悟していたつもりだけどやっぱり、ツラいな……
「……」
「やっぱり傷付けちゃったかな……」
「いや、まあ何てことないよ」
「飛翔にウソをつかれるのは何だか嫌だ……」
……全く、全然俺のこと覚えてないのに俺がウソついてるのはわかるのかよ……俺、ウソつくの上手いんだぜ……まだ俺のこと覚えてるんじゃないかって期待しちまいそうになるだろ……
「……そのさ、正直結構ツラい……でもお前は俺以上にツラいんじゃねえか?」
「!?……別に……そんなこと……ない……です」
「何か俺もお前にウソつかれるのは嫌だな……てか、下手すぎじゃね?」
「しょっ、そんなことないもん!……でも、本当はわたしもツラいのかも……しれない……たぶんだけど」
……たぶんコイツは『自分』ってものが何なのかもわかってないんだろうな……
「お前誰かに人生相談とかしたことないだろ」
「な、無いけど別に困ったことないし……」
いや、お前は明らかに困ったことあるだろ
「でも、どうせ飛翔もしたことないでしょ?」
「俺はあるぞ」
「うっ、裏切り者!」
よく分からないが暁さんがポコポコ殴ってくる。
「何だよ?したことないって言えばよかったのかよ」
「……やっぱりウソは嫌だ」
暁さんの手がとまった。
「なら……今後俺たちの間に、ウソはなしだ!もし、ウソついたら……」
「ついたら……?」
暁さんが唾をゴクリと鳴らそうとしている……まあ、鳴ってないけど
「まあ、そんとき考えればいいだろ」
「……」
暁さんの視線が痛い
「まあ、何されるかそのときまで分からないってのは、それはそれで怖いだろ?」
「……」
どうやら俺の理屈に納得できないようだ。
「と・に・か・く!俺たちはお互いにウソをつかない!それでいいか?」
「うん」
「じゃあ約束な」
俺と暁さんは指切りをしてお互いにウソをつかないことを約束した。
……そう言えば暁さんは人生相談をしたことがないんだったな、せっかくだし俺が相談に乗ってやるか
「よし、せっかくだから俺が人生相談してやるよ!何でも話せ!」
うーん、これは話し出しにくいかな、少し聞き方を変えた方がいいかな……
「その……わたし、あまり『自分』ってものがなくて……」
「お、おう……」
あんな言い出しにくい聞き方でも相談するんだなお前、天然というか何というかやっぱり面白いなコイツ……てか、相談内容が想像通りすぎるんだが
まあ、相談自体は真面目なものだからな俺も真剣に聞かないとな。
「それでお前はどうしたいんだ?」
「えぇーっと、わたしはもっと友達と楽しくお話ししたり、遊びにいったり、あと、出来れば……で、デートにも行きたい!
けど、こんなに曖昧なわたしがそんなことしてもいいのかなって……」
「したいだけすればいいじゃんか」
「そんなの無理だよ、だって……24時間しか記憶に残らないんだよ!昨日までのわたしが何を考えていたのかも分からないし!今こうして飛翔と話していることだって、もしかしたら明日にはもうほとんど覚えてないかもしれないんだよ!それにもし明日1日中目が覚めなかったら……今のわたしはどうなるの?死んじゃうの?」
……それは……
「……別のわたしが生まれて1日前は『特に何もなかったなぁ』って今のわたしが何をしたかったのか、何を想って生きてたのかも全部忘れちゃうの?……そしたら今のわたしには何が残るの?ねぇ……そんな簡単に消えちゃうようなわたしが本当に友達と楽しくお話ししたり、遊びに行ったり、あと、デートに行ったりしてもいいの?……教えてよ……飛翔!わたしに教えてよ!」
暁さんは今自分が抱えている不安や悩み、夢を俺に話してくれた。あまりにも色んなことを吐き出したせいか、涙は止まらないし息も上がっている。
暁さんはこれだけ本気で俺にぶつかって自分の全てをさらけ出してくれた。
今度は、俺が暁さんに答えてあげる番だな……さて、今回だけはおふざけなしで、俺も本気でお前に、俺が今まで学んできたこと全てを教えてやるよ。
「なあ、暁さんがしたいこと俺とするって事じゃあダメか?」
「ふざけてるの?」
……まあ、ふつうはそう思うよなぁ……俺も昔はそう思ってたよ
「俺は本気だ……お前と楽しくお話しもしたいし、遊びにも行きたい、まあ、デートは別にしてだ……
まずは、俺と一緒にお前がしてみたいことをとことんやらねえか?それで他のやつらに自慢しまくるんだよ、俺たちはこんだけ青春してるぞってな……そしたら今度は悔しがってるそいつらを誘って一緒に遊んだりしてよ……そうやってどんどん色んなやつを巻き込んでさ……そういうのじゃダメか?」
「それはとてもステキな事だけど……わたしの問題は何も解決してないし、その事も何日か経てば忘れちゃうよ……」
少し上がっていた暁さんの顔がまたうつむいてしまっていた。
「なら、お前が忘れる度に俺が教えてやるよ」
「えっ?」
「だから、もしもお前が忘れたら俺が全部教えてやるって言ってるんだよ!それに俺はしつこいからなぁ、たぶん一日中お前にあれが楽しかったこれが楽しかったって言いまくって絶対に忘れさせねえからな!」
少しだけ暁さんは顔をあげてくれた。
「でも……もしもわたしが、たまたま飛翔と会えないときに24時間経って全部忘れたら?もう今のわたしはいなくなって違うわたしになるんだよ?そしたらどうするの?どうにかして今のわたしを助けてくれるの?」
「……もしもそうなったとき、たぶん俺は今のお前を助けることは出来ないとおもう……けど、そのときは新しいお前に今のお前がどんなことをしていたのか全部教えてお前のことを忘れさせねえ……てか、まず俺がお前のこと忘れてやんねえ!」
……これでダメならたぶ俺には暁さんの悩みを解決することは出来ないだろう。……本当、俺にもアイツみたいにもう少し教養があれば違ったもっといい方法で解決できたのかもなぁ……
すると色んなことを吐き出しすぎてヘロヘロになっていた暁さんがとても小さな声だったが確かに、こう言った
「本当にそんなことしてくれるの?ウソじゃない?」
「当たり前じゃねえか、それに、さっきお前にウソつかないって約束したばっかりだろ?」
「こんなわたしでも友達とお話ししたり、遊びにも行ったり、それからで、デートに行ってもいいのかな?」
……こんなわたしでも……か、本当コイツは馬鹿だなぁ
「俺はむしろお前だから一緒に色々したいんだよ」
「ありがと……飛翔」
「お、おう」
何だ……今『ありがと』って言ったときのコイツの顔メチャメチャ可愛いくなかったか?
「あのさぁ暁さん」
「ん?なに?」
暁さんはキョトン?と首を傾げて聞いてくる。
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