こんなわたしでもいいですか?

五月七日 外

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大魔王ディザイア=スプラウト=ノート

大魔王ディザイア=スプラウト=ノート①

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「どうもお久しぶりです。……わたくしのこと覚えてます?」
 とまあ、いつも通り挨拶をしているのはわたくしこと赤城飛翔でございます。
 ……いやぁ、本当に久し振りの登場ですよ!前回までは彼女ら三人がメインになってしまったもので主人公が出てこないという状態に……いえ、大魔王さんはちょっと別枠と言いますか……

「それでは、久々に登場する彼の活躍をご覧ください。どうぞ!」
 


「それで、アイツのこと何か分かったのか?」
 俺は昨日、早速行動してくれた三人から大魔王の観察を終えたから集まろうと言われたのでいつものファミレスで作戦会議を開いていた。
「わたしにはよく分からなかったんですけど、由依さんが分かったらしいですよ」
 栞が何故か少し悔しそうに教えてくれた。……昨日ケンカでもしたのかな?まあ、変態さんの栞が何かやらかしたんだろ。後でフォローでもしてあげるか……
 俺がそんなことを考えていると由依が話始めた。
「わたしの考えをいう前に質問してもいいかな?」
「いいけど、俺はあまりエセ大魔王のこと知らないぞ?」
「うん大丈夫、たぶんだけど……大魔王さんって飛翔君が二重人格者になったときから成長してないんじゃないかな?」
「どういうこと?」
 昴は由依の言葉の意味が分からなかったらしく質問している。
「何て言えばいいのかなぁ……えっと……」
 由依が困ってそうなので代わりに俺が説明することにした。
「いいよ、由依がさっき言ったことはあってるから……俺から説明する。俺が二重人格者になったのは小学校入る前くらいだったことは大丈夫か?」
「「うん」」
 何故か栞も頷いてる。
「それで、そのとき出来た別人格が大魔王な訳だが、アイツは最初から精神年齢が今と同じだったんだ」
「ん?」
 昴には少し難しかったらしく首を傾げている。
「つまりあれですね、ショタの飛翔さんに今とほとんど同じ大魔王さんが別人格として生まれちゃったんですよ!まあ、高校生のお兄ちゃんが来たよ~みたいな」
「なるほど、分かった」
 どうやら今の説明で理解したらしい。……栞は本当、頭の中どうなってるんだ?まあ、栞の説明で理解出来る昴もヤバイかもだけど……
「まあいいや……それで、アイツは今日までずっと精神年齢変わってないけどそれがどうかしたのか?」
 俺は由依にそう聞いた。
「たぶん、当時の飛翔君がお兄ちゃんができたよ~って思ったのと同じで大魔王さんも弟が出来たみたいに思ってたんだよ……だからかな、飛翔君のことをかなり大切にしてる」
「そうかなあ?……あまりそう思ったことはないけど……」
「でも、一度は大魔王さんに助けられてるでしょ?」
 ……確かに一度だけアイツに救われたことがあるけど……
「よく分かったな」 
「わたしの考えが正しければそのときのことを大魔王さんはまだ引きずってるんだよ……恐らくそのときに出した答えが間違ってたから……二人とも」
「アイツは正しかった!」
「ひっ!」
 俺が席から立ち上がってしまい昴を驚かせてしまった。
「あっ、悪い昴。……ちょっと熱くなってしまった……悪いけど、俺はあのときアイツが間違えたとは思ってないし、あるとしたら俺が間違えてる」
 俺は由依に向かってそう言った。
「……違うよ、二人とも間違えてる……じゃないと今の状況になってない」
「けど……」
「あの~……わたしたち話についてけないんですけど?」
 栞が俺たちが話してるとそう言ってきた。
「確かにあのときの話をしないとだな、一応由依も聞いてから俺たちが間違えてたのか判断してくれ、まあ俺目線だからアイツの考えとは少しズレてるかもだけどな……えっと、俺たちは何か問題があったら人生相談や作戦会議を開いて解決してきただろ?」
「うん」
「そうだね」
 由依と昴が頷いてる。
「作戦会議を開いたり人生相談をして悩みを解決するって方法は元々俺の考えじゃなくて大魔王が俺の悩みを解決してくれたときにやってた方法なんだ……」
「そうだったんですね~」
 ……栞はちゃんと聞いてるのかな? 何か返事が適当な気がする……
「それで、そのときに間違えた答えを出してしまったのが今の状況の原因?」
 昴がちゃんと理解できたようでそう聞いてきた。
「わたしの考えがあってればだけどね」


こうして、みんなに俺にとって最初の人生相談の話をすることになった。 
 
 
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