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魔王軍幹部も大変なようで。
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「すまぬ、やりすぎたわー」
てへっと、可愛らしく頭に手を当てて謝るリア。
しかし、その可愛らしい姿とは裏腹に目の前に広がる光景は悲惨なものだった。
まず、数秒前まで緑が茂っていたウルサ平原は何処へ行ってしまったのか、地平線の彼方まで漆黒が広がっていた。恐らくこの漆黒はウルサ平原を吹き飛ばして地面に出来た穴なのだろうが、穴の大きさが大きさなのでただの暗闇にしか見えないし、ただの人間の俺には穴の全貌なんて把握できそうもなかった。
試しに近くに転がっていた小石を投げてみたが、いつまで経っても石が地面に当たる音が帰ってこなかった。……うんうん、ここから落ちたら確実に死んじゃうね……
冷静に現状を把握して一言。
「いやぁ、いくらなんでもやり過ぎでしょ」
「だって……くしゃみで、つい力んじゃったんだもん!」
「力んじゃったんだもんって……それでこれは……」
「シノさん、魔王さまも反省してますしそれくらいに」
ノミコに言われて少しだけ冷静になった。
目の前に広がるあまりの光景にかなり動揺していたが、よく考えてみれば人間と魔物は敵同士なのだ。それにリアは魔王なので、これくらいのことできても当然なのかもしれない。
それにだ。シュンとした様子の幼女を叱る男子高校生の図は異世界でも許されるのだろうか。
そんなことを考えると、ここで俺がリアにどうこう言うのも違う気がした。
「けど、せめてこれくらいは……」
同じ人間同士だ。
あの女勇者がいい人なのか悪い人なのかすらわからなかったが
一応、亡くなってしまった女勇者の冥福を祈っておく。
すると、漆黒に向かって手を合わせる俺を不思議そうにリアたちが見つめていた。
「シノはさっきから何をしとるんじゃ?」
「何ってさっきの人の冥福を祈って」
「ん?あの女勇者なら死んどらんぞ?」
ほれと、リアが軽い調子で手を翳すと虚空から先の女勇者が現れ地面へと落ちた。
「え、え?えええぇー!?」
俺の叫び声だけが空へと響き渡った。
てへっと、可愛らしく頭に手を当てて謝るリア。
しかし、その可愛らしい姿とは裏腹に目の前に広がる光景は悲惨なものだった。
まず、数秒前まで緑が茂っていたウルサ平原は何処へ行ってしまったのか、地平線の彼方まで漆黒が広がっていた。恐らくこの漆黒はウルサ平原を吹き飛ばして地面に出来た穴なのだろうが、穴の大きさが大きさなのでただの暗闇にしか見えないし、ただの人間の俺には穴の全貌なんて把握できそうもなかった。
試しに近くに転がっていた小石を投げてみたが、いつまで経っても石が地面に当たる音が帰ってこなかった。……うんうん、ここから落ちたら確実に死んじゃうね……
冷静に現状を把握して一言。
「いやぁ、いくらなんでもやり過ぎでしょ」
「だって……くしゃみで、つい力んじゃったんだもん!」
「力んじゃったんだもんって……それでこれは……」
「シノさん、魔王さまも反省してますしそれくらいに」
ノミコに言われて少しだけ冷静になった。
目の前に広がるあまりの光景にかなり動揺していたが、よく考えてみれば人間と魔物は敵同士なのだ。それにリアは魔王なので、これくらいのことできても当然なのかもしれない。
それにだ。シュンとした様子の幼女を叱る男子高校生の図は異世界でも許されるのだろうか。
そんなことを考えると、ここで俺がリアにどうこう言うのも違う気がした。
「けど、せめてこれくらいは……」
同じ人間同士だ。
あの女勇者がいい人なのか悪い人なのかすらわからなかったが
一応、亡くなってしまった女勇者の冥福を祈っておく。
すると、漆黒に向かって手を合わせる俺を不思議そうにリアたちが見つめていた。
「シノはさっきから何をしとるんじゃ?」
「何ってさっきの人の冥福を祈って」
「ん?あの女勇者なら死んどらんぞ?」
ほれと、リアが軽い調子で手を翳すと虚空から先の女勇者が現れ地面へと落ちた。
「え、え?えええぇー!?」
俺の叫び声だけが空へと響き渡った。
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