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本編
第2話
しおりを挟む『なっっ失礼な!毛玉とはなんですか!!
わたくしは天使様の使いのものです!』
天使の使いと名乗るものは、毛を膨らませて怒っている。
「俺口に出してないのに・・・心読まれてる?・・・・・それにここどこ?」
混乱している頭をなんとか落ち着かせ、今の状況を訪ねる
『もっと驚いてよ~むぅ~
あ、心の声は力のあるもののみ自然と聞こえちゃうんだ~
僕も、あと少しで天使になれるんだ~?どう?すごいでしょ~!
それと、ここは世界と世界の狭間だよ~』
急にフレンドリーになった毛玉・・
(何を言っているんだ?・・・いや、これは夢か?)
龍斗は今まで遊んで来なかったことが原因で小説などの流行りのものには疎かった・・・
『夢じゃないよ~
なんで君がここにいるかって言うとね~
本当は君の生まれた世界は別にあるんだ~
そこは魔法と呼ばれるものが存在していてね~?
君は生まれる前から強力な魔力があることがわかってたんだけど・・・
ある陰謀があったようで~・・・故意に魔道具を付けられた君が異世界転移してしまったんだ~
本来なら、その魔道具は森の奥深くに転移する仕掛けだったみたいなんだけどね~・・(何故世界を超えたのかまだ、調べ途中なんだよね~)
育った国で何か疑問に思ったことはない? ピアスが外れない理由とか~』
「確かに外れないピアスは気になったが・・・・」
『そのピアスはね魔法で君自身に固定されてるんだよ』
「ま、魔法?・・・ってなんだ?
それに、もし違う世界で生まれたのが本当のことだとして・・・なぜ今更?」
(何が何だかわからなくなって来た・・・生まれた世界が違う?
俺はずっと・・・っっっ・・一人だと思って来た・・・なのに今更・・)
その後、ふと天使の使いが雰囲気を変えた・・
とても慈悲深いような・心が落ち着くような雰囲気に・・・
『それはごめんね、世界はとても大きい
一つ一つの命を見て回ることは出来ないんだ
なぜ今気づいたのかと言うとね・・・
君のご両親が22年間探し続けてたからなんだよ
各地を巡りその度に教会に寄って祈りを捧げてたんだけど、毎回同じ祈りでね・・・
【どうか息子が無事に生きていますように】って・・・
最初、神様は戦争か何かだと思ってたけど22年間ずっとはおかしいと思って調べたら、君にたどり着いたんだよ
龍斗君、君にね
神様は君を本来住む世界に、家族の元に送り届けようとなさったけど
世界を超えるのには手続きが必要でね・・・1年もかかっちゃったんだ』
なぜかそんな雰囲気に嘘を言っているわけではないと思った・・・それに・・・
「っっっっじゃあ・・・おれはっっ・・・・すてられてなかったのかっ?」
(正直・・・・違う世界とか魔法とかよくわからない・・・けど・・
目から涙が溢れてくる
本当は俺・・・待ってたんだ・・・ずっと・・)
『うん・・捨てられてないよ
大丈夫・・・よく頑張ったね
君の事情は神からお告げとして国に、君の両親に伝わるから安心してね
そうなった原因は伝えてあるから国が動くでしょう
本当は肩入れしちゃいけないけど、今回は異例な出来事だ
世界転移させた道具はこちらで壊させてもらったよ・・世界の理が揺らぐから
・・・ただ気をつけて欲しい事がある。
まだ、君が世界を超えた原因が分かってないんだ・・・それを心に留めておいて・・
あと、こちらは生命には直接関与できないから処分は国まかせになるよ・・・
魔法や国のことはこれからゆっくり学ぼう
何かわからないことがあったら僕を呼べばいいよ
神様と天使様にもお願いされているから、頼ってね!』
「っっありがとうございます
でも・・・・簡単に呼んでいいのか?」
『大丈夫だよ~
こう見えてぼく暇なんだ~
心で呼んでくれれば直ぐにいくよ!』
「くすっ ありがとう
名前はなんて呼べばいい?」
またフレンドリーになった毛玉に笑みがこぼれる・・・
『ないから君が決めて~』
(名前ないのか・・・じゃあ、毛玉でふわもこだから)
「【ケファー】ってどうかな?」
『毛玉・・・まぁ・・いいよ・・ぼくの名前はケファーね!!
あ、名前で思い出した!!
龍斗君、君の本当の名前は【レイズ・クライト・シルバ・ジール】だよ
そろそろ時間だから、君の生まれた世界【ストーム】へ送るねっっ!!』
ケファーは俺にそう言うや否やぴかっと光った。
(ちょっっ 最後!!俺の名前とか結構重要なことを話してた気がする・・ん・だが・・)
だんだんと眠くなってきて、目が閉じてしまった。
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