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スキャンダラスで破滅的な恋を
吉谷のスキャンダルな恋⓸
しおりを挟む犬飼君が金欠と知った僕は、そりゃあ、財布の紐を緩ませっぱなしにした。スタッフらとの食事代をはじめ、他にも現場の人間を労うための、差し入れやケータリングなどの費用もだし惜しみしなかった。
もちろん、僕の名が表にでないようにし、「太っ腹な主演からでーす」と触れ回るようにさせるなど、お膳立てもして、だ。
その甲斐あって、はじめは「若手なのに、でしゃばりすぎ」と煙たがれていたのが、「若手ながら、現場を分かっていて、しっかりしている」とスタッフらの見る目は変わっていったようだ。
犬飼君が意見をして撮影が止まっても、前よりスタッフらの向ける視線は刺々しくなくなった。
「あざといのよ」と舌打ちをする千夏ちゃんは、相変わらず手厳しいとはいえ、それ以外のスタッフや共演者は「この若手俳優を主役として盛り立てていこう」という思いで結束しつつある。
そうして犬飼君を中心にドラマを躍進させようと、奮闘する現場を眺めていると、この秘めた恋が報われずともかまわないと思うほどの、並々ならぬ満足を得られた。
わけでもなかった。
さらに欲張りになったきっかけは、犬飼君が雑誌を読んでいて口にした一言だった。
「これ、欲しいなあ」と。
読んでいたのはメンズブランドの雑誌で、「これ」は高級ブランドの腕時計を指していた。
「いいよ、買ってあげよう」と喉からでかかったのを、どうにか飲みこんだ僕だけど、諦められずに、どうにかプレゼントできないかと算段をした。
で、思いついたのが、ファンを装い、犬飼君に贈り物(貢物)をすることだった。
方法は、差出人が分からないようにして配達を頼むというもの。
ばれたら事だから、慎重を期して、追跡番号から特定されないよう、わざわざ隣県に赴き配達を頼んだ。
差出人が不明では、怪しいとされ中身を確認される前に捨てられるかもと、心配だったけど、配達の手つづきをしてから三日後、雑誌の取材のときに、犬飼君はその腕時計をしていた。
腕時計を目に留めたときの、衝撃たるや。
表情を変えないようにしつつ、頭の中では一面に広がるお花畑で狂喜乱舞したもので。
十分に浮かれに浮かれさせてもらったものを、仕事のできる記者が、まさに腕時計について聞いてくれ「ああ、これですか?」と喜色満面の笑みまで拝ませてもらった。
「僕みたいな若いのには、不相応かもしれませんが、ファンの人がくれたものなんで。
なるべく腕につけて、『ちゃんと受けとったよ』『ありがとう』って伝えたいんです」
「尊い」と泣きながら崇めたくなったのは言うまでもない。
思いを打ち明けるつもりがなく、恋の成就も願っていないとはいえ、抑制しきれない熱情があるのだろう。
僕が贈り主なのを知らずとも、犬飼君が顔をほころばせると、すこしは報われた気になる。
という、味を占めてしまった僕は、犬飼君が欲しがるものを、本人や周りから聞いたのを片っ端から、匿名で贈りつけた。
それが届くたびに「これ、またファンの人にもらったんです!」といちいち報告してくれる、取ってきたボールを見せる犬のような無邪気さはプライスレス。
死ぬまで恋が実らなくても、贈り物(貢物)ができれば悔いはないかも、なんて思ったのだけど。
「お前、それ騙されているよ」
焼き鳥を咥えようとして、口を開けたまま留まった。
大分、間を空けてから「え」と隣に向くと、髪をオールバックにした厳つい男が、額に皺を寄せて、こちらを見ている。
冗談でなさそうなのに、うろたえつつ、とりあえず焼き鳥を皿に置いた。
ここは会員制の焼き鳥屋で、カウンターの隣に座っているのは、友人であり先輩俳優の大川将だった。
五歳から子役でばりばり働いていて、芸歴もキャリアも、同い年の僕より十年長い。
初めて出会ったのは、僕がデビューしたドラマで、だ。
その時点で大川はすでに芸歴十年、同世代の俳優の中では群を抜いて知名度が高く、演技力が秀でて周りからも認められていた。
そんな大川が満を持して主役に抜擢されたドラマに、僕が二番手を演じることになった。
威勢がよく口さがない大川は、そりゃあ「こんな、ど素人とやってられるか!」とはじめ、ぎゃんぎゃん吠えていたものの、兄貴分な性格もしているから、「見てられねえな!こう、やんだよ!」とそのうち、お節介を焼いてくれるようになった。
ドラマデビューにして、ど素人な僕が何とかさまになり、注目されるまでに至ったのは、大川のおかげと思っている。
そのときの恩義を忘れることなく、それ以来、ずっと慕っているわけで、大川にしろ僕を弟分のように思いつづけ、目をかけてくれているのだろう。
成人してから大川は、兄貴分な性分を活かして、任侠モノや極道モノといったVシネの分野で活躍をしだした。
今では、その筋の人に「大川兄貴」と呼ばれるほどの貫禄をつけ、中堅俳優の中で他の追随を許さない独自の地位を築いている。
シリーズとなっている代表作「ハイブリットカー野郎」は一般にも広く知られているし、また、二十一で結婚して子供を五人持つパパタレとしても有名で、幅広い活動をしていた。
ただ、僕とは活動範囲が違うので、仕事で顔を合わせる機会がない。
二十年間で共演したのは僕がデビューしたドラマでの一度きりで、それでも友人としての付き合いはつづいており、普段から電話を交わしているし、一ヶ月にニ、三回は必ず、こうして二人きりで外食をしている。
大川が僕をどう思っているかは分からないものの、僕にとって、大川ほど一緒にいて心休まる相手はいなかった。
人の傍にいると、どうしても思いを汲みとり察することに神経を使ってしまう。
癖のようなもので、無自覚にするのだけど、大川相手にだけは、そのアンテナが発動しないのだ。
なんたって、思いを汲みとり察する前に、思うまま発言して奔放にふるまうから。
言葉や表情、行動に本音が剥きだしになっていて、底意や他意があるようには見えない。
犬飼君のことを打ちあけたときにも、「お前、キモイな」と言いつつ、「おい、犬飼とはどうなったよ」と好奇心丸出しで聞いてきたもので。
僕にすれば、理解のあるふりをして、無理に話を合わせてもらうよりは、気が楽だった。
とはいえ、「騙されている」とは、さすがに辛辣だ。
と、思いつつ、何となく反論や抗弁がしにくくて、聞かなかったことにしたく、また焼き鳥を持ち上げようとした。
が、口に持っていく前に「だからな、お前、犬飼に騙されているかもって話だ」と念を押される。
しかたなく、また焼き鳥を戻して「騙されているなんて」と言いつつ、大川のほうを向かずに皿の縁を見つめた。
「彼の代わりに奢るのなんて、大した金額じゃないよ。
僕がスタッフや共演者を誘わない分、払っているようなもので。
それに、そんなに高い店には行かないし」
「じゃあ、ファンを装って贈り物するのは、どうなんだよ」
「そ、それだって・・・・別に」
「嘘だな。
お前、結構もう、貢いでるんだろ。
まあ、いいよ、そりゃあ、お前が自己満足でしていることだからな。
ただ、あいつが、そこまで貢がれて気づかないわけないだろ。
お前の前で『これ欲しいな』って言っていたものが、数日後に、贈られてきたら、気づかないわけがない。
一度ならまだしも、何回もつづいて気づかないほうがおかしい。
おまけに、お前に見せてるってんなら、余計だ。
あざとすぎる」
よく「あざとい」と舌打ちしている千夏ちゃんが思い浮かんだものを、記憶を払うように顔を振り「騙されていたとしても、かまわない」と串を握る手に力をこめる。
「僕が直接、渡しても、受け取れないだろうから。
遠まわしに、おねだりされている思えば、悪い気はしないよ」
「そうきたか・・・。
はー、これは黙っておこうと思ったんだがな」
「騙されている」の一言で動揺させられて、さらに、ため息を吐かれては、嫌な予感しかしない。
あからさまな嘘を吐いてでも、店を後にするか、お手洗いに逃げたかったものを、犬飼君のことを何でも知りたいと思う自分もいて、結局、席を立たなかった。
監督に喧嘩腰につっかかって憚らない大川にして、話しづらいのか、ジョッキに残っていたビールを一気に煽り、テーブルに叩きつけてから「今の撮影現場に女のディレクター助手がいるんだよ」と口を切った。
「前はドラマ班だったのが、映画班に移ってきたらしい。
そいつは仕事できるし、俺に遠慮なく噛みついてくるガッツのある奴で、気にいってんだ。
だから、そいつを含めたスタッフたちとよく飲みにいっている。
で、その日も飲み会で、俺のお気に入りのそいつが、仕事で嫌なことがあったらしく、大分、酔っ払って喚きだしてな。
俺がそれに付き合ってやったら、前のドラマ班から移ってきた事情を話しだしたんだ」
そこまで、ほぼ間を空けずに話していたのが、口をつぐんでビールの縁を指でなぞっている。
まだ、躊躇いや迷いがあるらしく、そのさまを見るに、さらに悪い予感がしたのだけど、果たして「そいつは、犬飼の出演ドラマで仕事をしていた」とつづいた。
「そのとき、アシスタントの女がいて、そいつは可愛がっていたらしい。
ただ、犬飼のファンとかで、ミーハーなところがあるのを心配していたらしいが、不安は的中して、突然アシスタントが無断欠勤をした。
電話をしてみたら、犬飼に襲われそうになったって、泣いていたんだと。
そいつは正義感の強い奴だから、自分の勤めている制作会社にこのことを訴えた。
が、犬飼のバックには、悪名高いと噂される大手事務所がいるし、会社もそこに世話になっている。
犬飼が売りだし中とあっては、クレームを入れたら所属タレントを回してくれなくなる可能性があると考えたんだろ。
会社は何もしなかった。
怒ったそいつが、声を上げたものの、アシスタントが『これ以上、騒ぎになると会社に居づらくなる』って言うんで、しかたなく刀を収めた。
が、会社に煙たがられて、映画班に異動させられたってわけだ」
「だから、お前」と汗をかくジョッキを見ていたのを、僕のほうに振り向いて、大川は言葉を失くした。
不思議に思い、首を傾けたところで、目から溢れたものが頬を滴った。
「わ、ごめん、ごめん」と慌てて頬を拭いつつ「そっか、そうだよな」とうな垂れる。
「犬飼君の年ならお盛んで当たり前だし、そもそもモテるだろうし。
いや、分かっていたんだけど、いざそういう話を聞くと、辛いものがあるよ」
男気溢れる大川だから「男がそんなことで泣くな!」と一喝してくると思いきや、「お前・・・・」と声を震わせているに、僕と同じように涙ぐんでいるらしい。
少しして、肩を抱き寄せ「あー悪かった!」とむしろ謝ってきた。
「すこしは、恋にお熱なお前が、冷静になってくれたらと思ったんだが。
お前に、そんな悲しそうな顔をさせるだけなら、話すんじゃなかった、すまーん!」
いつも豪気な大川兄貴は、こういうときには案外、一言で切って捨てるようなことをしない。
女々しくめそめそする僕に愛想を尽かしても、おかしくないところ、自身に非があるとして、詫びるくらいなのだから、情に厚くお人好しといっていいだろう。
相変わらず、懐が深いなあと感心しつつ、酒を一滴も飲んでいないはずが、眩暈を覚えるほどに僕はショックに打ちのめされていた。
その後、ずっと大川は僕の肩を抱き寄せたまま、慰めてくれたとはいえ、深海まで沈みこんだような気分は、すこしも浮上することがなかった。
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