異世界転生したら自分の息子になったけどまた死んじゃったので膣内射精からやり直します!

浦登みっひ

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ドラゴンなんて実在するわけねえじゃん

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 成長して十一歳を迎えた俺は、猫の敏捷性と鳥の飛行能力に加えて、狼の嗅覚と走力、そして熊の膂力を身に着けていた。どうやってその力を手に入れたかは聞かないでくれ、頼む。
 手近なところに生息している生物の能力を一通り使えるようになったわけだが、俺はまだ不十分だと感じていた。これだけの能力を手に入れても、俺は他の戦闘タイプの姉妹たちに肩を並べることすらできていなかったからだ。
 色々な動物の能力を寄せ集めてるんだから、ただの普通のガキにすぎなかった前世とは比べ物にならないほど今の俺は強い。だが姉妹たちは熊とタイマン張って普通に狩ってくるような強者揃いなのだ。いずれ戦うことになるであろうローリアン皇子は、その姉妹たちが束になってかかっても仕留められない相手。今の俺の力で奴に勝てないことは明白だった。

 もっと力が欲しい――。
 ある晴れた昼下がり、俺は部屋のベッドで輾転反側しながら強くなる方法を考えていた。

「強くなりたいと思いつつ、地道に剣術の稽古に励もうという発想は湧かないのだな、主よ」
「わっ!」

 驚いて飛び起きると、窓辺にちょこんと座る黒猫の姿が目に入った。イケボのタクシーである。女に囲まれて生活してると男の野太い声を聞く機会なんて全然ねえから、声かけられただけでなんかビビっちゃうんだよな。俺はベッドに寝直しながら答えた。

「や~、無理無理。地道な稽古なんて焼け石に水だって。俺が剣術なんかやって強くなれると思うか? せっかく便利なチート能力があるのに、無駄な努力してどうすんだよ」
「しかし、ローリアン皇子はチート能力を持っているわけではない。生まれ持った身体能力と純粋な鍛錬のみであれほどの強さを手に入れたのだ。主どのの今の身体能力なら、剣の技術さえ身に着ければ、十分ローリアン皇子に対抗できるように思うが」
「わかってねーな、お前。なろう系の読者はそういう地道な努力とか求めてねーんだってマジで。最初から強いかお手軽に強くなってパパーっと敵をやっつけて女にチヤホヤされねーと読者様は満足しねえの。つーかあの皇子の顔と生まれつきの身体能力ってそっちのほうがよっぽどチートだろーが。はい、この話は終わり。つーわけで、なんかもっとサクッと強くなれる方法ねえかなあ」

 タクシーは猫の分際で呆れたような溜め息をついた。

「主どのにその気がないなら、まあ仕方ないか……そうそう、前から思っていたのだが、手っ取り早く強くなりたいのなら、姉妹たちの排泄物を……」
「無理」

 タクシーの言葉を遮って、俺は即座に否定した。奴が言わんとしていることは皆まで聞かずともわかる。

「何故だ? 猫や熊や狼のものは食べられて、人間のものは無理という道理はあるまい」
「猫のやつは食べたくて食べたんじゃねーよ!」

 猫のフンは、俺がまだ身動き取れず言葉も話せなかった赤ん坊のころ、無抵抗の俺にこいつが食わせやがったものだ。説明するより早かろうとか言って踏ん張りやがったが、よくよく考えると説明してくれればわかる話だろあれは。

「ああ、そうだったな、失敬……」
「つーか他の奴らも同じだ、強くなるために仕方なく食ったんであって、自ら望んで食ったわけでは決してない!」
「だが、強くなるためならば、主どのの姉妹たちやエリウ殿はこの上ない最高の素材ではないか? 動物なら我慢できて人間は無理という理屈がわからないのだが」
「相手が人間だとプレイになっちまうだろーが。スカ〇ロは絶対無理。見るだけでも気持ちわりーもん」
「動物だとプレイにならないのか?」
「うむ。俺は基本的にノーマルな性癖の人間なんだよ。なんかねーのか、他のアイディアは」
「ふむ……アイディアを求められるならば」

 黒猫のタクシーは後ろ足で二、三度左耳の裏をかいてから言った。

「そういえば、これは仲間の猫から聞いた話だから確証はないのだが、どうもこの近くの山に、最近竜が移り住んで来たとかなんとか……」
「はあ? 竜だ? んなもんいるわけねーだろ」
「まあ、私もそうは思うのだがな……」

 竜なんてものは所詮、大昔の人間が考えた想像上の生き物である。そんなもんが都合よくこの世界に存在するわけが……。
 と、その時。部屋のドアの向こうから、突然ドタドタとけたたましい足音が聞こえてきた。

「タケル! たいへん!」

 ドアをぶっ壊しそうなほど凄まじい勢いで部屋に飛び込んで来たのはフィリアだった。

「おい、人の部屋に入るときはノックぐらいしろっての」
「したでしょ、今」
「ぶっ叩いて開けるのはノックとは言わねえよ!」
「そうかしら――あれ、さっきなんか話し声聞こえたんだけど、タケル誰と話してたの?」
「は?」

 俺は黒猫のタクシーがいたはずの窓辺へ視線を戻したが、そこにはもう黒猫の姿はなかった。逃げ足の速い奴め。
 人語を喋る猫とか説明しだすとややこしくなるし、そもそも猫に話しかけるような寂しい奴とも思われたくないので、俺は適当に誤魔化すことにした。

「独り言だよ、独り言」
「独り言……? あんな大きい声で? タケル大丈夫? 何か悩みでもあるの?」

 フィリアは心配そうな表情で俺の顔を覗き込む。誤魔化すつもりがかえって惨めな感じになっちまったじゃねーか。話題を逸らさねえと。

「ねえよそんなもん。それよりいったい何の用だ? 何かヤバい夢でも見たのか?」

 フィリアの予知夢は前世まで含めても未だ一度も外れたことがない。失敗したとはいえローリアン皇子の侵攻に事前にある程度対策を立てられたのも、フィリアの予知夢あってこそである。だからフィリアの言う『たいへん』には、他のガキンチョどものイタズラとは別次元の重要性があるのだ。

「そうそう、聞いて聞いて」

 女がこう前置きして語る内容なんて前々世の人間世界でも誇張なしで99%はクソくだらねえ内容なのだが、この日のフィリアは本当に貴重な情報をもたらしてくれた。

「実はね、今日、ドラゴンの夢を見たんだ」
「ど、ドラゴンだって? ドラゴンってあの、伝説上の生物の?」
「そう。そのドラゴンだよ。すごく大きいドラゴンと、みんなが戦うっていう夢」
「戦う? ドラゴンと? マジかよ?」

 ドラゴンが襲撃してくるつったら正直ローリアン皇子どころの騒ぎじゃねえ。ローリアンはめちゃめちゃ強い点以外は普通の人間だが、ドラゴンは人間の規格とは比べ物にならないバケモノなのだ。そして次の問題は、そのドラゴンが俺たちを襲ってきてどういう結果になるか。つまり勝てるか勝てないかである。俺はフィリアに尋ねた。

「そんでその夢、最終的にどうなった? 俺たちは勝てるのか?」

 フィリアは首を横に振る。

「それが……みんなが戦い始めたところで目が覚めちゃったから、結果まではわからなかったの」

 何だよそのアニメの次回予告みたいな夢はよ!
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