白砂の咎人

杏仁みかん

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第一章 荷台に棲む獣〈こども〉たち

#3:夢見る兎 - 5

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 その晩、遅くまで父親を待ち続けたクニークルスは、食卓の上で頭を何度も傾けながら眠気と戦っていた。
 母親は娘の頑張りをただただ見守るしかない。遅かれ早かれ、やがては自分でその生き方を選択することになるのだから。

「すまない、遅くなった」

 息を荒くした父親が帰って来た。玄関から吹きつけた寒気に、クニークルスは身震いをして目を覚ました。

「パパ……」
「よく我慢したな。もう日も変わるってのに」

 娘は首を横に振る。それより話が聴きたい──真剣な眼差しはそう物語っている。

「……あの後、石材の業者が来てな。外の事情を伺った」

 父親は言いながらコートも脱がずに椅子に座った。

「各地でバケモノのような砂渦や砂嵐が発生して、街がことごとく壊滅状態に陥っている。落ち着いた頃には瓦礫の山しか残らず、人も家畜も骨一つ残らないそうだ」

 クニークルスも母親も、言葉を失った。
 母親は噂を聞いてはいたが、せいぜい建物が吹き飛ぶぐらいだと思っていただけにショックな内容だった。
 「砂」とは、いったいどのようなものなのだろう。砂が広がる前からこの街にいた母親には想像がつくはずもなかった。

「この街もいずれ砂にやられるかもしれない。だが、外に出ても危険なことには違いないんだ」
「じゃあ、どうするの……?」

 震える声で尋ねるクニークルスに、父親は優しくその髪を撫でてやる。

「何もしないよりは、した方がいいだろう? パパは逃げた方がいいと考えている」
「ほんと?」
「頑丈なトラックで奇跡的に生存した一例があるそうだ。吹き飛んで大怪我はしたものの、荷台にいた家族は生き長らえたらしい」

 一方、運転手は運転席に入り込んだ砂で骨も残らず死んだのだが──父親は娘を怖がらせないよう、その部分だけは端折った。

「では、いつここを出るの?」母親が訊いた。「その砂嵐とか砂渦は、前触れもなく現れるんでしょう?」
「ああ。だから、なるべく早い方がいい。車さえ調達出来れば、直ぐにここから出られるだろう」

 だが、母親は思った。その車はどこから手に入れるというのか。
 食べるのでさえままならない今、車を買う程のお金はないのだ。

「ああ、車のことなら心配しないでくれ」

 父親はそんな母親の考えを汲み取って言った。

「業者に同伴を頼んだ。明日の朝までに話せば、一緒に連れて行ってくれることになっている」
「まあ! なんて気前がいいんでしょう」
「なあに、隣の中継都市に着くまでの間だけさ。我々は荷物のついでとなる。そこから先は、キャラバンにでも混ぜてもらうことにしよう」

 クニークルスは話の内容を完全に理解したわけではなかったが、「車に乗せてもらえる」ということだけは理解出来た。

「そういうわけなんだが、お前たちの意見も聞きたい。二人はどうなんだ?」

 母と娘は互いに見つめ合った。二人とも不安の入り交じった顔だ。
 どんな選択をしても危険が付き物だと分かっているだけに、答えるのが恐ろしい。

「■■■、あなたはどうしたいの? こんな話を聞いた今でも、外に行きたい?」

 娘は頭を抱え、あらゆる可能性を小さな頭でできる限り考えた。
 やがて、あることを思いつくと、唇をぎゅっと結んで顔を上げた。

「……うん。アタシ、やっぱり外へ行きたい」
「どうして?」
「だって、ここは小さい街でしょ? 外がもっと広いのなら、アタシは広い方に逃げた方がいいと思う!」

 父親も母親も舌を巻いた。娘の意見は理に適っている。
 砂嵐も砂渦も、ところ構わず発生しているわけではない。不規則ではあるが、連続して起こるようなものでもないらしいのだ。

「……ママ、アタシ、おかしいこと言った?」

 あんぐりと口を空けて驚いている二人に、娘は多少不安になった。
 母親は柔らかい笑みを浮かべ、娘を胸に抱いた。

「そうじゃないのよ、■■■。あなたの意見がとても良かっただけ。私もその意見に賛成だわ」
「ああ。これで決まりだな。明日、業者に話すよ」

 その後、クニークルスはそのままベッドで眠り、父親と母親は娘を起こさぬよう、夜を徹して旅支度を始めたのだった。


   ◆


 翌朝。風もなく穏やかで、冬にしては珍しく暖かな晴天だった。
 母と娘は、早朝から昨日作ったような弁当を三倍に増やして作り、父親は早速業者と話をしに出かけた。
 あれもこれもと詰めていた荷物は結局全部収まったが、驚くほど軽かった。それだけ家にはモノが無かったからである。お陰で、妙な心残りもなく、旅をすると言っても大して気持ちは変わらずにいられた。

「ママがパパの分まで荷物を担ぐから、あなたは自分の分を背負うのよ」

 そう言って、母親はクニークルスの背に大きなリュックを背負わせた。

「どう? 重くない?」
「へいきだよ」

 クニークルスは力強く答え、ぴょんと軽く跳んで見せた。

「頼もしくなったわね」

 母親は自分の分を背負い、その上から父親の分を担ぐ。
 あまりにも大きな荷物に、今度はクニークルスが心配になる。まるで大きな岩を担いでいるかのようだ。

「ママは大丈夫? 重くない?」
「ええ」

 二人は外に出て、空っぽになった家を振り返った。
 何もない、寂しい石造りの家だった。なのに、たくさんの思い出だけは今もそこに留まっている。まるで残留思念のように。
 目を閉じるだけでいくつもの思い出が蘇る。クニークルスはそれをしっかりと頭の中に焼き付けてから、

「ばいばい」

 と、我が家に別れを告げた。

 二人が坂道を登っていくと、街の人々が驚いた顔で出迎えた。

「えっ!? 何処か行くんですか!?」
「まさか、旅をするつもりなんじゃあ?」

 心が痛む。ここを離れたくても離れられない人も大勢いるというのに、勝手に逃げるような真似をするのだ。

「ごめんなさい」

 母親は一人一人に謝った。特に親しい人には丁寧に別れの挨拶を済ませた。
 それでも、皆は決して咎めたりはせず、お元気で、と声をかけてくれた。中には涙を流す程の者もいた。

「この街の人々が優しくて本当に良かった」

 母親の呟きに、クニークルスも小さく頷いた。

「でもね、■■■、外の世界はここの冬よりもずっと冷たい所よ。それだけは決して忘れないで」

 その言葉の意味は幼いクニークルスにはまだ理解出来なかったが、決して忘れまいと胸の奥深くに言葉を刻んだ。


   ◆


 石材業者の車は四台ほど鉱山に停められていた。うち二台の貨物用車の荷台には四角い石材が隙間なく積まれており、動かないようベルトとシートで固定されている。
 クニークルス達一家が乗せて貰うのは古いワンボックスカーである。空きはちょうど三名。交渉が成立したのは幸運と言っても過言ではない。

「俺は鉱山長と話をつけてくる。二人は先に待っててくれ」

 恐らく反対はされないはずだ。何せ人手は腐るほどあり、皆が頭を下げ、タダ同然で雇ってもらっているぐらいなのだ。むしろ喜ぶだろう──父親はそう心の中で呟きながら、一人で鉱山の中へ入っていった。
 残された母親とクニークルスは車の中で父親の帰りを待った。業者の一人が色々事情を尋ねてきたが、母親は曖昧に答えを返し、時間が過ぎるのを待った。
 不気味なほど静かだった。ドアを開けているにも関わらず、周辺の物音は母親と業者の男たちとの会話ぐらいしか聞こえてこない。
 クニークルスは一旦車を降りた。車の中は男達の汗臭い臭いで息が詰まりそうだったし、何より大人達の会話には参加できず、とても暇だった。とはいえ、外に降りてもやることがなく、ゴロゴロ転がっている大きな岩によじ登ったり、景色を眺めたりして時間を潰した。

 しばらくすると、坂の下から砂利を踏みしめる音が聞こえてきたので、クニークルスは岩の上で動きを止めて目を向けた。

「おお、良かった。間に合ったわい」

 見知らぬ太った男と、長身の女性という奇妙な組み合わせの二人だった。
 少なくとも、この街の住人ではないらしい。たまたまこの街に訪れた余所者だろう、とクニークルスは思った。
 男達は車の運転席を叩き、中で休んでいる業者の運転手を呼び出した。

「我々も乗せてくれるんだろうな?」
「え!? いや、それは……」

 様子がおかしい。既に一杯だと断ればいいのに、運転手の男の反応は何か戸惑っているようだった。

「何を迷っておる。わしを誰だと思っておるのだ」
「あなた様のことは存じあげておりますが、先客がいるのです。車に空きもなく、乗せるわけには参りません」

 太った男は鼻息を荒くしながら、伺いもせずに後部座席の中を覗き込んだ。

「先客というのは貴様か? みすぼらしい女め。二人も空いているではないか」

 母親は眉間に皺を寄せた。

「娘と、夫がいます。間もなくこちらに戻り、一緒にここを出ることになっています」
「今いないのだろう? ならばその空いた席をよこせ」

 勝手な物言いに許せなくなったクニークルスは、岩から飛び下りると車まで走り、太った男と母親の間に割って入った。

「何よあんた達! この車にはアタシたちが乗るんだからあっちへ行ってよ!」
「ふん! 何も全部よこせとは言ってないぞ。三席空いているのだから、二つだけよこせと言っているのだ」
「だからーっ! そこにはアタシたちが乗るの! そんなことも分からないの!?」

 そこへ、感情を露にしない長身の女性が前に出た。

「お嬢さん。この御方はこの界隈の建築会社の社長なのですよ?」
「それが何よ……?」

 女性はやんわりと、子供のクニークルスに分かるように説明した。

「つまり、この石材業者達にとってはお客様、ということになります。立場では我々の方が上なので、命令には従う義務があります」
「だからって横取りしていいわけ!? ただの泥棒じゃない!!」
「ええい! 黙って聞いておれば!」

 社長と称する男は足下の砂利を軽く蹴って、クニークルスの足に引っ掛けた。
 男はそれだけでバランスを崩しかけたが、長身の女性がそっと支えた。

「こっ! 子供風情が、口を慎め!」
「アンタこそ黙りなさいよ!! 一人で二席も占領しそうなクセに!」
「■■■! 止めなさいッ!!」

 ヒステリックな甲高い声が辺りを鎮めた。
 驚いたクニークルスは恐る恐る振り返る。いつもは優しいはずの母親が、顔を真っ赤にし、眉間に皺を寄せていた。
 母親はしばらく娘を睨み付けた後、弱々しく息を吐いた。

「今回は諦めましょう。またいつか機会はあるだろうから」
「どうして……?」

 正しい行いをしているのはこちらだというのに、何故理不尽な想いをしなくてはならないのだろうか。
 それに今、この時を逃してしまったら、次はいつになるのだろう。

「時には相手に譲ることで争わずに解決することだってあるのよ。あなたはそれを学ばなくちゃいけないわ」
「そんなのわかんないよっ!!」
「分からなくていいわ。とにかく今は、ママの言うことを聴くの。いいわね?」

 クニークルスは仕方なく頷いた。何より母親を困らせたくはないし、女子供二人だけで何が出来よう。金を持たぬ家庭はただでさえ弱者なのだ。逆らったら酷い目に遭うだろうということが、クニークルスの目にも映った。

「ふん、初めからそうすれば良かったんだ」

 車体を揺らしながら乗り込む社長に、クニークルスは怒りを抑え込むのに必死だった。
 母親は、賢明な判断と我慢をしてくれたクニークルスを強く抱きしめた。

「ありがとう……!」

 それでも、クニークルスの心は晴れなかった。どうして、という疑問だけが、ぐるぐると頭を巡っている。

 その時、昨日感じたような生暖かい風が吹き、クニークルスはぞっとして振り返った。
 目の前の地面から砂ぼこりがゆっくりと巻き上がり、大きな空気の渦を作り出そうとしている。

「様子がおかしいわ……」

 母親はそっと体を離しながら囁いた。

「パパの所へ行きましょう。早く!」

 クニークルスは母親に強く手を引かれ、厭な感覚にも背中を押され、自然と走り出していた。
 逃げた方がいい──第六感がそう告げている。

「きゃあっ!?」

 ボン! という低い破裂音と共に耳の中を引っ張られる感覚を覚え、二人は慌てて耳を塞いだ。
 同時に、体はひとりでに後方へと引きずられ、振り返れば、見上げるほどに大きく成長している塵旋風がそこにあった。
 親子は互いに手を取り合って塵旋風から走って逃れようとしたが、上半身がのけぞりそうになると、今度は地面に四つんばいになって耐えた。そして、近くの管理小屋に逃げ込むと、母親は直ぐに鍵をかけ、娘と共に無事だった外套に身を隠して伏せた。
 親子は伺う余裕もないが、外では業者たちの車が少しずつ滑り出し、もはや竜巻と言っても過言ではない巨大な塵旋風の中心部に取り込まれようとしていた。
 ほんの少し──クニークルスは外套の隙間から窓越しに宙に浮かぶ車を見て息を詰まらせた。

 とにかく逃れようとドアを開けた社長と秘書は、風に抗うという選択を考える間もなく塵旋風の最初の餌食となった。
 空高く巻き上げられた後、それぞれ塵旋風から遠く離れた場所──誰かの家の屋根に落下し、そのまま呆気なく絶命する。
 街中はたちまち阿鼻叫喚の声で埋めつくされたが、それもこれも塵旋風が吸い込んだ。
 いつからか空は暗雲に覆われ、塵旋風はやがて街の方へ移動しながら更に強大な空気の渦へと成長していく。もはや、塵旋風というよりは竜巻のようにも見えた。

「ママ! パパはどこ!?」

 ふと父親のことを思い出したクニークルスが喚いた。
 小屋内で立てかけていた道具という道具が倒れ込む中、母親は外套をかぶったまま立ち上がり、窓の外を伺った。
 幸いというべきか、塵旋風は街のある南側へと移動し、今は風の力が多少弱まっている。

「あなたはここにいなさい! ママはパパを探しに行くから!」
「やだ! アタシも行く! 置いていかな──!」

 母親が外に出ると強風で荒々しく戸が閉まった。クニークルスは度重なる恐怖と孤独感で頭がいっぱいになり、わっと頭を抱えて縮こまった。
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