僕は何度も

宮川 涙雨

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8、自殺…。

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8日目。
もう朝や昼に風呂へ入ることになれてしまった。
別に毎日リセットされるのだから汚れているわけでもないのだけれど…やはり…気持ち悪いだろう?気分的に。
親には毎日嫌な目でみられる。
母さんには「お漏らしでもしたの?」と笑われ、父さんには「お前も男だったんだなー、俺も昔は・・・」「断じて違うッ!」と下ネタまがいのことを言われ…本当に昼間の風呂はさんざんだけれどな…。
今日は何をしよう。というか…何をすればいいのだろう。
いっそ自分で死んでしまおうか…?そうすれば運よくこの無限ループを抜け出せるかもしれないし、運悪くそのまま死んでしまっても…このまま10月18日を繰り返すよりかはましかも知れない。
そうなると…どうやって死のうか。

“飛び降りる”

真っ先に思い付いた方法がこれだった。
病院に行って、最後になるかもしれない美夜との時間をめいいっぱい過ごした。
町から少し離れた3階建ての元々ショッピングモールだった場所。
入り口の硝子は既に割れていて、簡単に入ることができた。
17時17分。屋上へ上がる扉は鍵が閉まっていたけれど、周りにあったがらくたをぶつけると古びて錆びてしまった扉は簡単に穴があいた。
そこから屋上へと入り込む。下を見ると足がカタカタと小さく震えているのがわかった。
そして見えた男の姿。17時20分…。
「とぶのー?」男の問い。「飛ぶよ」僕の答え。「飛びなよっ」男が叫んだ。
もう少しで22分を過ぎる。今からじゃあいつは間に合わない。
そう…考えていたときだった。ブワッと風が背を押した。
体が前に傾く…落ちた。
重力にそうようにそのまままっすぐと落ちて行く。息が…苦しい…。 
見えたのは空。体にとてつもない衝撃と激痛がはしった。僕は…生きている。男が笑った。サクリ。また同じ、刺された。死ぬことすら許されない?
「大丈夫?」笑み。「痛い?」笑顔。「大丈夫だよ」歪み。「痛くないから」狂。
パチッ、視界がシャットアウトした。

10月18日、17時22分…。
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