9 / 11
9、2度目の告白
しおりを挟む
9日目、この日は車の前へ飛び出してみた。
そこそこスピードのあるように見えたけれども、15時11分。やはり死ぬことはかなわず病院へと運ばれた。
そして17時22分真っ白な病室のなか、男の言葉が1日の終わりを告げた。
次の日も次の日も毎日毎日試したけれど、死ぬことなどできやしなかった。
あるのは何度も繰り返したこの痛みとセリフだけ。
「もう…何度目になるのだろうか…」
ベッドに横たわる僕には既にもう何度10月18日を過ごしたのか分からなくなっていた。
11時54分。病院独特のこの嫌な消毒液臭にもなれてしまった。
二人きりで話す美夜との時間も…明日が来ると知っていれば幸せな時間の筈なのに、今は少し辛かったりする。
「美夜」
「んー?」
「好きだよ」
数秒の間動かない美夜。
「またまたぁー」
無邪気な君。
「残念だが、本当だったりするんだよな」
「は……?」
……。
少しの間…。赤面。
やはり可愛い。のろけ?あぁ、そうだ。のろけているんだ。
「美夜は?」
「っ……。」
無言。
「好き……。」
うん、知ってる。知っているんだよ。
「え?何?聞こえなかったんだが…もう一度言ってくれないか?」
「嘘だっ!」
「嫌い…なのか?迷惑だったのか…そうか、すまな…かったな…」
わざと席をたった。
「あっ!ちょっ」
分かりやすく慌てる彼女、涙が滲みそうなる。こらえると鼻の奥がツンッとした。
「好きだよっ!」
「ハハッ…嬉しいよ」
彼女のイチゴのように真っ赤な顔。
「実は前に一度告白したんだぞ?」
驚いている彼女の顔は間抜け面だ。
「いつっ!?」
「さぁね」
僕ははぐらかす。きっとこいつは怒るだろう。
「なんだそれーっ!」
ほら、やっぱりな。
それを見て僕は笑う。
「今度は忘れてくれるなよ?」
「あ、当たり前でしょー!そこまでバカじゃないんですぅー」
拗ねたような約束をして僕は病室を出た。
14時56分。今日が終わるまで後2時間と少し……。
(宮川より)
更新遅くなってしまい申し訳ありません!
高校入学のため色々と忙しく、更新できませんでした(泣)
言い訳となってしまいましたが、読んでくださった方やお気に入りにしてくださった方。
本当にすいません!これからもどうぞ宮川をよろしくしてやってください!
そこそこスピードのあるように見えたけれども、15時11分。やはり死ぬことはかなわず病院へと運ばれた。
そして17時22分真っ白な病室のなか、男の言葉が1日の終わりを告げた。
次の日も次の日も毎日毎日試したけれど、死ぬことなどできやしなかった。
あるのは何度も繰り返したこの痛みとセリフだけ。
「もう…何度目になるのだろうか…」
ベッドに横たわる僕には既にもう何度10月18日を過ごしたのか分からなくなっていた。
11時54分。病院独特のこの嫌な消毒液臭にもなれてしまった。
二人きりで話す美夜との時間も…明日が来ると知っていれば幸せな時間の筈なのに、今は少し辛かったりする。
「美夜」
「んー?」
「好きだよ」
数秒の間動かない美夜。
「またまたぁー」
無邪気な君。
「残念だが、本当だったりするんだよな」
「は……?」
……。
少しの間…。赤面。
やはり可愛い。のろけ?あぁ、そうだ。のろけているんだ。
「美夜は?」
「っ……。」
無言。
「好き……。」
うん、知ってる。知っているんだよ。
「え?何?聞こえなかったんだが…もう一度言ってくれないか?」
「嘘だっ!」
「嫌い…なのか?迷惑だったのか…そうか、すまな…かったな…」
わざと席をたった。
「あっ!ちょっ」
分かりやすく慌てる彼女、涙が滲みそうなる。こらえると鼻の奥がツンッとした。
「好きだよっ!」
「ハハッ…嬉しいよ」
彼女のイチゴのように真っ赤な顔。
「実は前に一度告白したんだぞ?」
驚いている彼女の顔は間抜け面だ。
「いつっ!?」
「さぁね」
僕ははぐらかす。きっとこいつは怒るだろう。
「なんだそれーっ!」
ほら、やっぱりな。
それを見て僕は笑う。
「今度は忘れてくれるなよ?」
「あ、当たり前でしょー!そこまでバカじゃないんですぅー」
拗ねたような約束をして僕は病室を出た。
14時56分。今日が終わるまで後2時間と少し……。
(宮川より)
更新遅くなってしまい申し訳ありません!
高校入学のため色々と忙しく、更新できませんでした(泣)
言い訳となってしまいましたが、読んでくださった方やお気に入りにしてくださった方。
本当にすいません!これからもどうぞ宮川をよろしくしてやってください!
0
あなたにおすすめの小説
次期国王様の寵愛を受けるいじめられっこの私と没落していくいじめっこの貴族令嬢
さら
恋愛
名門公爵家の娘・レティシアは、幼い頃から“地味で鈍くさい”と同級生たちに嘲られ、社交界では笑い者にされてきた。中でも、侯爵令嬢セリーヌによる陰湿ないじめは日常茶飯事。誰も彼女を助けず、婚約の話も破談となり、レティシアは「無能な令嬢」として居場所を失っていく。
しかし、そんな彼女に運命の転機が訪れた。
王立学園での舞踏会の夜、次期国王アレクシス殿下が突然、レティシアの手を取り――「君が、私の隣にふさわしい」と告げたのだ。
戸惑う彼女をよそに、殿下は一途な想いを示し続け、やがてレティシアは“王妃教育”を受けながら、自らの力で未来を切り開いていく。いじめられっこだった少女は、人々の声に耳を傾け、改革を導く“知恵ある王妃”へと成長していくのだった。
一方、他人を見下し続けてきたセリーヌは、過去の行いが明るみに出て家の地位を失い、婚約者にも見放されて没落していく――。
侯爵様の懺悔
宇野 肇
恋愛
女好きの侯爵様は一年ごとにうら若き貴族の女性を妻に迎えている。
そのどれもが困窮した家へ援助する条件で迫るという手法で、実際に縁づいてから領地経営も上手く回っていくため誰も苦言を呈せない。
侯爵様は一年ごとにとっかえひっかえするだけで、侯爵様は決して貴族法に違反する行為はしていないからだ。
その上、離縁をする際にも夫人となった女性の希望を可能な限り聞いたうえで、新たな縁を取り持ったり、寄付金とともに修道院へ出家させたりするそうなのだ。
おかげで不気味がっているのは娘を差し出さねばならない困窮した貴族の家々ばかりで、平民たちは呑気にも次に来る奥さんは何を希望して次の場所へ行くのか賭けるほどだった。
――では、侯爵様の次の奥様は一体誰になるのだろうか。
靴屋の娘と三人のお兄様
こじまき
恋愛
靴屋の看板娘だったデイジーは、母親の再婚によってホークボロー伯爵令嬢になった。ホークボロー伯爵家の三兄弟、長男でいかにも堅物な軍人のアレン、次男でほとんど喋らない魔法使いのイーライ、三男でチャラい画家のカラバスはいずれ劣らぬキラッキラのイケメン揃い。平民出身のにわか伯爵令嬢とお兄様たちとのひとつ屋根の下生活。何も起こらないはずがない!?
※小説家になろうにも投稿しています。
悪意には悪意で
12時のトキノカネ
恋愛
私の不幸はあの女の所為?今まで穏やかだった日常。それを壊す自称ヒロイン女。そしてそのいかれた女に悪役令嬢に指定されたミリ。ありがちな悪役令嬢ものです。
私を悪意を持って貶めようとするならば、私もあなたに同じ悪意を向けましょう。
ぶち切れ気味の公爵令嬢の一幕です。
俺の可愛い幼馴染
SHIN
恋愛
俺に微笑みかける少女の後ろで、泣きそうな顔でこちらを見ているのは、可愛い可愛い幼馴染。
ある日二人だけの秘密の場所で彼女に告げられたのは……。
連載の気分転換に執筆しているので鈍いです。おおらかな気分で読んでくれると嬉しいです。
感想もご自由にどうぞ。
ただし、作者は木綿豆腐メンタルです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる