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第1章 少女と将軍
第5話 中尉と少女
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「っ・・・・・」
ーふいにあの日のことが蘇る。
「イヴ!やっと見つけた。」
こちらへ駆け寄る少年。
「ひっく。あにうえぇ。」
「父さまと母さまに謝ろう?僕もついてあげるから。」
手を差し出す。
「いやっ!」
その手を払う。
その時、意図もせずブルムのかまいたちを発動させて、兄上の手を傷つけてしまったのだ。
ー
「お嬢様。旦那様に謝りましょう?」
低い声が聞こえてくる。
「・・・・・」
顔を上げると、青年がしゃがんでこちらを見ていた。
「今のは貴女が悪いのですよ。」
「・・・・・兄上と同じことを言う。」
「皆んなに謝らなくては。貴女が荒らした部屋を誰が片付けると思ってますか?人の好意を無下にするとはいけない人だ。」
「っ・・・・そんなこと頼んでない・・・・バイオリンを取りに来ただけだし・・・もうここ出ていく。」
「何を言っているのです。私はあやまれと。」
急に怖い顔になる。
それがなんとも怖ろしくて。
「っ!・・・・ふぇっ・・・・ご、ごめんなさぁぃっ。ひっくっ。部屋をめちゃくちゃにしてっ、ごめんなさい。手を叩いてごめんなさぁぃっ。ふえぇっっ。」
まるで幼子になってしまったかのようで、涙が溢れ出し、大声で泣き始めてしまう。
「・・・・ちゃんと言えたではありませんか。」
「子ども扱いするなっ。兄上みたいに喋るなっ。」
頭を撫でられそうになって逃げる。
彼の話し方や態度が兄上と被ってくる。
「・・・・・・・ぷっ。本当の兄妹に見えるなっ。」
「なっ・・・・・」
「さ、食堂へ行こう。もうすぐ夕餉の時間だからな。デザートにプリッツェルを買ってあるぞ。」
「!!」
好物に釣られて立ち上がる。
「ミサ。ミカ。悪いが客間を整えてくれないか?」
「畏まりました。」
「・・・・・後始末くらい出来る。ティルダ。ブルム。この部屋を元に戻して。」
〔あいっ!〕
敬礼し、散らばった窓硝子を戻し、倒れた家具を起こす。
寸分違わない物に直す。
「「「「!!!!」」」」
ぽかんとした顔をする。
「?」
意味が分からず首を傾げる。
「イヴ。どうやったかわからないがこれ程までの魔法は2度誰かに見せちゃいけないよ。」
ヴィンセントに肩を掴まれる。
「なぜ。」
「何故って、あり得ないからだ。誰かに利用されるだけだぞ。」
「ふぅん。わからないけど、ダメならやらない。」
「そうだ。後で魔法というものを教えなくてはいけないな。とりあえず飯だ。イヴ。お腹空いてるだろう?」
「うん。お腹空いてる。」
彼の後について食堂へと向かう。
◇
「で、イヴ。君は何歳だ?」
「ふえ?18だ。」
「はぁっ?」
「たぶん・・・・昔は誕生日を祝ってくれる人はいたけど・・・ずっとあちこち旅してて、日にちの感覚なんてわからない。」
「そうか・・・・で、どこで魔法を?どこの魔法学院出身だ?」
「?まほう、がくいん?」
「ああ。」
「そんなの行ってない。学校なら中等部を卒業した。」
「・・・・」
「魔法のことなら父上や伯父上が教えてくれた。」
「その方は・・・・?」
「・・・・・・いない。家族は・・・バラバラになった・・・・伯父上、原因、知っている。ずっと探してる。」
不思議と涙が溢れる。
(また泣いて、幼子みたいだ・・・・・)
「なっ・・・・・」
「・・・・・・・なんだか、眠い・・・・・・・」
「ああ。早く休むといい。ジーク。」
「はい。」
「大丈夫・・・・ひとりでいけ・・・?」
視界が高くなる。
「だいぶふらついてるじゃないか。早く戻りますよ。」
「・・・・・・」
彼の温かい体温にすぐさま眠り就いてしまう。
◇◇
ーちゅん。ちゅん。
小鳥の鳴き声が聞こえる。
「んん・・・・?」
(温い・・・・!?)
目の前に美青年が寝ていた。
「な、な、な、なんで?」
「・・・・?やっと起きたか?」
「・・・・・起きた。なぜここに?」
「貴女が離さないからですよ。」
「私が??」
「聞きたいのはこちらだが・・・・まだ早い。寝てるといい。おれは自分に部屋に戻るから。」
「・・・・すまなかった・・・」
「いや。いいんだ。お休み。我が姫。」
額にキスし、出て行った。
「・・・・・兄上と違う・・・・かっこいい・・・」
呟く。
ー 昔の夢を見た。
「イヴ。」
「!兄上ーっ!」
村へと戻ってきた兄上に飛びつく。
「兄上!兄上!今日はごちそうだって母上が言ってました!」
「そうか。それじゃ、早く帰らなきゃね。」
「うんっ!」
頷く。
この日はとても心地よい風が吹いていた。
まさかその後にあんなことが起きるなんて思いもしなかった。ー
ーふいにあの日のことが蘇る。
「イヴ!やっと見つけた。」
こちらへ駆け寄る少年。
「ひっく。あにうえぇ。」
「父さまと母さまに謝ろう?僕もついてあげるから。」
手を差し出す。
「いやっ!」
その手を払う。
その時、意図もせずブルムのかまいたちを発動させて、兄上の手を傷つけてしまったのだ。
ー
「お嬢様。旦那様に謝りましょう?」
低い声が聞こえてくる。
「・・・・・」
顔を上げると、青年がしゃがんでこちらを見ていた。
「今のは貴女が悪いのですよ。」
「・・・・・兄上と同じことを言う。」
「皆んなに謝らなくては。貴女が荒らした部屋を誰が片付けると思ってますか?人の好意を無下にするとはいけない人だ。」
「っ・・・・そんなこと頼んでない・・・・バイオリンを取りに来ただけだし・・・もうここ出ていく。」
「何を言っているのです。私はあやまれと。」
急に怖い顔になる。
それがなんとも怖ろしくて。
「っ!・・・・ふぇっ・・・・ご、ごめんなさぁぃっ。ひっくっ。部屋をめちゃくちゃにしてっ、ごめんなさい。手を叩いてごめんなさぁぃっ。ふえぇっっ。」
まるで幼子になってしまったかのようで、涙が溢れ出し、大声で泣き始めてしまう。
「・・・・ちゃんと言えたではありませんか。」
「子ども扱いするなっ。兄上みたいに喋るなっ。」
頭を撫でられそうになって逃げる。
彼の話し方や態度が兄上と被ってくる。
「・・・・・・・ぷっ。本当の兄妹に見えるなっ。」
「なっ・・・・・」
「さ、食堂へ行こう。もうすぐ夕餉の時間だからな。デザートにプリッツェルを買ってあるぞ。」
「!!」
好物に釣られて立ち上がる。
「ミサ。ミカ。悪いが客間を整えてくれないか?」
「畏まりました。」
「・・・・・後始末くらい出来る。ティルダ。ブルム。この部屋を元に戻して。」
〔あいっ!〕
敬礼し、散らばった窓硝子を戻し、倒れた家具を起こす。
寸分違わない物に直す。
「「「「!!!!」」」」
ぽかんとした顔をする。
「?」
意味が分からず首を傾げる。
「イヴ。どうやったかわからないがこれ程までの魔法は2度誰かに見せちゃいけないよ。」
ヴィンセントに肩を掴まれる。
「なぜ。」
「何故って、あり得ないからだ。誰かに利用されるだけだぞ。」
「ふぅん。わからないけど、ダメならやらない。」
「そうだ。後で魔法というものを教えなくてはいけないな。とりあえず飯だ。イヴ。お腹空いてるだろう?」
「うん。お腹空いてる。」
彼の後について食堂へと向かう。
◇
「で、イヴ。君は何歳だ?」
「ふえ?18だ。」
「はぁっ?」
「たぶん・・・・昔は誕生日を祝ってくれる人はいたけど・・・ずっとあちこち旅してて、日にちの感覚なんてわからない。」
「そうか・・・・で、どこで魔法を?どこの魔法学院出身だ?」
「?まほう、がくいん?」
「ああ。」
「そんなの行ってない。学校なら中等部を卒業した。」
「・・・・」
「魔法のことなら父上や伯父上が教えてくれた。」
「その方は・・・・?」
「・・・・・・いない。家族は・・・バラバラになった・・・・伯父上、原因、知っている。ずっと探してる。」
不思議と涙が溢れる。
(また泣いて、幼子みたいだ・・・・・)
「なっ・・・・・」
「・・・・・・・なんだか、眠い・・・・・・・」
「ああ。早く休むといい。ジーク。」
「はい。」
「大丈夫・・・・ひとりでいけ・・・?」
視界が高くなる。
「だいぶふらついてるじゃないか。早く戻りますよ。」
「・・・・・・」
彼の温かい体温にすぐさま眠り就いてしまう。
◇◇
ーちゅん。ちゅん。
小鳥の鳴き声が聞こえる。
「んん・・・・?」
(温い・・・・!?)
目の前に美青年が寝ていた。
「な、な、な、なんで?」
「・・・・?やっと起きたか?」
「・・・・・起きた。なぜここに?」
「貴女が離さないからですよ。」
「私が??」
「聞きたいのはこちらだが・・・・まだ早い。寝てるといい。おれは自分に部屋に戻るから。」
「・・・・すまなかった・・・」
「いや。いいんだ。お休み。我が姫。」
額にキスし、出て行った。
「・・・・・兄上と違う・・・・かっこいい・・・」
呟く。
ー 昔の夢を見た。
「イヴ。」
「!兄上ーっ!」
村へと戻ってきた兄上に飛びつく。
「兄上!兄上!今日はごちそうだって母上が言ってました!」
「そうか。それじゃ、早く帰らなきゃね。」
「うんっ!」
頷く。
この日はとても心地よい風が吹いていた。
まさかその後にあんなことが起きるなんて思いもしなかった。ー
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