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アルカンシエルの港街
悍ましい噂−1
先の尖った石が、リン目掛けて飛んでくる。
ルカが素早くリンを抱き寄せ、石は破片を撥ね上げながら海に落ちて行った。
もし、リンに命中していたなら、大怪我をしていただろう。場合によっては命に関わっていたかもしれない。
岩崖の上から、中等科の上級生らしい顔が五つ、リンたちを見下ろしている。
「ちぇっ、外れたか」
「武器なら、まだまだあるぜ」
「おまえたち、なにをしてるんだ!」
ジルが、ルカとリンの前に出て怒鳴った。
「『夜の大鴉』を退治してんだよ」
「それなら、夜になってからにしろ! まだ、真っ昼間だ。大鴉なんて、空のどこにも飛んでいないぞ!」
「空にいなくても、大鴉の生みの親の『砂時計屋のリン』なら、そこにいるぜ」
「にいさんたち、土産物屋の店員と『歌うたいの猫』だろ。おれたちのじゃますんなよな」
「それとも、夜の大鴉の仲間なのか」
「それなら、『砂時計屋のリン』といっしょに、退治するまでだ!」
上級生たちはジルたち目掛け、次々に石を投げ始めた。
ジルは咄嗟にルカとリンに覆い被さり、二人を守ろうとした。
が、いつまで待っても、背中になんの衝撃もない。
「あんたたち、中等科の三年生だよね。学校サボって、なにしてん?」
岩崖の上から、ララの声が聞こえてくる。
驚いて、ジルが見上げると、ララとルルとロロが岩崖の上で、五人の子どもたちの前に立ちはだかっていた。子どもたちの投げた石は、すべて、彼女たちのシードルに弾き返されている。
「あいつら、いつの間に……」
ジルとルカは、呆気に取られるしかない。
それは、五人の上級生たちも同じだった。
リーダー格の一番気の強そうな上級生が言い返した。
「おまえらこそ、なんなんだよ」
「あたしたちは、自由研究してんのよ。先輩たちみたいに、サボっているんじゃないよ」
「どこが自由研究なんだよ。『砂時計屋のリン』とつるんで、大鴉の大群でアルカンシエルの街を滅ぼそうとしてんじゃないのか」
ジルとルカの間で、リンがビクッと体を震わせた。
「なに、わけわかんなにこと、言ってるの? リンちゃんは、あたしたちと同じ班になったから、いっしょに人間のたまごの自由研究をしてるだけだよ。リンちゃんが持っているのは、ドラゴンのたまごで、大鴉のたまごじゃない」
「おまえら三人とも、新入生のようだから、まだ、なにも知らないんだな。それなら、教えてやろう。いいか、よく聞け。夜の大鴉はな『砂時計屋のリン』が毎晩見る夢から生まれてくるんだ。今、リンの持っているたまごだって、きっと、夜には大鴉に化けて、おれたちの街を滅ぼそうとするからな! おまえらだって両目をえぐられて、食われちまうんだぞ!」
リンの持つドラゴンのたまごが、ドクンと脈打った。
ルカが素早くリンを抱き寄せ、石は破片を撥ね上げながら海に落ちて行った。
もし、リンに命中していたなら、大怪我をしていただろう。場合によっては命に関わっていたかもしれない。
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「ちぇっ、外れたか」
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「『夜の大鴉』を退治してんだよ」
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「にいさんたち、土産物屋の店員と『歌うたいの猫』だろ。おれたちのじゃますんなよな」
「それとも、夜の大鴉の仲間なのか」
「それなら、『砂時計屋のリン』といっしょに、退治するまでだ!」
上級生たちはジルたち目掛け、次々に石を投げ始めた。
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が、いつまで待っても、背中になんの衝撃もない。
「あんたたち、中等科の三年生だよね。学校サボって、なにしてん?」
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驚いて、ジルが見上げると、ララとルルとロロが岩崖の上で、五人の子どもたちの前に立ちはだかっていた。子どもたちの投げた石は、すべて、彼女たちのシードルに弾き返されている。
「あいつら、いつの間に……」
ジルとルカは、呆気に取られるしかない。
それは、五人の上級生たちも同じだった。
リーダー格の一番気の強そうな上級生が言い返した。
「おまえらこそ、なんなんだよ」
「あたしたちは、自由研究してんのよ。先輩たちみたいに、サボっているんじゃないよ」
「どこが自由研究なんだよ。『砂時計屋のリン』とつるんで、大鴉の大群でアルカンシエルの街を滅ぼそうとしてんじゃないのか」
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