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3月
おいかけっこ日和
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今日、あたしは、朝からずっと???ばっかり。
うん。確か、去年の今日もそうだった。
去年の絵日記で、確認したもの。
こういう時、便利よね、日記って。
このあいだのひな祭りもそうだったし、3月って思い出をなぞったりする月なのかな。
でもね、去年の今頃とは違うこともあるんだ。
実は、あたし、日曜日に具合が悪くなっちゃったの。
いつも、元気なあたしだから、みんな心配してくれた。
すぐに病院に行って、痛いお注射を我慢して、お薬だってちゃんと飲んだから、もう、すっかり元気!
それで、何が???かというとね。
あたし、具合が悪かった時、ずっと同じ夢を見ていたの。
でもね、目がさめると、もう思い出せないの。
思い出せないけれど、ずっと同じ夢を見ていたことだけは覚えてるの。
夢を見て目がさめると、その度にちょっとづつ具合が良くなっていったから、楽しい夢だったとは思うんだ。
どんな夢だったんだろう?
今日はクマパンちゃんたちと公園に遊びに来てるんだけれど、夢のことが気になって仕方がないんだ。
「ミケちゃん、ミケちゃん」
あたしは、ハッと我にかえった。きつねこちゃんとチャコマロンちゃんが、心配そうに見ている。
「ミケちゃん、また、具合、悪くなった?」
「もう、おうちに帰る?」
「ううん。ちがうよ、きつねこちゃん、チャコちゃん。ちょっと、考えごとをしてただけ」
そしたら、クマパンちゃんが笑ったの。
「ミケちゃんが考えごとだって」
「ちょっと、クマパンちゃん、どういう意味よ!」
「わぁー、逃げろー!」
「待ちなさい! クマパンちゃん!」
あたしは、公園の中を逃げまわるクマパンちゃんを追いかけた。
「ミケちゃんたら、すっかり元気」
チャコマロンちゃんが、半分呆れて笑っている。
きつねこちゃんも笑って言った。
「なんか、ふたりとも楽しそうだよ。チャコちゃん、あたしたちも追いかけっこして遊ぼうか」
「うん!」
「ミケちゃーん、クマパンちゃーん、追いかけっこ、まぜてー」
それから、みんなで追いかけっこをして遊んだの。
あたし、追いかけっこをしながら思い出した。
そうよ、あの夢の中でも、みんなで追いかけっこしていたんだ。
クマパンちゃんと、きつねこちゃんと、チャコマロンちゃんと。
それから、遠くに行ってしまった黒ちゃんと白ちゃんも、なぜだか、いっしょだったんだ。
あたしは、もう会えないと思っていた黒ちゃんと白ちゃんを見つけて、嬉しくなって追いかけた。
でも、黒ちゃんも白ちゃんも、もう少しでつかまえることができそうなのに、夢の中ではつかまえることができなかった。
今もあたしの前を、黒ちゃんや白ちゃんが笑いながら走っていく。
「黒ちゃん!白ちゃん!」
あたしは、いっしょうけんめい走って、やっとふたりをつかまえた。
そしたら、黒ちゃんと白ちゃんは、クマパンちゃんになった。
「あー、つかまっちゃった!」
クマパンちゃんは、うれしそうに笑った。
「つかまっちゃったから、はい!みんなにバレンタインのお返し!」
クマパンちゃんは赤いブランコに駆けて行くと、そこに置いてあったカリカリの包みを持ってきて、みんなに配った。
「ミケちゃん、どうぞ。きつねこちゃん、どうぞ。チャコちゃん、どうぞ」
「クマパンちゃん、どうして、あたしにだけ、みっつあるの」
「それは、ミケちゃんが食いしん坊だから!」
クマパンちゃんは笑って、また逃げていった。
「ミケちゃん、それはね」
きつねこちゃんが言いかけて、やめた。あたしがどうしてなのかわかっているって、気が付いたから。
あたしはいつでも会えると思っていたから、黒ちゃんにも白ちゃんにも「ありがとう」も「大好き」も、言っていなかった。
だけど、黒ちゃんも白ちゃんも遠くに行ってしまって、もう会えなくなった。
あたしは、ずっと、それがくやしくて悲しかった。
でもね、先月トナカイのヴィクセンちゃんが黒ちゃんと白ちゃんにバレンタインの贈り物を届けてくれたの。
ヴィクセンちゃんはサンタクロースさんのトナカイだから、時間も空間も超えて、どこにでもいける。
それに、実はクマパンちゃんもああ見えてサンタクロースさんのおもちゃ工房出身だから、もしかしたら、さっき、瞬きしたあいだだけ黒ちゃんと白ちゃんに会わせてくれたのかもしれない。
黒ちゃん。白ちゃん。
元気そうで良かった!
あたしは、元気に毎日楽しく暮らしてる。
だから、安心してね。
ありがとう!
今でも、これからも、ずっとずっと大好きだからね!
「ねえ、ミケちゃん、きつねこちゃん。これから、うちに来ない? コンちゃんが、パーティーの準備してるから。今日はホワイトデーとひなまつり合同パーティーよ!」
チャコマロンちゃんが言った。
あたしたち、4月の旧暦のおひなさま迄、おひなさまごっこしているの。
「でも、クマパンちゃん、どっか行っちゃったよ」
「大丈夫よ、きつねこちゃん。クマパンちゃんたら、チャコちゃん家の方に走っていったから」
「さすが、ミケちゃん、よく見てる!」
それから、あたしたちは、チャコマロンちゃんのおうちに行きました。
そしたら、やっぱり、クマパンちゃんいたよ。
コンちゃんと、飲めや歌えやの大騒ぎをしていた。
ありがとう、クマパンちゃん!
クマパンちゃん、大好き!
三毛猫ミケ
***
猫も人間も、春先は体調を崩しやすい季節。
無病息災からできた言葉に、一病息災があります。
無病息災は「病気をせずに健康」ということですが、一病息災は「一つくらい持病がある方が、かえって体をいたわって長生きできる」という意味。
以前、とある授業で、教授が緊急入院した後に言っていました。「病気というのは、自分を見直す時間」だと。
病気の時間は、日常から離れた時間。その時間の中で、改めて、自分の体のこと、仕事のこと、家族のことを考えることができたそうです。
幸い大事には至らずにすんだせいもあって、「たまには病気になるのもいいものだ」なんて軽口をたたいて、学生を笑わせていました。
そうはいっても、やはり、病気はつらいもの。
皆さんも無理せず、ご自愛くださいね。
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今日、あたしは、朝からずっと???ばっかり。
うん。確か、去年の今日もそうだった。
去年の絵日記で、確認したもの。
こういう時、便利よね、日記って。
このあいだのひな祭りもそうだったし、3月って思い出をなぞったりする月なのかな。
でもね、去年の今頃とは違うこともあるんだ。
実は、あたし、日曜日に具合が悪くなっちゃったの。
いつも、元気なあたしだから、みんな心配してくれた。
すぐに病院に行って、痛いお注射を我慢して、お薬だってちゃんと飲んだから、もう、すっかり元気!
それで、何が???かというとね。
あたし、具合が悪かった時、ずっと同じ夢を見ていたの。
でもね、目がさめると、もう思い出せないの。
思い出せないけれど、ずっと同じ夢を見ていたことだけは覚えてるの。
夢を見て目がさめると、その度にちょっとづつ具合が良くなっていったから、楽しい夢だったとは思うんだ。
どんな夢だったんだろう?
今日はクマパンちゃんたちと公園に遊びに来てるんだけれど、夢のことが気になって仕方がないんだ。
「ミケちゃん、ミケちゃん」
あたしは、ハッと我にかえった。きつねこちゃんとチャコマロンちゃんが、心配そうに見ている。
「ミケちゃん、また、具合、悪くなった?」
「もう、おうちに帰る?」
「ううん。ちがうよ、きつねこちゃん、チャコちゃん。ちょっと、考えごとをしてただけ」
そしたら、クマパンちゃんが笑ったの。
「ミケちゃんが考えごとだって」
「ちょっと、クマパンちゃん、どういう意味よ!」
「わぁー、逃げろー!」
「待ちなさい! クマパンちゃん!」
あたしは、公園の中を逃げまわるクマパンちゃんを追いかけた。
「ミケちゃんたら、すっかり元気」
チャコマロンちゃんが、半分呆れて笑っている。
きつねこちゃんも笑って言った。
「なんか、ふたりとも楽しそうだよ。チャコちゃん、あたしたちも追いかけっこして遊ぼうか」
「うん!」
「ミケちゃーん、クマパンちゃーん、追いかけっこ、まぜてー」
それから、みんなで追いかけっこをして遊んだの。
あたし、追いかけっこをしながら思い出した。
そうよ、あの夢の中でも、みんなで追いかけっこしていたんだ。
クマパンちゃんと、きつねこちゃんと、チャコマロンちゃんと。
それから、遠くに行ってしまった黒ちゃんと白ちゃんも、なぜだか、いっしょだったんだ。
あたしは、もう会えないと思っていた黒ちゃんと白ちゃんを見つけて、嬉しくなって追いかけた。
でも、黒ちゃんも白ちゃんも、もう少しでつかまえることができそうなのに、夢の中ではつかまえることができなかった。
今もあたしの前を、黒ちゃんや白ちゃんが笑いながら走っていく。
「黒ちゃん!白ちゃん!」
あたしは、いっしょうけんめい走って、やっとふたりをつかまえた。
そしたら、黒ちゃんと白ちゃんは、クマパンちゃんになった。
「あー、つかまっちゃった!」
クマパンちゃんは、うれしそうに笑った。
「つかまっちゃったから、はい!みんなにバレンタインのお返し!」
クマパンちゃんは赤いブランコに駆けて行くと、そこに置いてあったカリカリの包みを持ってきて、みんなに配った。
「ミケちゃん、どうぞ。きつねこちゃん、どうぞ。チャコちゃん、どうぞ」
「クマパンちゃん、どうして、あたしにだけ、みっつあるの」
「それは、ミケちゃんが食いしん坊だから!」
クマパンちゃんは笑って、また逃げていった。
「ミケちゃん、それはね」
きつねこちゃんが言いかけて、やめた。あたしがどうしてなのかわかっているって、気が付いたから。
あたしはいつでも会えると思っていたから、黒ちゃんにも白ちゃんにも「ありがとう」も「大好き」も、言っていなかった。
だけど、黒ちゃんも白ちゃんも遠くに行ってしまって、もう会えなくなった。
あたしは、ずっと、それがくやしくて悲しかった。
でもね、先月トナカイのヴィクセンちゃんが黒ちゃんと白ちゃんにバレンタインの贈り物を届けてくれたの。
ヴィクセンちゃんはサンタクロースさんのトナカイだから、時間も空間も超えて、どこにでもいける。
それに、実はクマパンちゃんもああ見えてサンタクロースさんのおもちゃ工房出身だから、もしかしたら、さっき、瞬きしたあいだだけ黒ちゃんと白ちゃんに会わせてくれたのかもしれない。
黒ちゃん。白ちゃん。
元気そうで良かった!
あたしは、元気に毎日楽しく暮らしてる。
だから、安心してね。
ありがとう!
今でも、これからも、ずっとずっと大好きだからね!
「ねえ、ミケちゃん、きつねこちゃん。これから、うちに来ない? コンちゃんが、パーティーの準備してるから。今日はホワイトデーとひなまつり合同パーティーよ!」
チャコマロンちゃんが言った。
あたしたち、4月の旧暦のおひなさま迄、おひなさまごっこしているの。
「でも、クマパンちゃん、どっか行っちゃったよ」
「大丈夫よ、きつねこちゃん。クマパンちゃんたら、チャコちゃん家の方に走っていったから」
「さすが、ミケちゃん、よく見てる!」
それから、あたしたちは、チャコマロンちゃんのおうちに行きました。
そしたら、やっぱり、クマパンちゃんいたよ。
コンちゃんと、飲めや歌えやの大騒ぎをしていた。
ありがとう、クマパンちゃん!
クマパンちゃん、大好き!
三毛猫ミケ
***
猫も人間も、春先は体調を崩しやすい季節。
無病息災からできた言葉に、一病息災があります。
無病息災は「病気をせずに健康」ということですが、一病息災は「一つくらい持病がある方が、かえって体をいたわって長生きできる」という意味。
以前、とある授業で、教授が緊急入院した後に言っていました。「病気というのは、自分を見直す時間」だと。
病気の時間は、日常から離れた時間。その時間の中で、改めて、自分の体のこと、仕事のこと、家族のことを考えることができたそうです。
幸い大事には至らずにすんだせいもあって、「たまには病気になるのもいいものだ」なんて軽口をたたいて、学生を笑わせていました。
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皆さんも無理せず、ご自愛くださいね。
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