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3月
クマパンちゃんの逃亡2019
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クマパンちゃんが、トコトコやってきた。
「おはよう、ミケちゃん! 今日は、何して遊ぶ?」
なんか去年の今日も同じことを、クマパンちゃんは言っていたような……。まあね、クマパンちゃんは、毎朝、ほぼ同じことを言うんだけどね。
でもね、一年前はクマパンちゃん逃亡しちゃったのよ。あたしが、ひなまつりだからおひなさまごっこしようって言ったら。
あたしはきつねこちゃんやチャコマロンちゃんと三人官女になるって言っているのに、クマパンちゃんは「ミケちゃんはお内裏さま」って決めつけるの。
だったら、お内裏さまは女雛と男雛なんだから、クマパンちゃんが男雛の役よって言うと、「やだぁ! ぼく、ミケちゃんとお内裏さまだなんて、恥ずかしいよ」って、走って逃げて行っちゃった。
そのあと、あたしたちがおひなさまごっこをしていると視線を感じるの、クマパンちゃんの。
クマパンちゃんたら隠れて、うらやましそうに見ていたのよね。
隠れて見ているくらいなら、こっちにきて遊べばいいのに。あたしたちだって、その方が楽しいんだし。
だけど、今年は、だいじょうぶ。
お内裏さまが、ちゃんとあるもの。
クマパンちゃんが折り紙で作った「やすらぎ雛」!
(詳しいことを知りたい人は、去年の三月の「クマパンちゃんの逃亡」と「かくれんぼ日和」を読んでください)
だから、あたし、安心して言ったの。
「もちろん、おひなさまごっこ! クマパンちゃんは、何の役になる? そうだ! コンちゃんたちを呼んできて、ぬいぐるみ五人囃子なんて、どう?」
「いいね、いいね! だったら、お内裏さまはミケちゃんだ。きつねこちゃんとチャコちゃんは、三人官女のおねえさんだね!」
ちょっと、ちょっと、クマパンちゃん! また、去年と同じこと言わないでよ。
「お内裏さまなら、クマパン作やすらぎ雛があるでしょ。ほら」って、あたしは、折り紙のお内裏さまを見せたの。「きつねこちゃんとチャコちゃんだけなら、三人官女にならないじゃないの。だから、あたしも三人官女!」
そしたら、クマパンちゃん、プーッとむくれちゃったのよ。
それで、そのあと、どうしたと思う?
お内裏さまを持って、逃亡しちゃったの!
「ミケちゃんは、お内裏さまーー!」って、叫んで。
だから、あたしもクマパンちゃんの後ろ姿に、つい叫んじゃった。
「それなら、クマパンちゃんもお内裏さまだよー! 女雛のあたしのとなりで、クマパンちゃんが男雛だよーー!」
これに似たセリフ、去年も言ったよ、あたし。
なんで、あたしまで、去年と同じこと言わなきゃならないのよ。
まったく、もう。
今年は、心おきなくチャコマロンちゃんときつねこちゃんとで、三人官女ができると思ったのにな。
とりあえず、きつねこちゃんとチャコマロンちゃんをよんできて、『期間限定ひな祭りスペシャルカリカリ』を食べようっと。
あれ? これ、あたし、去年も言ったよね。
まあ、いいや。
毎年、同じことを繰り返すのって、この一年、みんなに変わりがなかったってことだし。幸せなことなのよ、きっと。
そうそう、去年と同じといえば、あたしたちのおひなさまごっこは、今年も旧暦のひな祭りまで続きます。
よかったら、これを読んでいる皆さんも、おひなさまごっこに参加しに来てください。
毎年同じ楽しいことが幸せなら、違う楽しいことをするのも幸せだもの!
左大臣右大臣の役が、まだあいています。
左近の桜と右近の橘の役だって、あいてますよー!
三毛猫 ミケ
***
クマパンちゃんは、どうしてもミケちゃんにはお内裏さまの女雛になってほしいようですね。
それなら、ミケちゃんの提案どおり、クマパンちゃんが素直に男雛になればいいのに。でも、それは恥ずかしいクマパンちゃん。
なかなか、むずかしいクマパンちゃんの男心です(笑)
2019年の旧暦の3月3日は、新暦では4月7日になります。
ミケちゃんたちは、それまでおひなさまごっこをしていますから、よかったら、絶賛募集中の左大臣右大臣、桜や橘になりに行ってあげてください。
ところで、童謡「うれしいひなまつり」の歌詞には、「お内裏さまとお雛さま」とあります。
でも、お内裏さまは男雛と女雛のことですし、お雛さまは雛祭りや雛人形のこと。
あと、この歌詞にはもう一つ、間違いがあります。
それは「赤いお顔の右大臣」。
赤いお顔は向かって右の左大臣の方。
向かって右が左大臣。左が右大臣。
桜と橘も、向かって右が左近の桜。左が右近の橘。
どうして、逆かと言うと、お内裏さまから見た右と左だからなんですよ。
右大臣と左大臣は、正式名称は隋臣といい、右近衛少将、左近衛中将という役職だそうです。
桜も橘も、古くから日本で愛されてきた植物。
日本の花の代表ともいえる桜ですが、原産地は日本ではありません。ヒマラヤのネパールが桜のルーツの有力説。
それに対して、橘は日本の固有種。日本原産の唯一の柑橘なんですって。
「おはよう、ミケちゃん! 今日は、何して遊ぶ?」
なんか去年の今日も同じことを、クマパンちゃんは言っていたような……。まあね、クマパンちゃんは、毎朝、ほぼ同じことを言うんだけどね。
でもね、一年前はクマパンちゃん逃亡しちゃったのよ。あたしが、ひなまつりだからおひなさまごっこしようって言ったら。
あたしはきつねこちゃんやチャコマロンちゃんと三人官女になるって言っているのに、クマパンちゃんは「ミケちゃんはお内裏さま」って決めつけるの。
だったら、お内裏さまは女雛と男雛なんだから、クマパンちゃんが男雛の役よって言うと、「やだぁ! ぼく、ミケちゃんとお内裏さまだなんて、恥ずかしいよ」って、走って逃げて行っちゃった。
そのあと、あたしたちがおひなさまごっこをしていると視線を感じるの、クマパンちゃんの。
クマパンちゃんたら隠れて、うらやましそうに見ていたのよね。
隠れて見ているくらいなら、こっちにきて遊べばいいのに。あたしたちだって、その方が楽しいんだし。
だけど、今年は、だいじょうぶ。
お内裏さまが、ちゃんとあるもの。
クマパンちゃんが折り紙で作った「やすらぎ雛」!
(詳しいことを知りたい人は、去年の三月の「クマパンちゃんの逃亡」と「かくれんぼ日和」を読んでください)
だから、あたし、安心して言ったの。
「もちろん、おひなさまごっこ! クマパンちゃんは、何の役になる? そうだ! コンちゃんたちを呼んできて、ぬいぐるみ五人囃子なんて、どう?」
「いいね、いいね! だったら、お内裏さまはミケちゃんだ。きつねこちゃんとチャコちゃんは、三人官女のおねえさんだね!」
ちょっと、ちょっと、クマパンちゃん! また、去年と同じこと言わないでよ。
「お内裏さまなら、クマパン作やすらぎ雛があるでしょ。ほら」って、あたしは、折り紙のお内裏さまを見せたの。「きつねこちゃんとチャコちゃんだけなら、三人官女にならないじゃないの。だから、あたしも三人官女!」
そしたら、クマパンちゃん、プーッとむくれちゃったのよ。
それで、そのあと、どうしたと思う?
お内裏さまを持って、逃亡しちゃったの!
「ミケちゃんは、お内裏さまーー!」って、叫んで。
だから、あたしもクマパンちゃんの後ろ姿に、つい叫んじゃった。
「それなら、クマパンちゃんもお内裏さまだよー! 女雛のあたしのとなりで、クマパンちゃんが男雛だよーー!」
これに似たセリフ、去年も言ったよ、あたし。
なんで、あたしまで、去年と同じこと言わなきゃならないのよ。
まったく、もう。
今年は、心おきなくチャコマロンちゃんときつねこちゃんとで、三人官女ができると思ったのにな。
とりあえず、きつねこちゃんとチャコマロンちゃんをよんできて、『期間限定ひな祭りスペシャルカリカリ』を食べようっと。
あれ? これ、あたし、去年も言ったよね。
まあ、いいや。
毎年、同じことを繰り返すのって、この一年、みんなに変わりがなかったってことだし。幸せなことなのよ、きっと。
そうそう、去年と同じといえば、あたしたちのおひなさまごっこは、今年も旧暦のひな祭りまで続きます。
よかったら、これを読んでいる皆さんも、おひなさまごっこに参加しに来てください。
毎年同じ楽しいことが幸せなら、違う楽しいことをするのも幸せだもの!
左大臣右大臣の役が、まだあいています。
左近の桜と右近の橘の役だって、あいてますよー!
三毛猫 ミケ
***
クマパンちゃんは、どうしてもミケちゃんにはお内裏さまの女雛になってほしいようですね。
それなら、ミケちゃんの提案どおり、クマパンちゃんが素直に男雛になればいいのに。でも、それは恥ずかしいクマパンちゃん。
なかなか、むずかしいクマパンちゃんの男心です(笑)
2019年の旧暦の3月3日は、新暦では4月7日になります。
ミケちゃんたちは、それまでおひなさまごっこをしていますから、よかったら、絶賛募集中の左大臣右大臣、桜や橘になりに行ってあげてください。
ところで、童謡「うれしいひなまつり」の歌詞には、「お内裏さまとお雛さま」とあります。
でも、お内裏さまは男雛と女雛のことですし、お雛さまは雛祭りや雛人形のこと。
あと、この歌詞にはもう一つ、間違いがあります。
それは「赤いお顔の右大臣」。
赤いお顔は向かって右の左大臣の方。
向かって右が左大臣。左が右大臣。
桜と橘も、向かって右が左近の桜。左が右近の橘。
どうして、逆かと言うと、お内裏さまから見た右と左だからなんですよ。
右大臣と左大臣は、正式名称は隋臣といい、右近衛少将、左近衛中将という役職だそうです。
桜も橘も、古くから日本で愛されてきた植物。
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