カエルとカタツムリと子猫のしっぽ(改稿版)

水玉猫

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なにかと一緒

不法侵入者の逮捕劇

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「なにか!」 

 寝室の開いたドアから弾丸のように飛び込んで来たのは、仔猫のなにかだった。
 それに気付いたジェイが、すぐさま捕まえようとした。
 しかし、積み上げた段ボール箱や衣類その他が障壁しょうへきとなって、人間は思うように動けない。その上、身軽な仔猫は、機敏極まりない。
 今にも崩れ落ちそうな段ボール箱や衣類の間を、小さな不法侵入者はぴょんぴょんと楽しげに逃げて行く。

 わたしたちは、不毛な口論をしている場合ではなくなった。不法侵入者「なにか」の逮捕が一番の急務だ。
 ただちに、わたしもジェイの「なにか」逮捕に加勢する。が、この取っ散らかった状況においては、お互いがお互いの邪魔になり、かえって、なにかの逃亡の手助けをするだけだった。

 そして、わたしは、この場においてもポンコツぶりを遺憾なく発揮した。なにかを捕まえようとして、段ボール箱の山に自ら体当たりしてしまったのだ。
 崩れ落ちる段ボール箱から、なにかをかばおうとしたジェイが衣類の海に突っ込んでいく。

 当の不法侵入者は、わたしたちと遊んでいるつもりなのだろう。ジェイの背中を踏みつけて、ベッドに飛び移って、大はしゃぎだ。

「ジェイ、だいじょうぶか」
「ああ、だいじょうぶだよ」

 わたしは、ジェイを助け起こした。

「エム、ベッドの反対側に行ってくれないか。ぼくは、こちら側から行くから、挟み撃ちだ」

 血相を変え必死なわたしたちを尻目に、なにかは小憎こにくらしいことに余裕の面持ちだ。
 それでもどうにか、ヘッドボードの方に追い詰めて行ったが、仔猫はわたしとジェイの間を楽々とり抜けて行く。わたしたちは勢い余って、お互いの額をいやという程ぶつけてしまった。わたしは目から火が出るのを、身を持って体験した。


 しかし、不法侵入者の天運もここで尽きた。
 ヘッドボードに飛び移ろうとしたなにかは、そこに放り投げてあったタオルに爪が引っかかり落下して、わたしのピローの上でタオルを被って必死で足掻あがいている。

 ジェイが、なにかをタオルごと抱き上げ、逮捕劇は一先ず幕引きとなった。

 しかし、事件は収束には至らず、この先二転三転して、最悪の結果になっていったのだ。


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