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【2】
9.好きなのはあなただけ
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大学の友達に付き合ってることがバレました。そんなメッセージを夕方頃に送ったら、夜に恭ちゃんから電話が掛かってきた。
『……まぁ、お前が気にしないならいいけどさ』
大丈夫かとか、言いふらされたりしないかとか、一通り俺の心配をした恭ちゃんは透もゲイなんだと伝えてようやくほっと息を吐いた。
「そんなに心配しなくてもいいのに」
『するよ。……俺のせいで嫌な思いはさせたくないだろ』
恭ちゃんを好きになったことで嫌な思いなんてしていない。そう伝えてみてもきっと、恭ちゃんは曖昧に微笑むだけなんだろうな。
目の前にいれば、言葉だけじゃなく全身で思いを伝えられるのに。大した距離でもないのに、離れた時間がもどかしい。
「そうだ、透にショーコママのお店教えてもいいですか? あいつ、周りにそういう話できる人全然いないみたいで」
『そんなの、お前の好きにしろよ。ママも喜ぶと思うし』
透のことを見ていると、恭ちゃんも同じような思いをしてきたんだろうかと考えてしまう。
だから、寂しそうに笑った姿が頭から離れない。
友達だから、力になりたい。それだけじゃなくて、透を放っておくのは恭ちゃんにそうするのと変わらない気がしてしまうんだ。
『あのさ、高瀬』
「はい?」
『オレの気にし過ぎとは思うけど、気を付けろよ』
「え?」
何のことを言われているのかわからない俺の返事に、スマホの向こうで恭ちゃんは溜め息を吐いた。
『……お前、モテるだろ』
「あ、もしかして透のこと?」
電波が途切れてしまったように、だんまりを決め込む恭ちゃん。
堪えきれずに吹き出した俺に、長い溜め息が被せられた。
『心配になるに決まってんだろ』
「大丈夫ですよ、俺は恭ちゃんだから付き合いたいって思ってるんですから」
透は、友達だ。もし、仮に透が俺を好きだとしても応じることはない。
「男に言い寄られても、女に言い寄られても、俺が好きなのは恭ちゃんです」
『……わかってるよ。お前のことは疑ってない』
ごめん、と恭ちゃんは小さく呟く。
「そんな風に思ってもらえて嬉しいくらいですよ」
『……そ』
再び沈黙が続いた。顔を合わせていると気付かないけれど、電話越しだと恭ちゃんは結構言葉を選ぶタイプなんだなと気付かされる。
「お仕事、大変ですか?」
『やらなきゃいけないことが多くてさ。仕事自体はいつも通りなんだけど』
「そうなんですね……俺で良ければいつでも話聞きますから」
『ん。オレも時間ある時は飲みにでも誘うよ』
「嬉しいです。でも、本当に無理はしないでいいですからね」
『高瀬に会うのを無理なんて思うわけないだろ』
胸の奥をくすぐる恭ちゃんの言葉に、頬が緩むのが止められない。顔を見たいと思うのに、今の自分のだらしない顔は見せたくないなと思ってしまう。
『……それじゃ、おやすみ』
「はい。おやすみなさい」
自分から電話を切るのは惜しい気がして、スマホを耳に押し当てたまま目を閉じる。
一瞬、恭ちゃんが向こうで息を吸う音がして、何かを言いかけた気配と共に通話は切れた。
もしかして、恭ちゃんも切るのが惜しいと思ってくれたんだろうか。そうだとしたら、ますます俺の頬は緩んでいく。
「心配なんて、しなくていいのに」
俺の心の中は、余計な隙間などないくらいに恭ちゃんで埋め尽くされている。
どうやったらそのことをわかってもらえるんだろう。
そんなことを考えながら、俺はベッドの上に仰向けに寝転んだ。
『……まぁ、お前が気にしないならいいけどさ』
大丈夫かとか、言いふらされたりしないかとか、一通り俺の心配をした恭ちゃんは透もゲイなんだと伝えてようやくほっと息を吐いた。
「そんなに心配しなくてもいいのに」
『するよ。……俺のせいで嫌な思いはさせたくないだろ』
恭ちゃんを好きになったことで嫌な思いなんてしていない。そう伝えてみてもきっと、恭ちゃんは曖昧に微笑むだけなんだろうな。
目の前にいれば、言葉だけじゃなく全身で思いを伝えられるのに。大した距離でもないのに、離れた時間がもどかしい。
「そうだ、透にショーコママのお店教えてもいいですか? あいつ、周りにそういう話できる人全然いないみたいで」
『そんなの、お前の好きにしろよ。ママも喜ぶと思うし』
透のことを見ていると、恭ちゃんも同じような思いをしてきたんだろうかと考えてしまう。
だから、寂しそうに笑った姿が頭から離れない。
友達だから、力になりたい。それだけじゃなくて、透を放っておくのは恭ちゃんにそうするのと変わらない気がしてしまうんだ。
『あのさ、高瀬』
「はい?」
『オレの気にし過ぎとは思うけど、気を付けろよ』
「え?」
何のことを言われているのかわからない俺の返事に、スマホの向こうで恭ちゃんは溜め息を吐いた。
『……お前、モテるだろ』
「あ、もしかして透のこと?」
電波が途切れてしまったように、だんまりを決め込む恭ちゃん。
堪えきれずに吹き出した俺に、長い溜め息が被せられた。
『心配になるに決まってんだろ』
「大丈夫ですよ、俺は恭ちゃんだから付き合いたいって思ってるんですから」
透は、友達だ。もし、仮に透が俺を好きだとしても応じることはない。
「男に言い寄られても、女に言い寄られても、俺が好きなのは恭ちゃんです」
『……わかってるよ。お前のことは疑ってない』
ごめん、と恭ちゃんは小さく呟く。
「そんな風に思ってもらえて嬉しいくらいですよ」
『……そ』
再び沈黙が続いた。顔を合わせていると気付かないけれど、電話越しだと恭ちゃんは結構言葉を選ぶタイプなんだなと気付かされる。
「お仕事、大変ですか?」
『やらなきゃいけないことが多くてさ。仕事自体はいつも通りなんだけど』
「そうなんですね……俺で良ければいつでも話聞きますから」
『ん。オレも時間ある時は飲みにでも誘うよ』
「嬉しいです。でも、本当に無理はしないでいいですからね」
『高瀬に会うのを無理なんて思うわけないだろ』
胸の奥をくすぐる恭ちゃんの言葉に、頬が緩むのが止められない。顔を見たいと思うのに、今の自分のだらしない顔は見せたくないなと思ってしまう。
『……それじゃ、おやすみ』
「はい。おやすみなさい」
自分から電話を切るのは惜しい気がして、スマホを耳に押し当てたまま目を閉じる。
一瞬、恭ちゃんが向こうで息を吸う音がして、何かを言いかけた気配と共に通話は切れた。
もしかして、恭ちゃんも切るのが惜しいと思ってくれたんだろうか。そうだとしたら、ますます俺の頬は緩んでいく。
「心配なんて、しなくていいのに」
俺の心の中は、余計な隙間などないくらいに恭ちゃんで埋め尽くされている。
どうやったらそのことをわかってもらえるんだろう。
そんなことを考えながら、俺はベッドの上に仰向けに寝転んだ。
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