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【2】
11.初体験の相手になって
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「あ、なんか透がネコみたいに話しちゃったよね。違ってたらごめん」
「ううん、大丈夫。合ってるから」
ほっと息を吐きながら、透は少し落ち着いた様子でグラスを傾けた。
俺も安心してつまみのチーズに手を伸ばす。少しでも俺と話して透の気が楽になれば嬉しい。
「おれ、昔から人見知りでずっとユウの後をついていってるみたいな感じだったんだよ。大学からは地元離れるし、恋人作りたいなって思ってたのに、結局今もユウに助けてもらってるんだよね」
それが嫌なわけじゃないけど、と透は小さく溢した。
「変わりたいって思って外見から変えてみても、中身が変わったわけじゃないからうじうじしたままだし……出会い系も使ってみようと思ったけどセックス前提って感じで足踏みしちゃって……」
溜め息を吐く透の姿に、恭ちゃんが言ってたことを思い出す。
恋人を探そうにもその先にはどうしてもセックスがちらつくし、乗り気でなくても肌を重ねないと関係を進めることが難しいことは少なくなかったと。
タチとネコという役割もあるから、なおさらにそこを気にしなければいけないから男女の恋愛よりもさらに出会いから難しいんだろう。
「ここなら出会いを求めて来る人も少なくないし、しばらく通ってみたらどう? ママに相談しておけば紹介もしてくれるし」
「うん、ありがとう陽」
気の抜けた笑みを浮かべた透は、空になったグッズを手にしたままニコニコと俺の肩へと頭を預ける。
眠いのか尋ねれば、呂律の怪しい返事が出てきて、そろそろ帰ったほうが良さそうだと透の体を押し返すために肩に触れた。
「……ねぇ、陽。おれとシない?」
「え?」
聞き逃してしまいそうだった、ぽつりと零された透の言葉。透は、じっと俺を見つめていた。
「やっぱ、初めてって不安だから知ってる人とがいい。陽なら、そういうの気にしないでしょ?」
同じようなことを頼まれた方は何回かある。
経験しておきたいけど誰でもいいわけじゃないし、と女友達に誘われて、その度に応じてきた。
頼んできた相手とはその後も変わらず友達でいたから、そういうのもあって声を掛けられていたんだと思う。
仲の良い相手となら、出掛けるのも、ご飯を食べるのも、セックスするのだって楽しいに決まっている。
それは別に、男でも女でも変わらない。
今までの俺ならきっと、透からのこの誘いも断ったりはしなかっただろうな。
「ごめん、それは出来ない」
透の肩を押し返し、体を離す。
驚いた様子で目を丸くした透は、俺の袖を掴むとゆっくりと首を振った。
「それは、おれが男だから? 女の子だったら抱いてくれた?」
「女でも断るよ。透が男だからじゃなくて、俺に今好きな人がいるから出来ない」
誰に誘われたとしても、この答えは変わらない。
「流石に酔い過ぎだって。そろそろ帰ろう」
「そうだね。はぁ、陽ならオーケーしてくれると思ってたのに……」
なんとなく申し訳ない気持ちになって、ごめんと呟けば透は苦笑を浮かべていた。
「ううん、大丈夫。合ってるから」
ほっと息を吐きながら、透は少し落ち着いた様子でグラスを傾けた。
俺も安心してつまみのチーズに手を伸ばす。少しでも俺と話して透の気が楽になれば嬉しい。
「おれ、昔から人見知りでずっとユウの後をついていってるみたいな感じだったんだよ。大学からは地元離れるし、恋人作りたいなって思ってたのに、結局今もユウに助けてもらってるんだよね」
それが嫌なわけじゃないけど、と透は小さく溢した。
「変わりたいって思って外見から変えてみても、中身が変わったわけじゃないからうじうじしたままだし……出会い系も使ってみようと思ったけどセックス前提って感じで足踏みしちゃって……」
溜め息を吐く透の姿に、恭ちゃんが言ってたことを思い出す。
恋人を探そうにもその先にはどうしてもセックスがちらつくし、乗り気でなくても肌を重ねないと関係を進めることが難しいことは少なくなかったと。
タチとネコという役割もあるから、なおさらにそこを気にしなければいけないから男女の恋愛よりもさらに出会いから難しいんだろう。
「ここなら出会いを求めて来る人も少なくないし、しばらく通ってみたらどう? ママに相談しておけば紹介もしてくれるし」
「うん、ありがとう陽」
気の抜けた笑みを浮かべた透は、空になったグッズを手にしたままニコニコと俺の肩へと頭を預ける。
眠いのか尋ねれば、呂律の怪しい返事が出てきて、そろそろ帰ったほうが良さそうだと透の体を押し返すために肩に触れた。
「……ねぇ、陽。おれとシない?」
「え?」
聞き逃してしまいそうだった、ぽつりと零された透の言葉。透は、じっと俺を見つめていた。
「やっぱ、初めてって不安だから知ってる人とがいい。陽なら、そういうの気にしないでしょ?」
同じようなことを頼まれた方は何回かある。
経験しておきたいけど誰でもいいわけじゃないし、と女友達に誘われて、その度に応じてきた。
頼んできた相手とはその後も変わらず友達でいたから、そういうのもあって声を掛けられていたんだと思う。
仲の良い相手となら、出掛けるのも、ご飯を食べるのも、セックスするのだって楽しいに決まっている。
それは別に、男でも女でも変わらない。
今までの俺ならきっと、透からのこの誘いも断ったりはしなかっただろうな。
「ごめん、それは出来ない」
透の肩を押し返し、体を離す。
驚いた様子で目を丸くした透は、俺の袖を掴むとゆっくりと首を振った。
「それは、おれが男だから? 女の子だったら抱いてくれた?」
「女でも断るよ。透が男だからじゃなくて、俺に今好きな人がいるから出来ない」
誰に誘われたとしても、この答えは変わらない。
「流石に酔い過ぎだって。そろそろ帰ろう」
「そうだね。はぁ、陽ならオーケーしてくれると思ってたのに……」
なんとなく申し訳ない気持ちになって、ごめんと呟けば透は苦笑を浮かべていた。
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