お前はオレの好みじゃない!

河合青

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番外編 一回じゃ全然足りない高瀬の話

②(終)★

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 さっきまでの紳士的な振る舞いが嘘のように、オレの言葉で高瀬は目の色を変えた。期待の籠もった眼差しをオレへと向け、下半身をぐっと強く押し当てる。
「生で出していいんですか?」
「……オレがそれ好きなの知ってるくせに聞くんだな」
「そりゃ、嫌だって言われることはしなくありませんから。……恭ちゃんの喜ぶこと、沢山したいんです」
 それじゃまるで、オレが中出しされて喜ぶみたいな言い方じゃないか。
 そう思われるのは心外で、オレは高瀬にしがみついて耳元へと唇を寄せた。
「なら、ゆっくり動けるか?」
「ゆっくりですか?」
「そう。激しいのじゃなくて、甘やかすみたいにゆっくりされたい」
 高瀬はギラついた目でオレを見つめながら、しっかりと頷いてオレの唇を塞ぐ。
 甘やかされたい。その希望に応えるよう、高瀬の舌はオレの舌に絡みつくと、器用に周りをなぞり、形を確かめていく。舌の裏側も、表面も、時間を掛けて舐め尽くした後は、歯の裏側も一つ一つなぞりながら、オレの口内を溶かしていく。
「ふ、ぁ……たか、せぇ……あっ、ぅん」
 高瀬の唾液が口の中に落ちてきて、飲み込みきれないものが唇の端から溢れていく。高瀬はオレの胸の突起も指先でくにくにと押し潰しながら、じっくり時間を掛けて口の中を高瀬の唾液で満たしていく。
「んんっ、ふ、ぅ」
 濡れた舌で撫でられるたびに、びくりと腰が跳ね、高瀬の指先がカリカリと胸の先端を擽る。口の中の気持ちいいところが一つずつ解されているようで、こんなことを繰り返されたらそのうちキスだけでも達してしまうかもしれなかった。
「はぁ……たかせ……」
 唇が離れ、呼吸と共に高瀬を呼べば、高瀬は満足げに微笑んでいる。
「恭ちゃん、気持ちよかったですか?」
「ん……」
「良かった。それじゃ、挿れますね」
 今更解す必要なんてないオレの穴へと精液で濡れた自身をあてがうと、高瀬はオレの足を大きく開かせちゅぽんと先っぽを飲み込ませた。
「んっ」
「先端が入りましたね。まだまだありますから、ゆっくり飲み込んで下さいね」
 高瀬はそう言うと、浅く引いて奥へと進むもどかしい動きを繰り返していった。じっくりと進んでいくから、高瀬のモノが優しく前立腺を撫でていき、甘く痺れる快感に腹の奥がぎゅぅと疼き始める。
「あっ……んん……高瀬ぇ……ん、ふ」
 名前を呼べば、キスをされる。柔らかく、覆い隠すように触れる唇。その間にも、濡れた高瀬の性器はオレの直腸内をすりすりと撫で上げながらぎちぎちと隙間なく満たしていく。
 物足りない、なんて思う隙がない。
 もう下がることを許さないように、両足を高瀬の身体に絡めてしっかりと捕まえる。腰を引くことなく高瀬は、お互いの下半身をぴったりと重ねてオレのナカへ全て飲み込ませた。
「ん……腹の中、高瀬ので、いっぱいだな」
「恭ちゃん、挿れられて出ちゃってるじゃないですか」
 オレの腹を濡らしていた精液を指先で掬い取った高瀬は、糸が引く様子を眺めると濡れた指先でオレの性器の鈴口を軽く擽った。
「ひゃんっ! 高瀬、やめ……出る、だろ」
「たくさん出しちゃって下さい。……恭ちゃん、精液ちょっと水っぽくなってるのわかります?」
 オレのモノの先っぽから伸びる糸はすぐにぷつんと切れてしまう。粘り気が弱くなっているのは、それだけ高瀬に搾り取られている証だった。
「前も触りますか?」
「いい、ナカでイきたい……」
「……そんなこと言われたらドキドキしちゃいますよ」
 高瀬はオレの体を抱き締めると、これ以上ないほどに体を密着させる。結合部からはぐちゅと控えめな音が響き、オレが身動ぐのに合わせてぬるい液体が溢れ出すのがわかった。
「高瀬……なんか、へん……」
 激しく動いて良いところを責められているわけではなく、オレのナカにぴったりと高瀬の性器が収まっているだけなのに、心臓は速さを増していき、意識せずとも高瀬のモノをぎゅうぎゅうと締め付けてしまう。
 高瀬のモノの形が、手で触れるようにわかってしまう。ナカの感触だけで、浮き出た血管の一つ一つまで感じられてしまう。
「っ、恭ちゃん、きつ……俺の食いちぎられそうですよ」
「ちがっ……んん……」
「あー……きもち……このまま、出します」
 オレの意思とは関係なく、高瀬のモノを締め付けてしまえば、その刺激で高瀬はオレのナカへと精液を注いでいく。一番深いところをゆっくりと満たしていく熱に、ますます腹の奥が疼いて、もっと欲しいと強請るように高瀬のモノへと直腸内がしゃぶり付いていく。
 薄いゴムがないだけで、直に高瀬の熱を感じることが出来る。一番奥で受け止めたところで洗い流すだけだとしても、意味のないことだとは思いたくない。
「全部、ほしい……!」
 高瀬の欲を、この体で受け止めたい。どくどくと脈打ちながら精液を吐き出す高瀬の性器を、腹の奥に力を込めて締め付ける。
 小さなうめき声と共に高瀬はオレを抱き締める力を強め、重く長い息をゆっくりと吐き出していった。
「……まだ、ですよ」
 ナカに注がれる感覚が収まり、小さく息を吐いたオレの耳元で高瀬は囁く。
「まだ出せますから、恭ちゃんも頑張って下さいね」
 余裕ぶった笑みを浮かべ、高瀬は硬くなったままの性器をずるずると時間を掛けてギリギリまで引き抜き、同じように時間を掛けてオレの奥まで押し潰していく。
 嘘だろ、と抗議の声をあげたオレの唇を強引に塞ぐと、まるで焦らすようにゆっくりと、オレのナカを擦り上げていった。

「ん……」
 いつのまに、寝落ちをしてしまったんだろう。瞼を持ち上げれば目の前に高瀬の姿はなく、けれど後ろから抱き締める体温に気付いてオレは首だけで高瀬を振り返った。
「悪い、寝てたか?」
「俺も結構無茶したんで、恭ちゃんは悪くないですよ」
 高瀬の方を向くために体を動かそうとして、違和感を覚えオレは動きを止めた。高瀬はオレの腹をゆっくりと撫で、そのまま掌で軽く押し込んでくる。
「……まだ入ったままじゃん」
「もうへにょへにょですけどね。苦しくはないでしょ?」
 芯のない高瀬の性器が、まだオレのナカに飲み込まれている。その奥はぬるく重い液体でたっぷりと満たされているのも感覚からわかって、オレは動くことが出来ないまま高瀬に背中を預けていた。
「恭ちゃんって激しいのより前戯多めのゆ~っくりな方が好きなんですね」
 自分でたっぷりと出したオレの腹を撫でた高瀬は、嬉しそうに笑っている。
「俺もその方が好きなんで、これからは挿れる前からたっぷり気持ちよくしていきますね」
 高瀬とするんだったら何でも良いよ。それは紛れもなく本心だったけれど、オレを抱き締め笑う高瀬が楽しそうだったから、オレは何も言わずに高瀬の手へと指を絡めた。
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