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番外編+SS(本編のネタバレ含みます)
Christmas Day−5
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そうしてもう片方の手を尻の割れ目から手を差し込めば、指先は容易く敏感な箇所へ届いた。閉ざされた割れ目に構わず指を突っ込み、ますます腹が立つ。
たしかに入口は少し引っ掛かったがそこを突破してしまえばなんてことはない。ぬるりと迎え入れたなかではたっぷりの蜜が指に絡みつくのだ。
「あ。ふぅ……ん。ぁっ」
「れ~ん。この音は?」
入口の縁をぐるりと拡げながらわざと大胆にかき混ぜては、蜜を掻き出すように刺し抜きしてあえて聴かせる。
頬を朱色に染めていようが音ははしたなくなるばかり。こんなふうにするとドMのおまえは我慢ならなくなるのだろう。だがこういう場合、俺の理性のほうが割と粉々だ。
──あーあぐちょぐちょ。たまんね。
俺に甘えるように纏わりついてくる蜜にはひどくあてられ、耳元までやってきた甘い吐息には思わず腰まで砕けそうになるとは大変予想外。
「だって。廉が愛してるなんていうから。あんなに甘くされたら濡れちゃうよっ……」
──くそ可愛いがノーパンてこと忘れんな。
と食いつきたい激情も、知らないうちにすっとどこかへ消えていく。
少し涙目になりながら、慎ましく俺のシャツを手繰り寄せる仕草なんか愛らしくてしょうがないのだ。
結果的に、憤りをまるっと包んだものの正体は尖った色欲だった。激昂はさらに形を変え指先に乗る。
外からの他客のくぐもった声に反応し押し出そうとする──きつい締め付けに抗い、とうとう指の根元までずっぷり埋めた。
「ぁ……あっ! そんなに激しくしないでっ、外まで聴こえちゃ、ぅ」
「恋の甘えたな声が? ああこっちの音か。啼き声より大きくなってるけど大丈夫?」
「も……いじわるだよ……っ」
意地悪もしたくなる。おまえのカラダは俺のキス一つ、この指一本で容易く淫らに啼くのだから。
──もっと、まだだ。甘えたな恋が見たい。
今度はしとどに濡れた指で外の引っ掛かりを探る。こりとした感触ですぐにわかった。こんな場所で剥き出しにはしない。薄っぺらい包皮をあざとく捲り上げるふりをして下から撫でる。それから余った指で突起の真裏を押し擦ってやれば一段と声色が甘くなる。
この瞬間がたまらない。一つずつ敏感スイッチを探りゆくほどに開かれる華に俺は毎度夢中にさせられるのだ。
聞けば、恋の実の母親もがんを患っていたという。年端もいかない子供が被った精神的ダメージは計り知れない。その唯一の心の頼りを亡くし、市井に入ってからはあの通りだ。
自然に逆らい身体を縛り付け、悠に影響が及ばぬようにとひたすら耐え忍んできた人生は──どれだけ窮屈だったろう。
それらから解放された恋はとめどなく美しい。分厚い殻をひん剥けばこんなにもあどけない。
十数年積み重ねてきた我慢を一枚一枚剥ぎ取るたびに、俺は、きっとおまえに恋をした──。
「恋。なに」
唐突のことで眉間に力が入る。あくまで受けの姿勢だった恋が俺の頭部を手繰り寄せ、下から唇に吸い付いてきたのだ。それからも繰り返し可愛い音を立てて短く吸われ続けている。
鳥の求愛行動にこんなものがあったか……そんなことをぼんやり考えつつ試しに舌を差し出してみると、さらに上下唇を使ってねだってきた。
──甘え方、えろ……。
「なに。こんなふうに吸ってほしいの?」
「ん。でもここは、いや。今夜は廉にえっちなことされたくてこれ着てきたんだよ。だから怒らないで。ちゃんと……めちゃくちゃに、して」
──やば。
片腕を真横に一直線に押し出し、ようやっとここで階数ボタンを叩いた。箱はガタンと音を立て動きだす。
ただその弾みで蜜に埋まっていた指が啼きどころを擦り上げたようで、尋常ない締め付けとともに果てる前兆が肌に伝った。
「ぁ……ふあ。……んっ──!!」
即刻口を覆い塞いだのはいうまでもない。おまえよりずっと誰にも見せたくない──聴かせたくないのは、俺だ。
「ケープ握り締めてろ。色々隠しとけ」
「あ、うん……」
やがてエレベーターは指定階で停止し、あられもない姿の嫁を両腕で抱き上げて懐かしいフロアを爆走する。
今宵の宿泊部屋はかつてともに時を過ごしたCEO室、もとい例のスイートルームだった。京極社長が気を利かせて当時の部屋をリザーブしてくれたのだろう。
用済みのカードキーをその辺に放り投げ、玄関扉を潜ったすぐ横の壁に平手を打ちつける。当然、追い詰められた恋の瞳は揺れていた。その奥に燻っているものは恐怖や敵意でないことは熟知している。
「レ──っん!」
胸に収まりきらない激情を呑み込ませるように唇を繋げる、だいたいいつもこんな感じだ。キスで濡れそぼった唇は、グロスよりよほど旨そうだった。
「……なんか、あの日に戻ったみたい」
たしかに入口は少し引っ掛かったがそこを突破してしまえばなんてことはない。ぬるりと迎え入れたなかではたっぷりの蜜が指に絡みつくのだ。
「あ。ふぅ……ん。ぁっ」
「れ~ん。この音は?」
入口の縁をぐるりと拡げながらわざと大胆にかき混ぜては、蜜を掻き出すように刺し抜きしてあえて聴かせる。
頬を朱色に染めていようが音ははしたなくなるばかり。こんなふうにするとドMのおまえは我慢ならなくなるのだろう。だがこういう場合、俺の理性のほうが割と粉々だ。
──あーあぐちょぐちょ。たまんね。
俺に甘えるように纏わりついてくる蜜にはひどくあてられ、耳元までやってきた甘い吐息には思わず腰まで砕けそうになるとは大変予想外。
「だって。廉が愛してるなんていうから。あんなに甘くされたら濡れちゃうよっ……」
──くそ可愛いがノーパンてこと忘れんな。
と食いつきたい激情も、知らないうちにすっとどこかへ消えていく。
少し涙目になりながら、慎ましく俺のシャツを手繰り寄せる仕草なんか愛らしくてしょうがないのだ。
結果的に、憤りをまるっと包んだものの正体は尖った色欲だった。激昂はさらに形を変え指先に乗る。
外からの他客のくぐもった声に反応し押し出そうとする──きつい締め付けに抗い、とうとう指の根元までずっぷり埋めた。
「ぁ……あっ! そんなに激しくしないでっ、外まで聴こえちゃ、ぅ」
「恋の甘えたな声が? ああこっちの音か。啼き声より大きくなってるけど大丈夫?」
「も……いじわるだよ……っ」
意地悪もしたくなる。おまえのカラダは俺のキス一つ、この指一本で容易く淫らに啼くのだから。
──もっと、まだだ。甘えたな恋が見たい。
今度はしとどに濡れた指で外の引っ掛かりを探る。こりとした感触ですぐにわかった。こんな場所で剥き出しにはしない。薄っぺらい包皮をあざとく捲り上げるふりをして下から撫でる。それから余った指で突起の真裏を押し擦ってやれば一段と声色が甘くなる。
この瞬間がたまらない。一つずつ敏感スイッチを探りゆくほどに開かれる華に俺は毎度夢中にさせられるのだ。
聞けば、恋の実の母親もがんを患っていたという。年端もいかない子供が被った精神的ダメージは計り知れない。その唯一の心の頼りを亡くし、市井に入ってからはあの通りだ。
自然に逆らい身体を縛り付け、悠に影響が及ばぬようにとひたすら耐え忍んできた人生は──どれだけ窮屈だったろう。
それらから解放された恋はとめどなく美しい。分厚い殻をひん剥けばこんなにもあどけない。
十数年積み重ねてきた我慢を一枚一枚剥ぎ取るたびに、俺は、きっとおまえに恋をした──。
「恋。なに」
唐突のことで眉間に力が入る。あくまで受けの姿勢だった恋が俺の頭部を手繰り寄せ、下から唇に吸い付いてきたのだ。それからも繰り返し可愛い音を立てて短く吸われ続けている。
鳥の求愛行動にこんなものがあったか……そんなことをぼんやり考えつつ試しに舌を差し出してみると、さらに上下唇を使ってねだってきた。
──甘え方、えろ……。
「なに。こんなふうに吸ってほしいの?」
「ん。でもここは、いや。今夜は廉にえっちなことされたくてこれ着てきたんだよ。だから怒らないで。ちゃんと……めちゃくちゃに、して」
──やば。
片腕を真横に一直線に押し出し、ようやっとここで階数ボタンを叩いた。箱はガタンと音を立て動きだす。
ただその弾みで蜜に埋まっていた指が啼きどころを擦り上げたようで、尋常ない締め付けとともに果てる前兆が肌に伝った。
「ぁ……ふあ。……んっ──!!」
即刻口を覆い塞いだのはいうまでもない。おまえよりずっと誰にも見せたくない──聴かせたくないのは、俺だ。
「ケープ握り締めてろ。色々隠しとけ」
「あ、うん……」
やがてエレベーターは指定階で停止し、あられもない姿の嫁を両腕で抱き上げて懐かしいフロアを爆走する。
今宵の宿泊部屋はかつてともに時を過ごしたCEO室、もとい例のスイートルームだった。京極社長が気を利かせて当時の部屋をリザーブしてくれたのだろう。
用済みのカードキーをその辺に放り投げ、玄関扉を潜ったすぐ横の壁に平手を打ちつける。当然、追い詰められた恋の瞳は揺れていた。その奥に燻っているものは恐怖や敵意でないことは熟知している。
「レ──っん!」
胸に収まりきらない激情を呑み込ませるように唇を繋げる、だいたいいつもこんな感じだ。キスで濡れそぼった唇は、グロスよりよほど旨そうだった。
「……なんか、あの日に戻ったみたい」
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