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解決編
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私は手帳を何回も見返し、考えをめぐらせた。あの狂気的な内容を解釈するには、私はあまりに俗物だった。俗物なりに私は考えた。あくまで事件を解くのが私の務め。私は彼女との対話内で事件に関するであろうことのみに注視した。
なので、リア及びコーデリアに関するところのみ情報を抽出した。
① 私は正直者の使徒なんですのよ。
② 私も彼も、星が大好きなんですの。
③ あの人も星のような(ステラーな)人でしたわ。
④ 私と彼とは星のつながりがあるんですの。
⑤ 星序列ではセカテー、へレス、ビリアが私の理想よ。
⑥ 彼がルナを狂わせたからよ。彼は本来セカテーの使いだったの……。しかし星を狂わせる魔性の持ち主だったわ。魅惑を許せなかった神は彼を序列の低い人間にしたの。でも神は慈悲深かった。彼へセカテーへ戻るチャンスを与えてくださった……。私たちは毎日ルナに祈ったわ……。最初、どんな形で訪れるかわからぬそのチャンスを待ち続けたわ。そして私は確信したんだんですの、それは殺意の形をしているのだと。私、人殺しが好きなんですの。まだ、その赤い果実を食したことはないのだけれども……。でも、それでセカテーに近づけるのですよ? 素敵だわ……。
⑦ 彼はそれを自分一人でやってのけたわ。ああ、けれども私、不安ですわ。彼が本当にセカテーの元に帰れるか。彼の心がソルに移り変わっていることを私は知っていたのです……。
⑧ 彼は最後の最後にルナに背いたわ……。彼はソルに媚びを売ったんだわ! 彼だって気づいていたはずですわ彼の今の腕はソルをつかむには短すぎる。なのに……彼はルナから、月から目をそらす形で輪廻を繰り返そうとした……! 彼は笑っていたわ。【僕はソルになりたい。】なんて言ったのよ……! 彼は魔方陣を完全に完成させたのに……。どうして最後に神を裏切ったの…。私、彼の転生への懺悔を見た瞬間悲しみのあまり気絶してしまいましたわ。所詮、この世で見えているものすべては虚ろよ。見えているもの全てが嘘なの……。なのに彼は幻想にすがったのだわ…。これは罪よ…。ツィアハ聖典に背く大事よ!
⑨ 彼と私はずっと生と死のワルツの上で踊り続けたわ。どちらかがバランスを崩しても調和を乱しはしない。けれども私たちは本来、相補的なペアだったの。
⑩ 私、今人を殺せるわ。
彼女が真に正直者の使徒だとしよう。私が最初に気になったのは
「セカテーに戻るには、いくつか条件があるのよ。セカテーは人間というもの酷く憎んでいるの。人間だけではないわ。多くの命の断片を捧げることでその怒りをおさめさせるのよ。多くの命を刈りつくすその前に、その心を確かめるために体に聖なる証を刻むのよ。そしてその証を受けたその体で死神のように野を駆ける……。まるで風車のように。そして血のにじみ尽くした証を魔方陣の元、捧げるのよ……」
という部分についてだ。現場にも巨大な魔方陣があった。では、彼が捧げた証とは?
「死体は生まれたままの姿で、ミノムシのように仰向けで、まるで断罪を受けた悪魔のよう」
「証とは? 」
「星が選んだ、美しい石、ガーネット……」
このことから遺体に証はない。つまり証はなくなった腕にあったのだ。
「リアの右腕の切断面には止血の跡があった。焼きごてで切断面が綺麗に処理されていた。激痛は走るがショックで死ぬことはないだろうな」
これと先ほどの⑦から右腕を切断したのはリア自身であることが分かる。では左腕を切断したのは誰だろうか?リアではないことは確かだ。切断は切れ味の悪いナイフで行われているのだから、片腕を失って、焼きごてによる処理で激痛を受けているリア自身では切断は不可能だ。ではコーデリアか?
しかし⑧から「私、彼の転生への懺悔を見た瞬間悲しみのあまり気絶してしまいましたわ」
と言っている。つまりコーデリアは腕を切断したリアを見て気絶している。左腕に焼きごてはあてられていないため、コーデリアが先に左腕を切断した可能性はない。
つまりコーデリアは腕の切断に関与していない。
では左腕を切断したのは誰か?ここで左腕を切断したのが第三者と考えられる。
それを裏付けるのは一つの矛盾だ。
「死体は生まれたままの姿で、ミノムシのように仰向けで」
これと⑧は矛盾している。儀式の手順には
「そしてそのまま一切動かずにただ、そう、ただルナのほうを向いて祈るのです。」
とある。⑧の「なのに…彼はルナから、月から目をそらす形で輪廻を繰り返そうとした……! 」
これから儀式の最後、リアはうつぶせでいたことが分かる。すると死体発見時の仰向けの状態と矛盾している。つまり第三者が左腕を切ったのだ。(腕が持ち去ることができるのも第三者だけだ。コーデリアには右腕を持ち去れても左腕は無理だ)
【右腕:リア 左腕:第三者】
エピローグ
男はただただひたすらに、走っていた。男は自分の名前すらわからなくなるほど偽名を使ってきた。顔も十回以上整形した。最近はずっと豪邸を強盗していた。これまでも誘拐、強盗、殺人、金のためになんでもやった。彼には金が必要だった。万能を司る神の天秤の片腕をへし折るほどの金が必要だった。
そんな時彼は奇妙な夫婦の狂った儀式を目の当たりにした。妻は倒れ、夫は自分で腕を切り瀕死だった。その腕には大きなガーネットがついていた。
左腕にも高価な時計と指輪があった。彼は狂戦士のように落ちていたナイフで左腕を切った。両腕を持って彼は走った。彼は高揚した気持ちを抑えられなかった。
しかし、彼はまだ気付いていなかった。命を吸い尽くし、星々に捧げられるはずだったガーネットの放つ耽美で邪悪な魅惑に。
なので、リア及びコーデリアに関するところのみ情報を抽出した。
① 私は正直者の使徒なんですのよ。
② 私も彼も、星が大好きなんですの。
③ あの人も星のような(ステラーな)人でしたわ。
④ 私と彼とは星のつながりがあるんですの。
⑤ 星序列ではセカテー、へレス、ビリアが私の理想よ。
⑥ 彼がルナを狂わせたからよ。彼は本来セカテーの使いだったの……。しかし星を狂わせる魔性の持ち主だったわ。魅惑を許せなかった神は彼を序列の低い人間にしたの。でも神は慈悲深かった。彼へセカテーへ戻るチャンスを与えてくださった……。私たちは毎日ルナに祈ったわ……。最初、どんな形で訪れるかわからぬそのチャンスを待ち続けたわ。そして私は確信したんだんですの、それは殺意の形をしているのだと。私、人殺しが好きなんですの。まだ、その赤い果実を食したことはないのだけれども……。でも、それでセカテーに近づけるのですよ? 素敵だわ……。
⑦ 彼はそれを自分一人でやってのけたわ。ああ、けれども私、不安ですわ。彼が本当にセカテーの元に帰れるか。彼の心がソルに移り変わっていることを私は知っていたのです……。
⑧ 彼は最後の最後にルナに背いたわ……。彼はソルに媚びを売ったんだわ! 彼だって気づいていたはずですわ彼の今の腕はソルをつかむには短すぎる。なのに……彼はルナから、月から目をそらす形で輪廻を繰り返そうとした……! 彼は笑っていたわ。【僕はソルになりたい。】なんて言ったのよ……! 彼は魔方陣を完全に完成させたのに……。どうして最後に神を裏切ったの…。私、彼の転生への懺悔を見た瞬間悲しみのあまり気絶してしまいましたわ。所詮、この世で見えているものすべては虚ろよ。見えているもの全てが嘘なの……。なのに彼は幻想にすがったのだわ…。これは罪よ…。ツィアハ聖典に背く大事よ!
⑨ 彼と私はずっと生と死のワルツの上で踊り続けたわ。どちらかがバランスを崩しても調和を乱しはしない。けれども私たちは本来、相補的なペアだったの。
⑩ 私、今人を殺せるわ。
彼女が真に正直者の使徒だとしよう。私が最初に気になったのは
「セカテーに戻るには、いくつか条件があるのよ。セカテーは人間というもの酷く憎んでいるの。人間だけではないわ。多くの命の断片を捧げることでその怒りをおさめさせるのよ。多くの命を刈りつくすその前に、その心を確かめるために体に聖なる証を刻むのよ。そしてその証を受けたその体で死神のように野を駆ける……。まるで風車のように。そして血のにじみ尽くした証を魔方陣の元、捧げるのよ……」
という部分についてだ。現場にも巨大な魔方陣があった。では、彼が捧げた証とは?
「死体は生まれたままの姿で、ミノムシのように仰向けで、まるで断罪を受けた悪魔のよう」
「証とは? 」
「星が選んだ、美しい石、ガーネット……」
このことから遺体に証はない。つまり証はなくなった腕にあったのだ。
「リアの右腕の切断面には止血の跡があった。焼きごてで切断面が綺麗に処理されていた。激痛は走るがショックで死ぬことはないだろうな」
これと先ほどの⑦から右腕を切断したのはリア自身であることが分かる。では左腕を切断したのは誰だろうか?リアではないことは確かだ。切断は切れ味の悪いナイフで行われているのだから、片腕を失って、焼きごてによる処理で激痛を受けているリア自身では切断は不可能だ。ではコーデリアか?
しかし⑧から「私、彼の転生への懺悔を見た瞬間悲しみのあまり気絶してしまいましたわ」
と言っている。つまりコーデリアは腕を切断したリアを見て気絶している。左腕に焼きごてはあてられていないため、コーデリアが先に左腕を切断した可能性はない。
つまりコーデリアは腕の切断に関与していない。
では左腕を切断したのは誰か?ここで左腕を切断したのが第三者と考えられる。
それを裏付けるのは一つの矛盾だ。
「死体は生まれたままの姿で、ミノムシのように仰向けで」
これと⑧は矛盾している。儀式の手順には
「そしてそのまま一切動かずにただ、そう、ただルナのほうを向いて祈るのです。」
とある。⑧の「なのに…彼はルナから、月から目をそらす形で輪廻を繰り返そうとした……! 」
これから儀式の最後、リアはうつぶせでいたことが分かる。すると死体発見時の仰向けの状態と矛盾している。つまり第三者が左腕を切ったのだ。(腕が持ち去ることができるのも第三者だけだ。コーデリアには右腕を持ち去れても左腕は無理だ)
【右腕:リア 左腕:第三者】
エピローグ
男はただただひたすらに、走っていた。男は自分の名前すらわからなくなるほど偽名を使ってきた。顔も十回以上整形した。最近はずっと豪邸を強盗していた。これまでも誘拐、強盗、殺人、金のためになんでもやった。彼には金が必要だった。万能を司る神の天秤の片腕をへし折るほどの金が必要だった。
そんな時彼は奇妙な夫婦の狂った儀式を目の当たりにした。妻は倒れ、夫は自分で腕を切り瀕死だった。その腕には大きなガーネットがついていた。
左腕にも高価な時計と指輪があった。彼は狂戦士のように落ちていたナイフで左腕を切った。両腕を持って彼は走った。彼は高揚した気持ちを抑えられなかった。
しかし、彼はまだ気付いていなかった。命を吸い尽くし、星々に捧げられるはずだったガーネットの放つ耽美で邪悪な魅惑に。
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