48 / 168
狼の遊戯
第48幕
しおりを挟む
地下室の密室は、異様な雰囲気であった。
まるで、ステージのように、赤いスポットライトを浴びるベッドが中央に鎮座している。部屋の隅の椅子に腰かけているのは、物言わぬ観客の男が一人。ステージ上には、全裸に剥かれ、目隠しと首輪のみを身に付けて、震えている被虐者が一人。その憐れな被虐者を取り囲むのは、名も無きエキストラである三人の男たちであった。
彼等は楽しげな笑い声をあげながら、勝った、負けた、と言い合っていた。彼等の口振りから、勝敗は決したのだと観客と被虐者にも伝わった。
薫の背後にいた男が、眼前の細い背中を押した。薫の両手の親指を拘束していた紐が解かれたが、このベッドの上から解放されるわけではなかった。
「……ひ、……ッ……」
片方の手首を前方に強く引かれ、違う腕は細身の腰を支えるように掴まれる。薫は複数の手によって、ベッドに這いつくばるような体勢にさせられ、腰だけ高く上げさせられた。
「オメガちゃん、お待たせー」
薫は、アナルに熱い肉の弾力を感じて、ビクンと腰を揺らした。
「いや、ひ、博己、いや、……」
「イヤじゃねーだろ、ひくつかせてんじゃん、」
狼は鞭痕が残る臀部を軽く叩いて、薄く笑う。確かに、薫のアナルは、雄を欲しがるようにひくついて、愛液を垂れ流していた。けれど、薫の肢体が欲している雄は、番の契約を取り交わした「響」であったし、薫の魂が求めているのは、運命の番である「博己」であった。そんなことなど、知るよしもない紅い瞳の狼は、無遠慮に熱く熟れた穴の中にペニスを潜り込ませていく。
「……ッーーー」
薫は声にならない悲鳴を上げ、心臓を凍えさせた。狼は熱い溜め息を吐いて、熱く絡み付く肉壁に満足そうにほくそ笑む。
「すげー、やっぱりオメガちゃんはメスなんだな、」
易々と男の太いペニスに飲み込んでいくアナルは、確かに膣の役目を持ったメスの器官である。他の二頭の狼たちは、その卑猥な光景に生唾を飲み込んだ。
「ほら、咥えろよ、」
薫の口先に、雄の生臭いペニスが押し付けられる。薫は拒否するように首を振り、カチャンカシャンと鎖の擦れる音を響かせた。薫を貫いたペニスが、ズリズリと体内を擦り始めて、薫は堪らず嬌声を上げた。
「や、いや、あ、……ぁ、ぁ、」
「こいつノリ悪すぎじゃねー?」
「ちょっとお仕置きしとく?」
不穏な提案を口にして、名案とばかりに、狼たちは顔を見合わせて笑い合う。
背後から腰を掴まれ、薫はされるがままに身体を起こされる。アナルに狼のペニスを咥え込んだまま、足を開かされれば、半勃ちのペニスが露になった。緩く扱かれて、薫は堪え切れずに甘く喘いだ。けれど、すぐに締め付けられるような痛みが走る。
「い、いたい……ッ……やめ、」
残酷なことに、薫のペニスは、紐できつく縛られて充血していた。
「俺らがイクまで、イクの禁止な」
理不尽なルールを押し付けられ、薫は再びベッドに押し倒させる。前方の男に鼻を摘ままれて、薫は息苦しくて唇を開いた。その隙間を抉じ開けるように、喉の奥を目掛けて固い異物が挿入される。
嘔吐感に喉をひくつかせた薫の前髪を、狼が鷲掴みにした。
「歯、立てるなよ、」
低い声で脅されて、薫は小さく悲鳴を上げた。
「ほら、こっちも扱けよ」
掴まれた手の先に、別の熱いペニスを握らされる。心臓は冷たく凍え、苦痛と嫌悪感に身体中が震える。それでも、酸欠気味の脳内に、熱い血液が流れ込み、薫の意識はスーと冷たく遠退いていく。
「はは、気合い入ってきたじゃん、」
「……ぁ、は、あ、……ッ」
薫の首筋から噎せ返るような濃密な匂いが沸き立ち始める。薫はくぐもった喘ぎ声を溢しながら、ダラダラと唾液を垂らし、咥えたペニスに舌を絡ませた。背後からは、ぐちゅぐちゅと水音を立てながら腰を打たれ、それに応えるように、淫らに自ら腰を振った。そうして、手に握らされたペニスを慰めるように指を絡めて扱き始める。
遂に発情促進剤が薫の全身を駆け巡り、薫の理性は消し飛んで、脳内がドーパミンに溺れていく。
「んん、……あ、あ、……」
狼たちはオメガの醜態にクックッと笑い合う。けれど、それ以上の言葉はなくなっていく。狼たちの赤い瞳の色が濃くなって、目の前のオメガに噛みつきたい衝動が掻き立てられ、低い呻き声を発し始めた。
気配の消えた観客が見守る中、オメガのヒートに誘発されるように、飢えた狼たちはラットしていったのだった。
まるで、ステージのように、赤いスポットライトを浴びるベッドが中央に鎮座している。部屋の隅の椅子に腰かけているのは、物言わぬ観客の男が一人。ステージ上には、全裸に剥かれ、目隠しと首輪のみを身に付けて、震えている被虐者が一人。その憐れな被虐者を取り囲むのは、名も無きエキストラである三人の男たちであった。
彼等は楽しげな笑い声をあげながら、勝った、負けた、と言い合っていた。彼等の口振りから、勝敗は決したのだと観客と被虐者にも伝わった。
薫の背後にいた男が、眼前の細い背中を押した。薫の両手の親指を拘束していた紐が解かれたが、このベッドの上から解放されるわけではなかった。
「……ひ、……ッ……」
片方の手首を前方に強く引かれ、違う腕は細身の腰を支えるように掴まれる。薫は複数の手によって、ベッドに這いつくばるような体勢にさせられ、腰だけ高く上げさせられた。
「オメガちゃん、お待たせー」
薫は、アナルに熱い肉の弾力を感じて、ビクンと腰を揺らした。
「いや、ひ、博己、いや、……」
「イヤじゃねーだろ、ひくつかせてんじゃん、」
狼は鞭痕が残る臀部を軽く叩いて、薄く笑う。確かに、薫のアナルは、雄を欲しがるようにひくついて、愛液を垂れ流していた。けれど、薫の肢体が欲している雄は、番の契約を取り交わした「響」であったし、薫の魂が求めているのは、運命の番である「博己」であった。そんなことなど、知るよしもない紅い瞳の狼は、無遠慮に熱く熟れた穴の中にペニスを潜り込ませていく。
「……ッーーー」
薫は声にならない悲鳴を上げ、心臓を凍えさせた。狼は熱い溜め息を吐いて、熱く絡み付く肉壁に満足そうにほくそ笑む。
「すげー、やっぱりオメガちゃんはメスなんだな、」
易々と男の太いペニスに飲み込んでいくアナルは、確かに膣の役目を持ったメスの器官である。他の二頭の狼たちは、その卑猥な光景に生唾を飲み込んだ。
「ほら、咥えろよ、」
薫の口先に、雄の生臭いペニスが押し付けられる。薫は拒否するように首を振り、カチャンカシャンと鎖の擦れる音を響かせた。薫を貫いたペニスが、ズリズリと体内を擦り始めて、薫は堪らず嬌声を上げた。
「や、いや、あ、……ぁ、ぁ、」
「こいつノリ悪すぎじゃねー?」
「ちょっとお仕置きしとく?」
不穏な提案を口にして、名案とばかりに、狼たちは顔を見合わせて笑い合う。
背後から腰を掴まれ、薫はされるがままに身体を起こされる。アナルに狼のペニスを咥え込んだまま、足を開かされれば、半勃ちのペニスが露になった。緩く扱かれて、薫は堪え切れずに甘く喘いだ。けれど、すぐに締め付けられるような痛みが走る。
「い、いたい……ッ……やめ、」
残酷なことに、薫のペニスは、紐できつく縛られて充血していた。
「俺らがイクまで、イクの禁止な」
理不尽なルールを押し付けられ、薫は再びベッドに押し倒させる。前方の男に鼻を摘ままれて、薫は息苦しくて唇を開いた。その隙間を抉じ開けるように、喉の奥を目掛けて固い異物が挿入される。
嘔吐感に喉をひくつかせた薫の前髪を、狼が鷲掴みにした。
「歯、立てるなよ、」
低い声で脅されて、薫は小さく悲鳴を上げた。
「ほら、こっちも扱けよ」
掴まれた手の先に、別の熱いペニスを握らされる。心臓は冷たく凍え、苦痛と嫌悪感に身体中が震える。それでも、酸欠気味の脳内に、熱い血液が流れ込み、薫の意識はスーと冷たく遠退いていく。
「はは、気合い入ってきたじゃん、」
「……ぁ、は、あ、……ッ」
薫の首筋から噎せ返るような濃密な匂いが沸き立ち始める。薫はくぐもった喘ぎ声を溢しながら、ダラダラと唾液を垂らし、咥えたペニスに舌を絡ませた。背後からは、ぐちゅぐちゅと水音を立てながら腰を打たれ、それに応えるように、淫らに自ら腰を振った。そうして、手に握らされたペニスを慰めるように指を絡めて扱き始める。
遂に発情促進剤が薫の全身を駆け巡り、薫の理性は消し飛んで、脳内がドーパミンに溺れていく。
「んん、……あ、あ、……」
狼たちはオメガの醜態にクックッと笑い合う。けれど、それ以上の言葉はなくなっていく。狼たちの赤い瞳の色が濃くなって、目の前のオメガに噛みつきたい衝動が掻き立てられ、低い呻き声を発し始めた。
気配の消えた観客が見守る中、オメガのヒートに誘発されるように、飢えた狼たちはラットしていったのだった。
10
あなたにおすすめの小説
【完結】愛されたかった僕の人生
Kanade
BL
✯オメガバース
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
お見合いから一年半の交際を経て、結婚(番婚)をして3年。
今日も《夫》は帰らない。
《夫》には僕以外の『番』がいる。
ねぇ、どうしてなの?
一目惚れだって言ったじゃない。
愛してるって言ってくれたじゃないか。
ねぇ、僕はもう要らないの…?
独りで過ごす『発情期』は辛いよ…。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
✻改稿版を他サイトにて投稿公開中です。
あなたと過ごせた日々は幸せでした
蒸しケーキ
BL
結婚から五年後、幸せな日々を過ごしていたシューン・トアは、突然義父に「息子と別れてやってくれ」と冷酷に告げられる。そんな言葉にシューンは、何一つ言い返せず、飲み込むしかなかった。そして、夫であるアインス・キールに離婚を切り出すが、アインスがそう簡単にシューンを手離す訳もなく......。
被虐趣味のオメガはドSなアルファ様にいじめられたい。
かとらり。
BL
セシリオ・ド・ジューンはこの国で一番尊いとされる公爵家の末っ子だ。
オメガなのもあり、蝶よ花よと育てられ、何不自由なく育ったセシリオには悩みがあった。
それは……重度の被虐趣味だ。
虐げられたい、手ひどく抱かれたい…そう思うのに、自分の身分が高いのといつのまにかついてしまった高潔なイメージのせいで、被虐心を満たすことができない。
だれか、だれか僕を虐げてくれるドSはいないの…?
そう悩んでいたある日、セシリオは学舎の隅で見つけてしまった。
ご主人様と呼ぶべき、最高のドSを…
売れ残りオメガの従僕なる日々
灰鷹
BL
王弟騎士α(23才)× 地方貴族庶子Ω(18才)
※ 第12回BL大賞では、たくさんの応援をありがとうございました!
ユリウスが暮らすシャマラーン帝国では、平民のオメガは18才になると、宮廷で開かれる選定の儀に参加することが義務付けられている。王族の妾となるオメガを選ぶためのその儀式に参加し、誰にも選ばれずに売れ残ったユリウスは、国王陛下から「第3王弟に謀反の疑いがあるため、身辺を探るように」という密命を受け、オメガ嫌いと噂される第3王弟ラインハルトの従僕になった。
無口で無愛想な彼の優しい一面を知り、任務とは裏腹にラインハルトに惹かれていくユリウスであったが、働き始めて3カ月が過ぎたところで第3王弟殿下が辺境伯令嬢の婿養子になるという噂を聞き、従僕も解雇される。
ウサギ獣人を毛嫌いしているオオカミ獣人後輩に、嘘をついたウサギ獣人オレ。大学時代後輩から逃げたのに、大人になって再会するなんて!?
灯璃
BL
ごく普通に大学に通う、宇佐木 寧(ねい)には、ひょんな事から懐いてくれる後輩がいた。
オオカミ獣人でアルファの、狼谷 凛旺(りおう)だ。
ーここは、普通に獣人が現代社会で暮らす世界ー
獣人の中でも、肉食と草食で格差があり、さらに男女以外の第二の性別、アルファ、ベータ、オメガがあった。オメガは男でもアルファの子が産めるのだが、そこそこ差別されていたのでベータだと言った方が楽だった。
そんな中で、肉食のオオカミ獣人の狼谷が、草食オメガのオレに懐いているのは、単にオレたちのオタク趣味が合ったからだった。
だが、こいつは、ウサギ獣人を毛嫌いしていて、よりにもよって、オレはウサギ獣人のオメガだった。
話が合うこいつと話をするのは楽しい。だから、学生生活の間だけ、なんとか隠しとおせば大丈夫だろう。
そんな風に簡単に思っていたからか、突然に発情期を迎えたオレは、自業自得の後悔をする羽目になるーー。
みたいな、大学篇と、その後の社会人編。
BL大賞ポイントいれて頂いた方々!ありがとうございました!!
※本編完結しました!お読みいただきありがとうございました!
※短編1本追加しました。これにて完結です!ありがとうございました!
旧題「ウサギ獣人が嫌いな、オオカミ獣人後輩を騙してしまった。ついでにオメガなのにベータと言ってしまったオレの、後悔」
花喰らうオメガと運命の溺愛アルファ
哀木ストリーム
BL
αからの支配から逃げるには、この方法しかなかった。
Ωの辰紀は、αが苦手とする強い匂いを放つ花を、ヒートが始まる前から祖母に食べさせられていた。
そのおかげでヒート中にαに襲われることから逃れていた。
そして祖母が亡くなったある日。両親に売られてしまった祖母の形見を探しに骨董品屋に向かうと、先に祖母の形見を集めているαの有栖川竜仁と出会う。彼を騙して祖母の形見を回収しようとしていたが、彼には花の匂いが効かなかった。それどころか両親が隠したはずの首輪の鍵を持っていて、番にされてしまう。
「その花は、Ωを守る花ではない。喰らわれるのは君の方だよ」
花の中毒症状から救おうと手を差し伸べる竜仁。
彼は、祖母を苦しめたαの孫だと知りーー。
11月から更新します。
【完結】後宮に舞うオメガは華より甘い蜜で誘う
亜沙美多郎
BL
後宮で針房として働いている青蝶(チンディエ)は、発情期の度に背中全体に牡丹の華の絵が現れる。それは一見美しいが、実は精気を吸収する「百花瘴気」という難病であった。背中に華が咲き乱れる代わりに、顔の肌は枯れ、痣が広がったように見えている。
見た目の醜さから、後宮の隠れた殿舎に幽居させられている青蝶だが、実は別の顔がある。それは祭祀で舞を披露する踊り子だ。
踊っている青蝶に熱い視線を送るのは皇太子・飛龍(ヒェイロン)。一目見た時から青蝶が運命の番だと確信していた。
しかしどんなに探しても、青蝶に辿り着けない飛龍。やっとの思いで青蝶を探し当てたが、そこから次々と隠されていた事実が明らかになる。
⭐︎オメガバースの独自設定があります。
⭐︎登場する設定は全て史実とは異なります。
⭐︎作者のご都合主義作品ですので、ご了承ください。
☆ホットランキング入り!ありがとうございます☆
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる