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12月24日(月)
第72話
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「佑介、」
「……ん、もうちょい」
肩をゆるゆると揺すられた。覚醒しかかった頭で、煩わしい男の手を払い除けて、布団を被って身体を丸めた。
暁斗の部屋に泊まった朝は、いつもこうして起こされている気がする。それでも、温かい布団の中で心地好い惰眠を捨てることはできずにいる。ストレスフルの日常の中で、休日に思う存分に睡眠を貪るのが、俺の数少ない楽しみのひとつだからだ。
背後で男の小さな溜め息が聞こえた気がした。
「……なんだ?」
ギシリとベッドが揺れて、布団が引っ張られた。外気が布団の中に入り込んできて、少し寒い。
「佑介が起きないなら、俺も寝ようかな」
独り言のように呟いて、背後から暁斗が布団に入り込んでくる。
「お好きにどうぞ」
顔だけ振り返って、微笑むと手元の布団を引っ張って、温かな布団を取り返した。
睡魔に身を任せようと目を瞑る。丸めた背中に暁斗の体温が伝わってきて、居心地が好いような、少しくすぐったいような。
大きな手が髪を撫でてきて、眠ってもいいと言われているようで、安堵の息を吐き出す。けれど、頭を撫でていた手がうなじに下りて、背中をなぞり、やんわりと腰を擦った。シャツの中に手を入れられて、腹を撫でられれば、急に尿意が沸き上がってきて、とても眠っていられなくなる。
暁斗は、端から寝る気などない。
「わかった、起きるよ」
降参して、頭だけ振り返る。それで、終りだと思ったが、暁斗は腹を撫でていた手をするりと股間に伸ばしてきて、ゆるく撫でてきた。
意図を察して苦笑いする。
「するか?」
キョトン顔で、惚ける暁斗の顔が可笑しくて、男の股間に手の甲を軽く押し当てる。平常時よりは少し固い感触がした。暁斗が薄く笑って、再び手を滑らせてシャツを捲り上げようとしてくる。その悪戯な手を掴んで離させると、身体を起こした。暁斗が玩具を取り上げられた子供のように、恨めしそうに見上げてくるものだから、苦笑いしてしまう。
「先にシャワーしてくるよ」
「そうですか」
不満そうな暁斗の頭をポンポンと軽く撫でて、ベッドから抜け出した。
やはり随分と遅起きだったらしい。日が上るのが遅い冬の朝でも、窓からは、すっかり明るい光が差し込んできていた。
「……ん、もうちょい」
肩をゆるゆると揺すられた。覚醒しかかった頭で、煩わしい男の手を払い除けて、布団を被って身体を丸めた。
暁斗の部屋に泊まった朝は、いつもこうして起こされている気がする。それでも、温かい布団の中で心地好い惰眠を捨てることはできずにいる。ストレスフルの日常の中で、休日に思う存分に睡眠を貪るのが、俺の数少ない楽しみのひとつだからだ。
背後で男の小さな溜め息が聞こえた気がした。
「……なんだ?」
ギシリとベッドが揺れて、布団が引っ張られた。外気が布団の中に入り込んできて、少し寒い。
「佑介が起きないなら、俺も寝ようかな」
独り言のように呟いて、背後から暁斗が布団に入り込んでくる。
「お好きにどうぞ」
顔だけ振り返って、微笑むと手元の布団を引っ張って、温かな布団を取り返した。
睡魔に身を任せようと目を瞑る。丸めた背中に暁斗の体温が伝わってきて、居心地が好いような、少しくすぐったいような。
大きな手が髪を撫でてきて、眠ってもいいと言われているようで、安堵の息を吐き出す。けれど、頭を撫でていた手がうなじに下りて、背中をなぞり、やんわりと腰を擦った。シャツの中に手を入れられて、腹を撫でられれば、急に尿意が沸き上がってきて、とても眠っていられなくなる。
暁斗は、端から寝る気などない。
「わかった、起きるよ」
降参して、頭だけ振り返る。それで、終りだと思ったが、暁斗は腹を撫でていた手をするりと股間に伸ばしてきて、ゆるく撫でてきた。
意図を察して苦笑いする。
「するか?」
キョトン顔で、惚ける暁斗の顔が可笑しくて、男の股間に手の甲を軽く押し当てる。平常時よりは少し固い感触がした。暁斗が薄く笑って、再び手を滑らせてシャツを捲り上げようとしてくる。その悪戯な手を掴んで離させると、身体を起こした。暁斗が玩具を取り上げられた子供のように、恨めしそうに見上げてくるものだから、苦笑いしてしまう。
「先にシャワーしてくるよ」
「そうですか」
不満そうな暁斗の頭をポンポンと軽く撫でて、ベッドから抜け出した。
やはり随分と遅起きだったらしい。日が上るのが遅い冬の朝でも、窓からは、すっかり明るい光が差し込んできていた。
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