聖女だって癒やされたいっ！〜週末は日本で〜

聖女、ビジネスホテルで癒やされる

「そういえば、泊まる所を決めてなかったわね」

　スイーツを堪能した後、ガイドブックを見ながらあちこち歩き回っていたら既に夕方になっていた。

「こっちのホテルってどんな感じなんだろう？　定宿は正直あんまり良くないんだよね」

　聖女としての任務に瘴気に侵された場所を浄化する、というのがある。

　この任務は護衛の騎士がいたり神官がいたりとかなりの大掛かりで１日では終わらない。

　当然泊まる事になるんだけど、近くに街があった場合、教会指定の定宿があり聖女専用の部屋があるんだけどコレが質素な部屋で必要最低限な物しか置いてなくて洒落っ気が１つもない。

　ふと神官の部屋を覗き見したらそっちの方が豪華でムカッと来たよ。

　コレだったら野宿でテントで寝た方がマシってぐらいだ。

　私はガイドブックと財布の中身と相談してあるビジネスホテルにやってきた。

　こっちの世界にはホテルと言っても色々あるみたいで豪華なホテルから庶民向けのホテルがあるらしい。

　私はホテルに入り受付でチェックインした。

　カードキーを受け取って部屋に向かった。

「へぇ～、凄い清潔」

　部屋に入って驚いたのは見事なまでの清潔感。

「ベッドもフカフカだし、トイレやお風呂も用意されてるなんて言う事無し！」

　私はベッドにダイブして大の字になった。

「そういえば、この黒い機械、テレビだっけ？　何か見れるのかしら？」

　私はテレビに備え付けてあるリモコンでテレビのスイッチをつけた。

「ひゃっ！？」

　いきなり画面から音楽が流れて人が現れたので驚きの声をあげた。

「あぁ～、なるほど。これがこの世界での娯楽な訳ね」

　まぁなんとなく理解した私はリモコンのボタンを操作しながらいろんな番組を見た。

　こっちの言語はまだ完全に理解はしてないから何を言っているかはわからないけどなんだか楽しそうな感じがした。