放置された公爵令嬢が幸せになるまで

こうじ

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遠くの身内よりも近くの他人

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「おばちゃ~ん、野菜が出来たからおすそ分け~」

「アイネスちゃん、ありがとね~。アイネスちゃんとこのお野菜は美味しいのよ~。これ家の旦那が採ってきた鳥肉よ」

「ありがとう~」

「こんな心優しい子をずっと放置してるなんて公爵様達はどうかしてるよ……」

 私が家族に放置されても平気だったのは領民のみんなの支えがあったからだ。

 私がお腹が空いてフラフラと歩いていたら声をかけてくれてトウモロコシとかを分けてくれた。

 曰く『最初は浮浪児かと思った』らしい。

 まぁ服はボロボロだし髪はボサボサだし公爵令嬢とは思えない格好をしていた。

 きっかけは何かはわからないけど私が公爵令嬢だと知った時の領民は流石に驚いていた。

 そして私の事情を知って泣いてくれた。

 家族が去ってからは領民達が私の様子を見に来てくれて色々お世話になっている。

 おかげで特に不自由なく現在まで暮らしている。

「そういえば王都では聖女選定で盛り上がっているみたいよ」

「聖女?」

「今年は100年に一度の聖女様が現れる年だからねぇ、貴族令嬢が集められているみたいよ」

 私、声かけられてない……。

「でも私からしてみれば貴族の道楽みたいなもんよ、聖女様が現れようが私達の暮らしには影響が無いからね」

「ですよね~、私も興味無いです」

 聖女と言えば世界を救う救世主みたいなイメージだけど今は平和だからなぁ~。

 シンボルみたいな感じかなぁ。

 まぁ私には関係無いからいっか。

 この時、私は知らなかった。

 家族が聖女関連でトラブルを起こし自滅していた事を。

 
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